JPS6321931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、曲げ加工における治具構造に関す
るものである。

一般に、鋼板を曲げ加工するには、製品の形状
や大きさから定められた専用の治具が必要であ
り、多種類の製品をプレス加工するにはそれぞれ
各別に治具を用意せねばならなかつた。また、曲
げ加工において、特にＵ（）曲げにおいて加工
後に治具が材料を離れたときには、はね返り（ス
プリングバツク）現象が生じ、製品の精度上に悪
影響を及ぼす欠点があつた。

本考案は、このような従来の難点を解決したも
のであり、曲げ加工における治具に汎用性を持た
せ、かつスプリングバツクを自動的に矯正できる
ようにした治具構造を要旨とするものである。こ
の目的を達成させるために本考案は、一対のベン
ドダイが、基台にダイホルダを介して水平方向に
開閉自在に保持されると共に、両端部の支持軸を
介してこの支持軸回りに互いに相反方向に回転可
能に支持され、かつ前記ベンドダイの内側面の下
部には、ベンドパンチが下降したときにこのベン
ドパンチに押されて前記ベンドダイの上部を閉じ
る方向に回転させる傾斜面がそれぞれ形成され、
前記ダイホルダの内側面の下部には、前記ベンド
ダイの回転時にその外側面の下部を受止するため
のストツパ用の傾斜面がそれぞれ形成され、前記
基台の上面中央部の両側には、前記ベンドダイの
回転時にその内側面の下部を受止するための傾斜
面がそれぞれ形成された構成を特徴とするもので
ある。

以下、図示の実施例により本考案を具体的に説
明すると、１，１′は一対のベンドダイであり、
基台２に固定されたガイドプレート３，３′に対
して開閉方向Ａにスライド自在に保持され、かつ
両端部の支持軸１ａ，１a′を介して回転可能に支
持されている。即ち、ガイドプレート３，３′の
対向内面側にはそれぞれガイド溝３ａ，３a′が横
方向（図の左右方向）に設けられており、このガ
イド溝に前記ベンドダイ１，１′の両端の支持軸
１ａ，１a′がそれぞれ摺動可能に嵌合している。
また、ベンドダイ１，１′の外側面は傾斜面１ｂ，
１b′に形成され、内側面の下部には内向きの傾斜
面１ｃ，１c′がそれぞれ形成されている。４，
４′は一対のダイホルダであり、例えば調整ネジ
機構５，５′によつて前記ベンドダイ１，１′の開
閉方向Ａに対して直角方向Ｂに移動できるように
なつており、その内側面は前記ベンドダイ１，
１′の傾斜面１ｂ，１b′と向きが相反する傾斜面
４ａ，４a′がそれぞれ形成されている。また、こ
の傾斜面４ａ，４a′の下部にはストツパ用の傾斜
面４ｂ，４b′がそれぞれ設けられている。６，
６′は基台２に固定されたガイドプレートであり、
その内側にはガイド溝６ａ，６a′がそれぞれ形成
され、このガイド溝に前記ダイホルダ４，４′の
外側面が摺動自在に嵌合している。なお、前記基
台２の上面中央部の両側には、内向きの傾斜面２
ａがそれぞれ形成されている。

この考案は上記のように構成され、前記一対の
ダイホルダ４，４′を調整ネジ機構５，５′によつ
て同時に同方向に移動させると、ベンドダイ１，
１′を開閉することができる。そして、ベンドダ
イ１，１′を所定の間隔に設定した後、ベンドパ
ンチ７でプレス加工するとブランク（金属板）８
は曲げられ、これが下降する際にベンドダイ１，
１′の前記傾斜面１ｃ，１c′を押してベンドダイ
１，１′を支持軸１ａ，１a′回りにそれぞれ矢印
Ｃ，Ｄ方向に回動させる。このとき、ベンドダイ
１，１′の底面は前記基台２の傾斜面２ａに当接
すると共に、外側面は前記ダイホルダ４，４′の
傾斜面４ｂ，４b′に受止されて停止し、折曲され
た製品８′の両端上部はベンドダイ１，１′の回動
によつて更に内向きの加圧力を受けることにな
る。この加圧力は製品８′のスプリングバツクを
考慮してなされ、スプリングバツクの戻り量だけ
内向きに折り曲げるようにしてある。

この後、ベンドパンチ７を上昇させると共に、
製品８′を押し上げて取り出すが、この製品の押
し上げの際にベンドダイ１，１′はプレス時とは
逆方向に回動させられて旧位に復するようになつ
ている。

以上説明したように、この考案はベンドダイを
開閉自在に構成したので、各種寸法のＵ曲げ加工
に適用することができ、また曲げ加工時にベンド
ダイが回動してＵ曲げ製品の上端部を内方に押圧
し、スプリングバツクの戻り量を考慮したので製
品の曲げ加工精度を高く維持することができ、そ
の効果はきわめて顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る治具を用いた装置の平
面図、第２図は立面図、第３図は曲げ加工時の状
態図である。 １，１′……ベンドダイ、１ａ，１a′……支持
軸、２……基台、３，３′……ガイドプレート、
４，４′……ダイホルダ、５，５′……調整ネジ機
構、６，６′……ガイドプレート、７……ベンド
パンチ、８……ブランク、８′……製品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対のベンドダイが、基台にダイホルダを介し
   て水平方向に開閉自在に保持されると共に、両端
   部の支持軸を介してこの支持軸回りに互いに相反
   方向に回転可能に支持され、かつ前記ベンドダイ
   の内側面の下部には、ベンドパンチが下降したと
   きにこのベンドパンチに押されてベンドダイの上
   部を閉じる方向に回転させる傾斜面がそれぞれ形
   成され、前記ダイホルダの内側面の下部には、前
   記ベンドダイの回転時にその外側面の下部を受止
   するためのストツパ用の傾斜面がそれぞれ形成さ
   れ、前記基台の上面中央部の両側には、前記ベン
   ドダイの回転時にその内側面の下部を受止するた
   めの傾斜面がそれぞれ形成されたことを特徴とす
   る曲げ加工における治具構造。