JPS63191850A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JPS63191850A
JPS63191850A JP2348687A JP2348687A JPS63191850A JP S63191850 A JPS63191850 A JP S63191850A JP 2348687 A JP2348687 A JP 2348687A JP 2348687 A JP2348687 A JP 2348687A JP S63191850 A JPS63191850 A JP S63191850A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、環境応力き裂性に優れ、しかも成形物表面状
態の改良された熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する
(従来の技術) ゴム含有スチレン系樹脂は、応力負荷状態で薬品と接触
すると、き裂が発生して、著しい場合には破断する現象
が観察される。この現象は環境応力き裂現象と呼ばれ、
樹脂に対する溶解度の高くない、アルカン、アルケン、
アルコーノペカルボン酸、エステル等の薬品で顕著に観
察されることは周知の通りである。
環境応力き裂現象は、樹脂成形物に外力が負荷されてい
ない状態でも、成形物内部に残留する成形加工時の歪み
が、薬品との接触により解放されることにより発生する
ため、ゴム含有スチレン系樹脂の用途に多大の制限を与
えている。
ゴム含有スチレン系樹脂の環境応力き裂性に影響を及ぼ
す因子として、l)ゴム成分の含有率、il)樹脂成分
の分子量、1ii)樹脂成分の組成が知られており、各
々、l)ゴム成分の含有率を高くする、li)樹脂成分
の分子量を高くする、iii )樹脂成分の溶解度パラ
メーターと薬品の溶解度パラメーターとの差の絶対値を
大きくする、あるいは樹脂成分を構成する高分子鋼に嵩
高い置換基を導入して、樹脂成分の溶融粘度を高くする
などの方法は公知であるが、いずれもその耐環境応力き
裂性の改良効果は実用上不充分であった。
ところで、本発明者らにより、アクリル酸エステル系重
合体をゴム含有スチレン系樹脂に混合することにより、
ゴム含有スチレン系樹脂の耐環境応力きi性が飛躍的に
改善されることが報告されている(特開昭58−179
257号)。
しかしながら、前記発明の組成物は、環境応力き裂性の
改良効果は著しいものの、射出成形物の表面状態に不良
現象の観察されることがあり、改良が要求されていた。
即ち、前記発明の組成物を射出成形に供すると、成形物
のゲート近傍に雲母状の層状はく離現象の観察されるこ
とがあり、あるいはゲート近傍にフローマークと呼称さ
れる異常表面の観察されることがあり、成形物の意匠を
損なうこと甚大であった。
これらの表面状態の不良現象は、ゴム含有スチレン系樹
脂中に不均一に分散されたアクリル酸エステル系重合体
粒子が、射出成形時のせん断芯力により偏平変形するこ
とにより生起するものと考。
えられ、溶融粘度が高いゴム含有スチレン系樹脂を用い
る場合に、前記不良現象の出現は特に顕著である。
該アクリル酸エステル系重合体粒子の偏平変形を防止す
る目的で、アクリル酸エステル系重合体の重合時に、多
官能性ビニル単量体を共重合させることは有効である。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、例えばジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレートなどの多官能性ビニル単量体を
共重合させて得たアクリル酸エステル系重合体では、表
面状態の不良現象の改良は果たされるもの、ゲル含有率
が高く、ゴム含有スチレン系樹脂の環境応力き裂性の改
良効果は不充分である。このため、多官能性ビニル単量
体と連鎖移動剤を併用して、ゲル含有率が低く、かつ分
岐構造を有するアクリル酸エステル系重合体を製造する
ことにより、耐環境応力き裂性に優れ、しかも表面状態
の不良現象が抑制された成形物を与える組成物を作製す
ることは可能であるが、その効果は実用上不満足なもの
であった。
本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を改良した熱
可塑性樹脂組成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明を概説すれば、本発明は熱可塑性樹脂組成物の製
造方法に関する発明であって、(^)ビニル系単量体の
重合体であり、そのガラス転移温度が20℃を越え、ゲ
ル含有率が10%以下であり、溶解度パラメーターが9
.0〜11.0(ca j7 /cc) ”’であり、
かつポリスチレン基準の重量平均分子量が1.5×10
5以上かつ2×105未満である重合体〔(A)成分重
合体〕の乳化液20〜90重量%(重合体の固形分とし
て)と、 (B)アクリル酸エステル単量体の単独重合体または共
重合体、あるいはアクリル酸エステル単量体と他の共重
合性単量体の共重合体であり、そのガラス転移温度が2
0℃以下であり、ゲル含有率が70%以下であり、かつ
溶解度パラメーターが8、4〜9.8 (ca Il 
/cc) I/2’T!ある重合体〔(B)成分重合体
〕の乳化液10〜80重量%(重合体の固形分として)
とを乳化液状態で混合した後に、重合体を分離して得ら
れる重合体組成物C095〜50重量%と、ゴム成分の
含有率が2〜50重量%であり、樹脂成分を構成する単
量体が芳香族ビニル単量体40〜90重量%、シアン化
ビニル単量体5〜50重量%、及び他の共重合性単量体
0〜40重量%から成るゴム含有スチレン系樹脂50〜
