JPS6321236A - ＣａＯ−Ｐ↓２Ｏ↓５−Ｂ↓２Ｏ↓３系結晶化ガラス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は歯科材料等として最適であるリン酸カルシウム
の結晶を含有するＣａＯ・二Ｐ２Ｏ６−Ｂ２Ｏ３系結晶
化ガラス医用材料に関するものである。

〔従来の技術〕

近年セラミックの応用範囲の拡大は目ざましく医用分野
にまで適用が及んでおり、従来は金属、プラスチックが
主に使用されて来た医用材料、例えば人工歯根等へもセ
ラミックの応用が試みられている。

本発明者らは生体に対する親和性を有するセラミンク材
料を探し出し、それを任意の形状に自由にかつ高精度に
成形して高強度セラミックを製造する方法に関して研究
を重ねた結果、リン酸カルシウム系材料を素材として選
択することにより、それが可能であることを見出し、そ
れについて鋭意研究を重ねている。

リン酸カルシウム系材料は生体硬組織と類似した組織、
構造を有し生体置換材料として最適である。特にリン酸
カルシウム結晶化ガラスは複雑な形状への成形性が優れ
、且つ高い機械的強度を有するため、人工骨、人工歯根
、人工歯冠等への応用が期待されている。

〔発明が解決しようとする問題〕

リン酸カルシウムは生体組織に類似した組織と構造を有
するため比較的強い生体活性を示す。これはとりも直さ
ず生体との親和性あるいは馴染が優れていることである
が、用途によっては、むしろ生体活性を抑制した方が好
ましい場合もある。

例えば人工歯冠のような場合は、生体との直接的結合は
必要とされず、むしろ唾液等の侵食性液体中での化学的
安定性が要求されるのである。

このような目的に対しては、リン酸カルシウム中のＣａ
ＯとＰ２Ｏもの組成比を調整する方法によって解決が図
られてきたが、組成比の変更は構成する結晶の種類が変
わる場合も起こり、より簡便で本質的な解決方法が求め
られている。

〔問題点を解決するための手段〕

リン酸カルシウム系結晶化ガラスの製造方法はまず原料
混合物を融解してリン酸カルシウムガラスを製造してお
き、次いで必要に応じて、このガラスを鋳造し、熱処理
を加えて結晶化ガラスとするのであるが、リン酸カルシ
ウムの化学的安定性を考える場合には、ガラス状態での
保存中に大気中の水分による劣化、変質に対する安定性
と、結晶化ガラスとした場合の唾液等による侵食に対す
る安定性の両方を考慮しなければならない。

本発明者等はＣａＯ−Ｐ２０５２成分系組成にＢ２Ｏ３
を加えて３成分系とすることにより、上記の両方の安定
性を得ることに成功したものである。即ち、ＣａＯ１５
〜５５重量％、Ｐ　２０　ｓ　３０〜８０重量％、８２
０３３〜３０重量％よりなることを特徴とするＣａＯ−
Ｂ２Ｏ６−Ｂ２０３系結晶化ガラスである。

〔作用〕

リン酸カルシウムはガラス状態ではＰ’−０−Ｐ結合で
連続した鎮状構造を持っているが、ガラスのネットワー
ク中のカチオン／酸素の値が高く、ガラス構造中に分岐
点が多く現れ、それが他のイオンと結合しようとする傾
向を持つ結果として、安定性の欠如となる。

しかしながら、このリン酸カルシウムガラスにＢ２Ｏ３
を加えると、カチオン／酸素の値が低下し、構造的に安
定化するので、ガラスが大気中の水分等に対して反応し
にく＼なり、安定となるのである。

一方、結晶化した際には、結晶自体が化学的に安定であ
ると同時に、残存するガラスも安定でなければならない
。ＣａＯ−Ｐ２０５２成分系組成にＢ２Ｏ３を加えるこ
とによって、生成する結晶はリン酸カルシウム系結晶中
では化学的に最も安定なＣａＯ−Ｐ２０Ｉｌ＋と、Ｂ２
Ｏ３・Ｐ２０ＩＸが主体となり、しかもマトリックスの
ガラスも先に述べたようにＢ２Ｏ３の効果によって安定
化するので、結晶化ガラスは著しく安定となる。

〔発明の構成〕

本発明の出発原料は酸化カルシウムあるいは水酸化カル
シウム、炭酸カルシウム、シュウ酸カルシウムなど焼成
によってＣａＯを生成するカルシウム含有化合物と、リ
ン酸、ポリリン酸など同じ（焼成によってリンの酸化物
を生成するリン含有化合物およびホウ酸類、無水ホウ酸
など焼、成して酸化ホウ素（Ｂ２０３）となるようなホ
ウ素含有化合物が用いられる。またリン酸カルシウム、
アパタイトなどのリンおよびカルシウムの三者を含有す
る化合物も使用出来る。

カルシウム、リンおよびホウ素それぞれを含有する化合
物の１種あるいは２種以上を選び、ガラスの組成がＣａ
Ｏ１５〜５５重量％、Ｐ　２０　ａ　３０８０重量％、
さらに、Ｂ２Ｏ３は３〜３０重量％、好ましくは１０〜
２５重量％となるように原料を採取秤量する。

ＣａＯ５５重量％以上あるいはＰ　２０　＋、　３０重
量％未満では熔融温度が高くなり、かつガラス化しない
。逆にＣａＯ１５重量％未満またはＰ　２０　ｓ　８０
重量％以上では溶融温度が低下すると同時にガラス化も
容易になるが、結晶化処理が離しくなり、かつ過剰のリ
ン酸が遊離して化学的に不安定となり好ましくない。一
方Ｂ２Ｏ３の含有量が３０重量％を越えると溶融温度が
高くなり、また３重量％未満とすると化学的安定性の向
上に寄与しないのでいずれも好ましくない。

