JPS63211326A - 高い圧縮強度を有する黒鉛繊維 - Google Patents

高い圧縮強度を有する黒鉛繊維

Info

Publication number
JPS63211326A
JPS63211326A JP3574387A JP3574387A JPS63211326A JP S63211326 A JPS63211326 A JP S63211326A JP 3574387 A JP3574387 A JP 3574387A JP 3574387 A JP3574387 A JP 3574387A JP S63211326 A JPS63211326 A JP S63211326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
elastic modulus
graphite
yarn
graphite fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3574387A
Other languages
English (en)
Inventor
Keizo Ono
小野 惠三
Kenji Mitsuyasu
光安 研二
Mototada Fukuhara
福原 基忠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=12450302&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPS63211326(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP3574387A priority Critical patent/JPS63211326A/ja
Priority to EP19880301424 priority patent/EP0279687B1/en
Priority to DE19883855003 priority patent/DE3855003T2/de
Publication of JPS63211326A publication Critical patent/JPS63211326A/ja
Priority to US07/930,196 priority patent/US5269984A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/14Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments
    • D01F9/20Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from polyaddition, polycondensation or polymerisation products
    • D01F9/21Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from polyaddition, polycondensation or polymerisation products from macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D01F9/22Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from polyaddition, polycondensation or polymerisation products from macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds from polyacrylonitriles

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高い圧縮強度を有する黒tAI繊維、更に詳し
くはプラスチックをマトリックスとした複合材料の性能
向上に関する。
[従来の技術] 炭素繊維は、比強度ヤ比弾性率が金属材料などに比べ高
いので、近年、ゴルフシャフト、釣竿などのスポーツ・