99.5重量%とを混合することを特徴とする。
本発明の方法に従って製造される熱可塑性樹脂組成物は
耐環境応力き裂性に優れ、しかも層状は(離現象、フロ
ーマーク等の成形物の不良現象が発生し難い。
本発明の(A)成分重合体を構成するビニル系単量体を
例示すると、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、t−ブチルスチレン、シフ/スチレン、クロル
スチレンなどの芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル
、メタクリレートリルなどのシアン化ビニル単量体、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レート、ヘキシルアクリレート、シクロへキシルアクリ
レート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、
オクタデシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレ
ート、メトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリ
レート、フェニルアクリレートなどのアクリル酸エステ
ル単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、
シクロへキシルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、デシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシエチル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、フェニル
メタクリレートなどのメタクリル酸エステル単量体、ア
クリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド系単量体
、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和
カルボン酸単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの
ハロゲン化ビニル単量体、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニノペデカン酸ビニル、オクタデカン酸ビ
ニルなどの脂肪酸ビニルエステル単量体、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、インブチレン、2−ブテンなど
のオレフィン単量体、マレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、
N−シクロへキシルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、N−トルイルマレイミドなどのマレイミド系単量体
、無水マレイン酸などの酸無水物事°量体、ブタジェン
、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン11体、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテノペブロピ
ルビニルエーテノペヘキシルビニルエーテル、デシルビ
ニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、フェニル
ビニルエーテ/lz、タレジルビニルエーテル、グリシ
ジルビニルエーテルなどのビニルエーテル単量体、メチ
ルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケ
トン単量体、ビニルピリジンなどがあるが、この限りで
はない。
本発明の(A)成分重合体を構成するビニル系単量体は
、多官能性ビニル単量体であっても良く、該多官能性ビ
ニル単量体を例示すると、ジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1.3−ブチレン
グリコールジ(メタ)アクリレ−)、1.4−ブチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、シアヌル酸トリアリル、
インシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパント
リ (メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレー
ト、ビニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1.6−ヘキサンシオール
ジ(メタ)アクリレートなどがある。ここで、たとえば
エチレングリコールジ(メタ)アクリレートとは、エチ
レングリコールジアクリレートあるいはエチレングリコ
ールジメタクリレートであることを表わす。
本発明の(A)成分重合体は、ガラス転移温度が20℃
を越えることが必要である。更に好ましいガラス転移温
度は30℃以上である。(A)成分重合体のガラス転移
温度が20℃以下であると、(A)成分重合体と(B)
成分重合体とを混合して成る重合体組成物Cを粉体ある
いはペレットとして取扱うことが困難である為に工業的
に不利を伴い、またゴム含有スチレン系樹脂に混合して
、その耐熱性を大きく低下せしめるために好ましくない
本発明の(A)成分重合体は、9.0〜11.3(ca
 l /cc) I/2の範囲の溶解度パラメーターを
有していることが必要であり、更に好ましい範囲は9.
