JPS63198869A - 角質細胞検査法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、肌からの角質細胞の採取を短時間で行うこと
ができ、しかも採取された角質細胞をｍ信することなく
簡易に且つ高精度で観察することができる角質細胞検査
法に関する。

〔従来の技術〕

肌の健康状態を調べるために、肌を構成する角質細胞を
検査することは従来より知られており、そのための角質
細胞収集法としては、 ■チェンバーを肌にあて水溶液に角質細胞を分散させ、
遠心分Ｍ機により角質細胞を沈澱させて集める方法（Ｍ
ｅＧｉｎｌｅｙ　Ｊｏｕｒｎａｌ　ｏｆ　ｒｎｖｅｓｔ
ｉｇａｔｉｖｅＤｅｒｍａｔｏｌｏｇｙ　Ｖｏｌ、５３
　Ｐ、１０７：１９６９）、■セロテープの接着面を肌
にあて、その接着面に角質細胞を採取した後、これを有
機溶媒に熔かして遠心分離機により角質細胞を沈０させ
集めたり、スライドグラスに移し取る方法、及び、■ス
ライドグラス上に粘着物を塗布し、それを肌に当てる方
法（篠　香粧品化学会Ｋｌ　　１９７８　Ｎｏ、２Ｐ、
１３） 等が知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、■の方法は、数分間、被検者に身動きを
禁止する等、被検者を拘束して被検者に不快感を与える
上、遠心分離機を必要とする等、労力及び装置を要する
問題があり、 又、■の方法は、有ｔｆｆｉｉ媒を用いるため油性分が
除去され角質細胞を損傷し易く、また遠心分離機を要し
且つ遠心時にも角質細胞を損傷する惧れがある問題があ
り、 又、■の方法は、非常に簡便、迅速で有効であるが、観
察すべき角質細胞が粘着物に採取時のまま固定されるた
め個々に分散せず、角質細胞の濃度が濃過ぎて測定が困
難であり、特に、画像解析装置等による機械による測定
では、精度が低下する問題がある上、角質細胞を染色す
ることによって粘着物も染色されるため角質細胞の観察
が困難になる問題もあった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは、上記の問題点を解決すべく種々検討した
結果、肌からの角質細胞の採取に際して、特定の粘着テ
ープを使用し、採取された角質細胞を水溶性溶媒に分散
させた後、これをメンブレンフィルターで濾過すること
により、肌からの角質細胞の採取を短時間で行うことが
できことを知見すると共に、このような方法で角質細胞
を採取することにより、角質細胞を損傷することなく簡
易に且つ高精度で観察し得ることを知見した。

本発明は、斯る知見に基づきなされたもので、水溶性粘
着剤を用いた粘着テープにより肌から角質細胞を採取し
た後、該角質細胞を上記粘着剤とともに水溶性溶媒に分
散させ、次いで、角質細胞を分散させた水溶性溶媒をメ
ンブレンフィルターで濾過して上記角質細胞のみを分取
し、しかる後、該角質細胞を直接又は再分散後スライド
グラス上に移して観察することを特徴とする角質細胞検
査法を提供することによって、前記の問題点を解決した
ものである。

以下、本発明の角質細胞検査法について詳述する。

本発明の方法を実施するには、先ず、水溶性粘着剤を用
いた粘着テープを使用し、該粘着テープを、肌に付着さ
せ、必要に応じ該テープの上を擦過した復刊がすことに
より、肌から角質細胞を採取する。このように、水溶性
粘着剤を用いた粘着テープを使用することにより、短時
間で被検者に不快感を与えない角質細胞の採取を可能と
し、且つ、後工程において、角質細胞損傷度を低くし、
角質細胞の分散（懸濁）を容易になし得る。