レジャー分野や宇宙航空用途を主体に、軽量構造材とし
て大量に使用されるに至っている。その需要の拡大に伴
って、品質の一層の向上が望まれており、最近、引張強
度の改善には大きな進歩が見られているが、圧縮強度が
同時に向上せず、引張・圧縮のバランスが不均衡になる
という問題が生じている。
特に弾性率の高い黒鉛41if/11にあっては、その
剛性を有効に活用し、−filの軽但化効果を実現する
ためにはより薄肉の構造材とすることが一般的であるが
、このような場合には圧縮強度が制約条件となることが
多い。
ところで、炭素繊維は良く知られているように。
セルロース、ポリアクリロニトリル、ピッチなどの有機
繊維を不活性ガス中で高温で焼成することによって得ら
れる。一般には最終の焼成温度は1000℃以上であり
、特に黒鉛繊維においては2000℃を越えることもあ
る。
また、特にポリアクリロニトリルを出発原料とする場合
、原糸製造段階では高い延伸倍率を適用し、高度に配向
した構造を与え、かつ、これを緊張下に保って焼成する
ことが高強度、高弾性率の炭素繊維を得るための重要な
要件であることが広く知られている。炭素はその結晶構
造として、ダイヤモンド構造とグラファイト構造の二種
類をとり得るが、炭素muは一般に網面の積層した@造
よりなるグラフフィト構造を示す。このグラファイト構
造は一般的な金属の結晶構造などと比較すると極めて異
方性の強いものであり、網面を繊維軸方向に選択的に配
向させることにより、w4紐軸方向の力学特性を高めて
いる。
高い引張強度を実現するためには、これら結晶構造の完
全性を高めることも重要でおるが、一方。
単w4維間の接着や、異物、不純物1機械的損傷などの
表層欠陥を排除することが極めて重要であり、改めて例
示するまでもなく9強度向上に関して数多くの改良技術
が提案されている。
E発明が解決しようとする問題点] しかしながら、炭素繊維の圧縮強度に関する改善につい
ては、これまで殆ど検討、提案された例を見ることがで
きない。僅かに特開昭59−118203号公報中に、
単糸デニールを太くすると圧縮強度が改善されるとの記
載が見られる程度である。
確かに、繊維強化複合材料において、それを構成する繊
維の太さが圧縮強度に作用することは考えられる。
しかしながら、炭素繊維のような脆性材料にあっては、
繊維径が太くなると2反って欠陥を内在する確率が高く
なり、高強度を実現することが困難となる。また、炭素
IM雑の焼成は同相における熱分解反応であるから、繊
維径が太いものは均一に焼成することの困難さが一層増
すばかりでなく、反応速度を必然的に低くする必要があ
ることから経済的にも不利となる。
従って、これまでは本質的な解決を繊維に求めようとす
るよりも、より剛性の高いマトリックスに期待すること
が多いこともあって、炭素m雄側から圧縮強度を向上さ
せようとする試みは殆どなされてなかった。
本発明者らは、このような従来技術に対し、炭素繊維の
内部構造に着目し、これを適正化することにより、複合
材料として高い圧縮強度を実現することに関して鋭意検
討し、本発明に至ったものでおる。特にその対象として
は弾性率が35t/lll1112以上の所謂、黒鉛繊
維である。その理由は例えばポリアクリロニトリル系炭
素繊維においては、弾性率が高くなるに従い複合材料の
圧縮強度が極端に低下する傾向が見られるためである。
また既述したように、弾性率の高い炭素繊維は実用上、
より薄肉構造材としてその特徴を発揮することが期待さ
れているが、圧縮強度が用途拡大の障害となっている場
合が多いためである。従って、本発明の目的は炭素繊維
の弾性率を低下させることなく、圧縮強度を向上させ、
複合材料における設計上の自由度を更に拡げることを可
能とする黒鉛繊維を提供するにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の上記目的は、弾性率が35 t/mm2以上で
ある黒鉛繊維において、広角X線回折の炭素網面の(0
02)面に対する回折の半価幅より求めた結晶サイズL
c(入)がその弾性率E (t/mm2)との関係にお
いて下記(I>式を満足し、かっ。
本文中に規定するX線小角散乱より求められるミクロボ