本発明のリン酸カルシウム系ガラスは、基本的にはＣａ
、ＡＩおよびＢの３成分から構成されるが、本発明の方
法により製造された結晶化ガラスを歯冠材料として使用
する場合は、天然の歯牙と同じ色沢とするために着色剤
成分を加えることも出来る。着色剤成分を加える場合に
はＺｎ、Ｆｅ。

Ｍｎ、Ｗ、Ｃｅ、Ｔｉ、Ｎ＋、Ｃｏ、Ｃｒ、Ｖの酸化物
の中から選ばれた１種あるいは２種以上を使用し、特に
２種以上を組合せて使用することが＝６− 好ましい。その添加量はＣａＯ１Ａ！２０３およびＢ２
Ｏ３３成分系酸化物の１圓重量部に対して、０．０１〜
１５重量部とする。

原料配合は秤量後よく混合し、容器に入れ９００６Ｃ以
上、好ましくは１０００〜１７００°Ｃに加熱して溶融
する。溶融は１８００°Ｃ以上となるとリン成分の蒸発
が顕著となるので注意が必要である。

溶融終了後冷却ガラス化する。続いて再度溶融して鋳造
するのであるが、最初の溶融物を一旦冷却ガラス化せず
、直接鋳造してもよい。本発明のＣａＯ−Ａ１２０３−
Ｂ２０３３成分系材料の場合精密鋳造成形のため歯材鋳
造用金属において行なわれるロストワックス法が適して
いる。鋳造型の予熱温度は８０ロ６Ｃ以下、好ましくは
２００〜８００６Ｃの範囲で鋳造型の材質、ガラス質の
組成により適宜選択される。

このようにして鋳造された鋳造物はガラス質である。こ
のガラス質の材料に適切な熱処理を加えて結晶化ガラス
質とすることにより一段と特性を向上させることができ
る。本発明による３成分系結晶化ガラスの結晶化方法は
、ロストワックス法などにより成形された成形体を電気
炉などの適当な加熱装置中で加熱する。この際の加熱温
度は融点以下の温度、好ましくは５００〜９００’Ｃで
あり、ガラスの組成により適宜選択される。

〔実施例〕

実施例　１ 炭酸カルシウム粉末、無水ホウ酸粉末および正リン酸を
最終組成がＣａＯ２５重量％、Ｐ　２　ＯＦ、　６３重
量％、８２０３１２重量％となるように秤量し、よく混
練した後白金ルツボ中１３５０°Ｃの温度でｌｈｒ熔融
し、３　ｘ　４　ｘ３６ｍｍの棒状に鋳造し冷却ガラス
化した。得られたガラス体は電気炉中で７５０°Ｃ３ｈ
ｒ保持し結晶化した。

得られた結晶化ガラスは白色半透明であり、Ｘ線回折の
結果によれば、ＣａＣＩＰｚＯｓおよびＢ２Ｏ３・Ｐ２
Ｏ５の結晶より構成されていた。

また３点曲げ強さくスパン３０ｍｍ）は、ガラス１００
０〜１２００１（８７０ｍ２、結晶化ガラス１３００〜
１５００Ｋｇ／ｃｍ２であった。

調製した試料の化学的安定性を見るため、ガラスおよび
結晶化ガラスを乳酸の１％水溶液に１週間浸漬させた後
の３点曲げ強さを測定すると、ガラスは１０５（１〜１
２００ｈ／ｃｍ２、結晶化ガラスは１３００〜１５００
Ｋｇ／ｃｍ２てあった。

比較例　１ 最終組成がＣａＯ２８重量％、Ｐ　２　Ｏｒ、、　７２
重量％となるように炭酸カルシウム粉末および正リン酸
を秤量し、実施例１と全く同様にして溶融、鋳造および
結晶化した。

比較例で得られた結晶化ガラスも白色半、透明であった
が、結晶はＣａＣｌＰ２Ｏ５，２ＣａＯ−Ｐ２Ｏ５およ
び３ＣａＯ・Ｐ２Ｏ５の混合相より構成されていた。ま
た３点曲げ強さは、ガラスが１０５０〜１２００Ｋｇ／
ｃｍ２、一方、結晶化ガラスは１３００〜１５００Ｋｇ
／ｃｍ２であった。また、乳酸の１％水溶液に１週間浸
漬させた後の３点曲げ強さは、ガラスが３５０〜６００
　Ｋｇ／ｃｍ”、結晶化ガラスは５５０〜９５０　Ｋｇ
／ｃｗ１２であった。

〔発明の効果〕

一９＝ 実施例にみられるように、本発明のＣａＯ−Ｐ２Ｏ６Ｂ
２Ｏ３系結晶化ガラスは強度も大であり、乳酸溶液に浸
漬してもガラスおよび結晶化ガラスいずれも強度の低下
は起こらず、化学的安定性は高いが、Ｂ２Ｏ３を含まな
い比較例では試験液による侵食が原因でガラスと結晶化
カラスのどちらも強度の大幅な低下が起っており、本発
明のＢ２Ｏ３の効果がはっきり現れている。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ＣａＯ１５〜５５重量％、Ｐ＿２Ｏ＿５３０〜８０重量
   ％、Ｂ＿２Ｏ＿３３〜３０重量％よりなることを特徴と
   するＣａＯ−Ｐ＿２Ｏ＿５−Ｂ＿２Ｏ＿３系結晶化ガラ
   ス。