上記粘着テープに用いる水溶性粘着剤としては、デンプ
ン、デキストリン、アラビアゴム、メチルセルロース、
カゼイン、セラック、ＰＶＡ、ＰＶＰ、一部のアクリル
樹脂等が挙げられる。保存の簡便性等を考慮すると、合
成高分子のもの、例えばポリヴイニルアルコール、ポリ
アクリル酸系樹脂等が好ましい。尚、デンプン等の天然
高分子系の粘着剤を用いる場合は、防腐に注意を払う必
要がある。又、水溶性粘着剤の粘着力は、角質細胞を皮
膚から剥離でき、且つ被検者にとって耐え得る痛みの範
囲である０、５〜２．０Ｋｇ／ｃｍ　（Ｊ　Ｉ　ＳＺ　
　０２３７（８）粘着テープ、粘着シート試験法による
）が好ましく、１．５　Ｋｇ／ｃｍ前後が特に好ましい
。

また、上記粘着テープとしては、上記水溶性粘着剤をセ
ロファン、合成樹脂フィルム等のテープ基材に塗布した
もの等を用いることができるが、この場合、粘着剤の塗
布面積は、２ｃｍＸ１ｃｍ程度であれば、観察に必要な
角質細胞を採取することができる。又、テープ基材は、
角質細胞の採取点を正確に確認し、且つ肌から角質細胞
を採取できたかどうかを確認する上で、透明であること
が好ましい。このように透明なテープ基材を用いると、
角質細胞を採取できた場合には、粘着テープを光にかざ
すことにより白色の角質細胞の塊を観察することができ
る。又、テープ基材は、角質細胞の採取を容易にする上
で、可撓性のものが好ましい。

本発明の方法においては、次いで、角質細胞を上記粘着
剤とともに水溶性溶媒に分散（分散）させる。この分散
を行うには、例えば、採取した角質細胞が付着した粘着
テープごと、大きめの試験管又は注射筒等に入れ、よく
攪拌すれば良い。水溶性溶媒としては、水の他、アルコ
ール等、種々のものを用いることができるが、溶解性、
取扱の簡便さから、水とエチルアルコール又はメチルア
ルコールとを１＝１〜２：１程度になるように混合した
混合物を用いるのが好ましい。尚、分散は、角質細胞の
採取後直ちに行う必要はなく、採取された角質細胞を保
護フィルムで被覆して保存した後、適当な施設で行うこ
ともできる。

次いで、上述の如く角質細胞及び水溶性粘着剤を分散さ
せた水溶性溶媒をメンブレンフィルターで濾過して上記
角質細胞のみを分取する。メンブレンフィルターとして
は、角質細胞の直径が２０〜５０ミクロンであるため、
その開孔径が２０ミクロン以下のものを使用し、好まし
くは、開孔径が５〜２０ミクロンでその大きさの揃った
ものを使用する。更に、メンブレンフィルターとしては
、表面の平滑なものを使用するのが好ましい０例えば、
樹脂フィルムに中性子線によって細孔を開けたヌクレオ
ボア社製のヌクレオボア（開孔部の直径１０ミクロン）
が、表面の平滑性及び開孔径の均一性の点から好適に使
用できる。尚、水溶性粘着剤を完全に除去し、メンブレ
ンフィルター上に角質細胞のみを分取するためには、前
記の如き溶媒分散とこのフィルタリングを数回繰り返す
のが好ましい。

次いで、上述の如くして分取された角質細胞を直接又は
再分散（再テ濁）後スライドグラス上に移す。この場合
、角質細胞を直接スライドグラス上に移すとは、メンブ
レンフィルター上に捕捉された角質細胞を掻き落とす等
してスライドグラス上に移すことを意味するが、角質細
胞は再分散後スライドグラス上に移すのが好ましく、こ
の再分散による操作は、例えば、角質細胞をメンブレン
フィルターより生理食塩水を用いて再分散させ、分散液
をスライドグラス上に移すことにより行うことができる
。又、この際、必要に応じて、例えば、ローダミンＢ、
エオシン、ツクシン、クリスタルバイオレット等で染色
１桑作を行うことができる。この染色操作は、不要な染
色液を容易に除去できるため、生理食塩水に分散させた
時点で行うことが好ましいが、スライドグラス上に固定
した時点で行うことも可能である。