イドの半径が20Å以下であることを特徴とする高い圧
縮強度を有する黒鉛繊維。
L  ≦9X10  E−3x10” ・・・・・・・・・(I) によって達成できる。
本発明者らの検討の主眼は如何にして弾性率を高く保ち
、かつ圧縮強度の低下を防止するかにあった。炭素繊維
を用いた複合材料の圧縮強度が低くなる原因は、繊維自
体の構造にあるとの認識に立ち、その構造を制御するこ
とを検討した。
すなわち、炭素(グラファイト)の結晶は網面の積層し
た構造よりなり、極めて異方性の強いもので必る。従っ
て、引張には強くとも、剪断座屈には極めて弱いことは
容易に理解できる。しかも弾性率を発現させるためには
、この異方性を高めることが最も有効である。しかしな
がら、本発明の目的からすれば、異方性の発達は好まし
くない結果をもたらすことも同様に明らかである。従っ
て、異方性の発達を抑制しつつ、かつ弾性率を発現させ
ることが必要であり、前記したように、結晶のサイズを
その弾性率との関係において可能な限り小さくおさえ、
一方、ミクロボイドの生成を抑制し、緻密な構造とする
ことにより達成できることを見出したものである。
本発明における結晶サイズLc1およびミクロボイドの
半径は次の測定法に従った。
(1)結晶サイズし。
広角X線回折法により、常法に従いグラフ1イト網面の
面指数(002>に相当する2θ=26°付近の回折ピ
ークにおける半価幅から下記の式を用いて痺出する。
L =λ/βocO3θ  ・・・・・・(イ)ただし
、λは用いたX線の波長(人、ここではCuKαを用い
、この場合λ= 1.5418人)C0=βE −β1 (β1は測定した見掛の半価幅、β1は装置定数で、こ
こでは1.05 xlo’rad )、θはBragg
の回折角である。
(2)ミクロボイドのサイズ X線小角散乱のパターンから以下の手順によって測定す
る。
小角散乱の測定に当っては、繊維軸と垂直方向の散乱が
計測されるよう、試料を平行に引揃え、コロジオン溶液
で固め、繊維軸がX線スリットの長手方向と平行になる
ようセットする。
理学電機(株) RO−200型X線発生装置を用い、
グラファイト製モノクロメータで単色化したCLJKα
線を使用する。
得られた小角散乱のパターンから a、入射X線ビームの影響を除去するため、散乱光2θ
=O°〜0.75°の範囲の実質的な散乱強度を2θ=
0.75°〜1.25°の散乱強度から次の5次関数を
仮定し、近似する。
I(h)=Σa・h   ・・・・・・(ロ)ま ただし、ここでh=(4π/λ) Sinθであり、a
・ (i =0. 、 、 、 、5)は各次数の定数
で2θ=0.75°〜1.25°の範囲の散乱強度から
最小二乗法により決定する。
b、散乱パターンに含まれるバックグラウンドを除去す
るため、散乱角2θ=5.5°〜6.0°の散乱強度を
用い、先に定義したhとからh3に対し、I (h) 
 ・h3をプロットする。この結果を直線と見做し、そ
の勾配を最小二乗法により求め、この値をバックグラウ
ンド散乱強度とする。
I (h)よりバックグラウンドを差引いて散乱パター
ンとする。
C0次にH,Deutsch、 )1.Lubanの方
法に基ツきスリット補正を行なう[必要があればJ、 
Apl) I 、 cryst、VOlll、 9.8
7 (’78 )など参照]。この際、入射X線の形状
は長方形を仮定する。
d、かくして前記(1)〜(3)の補正後の散乱強度I
 (h)に対し、次式に基づくフーリエ変換を行なう。
ただし、ここでhlIlaxは散乱角2θ=5°に対す
るhの値とする。
このようにして求められたP(r)の最大値を与えるr
の値をrmaxとするとき、ボイドの断面形状を円と仮
定すると、ボイド断面の直径りは次式により求めること
ができる。
D= rmax /’o、 525 次に本発明繊維の製造例をポリアクリロニトリルを出発
原料とした黒鉛繊維について述べる。
既述したように、本発明繊維の第一の要件は、結晶のサ
イズを特定の値より小ざく止めることにある。本発明者
らの検討によれば、グラフ1イトの結晶サイズは、焼成
熱腹歴の中で、特に最高温度の影響を受けることが明ら
かとなった。即ち、低温で焼成されたものは、その結晶