5〜10.5 (ca f! /cc) I72である
。溶解度パラメーターが本発明の範囲を逸脱した(A)
成分重合体を(B)成分重合体と混合して成る重合体組
成物Cと、ゴム含有スチレン系樹脂とを混合して得た熱
可塑性樹脂組成物では、成形物に層状はく離現象、フロ
ーマークなどの表面不良現象が出現して好ましくない。
なお、本明細書でいう溶解度パラメーターとは、−’−
x−ヨーク市ジョン ワイリーエンドサンズ社1975
年発行、ブランドラップ(J、Brandrup)及び
インマーガツト (B、 HoImmergut) I
ILポリマーハンドブック(Polymer Hand
book)第2版■−337〜■359頁に記載の溶解
度パラメーター値を用い、共重合体の溶解度パラメータ
ーδ7を、m種類のビニル単量体から成る共重合体を構
成する個々のビニル単量体の単独重合体の溶解度パラメ
ーターδ、と、その重量分率W、、とから、下記式1に
より算出したものである。
例えばポリアクリル酸ブチル、及びポリアクリル酸エチ
ルの溶解度パラメーターをそれぞれ8.8(caI!/
qc) ”” 、9.4  (caf/cc) ”2 
とすると、ポリアクリル酸ブチル70重量%、ポリアク
リル酸エチル30重量%からなる共重合体の溶解度パラ
メーターは9.0  (cab/cc) ’/” と計
算される。
本発明の(A)成分重合体は、ポリスチレン基準の重量
平均分子量が1.5×105以上かつ2X105未満で
あることが必要である。重量平均分子量がポリスチレン
基準で1.5X105未満である(A)成分重合体を(
B)成分重合体と混合して成る重合体組成物Cと、ゴム
含有スチレン系樹脂とを混合して得た熱可塑性樹脂組成
物では、成形物に層状はく離現象、フローマークなどの
表面不良現象が出現して好ましくない。
な右、本明細書でいうポリスチレン基準の重量平均分子
量とは、(A)成分重合体がポリスチレンであると仮定
して、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーにより
求めた重量平均分子量である。即ち、分子量分布の幅が
狭く、かつ分子量既知であるポリスチレンを標準物質と
して、ゲルパーミェーションクロマトグラムの流出ピー
ク容積と分子量との関係を求めて検量線を作成する。次
いで、(A)成分重合体のゲルパーミェーションクロマ
トグラムを測定し、流出容積から、前記検量線を用いて
分子量を求め、常法に従い重量平均分子量を算出する。
本発明の(A)成分重合体は、ゲル含有率が10%以下
であることが必要である。本発明でいうゲル含有率とは
、(A)成分重合体の約1.0gを精秤しくSo gと
する)、400メツシニのステンレス製金網で作成した
篭の中に入れて100gのメチルエチルケトン中に浸漬
し、5℃で24時間放置した後に篭を引上げ、室温中で
風乾した後の(A)成分重合体不溶物の重量S+ gを
測定し、それから下記式■に従って算出した値をいう。
(S+ /So )xtoo  (%)−〔I[)ゲル
含有率が10%を越える(A)成分重合体を(B)成分
重合体と混合して成る重合体組成物Cと、ゴム含有スチ
レン系樹脂とを混合して得た熱可塑性樹脂組成物では、
成形物が光沢に劣り好ましくない。
本発明の(A)成分重合体の製造法については特に制限
はなく、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合など
の公知技術を任意に適用しろるが、乳化重合による製造
が工業的に最も有利である。
なぜならば、ひとつには、本発明では乳化液状態で(A
)成分重合体と(B)成分重合体の混合を行なうからで
あり、もうひとつには、乳化重合によれば、高分子量の
重合体を工業的に容易に製造しうるからである。
本発明の(A)成分重合体を製造するにあたり、ビニル
系単量体の選択は、得られた(A)成分重合体のガラス
転移温度、ゲル含有率、溶解度パラメーター及び重量平
均分子量が本発明の規定を満足する限りにおいて任意で
ある。
(A)成分重合体の分子量を制御する目的で、連鎖移動
剤を使用することは可能である。特に、多官能性ビニル
単量体を共重合する場合には、連鎖移動剤を併用するこ
とにより、分枝構造を有し、かつゲル含有率の低い(A
)成分重合体を作製することができる。
使用しうる連鎖移動剤は特に制限はなく、たとえばオク
チルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメル
カプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸エチル
、チオグリコール酸ブチノペ0−メルカプト安息香酸エ
チル、l−ナフチルジスルフィド、イオウなどのイオウ
化合物、四臭化炭素などのハロゲン化合物、リモネン、
テルピノレンなどの炭化水素、トリニトロフェノール、
トリニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ペンツキノン
などがある。
次に、本発明の(B)成分重合体は、アクリル酸エステ
ル単量体の単独重合体または共重合体、あるいはアクリ
ル酸エステル単量体と他の共重合性単量体の共重合体で
あるが、ここで、アクリル酸エステル単量体の具体例は
