JPS6320890Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は空気調和機に関し、特に吹出口部に
上下に回動調整可能な風向き変更羽根を備える天
井吊り形，壁掛け形空気調和機において、この風
向き変更羽根を含む吹出口部周辺での結露とその
滴下を阻止するための羽根角度調整装置に係るも
のである。

〔従来技術〕

従来例によるこの種の空気調和機における吹出
口部として、例えば特公昭57−33496号公報に記
載の吹出口部の構成を第１図に示す。すなわち，
この第１図において、吹出口部１は上板２と下板
３とで形成される吹出口４にあつて、前面側に断
熱層６をもつ下部案内壁５を設けると共に、吹出
口４のほゞ中央部には、水平方向の支軸８を中心
に板面を上下に回動し得る風向き変更羽根７を配
置させ、この風向き変更羽根７の傾斜角度θによ
り、空気調和された風の吹出し方向を設定するよ
うになつている。

こゝで一般に、空気調和される室内の温度分布
を考慮するとき、冷房時には風向き変更羽根７を
水平に設定して、冷やされた風を水平方向に吹出
させ、暖房時には風向き変更羽根７を下向きに設
定して、暖められた風を下向き方向に吹出させる
ようにするのであるが、特に風呂上りとか、夏季
に外出先から帰つたときなどのように、冷風を直
接身体に受けるなどのために、冷房時でも風向き
変更羽根７を下向きに設定する場合がある。

そしてこのような場合、従来構成において、風
向き変更羽根７をある角度θ以上下向きに設定さ
せて長時間冷房運転すると、第２図に示したよう
に、風向き変更羽根７の表面７ａに結露を生じ、
この結露が滴下されるという問題があつた。この
現象は風向き変更羽根７の表面７ａに風が流れず
に、しかも羽根自体が冷やされて、同表面７ａが
空気の露点温度以下になるからであり、また一方
でこのように風向き変更羽根７を配置させるの
は、運転稼動させないときに、第３図に示すよう
に、この風向き変更羽根７によつて吹出口４を閉
じるという、機能上およびデザイン上の目的があ
るためであつて、このことから風向き変更羽根７
の表面７ａには断熱層６を形成しないのが常であ
る。

〔考案の概要〕

この考案は従来のこのような欠点に鑑み、冷房
時に長時間に亘り風向き変更羽根が下向きのまゝ
で使用された場合にあつて、この風向き変更羽根
を、その表面に結露を生ずる以前に自動的に上向
きに切換えるようにして、結露およびその滴下を
阻止できるようにしたものである。

〔考案の実施例〕

以下この考案に係る空気調和機の一実施例につ
き、前記第１図ないし第３図，ならびに第４図な
いし第７図を参照して詳細に説明する。

第４図実施例は羽根角度調整装置の概要を示し
ており、前記支軸８は電動機９により回動可能に
されて前記風向き変更羽根７の角度調整をなし得
るようになつていて、羽根角度検出のために、支
軸８上には、周面の所定の角度範囲に接片１２を
配した絶縁円板１１と、所定位置でこの周面に接
するスイツチ１３とからなる角度検出器１０を配
置させ、冷房時に羽根表面７ａにも冷風が流れて
いる間、つまり第５図にみられるように、風向き
変更羽根７が結露の心配のない角度範囲であると
ころの，角度0゜から角度θまでの位置範囲に設定
されている間は、スイツチ１３が開路され、また
羽根表面７ａを冷風が流れなくなつて、結露の惧
れのある角度θから角度90゜までの位置範囲では、
スイツチ１３が閉路されるようにしてある。また
第６図は前記電動機９の回路結線を示し、この回
路に組込まれた制御器１４には、前記角度検出器
１０のスイツチ１３の閉路により作動され、結露
もしくはその滴下を生ずるに至る設定時間を経た
後にリレー１６を励磁し、作動接点１７を閉路し
て前記電動機９を回転駆動させるタイマ１５が設
けられている。