サイズが小さい。従って、可能な限り低温で焼成するこ
とが重要である。しかしながら、所望の弾性率が得られ
なければならない。そこで、低温で焼成しても弾性率の
上がり易い構造を前以て与えておく必要がある。
その意味で、まず第一に原糸ポリマの共重合1の選択が
重要でおる。即ち、共重合量が多くなると、所謂ガラス
転移点が下がり、分子鎖が熱緩和を生じ易くなり、焼成
の過程、特に初期の耐炎化の過程で原糸の配向構造が乱
され、結果として弾性率が上げ難いものとなる。従って
、共重合Mは一定の値より小さくしておく必要がある。
しかも共重合成分がアクリロニトリルに比し、高高いも
の、即ち分子量の大なるものにあっては、この緩和効果
が大きいので、モル分率で規定するより重量分率で規定
する方がより適切である。本発明におってはその上限は
8訂%であり、好ましくは4wt%以下とすべきで必る
さて、次に重要なのは原糸の緻密性でおる。本発明にお
いては最終の黒鉛繊維が緻密であることが特徴であるが
、そのためには出発原料でおる原糸がすでに緻密な構造
であることが不可欠である。
原糸の緻密性は以下のヨウ素吸着量によって評価できる
すなわち、ヨウ素50!j 、 2.4−ジクロロフェ
ノール10g、酢酸90(1,およびヨウ化カリウム1
00(Jを秤量し、水で希釈し、水溶液として1リツト
ルとする。該水溶液100m1に乾燥試料0゜5gを浸
漬し、60±0.5℃で50分吸着処理を行なう。試料
は処理後、流水中で30分水洗後、遠心脱水する。脱水
した試料を100m1のジメチルスルホキシドに加温溶
解し、1/10規定の硝酸銀水溶液で電位差滴定により
ヨウ素の濃度を求め、乾燥試料に対するヨウ素吸着量を
算出する。
ヨウ素の吸着量は、原糸内に存在するミクロボイドある
いは構造的に粗な部分(7)量に対応する。
従って、緻密な黒鉛繊維を得ようとする場合には、原糸
自体が緻密であることが望ましく、上記ヨウ素の吸着量
は少ないことが望ましい。本発明の目的を達成するため
には、その値は3wtxa下、より好ましくは2wt%
以下である。
原糸のヨウ素吸着量は、主として製糸条件の中、紡出・
凝固条件、延伸条件、および付与する油剤に左右される
。即ち、湿式紡糸における凝固に際してはなるべくドラ
フトが小さくなるように2口金寸法や紡糸速度を設定す
る必要がある。その意味では紡糸原液の濃度は高い方が
好ましく、また湿式紡糸法よりは吐出糸を一旦空気中に
走行させる乾湿式紡糸の方が、凝固剤に接触する以前の
空気中の流動状態で細化が起り、実質的なドラフトが小
さくなり、容易に緻密な原糸が得られるので好ましい。
延伸は緻密な原糸を得る目的からは、乾燥以前の湿潤状
態での延伸を単糸間の接着を生じさせない範囲で、出来
る限り高倍率とし、高温で延伸することが好ましい。ま
た、乾燥以前に適用する油剤は膨■状態の糸条の内部に
拡散浸透し、緻密性を阻害することがあるので、なるべ
く分子量の大なるものを選定する必要がある。撥水性の
高いシリコン系の油剤はこの点本発明には好適である。
このようにして、緻密なアクリル繊維を形成させた後、
焼成して黒鉛繊維に転換する工程の流れは、通常の焼成
技術と同様である。即ち、酸化性雰囲気での熱処理によ
る耐炎化を施し、次いで不活性雰囲気中で少なくとも8
00℃以上の炭化処理を施した後、ざらに高温で黒鉛化
処理を施すことからなる。ただし、この過程で次のよう
な条件を採用することが必要でおる。
耐炎化は通常200〜300℃の空気中で加熱すること
により、ポリアクリロニトリルを環化、および酸化する
ことによって耐熱性を向上させる工程でおる。かくして
環化、酸化されたポリアクリロニトリルはその化学的な
構造の変化に従い、吸湿性を示すことが知られており、
吸着水分量はその反応量の指標でもある。本発明の高圧
縮強度を有する緻密な黒鉛繊維を得るためには、この反
応mはある程度低く抑えることが必要である。例えば、
特公昭44−21175公報などの教えに従えば、耐炎
化では実質的に完全に酸素が内部に浸透するまで行なう
ことが好ましいとされているが、本発明者らの検討によ
れば、その理由は必ずしも明確ではないが、酸素の浸透
が多過ぎると、その後の炭化工程でミクロボイドの生成
が多く、比重の低いものとなる傾向が強いことが認めら