、本発明の(A)成分重合体を構成するビニル系単量体
の一例として前掲したアクリル酸エステル単量体の具体
例と同様である。また、(B)成分重合体を構成する共
重合性単量体の具体例は、(A)成分重合体を構成する
ビニル系単量体の例として前掲した単量体のうちで、ア
クリル酸エステル単量体を除いた具体例と同様である。
また、本発明の(B)成分重合体は、その重合に際して
多官能性ビニル単量体あるいは連鎖移動剤を使用しうる
が、多官能性ビニル単量体及び連鎖移動剤の具体例は、
各々(A)成分重合体で前掲した具体例と同様である。
本発明の(B)成分重合体は、ガラス転移温度が20℃
以下であることが必要である。更に好ましいガラス転移
温度は10℃以下である。ガラス転移温度が20℃を越
える(B)成分重合体を(A)成分重合体と混合して成
る重合体組成物Cと、ゴム含有スチレン系樹脂とを混合
して得た熱可塑性樹脂組成物では、耐環境応力き裂性が
劣悪であり好ましくない。
本発明の(B)成分重合体は、ゲル含有率が70%以下
であることが必要である。ゲル含有率の測定方法は、溶
媒を100gのメチルエチルケトンに代えて、100g
のトルエンを使用する以外は(A)成分重合体のそれと
同様であり、前掲した式■に従って算出する。ゲル含有
率が70%より大きい(B)成分重合体を(A)成分重
合体と混合して成る重合体組成物Cを、ゴム含有スチレ
ン系樹脂に混合して得た熱可塑性樹脂組成物では、耐環
境応力き裂性が劣悪であり好ましくない。
本発明の(B)成分重合体は、8.4〜9.8(ca 
R/cc) ”の範囲の溶解度パラメーターを有してい
ることが必要である。更に好ましい数値範囲は8.6〜
9.6 (ca l /cc) ”” テある。溶解度
パラメーターの決定法は(A)成分重合体のそれと同様
であり、前掲した式Iに従って算出する。
(B)成分重合体の溶解度パラメーターが8.4(ca
 R/cc) ”未満あるいは9−8 (ca 12 
/cc) l/2を越えると、該(B)成分重合体を(
A)成分重合体と混合して成る重合体組成物Cを、ゴム
含有スチレン系樹脂に混合して得た熱可塑性樹脂組成物
の耐環境応力き裂性が劣悪であり好ましくない。
(B)成分重合体の製造方法については特に制限はなく
、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの公知
技術を任意に、適応しうるが、乳化重合による製造が工
業的に最も有利である。
(B)成分重合体を製造するに際し、アクリル酸エステ
ル単量体の選択、あるいは共重合性単量体の選択は、得
られた(B)成分重合体のガラス転移温度、ゲル含有率
、及び溶解度パラメーターが本発明の規定を満足する限
りにおいて任意である。
本発明では、(A)成分重合体20〜90重量%、好ま
しくは40〜80重量%と(B)成分重合体10〜80
重量%、好ましくは20〜60重量%とをそれぞれ乳化
液状態で混合して重合体組成物Cとするが、(B)成分
重合体の含有率が10重量%未満であると、該重合体組
成物Cとゴム含有スチレン系樹脂とを混合してなる熱可
塑性樹脂組成物の耐環境応力き裂性に劣り、80重量%
を越えると該熱可塑性樹脂組成物から成る成形物に、層
状はく離現象、フローマークなどの表面不良現象が出現
して好ましくない。
本発明では、(A)成分重合体の乳化液と(B)成分重
合体の乳化液とを、乳化液状態で混合するが、当該方法
によれば(A)成分重合体と(B)成分重合体との均一
混合が工業的に最も有利に達成される。当該方法により
得られた重合体組成物Cとゴム含有スチレン系樹脂とを
混合してなる熱可塑性樹脂組成物の成形物では層状はく
離現象、フローマークなどの表面不良現象が著しく抑制
されるが、この原因は(B)成分重合体の均一分散が達
成されたことによるものと考えられる。
(A)成分重合体あるいは(B)成分重合体が乳化重合
で製造される場合には、乳化重合により得られた乳化重
合液をそのまま使用する事ができるが、他の重合法によ
り製造される場合には、得られた重合物を乳化する工程
が必要である。
重合物の乳化法については特に制限はなく、公知技術を
任意に適用しろる。たとえば、重合物溶液を乳化剤と水
と共に混合撹拌して乳化液とした後に溶媒を除去する方
法、重合物を粉砕して得られた微粉を乳化剤と水と共に
混合撹拌して乳化液とする方法、重合物を乳化剤と水の
存在下で粉砕して乳化液とする方法などがあるが、この
限りではない。
(A) ′Fft分重合体重合体は(B)成分重合体の
乳化液中の重合物の粒子径は特に制限はないが、面積平
均粒子径が5μ以下であることが好ましい。
ここで、面積平均粒子径とは、乳化液の電子顕微鏡写真
を撮影し、粒子径がd、なる粒子径の分率をfx とし
て、下記式■に従って算出する。
Z f t dt’ / Z f s dt2〔III
)特に(B)成分重合体の面積平均粒子径が5μを越え
ると、該(B)成分重合体を(A)成分重合体と混合し
て成る重合体組成物Cを、ゴム含有スチレン系樹脂に混
合して得た熱可塑性樹脂組成物の成形物に層状はく離現
象あるいはフローマークの発生するこ−とがある。
(A)成分重合体又は(B)成分重合体の乳化重合、あ
るいは重合体の乳化に用いる乳化剤の種類は特に制限は
