JPS6319416Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、洗面台等の天板に洗面器を取り付け
る構造に関する。

洗面台等の天板に洗面器を取り付ける際に、第
１図に示す如く、断面Ｔ字型の枠体３を用いて両
者を固定する構造は公知である。

この構造は、枠体３の内外両鍔部３ａ，３ｂの
各接触内面全周に、予め飴状の液体シール材４を
均等な肉厚で塗布しておき、これを対向する洗面
器２の肩部２ａ及び天板１の開口縁部１ａに当接
させて、取付金具６によつて上記枠体３を張設す
ることで、洗面器２を固定するものである。

しかしながら、シール材４を均等塗布するため
には、大型の装置が必要であると共に、上記枠体
３を張設するときには、シール材４が圧縮されて
第２図に示す如く、枠体３の、外周部及び上下両
方部へはみ出してしまい、後の工程で拭き取らな
ければならなかつた。またシール材４は上記の如
く飴状の液体であるため、硬化するまでは湯水の
使用ができないばかりでなく、一度硬化すると洗
面器２を容易に取りはずせなくなる。そのため洗
面器２等の破損時に洗面器２のみの交換を行なう
事は大変困難なものとなつていた。

本考案は上記の如き事情に鑑みてなされたもの
であつて、洗面器の天板に対する着脱が簡単で、
その取り付け工程中における位置決め調整が容易
であり、しかも取り付け直後から湯水の使用が可
能な、新規な洗面器取り付け構造を提供すること
を目的とする。

上記の目的を達成するための手段の要部は、第
３図に示すように、断面Ｔ字状をなす枠体３の内
鍔部３ａと外鍔部３ｂの各接合面に、片面粘着処
理された乾式パツキン７，８を夫々貼着し、該各
乾式パツキン７，８の非貼着処理面を洗面器２の
肩部２ａと天板１の開口縁部１ａに接面せしめて
介設したところにある。

洗面器の取り付け構造において、片面粘着処理
された乾式パツキン７，８を上記の如く介設すれ
ば、該乾式パツキン７，８は、枠体３の内鍔部３
ａ及び外鍔部３ｂに対して不動な状態に接着され
るが、他方天板１の開口縁部１ａ及び洗面器２の
肩部２ａに対しては移動可能である。このこと
は、洗面器２を天板１へ取り付ける際に極めて有
利である。何故なら、洗面器２を天板１へ取り付
ける一連の工程は、まず洗面器２を天板１の開口
に嵌め込み、取付金具６を緩く締めて洗面器２を
移動可能な状態に仮固定し、洗面器２を前後左右
にずらせたり、或は回動する等して微調整し、所
定の位置に正確に位置付けした後に、不動な状態
に本固定する順序で実施されるからである。

乾式パツキン７，８としては帯状のものが用い
られる。勿論、帯状乾式パツキン７，８の片面に
は粘着剤が塗布されている。片面粘着処理された
帯状の乾式パツキン７，８を枠体３の内鍔部３ａ
と外鍔部３ｂの貼着する方法は、例えば第４図に
示すように、左右に分割されたローラー９を、両
ローラー９，９間に枠体３の環状立壁部３ｃをガ
イドとして挿入しつつ、回動させることによる等
色々の方法が可能である。

上記乾式パツキン７及び８の材質は、例えばポ
リウレタン、塩化ビニル等の独立気泡を有する発
泡性のものが好ましい。その理由は、内外両鍔部
３ａ，３ｂの全周に貼着されたパツキン７，８は
漏水防止のため、その各始端部と各終端部が二段
に重ね合わせられるが、洗面器取り付け時に於
て、該重合部と他周部とにできる肉厚差による漏
水を避けるには、適度の弾力性のあることが必要
だからである。しかしながら、パツキン７及び８
が予め環状に成形されたもの（図示省略）である
場合は、気孔を有しない弾性ゴムやベークライト
材等も有効である。

第５図は、本考案の別態様の実施例を示すもの
である。即ち、天板１と該天板１の開口内に嵌め
込まれた洗面器２との相互対向縁部に面取りを施
して互いにテーパー面を形成する如くし、枠体３
には内鍔部と外鍔部とに前記テーパ面と対応する
傾斜面を形成して断面三角形の鍔部を設けた、該
乾式パツキン７，８は、その粘着処理面を枠体３
の三角鍔部の傾斜面に貼着するものであることは
言うまでもない。このようにすれば取付金具６に
よる締付押圧力が天板１と洗面器２とに一層強力
に作用し、洗面器の取に付けは確実強固なものと
なる。取り付け作業の容易さにおいては、前記実
施例のものと殆ど変わるところはない。

以上詳述したところから明らかなように、本考
案に係る洗面器の取り付け構造によれば、次に列
挙する幾多の優れた効果を奏するものである。

天板への洗面器の取り付けに乾式パツキンを
使用したから、従来の液状パツキンを均等に塗
布する装置等の大型設備を全く必要としないの
で、設備費を節減するこができる。

液状パツキンを用いて洗面器を取り付ける場
合に必要な固化時間が不要であるから、洗面器
を取り付けた直後から湯水の使用が可能であ
る。

枠体を洗面器と天板に押圧して取り付けて
も、パツキンの一部がはみ出すようなことはな
いから、従来必要であつた拭き取り工程が不要
となり、また片面粘着処理した乾式パツキンの
貼設作業も簡単であるので、作業能率を大幅に
向上せしめることができる。

洗面器の取り付け及び取りはずしは、何回で
も実施可能であるから、破損等を原因とする洗
面器の交換が極めて容易である。

洗面器の新規取り付けと交換取り付けとを問
わず、その取り付けの際は、正確な位置決めの
ための微調整が必要であるが、本考案に使用さ
れる乾式パツキンは片面粘着処理されており、
これを枠体の内鍔部と外鍔部の各接合内面に貼
着して安定不動な状態に保持しておき、他面は
洗面器と天板に対して移動可能な状態に仮止め
しておくことができるから、前記の位置決め調
整が容易である。

片面粘着処理された乾式パツキンは、洗面器
の肩部と天板の開口縁が共に面取りされて互い
にテーパ状をなすものについても適用可能であ
り、この場合は、取付金具による締付力の強化
によつて、洗面器の取り付けが一層確実強固な
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の洗面器取り付け構造
を示すものであつて、第１図は一部切り欠き斜視
図、第２図は第１図における矢符Ａの部分を拡大
した側断面図、第３図乃至第５図は本考案の実施
例を示すものであつて、第３図は第２図に対応す
る本考案の側断面図、第４図はパツキンの取り付
け方法を示す斜視図、第５図は別態様の実施例を
示す側断面図である。 １……天板、２……洗面器、３……枠体、７，
８……パツキン、６……取付金具、１ａ……開口
縁部、２ａ……肩部、３ａ……内鍔部、３ｂ……
外鍔部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗面器の肩部と洗面台等の天板の開口縁上部と
   を夫々覆蓋するように、環状立壁部上端部に内方
   及び外方へ適当寸法だけ突き出した内外鍔部が形
   成されている枠体と、支点を前記洗面器の底面に
   置き、上記天板裏面の開口縁部を上方へ押圧する
   ことによつて、その押圧反力で上記枠体を下方へ
   張設する取付金具とから成る洗面器の取り付け構
   造において、前記枠体の内鍔部と外鍔部の各接合
   内面に片面粘着処理された乾式パツキンが貼着さ
   れ、該各乾式パツキンの非粘着処理面が洗面器の
   肩部と天板の開口縁上に夫々接面する如く介設さ
   れていることを特徴とする洗面器の取り付け構
   造。