れた。
さて、ここで耐炎化繊維の吸着水分量は以下のようにし
て求めることができる。耐炎化糸を同相共存硫酸アンモ
ニウム水溶液を下部に入れたデシケータ中に室温で約1
6時間放置し、平衡吸着に達した水分量を重量法により
算出する。
先のように、十分酸素が浸透するまで耐炎化した場合に
は、この値は10数%にも達するが、本発明の目的を達
成するためにはこの1直は7%以下とするのがよい。下
限は特に限定されないが、低過ぎると炭化収率が低下し
、コスト高になるし、また更に低くなると炭化時に糸切
れを生じるなど生産に支障を来たすので、3〜4%程度
以上が好ましい。
次に重要なのは焼成工程で配向緩和を極力抑えることで
ある。一般に炭素繊維用原糸は高度の延伸倍率で延伸し
、配向の高い繊維としたものが用いられるが、この配向
が焼成の途中で緩和してしまうと無意味となる。特に、
耐炎化の初期において原糸の配向の緩和が生じ易いので
、これを防止することが肝要である。通常原糸であるポ
リアクリロニトリルのX線による配向度は85%以上、
好ましくは90%以上のものが用いられる。
この原糸における配向は、得られる炭化糸のグラファイ
ト結晶に反映されることは間違いないが、炭素繊維とし
て必要なのはグラファイト構造の配向度である。一般に
耐炎化を施したものについては、ニトリル基の環化構造
連鎖の生成により、X線回折を行なうと既にグラファイ
ト網面に相当する回折パターンが認められる。本発明の
目的を達成するためには、原糸の配向度の如何に拘らず
、得られる耐炎化糸のグラファイト網面の面指数(00
2)に相当する回折より求められる配向度が78%以上
、好ましくは80%以上となるようにすべきである。こ
こでの配向度が高いことが、より低温でグラフ1イトの
結晶構造の発達を抑制しつつ、高い圧縮強度を有する黒
鉛m維を得ようとする本発明の目的を実現するのに極め
て重要なことである。
この耐炎化糸の配向度の値を制御する工程要因としては
下記のものを挙げることができる。叩ち、耐炎化の温度
、張力のほか、耐炎化の雰囲気などである。温度は高い
と、環化に先立ちポリアクリロニトリルの配向緩和が先
ず生じるので好ましくないし、張力はできる限り高く保
つべきである。
耐炎化の雰囲気については、理由は明確ではないが、酸
素濃度が15%よりも下回ると配向の高い、即ち黒鉛化
した時に弾性率の発現し易い耐炎化糸を得ることができ
ない。
もちろん、この他に原糸の配向度を高めておくこと、単
繊維デニールはなるべく細いものを使用すること、また
既述したように共重合成分のωはなるべく少なくするこ
となどの配慮も単質でめるる。
かくして得られた耐炎化繊維は常法により炭化、黒鉛化
される。当然のことながら、炭化、黒鉛化の過程におい
ても配向を緩和させるような条件は避けるべきである。
即ち、各工程での張力はできる限り高く保つことが必要
であるが、上述した本発明の耐炎化糸を用いることによ
り、従来のものに比べて低温で弾性率の高い黒鉛繊維を
冑ることができる。
[発明の効果] 上述した如く、本発明の黒鉛繊維は結晶サイズが小さく
、かつミクロボイドの少ない構造を有する点に特徴があ
る。これによりプラスチックをマトリックスとした複合
材料において、圧縮強度が100 K(1/ mm2以
上となり、従来の黒鉛繊維に比較して弾性率が低下する
ことなく圧縮強度が一段と向上し、力学特性が均衡化し
たため、軽量構造材としてより一層の薄肉軽量化が図れ
るという。
顕著な効果を奏する。
[実施例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 アクリロニトリル99%、メタクリル酸1%(重囲)よ
りなるアクリロニトリル系重合体をジメチルスルホキシ
ド(以下、DI(30)溶液中で常法により重合し、[
η]=1.8(45℃における溶液粘度600ボイズ)
の重合体溶液を1qだ。
これを直径Q、 2mm、孔数3000の口金を用い、
一旦空気中に吐出し、ついで30%、15℃のDMSO
水溶液に導き凝固させた。
凝固糸は水洗、熱水延伸後、アミノシロキ1ノーンを主
成分とする油剤を付与し、乾燥緻密化後、5゜5 Kg
/ mm2Gの加圧スチーム中で延伸し、全倍率12.