なく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、
両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から任意に
選択しうるが、アニオン性界面活性剤が最も有利に使用
できる。
(A)成分重合体乳化液と(B)成分重合体乳化液の混
合方法は特に制限はなく、固定容器型混合装置、回転容
器型混合装置、パイプラインミキサー、スタテックミキ
サー等の装置を使用して混合を行うことができる。
(A)成分重合体乳化液と(B)成分重合体乳化液の混
合乳化液から重合体組成物Cを分離する方法は特に制限
はなく、乳化液に、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸などの酸
、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム
、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの電解質、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレングリコーノペポリエ
チレングリコールーポリプロピレングリコールブロツタ
共重合体、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高
分子などの析出剤を添加する方法、乳化液を凍結して乳
化破壊する方法、乳化液を高温気体中に噴霧する方法な
どを例示しうる。
(A)成分重合体乳化液と(B)成分重合体乳化液との
混合液から分離された重合体組成物Cは、更に溶融混線
装置に供給して溶融混練することができる。使用できる
溶融混練装置としては、たとえば、バンバリーミキサ−
、インテンシブミキサー、ミクストルーター、コニ−タ
ー、エクストルーダー、ロールなどがある。また、特公
昭59−37021号に開示された、脱水機構を有する
溶融混練装置を用いることもできるが、当該装置を用い
る場合には、乳化液と析出剤とを当該装置に連続的に供
給して、混合、乳化破壊、脱水、乾燥、溶融混練を同一
装置内で連続的に行うことも可能である。
本発明のゴム含有スチレン系樹脂は、ゴム成分と、ガラ
ス転移温度が20℃を越える樹脂成分とから構成され、
分散相であるゴム成分と連続相である樹脂成分との界面
にはゴム成分と樹脂成分との共有結合物が存在すること
を特徴とする特本発明におけるゴム含有スチレン系樹脂
のゴム成分を構成する単量体としては、ブタジェン、イ
ソプレン、ジメチルブタジェン、クロロブレン、シクロ
ペンタジェンなどの共役ジエン単量体、2、 5−ノル
ボルナジェン、1.4−シクロへキサジエン、4−エチ
リデンノルボルネンなどの非共役ジエン単量体、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族
ビニル単量体、アクリロニトリル、メタシクロニトリル
などのシアン化ビニル単量体、メチルメタクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルア
クリレート、オクチルアクリレートなどの(メタ)アク
リル酸エステル単量体、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、インブチレン、2−ブテンなどのオレフィン単量
体などがあり、これらを単独重合あるいは共重合したも
のを用いる。また、架橋用単量体として多官能性ビニル
単量体を共重合させた共重合体も使用できるが、用いろ
る多官能性ビニル単量体としては、ジビニルベンゼン、
エチレングリコールジメタクリレー)、1゜3−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、1゜4−ブチレングリ
コールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタ
クリレート、シアヌル酸トリアリル、インシアヌル酸ト
リアリル、トリメチロールプロパントリメタクリレート
、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ビニル
アクリレート、ビニルメタクリレート、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレートなどがある。
本発明のゴム含有スチレン系樹脂に用いるゴム成分は、
グラフト活性点を有していることが必要であり、具体的
にはゴム分子中に炭素−炭素二重結合を有していること
が好ましい。
前記の単量体の重合方法は特に制限はなく、乳化重合、
溶液重合などの公知の技術を用いうる。
またゴム含有スチレン系樹脂のゴム成分は一種類である
必要はなく、別途重合された二種類以上のゴム成分の混
合物であってよい。
本発明に詔けるゴム含有スチレン系樹脂の樹脂成分はガ
ラス転移温゛度が20℃を越えることを特徴とするが、
樹脂成分を構成する単量体としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンな
どの芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル、メタシク