従つてこの実施例構成の場合、冷房運転時にあ
つて、冷風を直接受けるためなどの目的で、風向
き変更羽根７を下向きにすると、角度検出器１０
のスイツチ１３が閉路され、このスイツチ１３の
閉路により制御器１４のタイマ１５が作動を開始
する。そしてこの状態のまゝタイマ１５に設定さ
れた時間内に冷風を直接受ける目的が達成され、
下向きにされた風向き変更羽根７が元に戻されゝ
ばよいが、そのまゝ継続されてタイマ１５が設定
時間に達したときには、このタイマ１５によつて
リレー１６が励磁され、その開閉接点１７が閉路
されて電動機９を回転駆動させ、風向き変更羽根
７を元の位置，こゝでは冷房運転時の所定位置で
あるところの，水平方向に自動的に復帰させるの
であり、この復帰状態ではスイツチ１３も開路さ
れることになる。すなわち，このようにして冷房
運転時に風向き変更羽根７を所定位置から下向き
にしたとしても、その羽根表面７ａに結露もしく
はその滴下を生ずる以前において、この風向き変
更羽根７を再度自動的に所定位置に復帰させるこ
とができるのである。なお、このように風向き変
更羽根７を自動的，かつ強制的に復帰させても、
下向きにする動機として、その殆んどが冷風を直
接身体に受けるような一時的な要求だけであるか
ら、特に使用者に対して問題を生ずることはな
い。

また前記実施例においては、下向きにされた風
向き変更羽根の表面に結露もしくはその滴下を生
ずるまでの時間を、制御器のタイマに予め設定し
ておくようにしているが、冷風が流れるのは圧縮
機の運転時に限られるので、この圧縮機の運転時
間を計数器などで計数して同様な制御を行なわせ
るようにしてもよいことは勿論である。

〔考案の効果〕

以上詳述したようにこの考案によるときは、冷
房運転時にあつて、風向き変更羽根をその本来の
所定設定角度である水平位置から、結露もしくは
その滴下を生ずる惧れのある下向き角度位置に設
定した場合にあつても、この風向き変更羽根を結
露もしくはその滴下に生ずる以前に元の水平角度
位置に自動的に復帰させるようにしたから、たと
えどのような目的であるにせよ、下向きにされた
風向き変更羽根への結露もしくはその滴下を確実
に解消できるのであり、しかも装置構成が比較的
簡単で操作の必要もなく、容易かつ安価に提供で
きるなどの実用上有益な諸効果を発揮し得るもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来例による空気調和機
における吹出口部の概要構成とその作用を示す縦
断面図であり、また第４図はこの考案に係る同上
吹出口部での風向き変更羽根の羽根角度調整装置
の一実施例による斜視図、第５図および第６図は
同上装置の作用説明図および制御回路結線図であ
る。 １……吹出口部、４……吹出口、７……風向き
変更羽根、７ａ……羽根表面、８……羽根の支
軸、９……電動機、１０……角度検出器、１３…
…スイツチ、１４……制御器、１５……タイマ、
１６および１７……リレーおよびその開閉接点。
なお、各図中，同一符号は同一または相当部分を
示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 吹出口部に支軸を中心として上下に回動し得
   る風向き変更羽根を配置させた空気調和機にお
   いて、冷房運転時に前記風向き変更羽根の角度
   を検出して、羽根が所定角度以上に下向きのと
   きに出力する角度検出器と、この角度検出器の
   検出々力により作動されて、羽根表面への結露
   もしくはその滴下を生ずるまでの時間後に出力
   する制御器と、この制御器の制御出力により羽
   根角度を所定角度以内に復帰させる羽根角度調
   整手段とを備えたことを特徴とする空気調和
   機。 (2) 制御器にタイマを設け、このタイマに予め羽
   根表面への結露もしくはその滴下を生ずるまで
   の時間を設定させ、設定時間経過後に制御出力
   を得るようにしたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の空気調和機。 (3) 制御器に計数器を設け、この計数器により冷
   房運転時の圧縮機の運転時間を計数させるよう
   にし、羽根表面への結露もしくはその滴下を生
   ずるまでの時間に相当する時間計数後に制御出
   力を得るようにしたことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の空気調和機。