4倍、単糸繊度0,7dの原糸を採取した。
この原糸は強度7.5g/d 、伸度11.8%1本文
中に記載した方法で求めたヨウ素吸着最は1゜2%であ
った。X線回折により求めた配向度は91.4%であっ
た。
1qられた原糸を240℃の加熱空気中、伸長率1.0
8倍の緊張熱処理を5分間施し、次いで250〜270
°Cの温度勾配を有する加熱空気中で耐炎化を施した。
耐炎化繊維の水分率は5.8%、X線回折によるグラフ
1イト網面に相当するグラファイト前集体@造の配向度
は82.3%であった。
かくして得られた耐炎糸を400〜1300’Cの温度
勾配を有する窒素雰囲気にシールされた炭化炉に、原長
よりも短くならないよう緊張下に保持して炭化し、ざら
に最高温度2250℃で黒鉛化処理を行なった。
得られた黒鉛化繊維の強度はJIS−R−7601に従
って含浸ストランド法によって求め、450Kg/mm
2.弾性率40 t/mm2と、極めて強度の高い黒鉛
化糸が得られた。
同系の比重は1.81.X線回折によって求めたグラフ
ァイト網面の配向度は87.5%、結晶サイズ(Lo>
は36人であった。一方、小角散乱から韓出されたミク
ロボイドのサイズは15人であった。
この様に、ここに得られた黒鉛化繊維は結晶サイズが比
較的小さく、かつミクロボイドも小さい、即ち、構造的
に緻密な黒鉛化m維であることが確認された。
上記黒鉛化繊維を用いて、三弗化硼素モノエヂルアミン
を配合したエポキシ樹脂(商品名;エピコート828.
シェル製)をマトリックスとし、繊維含有率約60%で
常法により複合材料テストピースを作成し、コンポジッ
ト評価を行なった。
引張強度は240KCI/ mm2.曲げ強度は170
に!11/ m1l12.圧縮強度は140 Kq/ 
mm2で必り、特に弾性率の高い黒鉛化糸を用いた複合
材料としては圧縮強度の極めて高いものであることが認
められだ。
実施例2 実施例1と同一ポリマを用い、総孔数6000 で1口
金吐出孔径を0.05+〜0075mmψの範囲内で、
また凝固引取速度を変更することにより紡糸の実質ドラ
フトを変更して、湿式紡糸法によりブレカーザを製造し
た。
なお、ここで実質ドラフトとは凝固条件における引取速
度(Vi )と自由吐出線速度(Vf )との比、  
VB−/ Vfである。
その他の条件は実施例1に準じたが、ドラフトによって
は全延伸倍率12.4倍の設定が不能のものがあり、そ
の場合は可能な限り高倍率に設定した。
また黒鉛化温度はほぼ弾性率が40℃/lnm2になる
ように、各水準について設定した。
主要条件と得られた結果を第1表に示す。
×104ということであるが、結晶サイズ(L  )に
すると39.1Å以下に相当する。原糸の緻密性が低く
、ヨウ素吸着の大なるものは弾性率が高くなり難く、黒
鉛化温度を上げる必要があり、Lcが大、ミクロボイド
の大なるものとなり、結果的にコンポジットの圧縮強度
が低くなることがわかる。
(以下、余白) 実施例3 実施例2の実験No、 3で1昇られた原糸を用い、耐
炎系水分率を4〜9%、黒鉛化時の最高温度を2000
〜2850℃、延伸比を0.95〜1゜12の範囲内に
変更して、第2表および図に示すような弾性率の異なる
黒鉛化糸を得た。
なお、図は実施例3で得られた黒鉛化糸の結晶サイズL
 (入)と2弾性率E (t/mm2)との関係を示し
、図中の実線は本発明規定の(I)式、添字は本例の実
験No、を示す。
(以下、余白)
【図面の簡単な説明】
図は実施例3で得られた黒鉛化糸の結晶サイズL (人
)と1弾性率E (t/mm2) ト(Dr’A係ヲ示
す。 (符号の説明)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 弾性率が35t/mm^2以上である黒鉛繊維において
    、広角X線回折の炭素網面の(002)面に対する回折
    の半価幅より求めた結晶サイズL_c(Å)がその弾性
    率E(t/mm^2)との関係において下記( I )式
    を満足し、かつ、本文中に規定するX線小角散乱より求
    められるミクロボイドの半径が20Å以下であることを
    特徴とする高い圧縮強度を有する黒鉛繊維。 L_c^3≦9×10^3E−3×10^5………(
    I )
JP3574387A 1987-02-20 1987-02-20 高い圧縮強度を有する黒鉛繊維 Pending JPS63211326A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3574387A JPS63211326A (ja) 1987-02-20 1987-02-20 高い圧縮強度を有する黒鉛繊維
EP19880301424 EP0279687B1 (en) 1987-02-20 1988-02-19 Graphite fiber
DE19883855003 DE3855003T2 (de) 1987-02-20 1988-02-19 Graphitfaser
US07/930,196 US5269984A (en) 1987-02-20 1992-08-14 Process of making graphite fiber

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3574387A JPS63211326A (ja) 1987-02-20 1987-02-20 高い圧縮強度を有する黒鉛繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS63211326A true JPS63211326A (ja) 1988-09-02