ロニトリルなどのシアン化ビニル単量体、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートなどの(
メタ)アクリル酸エステル単量体、マレイミド、N−メ
チルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピル
マレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−)ルイルマレイミド、N−キシリ
ルマレイミドなどのマレイミド系単量体などがあり、単
独あるいは共重合して用いるが、芳香族ビニル単量体及
びシアン化ビニル単量体の含有を必須とする。
本発明に用いるゴム含有スチレン系樹脂は、前記のよう
にゴム成分と樹脂成分とからなるが、分散相であるゴム
成分と連続相である樹脂成分との界面に、グラフト構造
と呼称されるゴム成分と樹脂成分との共有結合物が介在
していることが必要である。このような構造は、ゴム成
分の存在下で樹脂成分を構成する単量体の一部あるいは
全部を重合するいわゆるグラフト重合法により達成され
ることは公知であるが、本発明のゴム含有スチレン系樹
脂も公知のグラフト重合技術により製造できる。
たとえばゴム含有スチレン系樹脂中に含有されるゴム成
分の含有率を調節する目的で、ゴム含有スチレン系樹脂
に別途重合された樹脂成分を混合することも可能である
が、別途重合された樹脂成分はグラフト重合で得られた
樹脂成分と同一組成である必要はない。例えばポリブタ
ジェンの存在下でアクリロニトリル、スチレン及びメチ
ルメタクリレートをグラフト重合して得たゴム含有スチ
レン系樹脂にアクリロニトリル、スチレン及びα−メチ
ルスチレンを共重合して得た樹脂成分を混合することが
できる。
本発明のゴム含有スチレン系樹脂の具体例を示すと、A
BS(アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン)樹脂
、耐熱性ABS (アクリロニトリルーブタジェン−ス
チレン−α−メチルスチレン)樹脂、AAS (アクリ
ロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン)樹脂、A
ES(アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチ
レン)樹脂、MBAS (メチルメタクリレート−ブタ
ジェン−アクリロニトリル−スチレン)樹脂などがある
本発明のゴム含有スチレン系樹脂が含有するゴム成分の
含有率は2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%で
あることが必要である。ゴム成分の含有率が2重量%未
満では、重合体組成物Cと混合して得た熱可塑性樹脂組
成物の耐衝撃性が低く、50重量%を越えると剛性ある
いは耐熱性が低下する。
更に、本発明のゴム含有スチレン系樹脂の樹脂成分は、
芳香族ビニル単量体40〜90重量%、シアン化ビニル
単量体5〜50重量%、及び他の共重合性単量体0〜4
0重量%から成る必要がある。芳香族ビニル単量体が4
0重量%未満では流動性が低(,90重量%を越えると
耐衝撃性あるいは剛性が低下する。またシアン化ビニル
単量体が5重量%未満では耐衝撃性、剛性が低く、50
重量%を越えると流動性が低下する。
本発明では、重合体組成物C015〜50重量%とゴム
含有スチレン系樹脂50〜99.5重量%とを混合して
熱可塑性樹脂組成物を製造する。さらに好ましくは、重
合体組成物02〜40重量%とゴム含有スチレン系樹脂
60〜98重量%とを混合する。重合体組成物Cの添加
量が0.5重量%未満では得られた熱可塑性樹脂組成物
の耐環境応力き裂性に劣り、50重量%を越えると該組
成物の剛性、耐熱性、あるいは耐衝撃性に劣り好ましく
ない。
重合体組成物Cとゴム含有スチレン系樹脂との混合方法
は特に制限はなく、粉体あるいはペレット状態の画成分
を混合して目的とする熱可塑性樹脂組成物を製造するこ
とができる。混合装置を例示すると、ヘンシェルミキサ
ーなどの固定容器型混合装置、V型ブレンダー、タンブ
ラ−などの回転容器型混合装置などがあるがこの限りで
はない。
重合体組成物Cとゴム含有スチレン系樹脂との混合方法
として、溶融混練を例示することができる。使用する溶
融混練装置の具体例としては、バンバリーミキサ−、イ
ンテンシブミキサー、ミクストルーター、コニ−ター、
エクストルーダー、ロールなどがある。
(実施例) 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されない。
なお、各例記載の部及び%は、総て重量基準である。
実施例1及び比較例1 〔(A)成分の製造−A−1〜A−6の製造〕純水15
0部、ステアリン酸カリウム2部をオートクレーブに仕
込み、かくはんしながら50℃に加熱した。ここに、硫
酸第1鉄・7水塩0.005部、エチレンジアミン4酢
酸4ナトリウム・2水塩0.01部、及びナトリウムホ
ルムアルデヒドスルフオキシレート・2水塩0.3部を
純水10部に溶解した水溶液を注加した。
次いで、表1に示した組成の単量体混合液100部を4
時間かけて連続添加した。同時に、過硫酸カリウム0.