しかる後、スライドグラス上の角質細胞を観察する。こ
の観察は、公知の方法、例えば、顕微鏡（光学、螢光、
偏光、微分干渉）による方法、顕微鏡からの像をテレビ
カメラを通して画像解析装置に入力し画像解析を行う方
法で行うことができる。

〔実施例〕

次に、実施例を挙げ、本発明の角質細胞検査法を更に具
体的に説明する。

実施例１ 角質細胞の採取に先立ち、アクリル系の水溶性（Ｈ脂か
らなる水溶性粘着剤を、可撓性を有する透明な薄いプラ
スチック板（２ｃｍＸ１ｃｍ）に塗布して粘着テープを
作成した０次いで、この粘着テープの水溶性粘着剤の表
面をポリエチレンラミネート紙製の剥離紙で保護し、吸
水による水溶性粘着剤の粘着力の低下を防ぎ、水溶性粘
着剤を使用時迄は乾燥状態で保存するようにした。

角質細胞の採取、観察をするにあたっては、先ず、剥離
紙を取り去った粘着テープを肌に当てその上から擦過し
た後、粘着テープを肌から剥がした。

次いで、肌から剥がした粘着テープを注射筒内に入れ、
且つ注射筒内にエチルアルコール６０％水溶液を注入し
た後数分間攪拌した。その結果、粘着テープのテープ基
材から水溶性粘着剤と角質細胞とが遊離した。

次いで、遊離した角質細胞のみを採取するため、ヌクレ
オボア社製のヌクレオボア（開孔部の直径１０ミクロン
のメンブレンフィルター）を装着した専用アダプターを
注射筒の先端に取付け、水溶性粘着剤と角質細胞を含む
上記エチルアルコール水溶液の濾過を行い、不要な水溶
性粘着剤は溶媒と共に除去した。

上記の濾過操作、叩ち、上記エチルアルコール水溶液に
角質細胞を分散後濾過する操作を２〜３回繰り返して角
質細胞を洗浄し、水溶性粘着剤を完全に除去した。

次いで、上記メンブレンフィルター上に捕捉しである角
質細胞をメンブレンごと試験管に移し生理食塩水を加え
て再分散させ、この角質′４＠胞の分散液中の角質細胞
をローダミンＢで染色した。

染色後、上記分散液をスライドグラス上に移し、顕微鏡
下で観察すると共に、顕微鏡からの像をテレビカメラを
通して画像解析装置に入力し画像解析を行った。

その結果、角質細胞には殆ど損傷はみられず、良好な状
態で検査を行うことができた。

また、被検者からの角質細胞の採取に要した時間は１人
あたり１分以下であり、短時間に大量の角質細胞サンプ
ルを採取できた。

〔発明の効果〕

本発明の方法によれば、角質細胞の採取を、被検者を拘
束することなく短時間に行うことができ、しかも、特別
な設備を必要としないため、如何なる場所でも簡便に角
質細胞検査を行うことができる。しかも、採取された角
質細胞を、水溶性溶媒に分散後メンブレンフィルターを
用いてフィルタリングしているため、角質細胞の損傷が
極めて少なく精度の高い観察を行うことができる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 水溶性粘着剤を用いた粘着テープにより肌から角質細胞
   を採取した後、該角質細胞を上記粘着剤とともに水溶性
   溶媒に分散させ、次いで、角質細胞を分散させた水溶性
   溶媒をメンブレンフィルターで濾過して上記角質細胞の
   みを分取し、しかる後、該角質細胞を直接又は再分散後
   スライドグラス上に移して観察することを特徴とする角
   質細胞検査法。