Family

ID=12450302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3574387A Pending JPS63211326A (ja) 1987-02-20 1987-02-20 高い圧縮強度を有する黒鉛繊維

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0279687B1 (ja)
JP (1) JPS63211326A (ja)
DE (1) DE3855003T2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03180514A (ja) * 1988-12-26 1991-08-06 Toray Ind Inc アクリル系炭素繊維およびその製造方法
JPH04333620A (ja) * 1990-12-25 1992-11-20 Toray Ind Inc 炭素繊維およびその製造方法
WO2007018136A1 (ja) 2005-08-09 2007-02-15 Toray Industries, Inc. 耐炎繊維、炭素繊維およびそれらの製造方法
JPWO2007069511A1 (ja) * 2005-12-13 2009-05-21 東レ株式会社 炭素繊維、炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法、および、炭素繊維の製造方法
JP2009221619A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Toho Tenax Co Ltd 前駆体繊維、並びに、前駆体繊維、耐炎化繊維及び炭素繊維の製造方法
JP2012246596A (ja) * 2012-07-24 2012-12-13 Toho Tenax Co Ltd 前駆体繊維、並びに、前駆体繊維、耐炎化繊維及び炭素繊維の製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR0156870B1 (ko) * 1989-09-05 1998-12-01 마에다 가쓰노스케 비원형단면 탄소섬유의 제조방법 및 이를 이용한 복합재료
JP3601581B2 (ja) 1999-06-11 2004-12-15 東洋紡績株式会社 バナジウム系レドックスフロー電池用炭素電極材

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54112214A (en) * 1978-02-16 1979-09-03 Toho Rayon Co Ltd Production and device for high-tensile and high-modulus graphite fibers
JPS575922A (en) * 1980-06-09 1982-01-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd Preparation of graphite fiber
JPS57121623A (en) * 1981-01-20 1982-07-29 Mitsubishi Rayon Co Ltd Preparation of graphite fiber

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1110791A (en) * 1964-04-24 1968-04-24 Nat Res Dev The production of carbon fibres
GB1093084A (en) * 1965-03-16 1967-11-29 Union Carbide Corp Manufactured graphite yarn
JPS58214534A (ja) * 1982-06-09 1983-12-13 Toray Ind Inc 高強伸度炭素繊維束およびその製法
WO1985001752A1 (en) * 1983-10-13 1985-04-25 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Carbon fibers with high strength and high modulus, and process for their production

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54112214A (en) * 1978-02-16 1979-09-03 Toho Rayon Co Ltd Production and device for high-tensile and high-modulus graphite fibers
JPS575922A (en) * 1980-06-09 1982-01-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd Preparation of graphite fiber