05部を25部の純水に溶解した水溶液を6時間かけて
連続添加した。
単量体混合液の添加終了後、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキサイド0.10部を添加し、系を70℃
に昇温しで、更に2時間かくはんして重合を終了した。
得られた(A)成分の性質を表2に示す。
〔(A)成分の製造−A−7の製造〕 純水175部、ステアリン酸カリウム2部をオートクレ
ーブに仕込み、かくはんしながら70℃に加熱した。
ここに、過硫酸カリウム0.05部を純水10部に溶解
した水溶液を注加し、更に、表1に示した組成の単量体
混合液100部を4時間かけて連続添加した。
単量体混合物の添加終了後、ラウロイルパーオキサイド
0.1部を添加し、更に70℃で2時間かくはんして重
合を終了した。
得られた(A)成分の性質を表2に示す。
〔(B)成分の構造−B−1〜B−3の製造〕純水12
OL ドデシルベンゼンスルフオン酸ナトリウム2部を
オートクレーブに仕込み、かくはんしながら65℃に加
熱した。ここに、硫酸第1鉄・7水塩0. OO5部、
エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム・2水塩0.01
部、及びナトリウムホルムアルデヒドスルフオキシレー
ト・2水塩0.3部を純水10部に溶解した水溶液を注
加した。
次いで、表3に示した組成の単量体混合液100部の2
0%をオートクレーブに注加し、過硫酸カリウム0.2
%水溶液2.5部を添加して重合を開始した。
重合開始と同時に、前記単量体混合液の残量を4時間か
けて連続添加した。また、重合開始と同時に、過硫酸カ
リウム0.05Bを20部の純水に溶解した水溶液を6
時間かけて連続添加した。過硫酸カリウム溶液の添加終
了後、オートクレーブの内容を冷却して重合を終了した
得られた(B)成分の性質を表4に示す。
〔(B)成分の構造−B−4の製造3 M水140f[S、ドデシルベンゼンスルフオン酸ナト
リウム2部をオートクレーブに仕込み、かくはんしなが
ら70℃に加熱した。
ここに過硫酸カリウム0.05部を10部の純水に溶解
した水溶液を注加し1、更に表3に示した組成の単量体
混合液100部を4時間で連続添加した。
単量体混合液の添加終了後、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキサイド0.1部を添加し、更に70℃で
2時間かくはんして重合を終了した。
得られた(B)成分の性質を表4に示す。
〔重合体組成物Cの製造〕
(A)成分乳化液50部(重合体の固形分として)と(
B)成分乳化液50部(重合体の固形分として)とを乳
化液状態で混合し、更にポリエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコールブロック共重合体く総分子中のエ
チレンオキサイド重量分率80%、ポリプロピレングリ
コール分子量175〇−旭電化工業株式会社製プルロニ
ックF−68)0.7部の10%水溶液を添加した。
塩化カルシウム・2水塩5部を純水400部に溶解した
水溶液を80〜95℃に加熱し、ここに、前記の混合乳
化液をかくはんしながら注加して析出した。
得られたスラリーをろ過、水洗し、70℃雰囲気で乾燥
して重合体組成物Cを得た。
なお各物性値は、以下の方法により求めた。
(1)ガラス転移温度 (A)成分あるいは(B)成分乳化液をメタノール中に
滴下して得た固体を乾燥し、デュポン式測定機である9
10示差走査熱量計及び990熱分析計を用いて測定し
た。
(2)ゲル含有率 (A)成分あるいは(B)成分乳化液をメタノール中に