JPS57121623A (en) * 1981-01-20 1982-07-29 Mitsubishi Rayon Co Ltd Preparation of graphite fiber

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03180514A (ja) * 1988-12-26 1991-08-06 Toray Ind Inc アクリル系炭素繊維およびその製造方法
JPH04333620A (ja) * 1990-12-25 1992-11-20 Toray Ind Inc 炭素繊維およびその製造方法
WO2007018136A1 (ja) 2005-08-09 2007-02-15 Toray Industries, Inc. 耐炎繊維、炭素繊維およびそれらの製造方法
US7976945B2 (en) 2005-08-09 2011-07-12 Toray Industires, Inc. Flame resistant fiber, carbon fiber and production method thereof
JPWO2007069511A1 (ja) * 2005-12-13 2009-05-21 東レ株式会社 炭素繊維、炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法、および、炭素繊維の製造方法
JP4957251B2 (ja) * 2005-12-13 2012-06-20 東レ株式会社 炭素繊維、炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法、および、炭素繊維の製造方法
JP2009221619A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Toho Tenax Co Ltd 前駆体繊維、並びに、前駆体繊維、耐炎化繊維及び炭素繊維の製造方法
JP2012246596A (ja) * 2012-07-24 2012-12-13 Toho Tenax Co Ltd 前駆体繊維、並びに、前駆体繊維、耐炎化繊維及び炭素繊維の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE3855003T2 (de) 1996-06-27
EP0279687A3 (en) 1991-04-03
EP0279687A2 (en) 1988-08-24
DE3855003D1 (de) 1996-03-28
EP0279687B1 (en) 1996-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ji et al. Structural evolution of polyacrylonitrile precursor fibers during preoxidation and carbonization
EP1130140A1 (en) Acrylonitril-based precursor fiber for carbon fiber and method for production thereof
JPWO2019244830A1 (ja) 炭素繊維およびその製造方法
JPS63211326A (ja) 高い圧縮強度を有する黒鉛繊維
US5269984A (en) Process of making graphite fiber
JP2010242249A (ja) 高強度炭素繊維用耐炎化繊維及びその製造方法
JPWO2019172247A1 (ja) 炭素繊維束およびその製造方法
JP2002266173A (ja) 炭素繊維および炭素繊維強化複合材料
JP5811305B1 (ja) 炭素繊維およびその製造方法
JP3890770B2 (ja) 炭素繊維束、およびその製造方法
JPH01124629A (ja) 高い圧縮強度を有する黒鉛繊維
JP7447788B2 (ja) 炭素繊維束およびその製造方法
JP4271019B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JP2006283225A (ja) 耐炎化繊維及び炭素繊維の製造方法
JPS6141326A (ja) 炭素繊維製造用プレカ−サ−の製造方法
JPH02264011A (ja) 黒鉛繊維製造用アクリル系繊維
JP2707845B2 (ja) アクリロニトリル系黒鉛化繊維の製造方法
KR102197333B1 (ko) 폴리아크릴로니트릴계 내염화 섬유, 탄소섬유 및 그의 제조방법
JPS58220821A (ja) 高強伸度アクリル系炭素繊維束およびその製造法
JP5842343B2 (ja) 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法
JP4754855B2 (ja) 耐炎化繊維の製造方法、炭素繊維の製造方法
JP4088543B2 (ja) 高強度炭素繊維及びその製造方法
JP3457774B2 (ja) 樹脂との界面接着力に優れた高弾性炭素繊維の製造方法
WO2024090012A1 (ja) 炭素繊維束、トウプレグ、炭素繊維強化複合材料および圧力容器、および炭素繊維束の製造方法
JPH1181039A (ja) 炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維およびその製造方法