滴下して得た固体を乾燥した。その約1.0 gを精秤
して、既述の方法で測定して式■により算出した。ただ
し、(A)成分と(B)成分では使用する溶媒が異なり
、(A)成分ではメチルエチルケトン、(B)成分では
トルエンを用いた。
(3)溶解度パラメーター 各側で溶解度パラメーターの算出に使用した各ポリマー
の溶解度パラメーター値〔単位は(caj!/cc) 
” ]は以下の通りである。
ポリアクリル酸ブチル    ;8.8ポリメタクリル
酸メチル   ;9.5ポリアクリロニトリル    
 ;12.5ポリスチレン        ;9.1(
4)  重量平均分子量 東洋曹達工業株式会社製HLC−802A型ゲルパーミ
ェーションクロマトグラフィーに、同社製GMH−6型
カラムを2本直列して測定した。検出機は屈折計を用い
、溶媒はテトラヒドロフランを使用した。
本装置を用いた場合の重量平均分子量の測定上限は6X
10’であり、6X10’を越える試料については表2
該当欄に〉6と記した。
なお、試料は(A)成分乳化液をメタノール析出して得
た固体を用いた。
〔熱可塑性樹脂組成物の製造〕
ポリブタジェン50%、アクリロニトリル13%、スチ
レン37%から成るABS樹脂粉末(D−1)30部、
アクリロニトリル30%、スチレン70%から成るAS
樹脂粉末(ポリスチレン基準の重量平均分子量1.lX
105)(D−6)54部、及び4.4′−イソプロピ
リデンビス〔モノフェニル−ジ−アルキル(CI 2〜
C,S)フォスファイト〕 〔アデカ・アーガス化学株
式会社製、マーク(MARK)1500)0.2部を、
重合体組成物C16部と共にヘンシェルミキサーで混合
し、株式会社中央機械製作所製VC−40(ベント付単
軸押出機)に供給してペレットを得た。
得られたペレットを用いて成形物を作成して物性評価を
行ない、その結果を表5に示した。
なお、各側の物性測定値は以下の方法により求めた。
(1)  引張り降伏点・−ASTM  D−638(
2)アイゾツト衝撃強度−ASTM  D−256(3
)  ビカット軟化温度 JIS  K−6870(4
)耐薬品性(耐環境応力き裂性) ASTM  D−638タイプ■ダンベルに50mmの
たわみを与えて治具に固定し、エチレングリコールモノ
エチルエーテルを塗布し、温度で23℃で放置したとき
の破断に至るまでの時間を分で表わす。表中〉300は
、300分経過して破断しないことを示す。
(5)光 沢 ペレットを東芝機械株式会社製lS−80CN−V射出
成形機を用いて射出成形し、50X85X3mmの平板
状成形物を作成する。ゲート形状はタブゲートである。
得られた成形物をスガ試験機株式会社製デジタル変角光
沢計型式UGV−4Dを用いて入射角60度で光沢値の
測定を行なう。
(6)層状はく離性及びフローマーク 東芝機械株式会社製l5−80CN−V射出成形機で2
0X80X3ma+の短冊状成形物を作成する。ゲート
は長さ20fflfflの一辺の中央にあり、ゲート形
状は成形物の長さ方向2mff1、厚さ方向1.5 +
nmOnm形の断面を有する長さ2n+mのエツジゲー
トである。金型のキャビティーは4個取りである。
得られた成形物のゲート部を手、折ると、ゲート付近が
層状はく離することがあり、はく離の多少を標準試料と
対比して下記の様に評価した。
また、得られた成形物のゲート付近に扇状のフローマー
クが発生することがあり、フローマークの多少を標準試
料と対比して、層状はく離と同様に下記の様に評価した
A:全くS忍められす B:少し認められる C:かなり認められる D=著しく認められる なお、ランクABは、ランクAとランクBの中間に位置
することを示す。
(7)スパイラルフロー(流動性) 流動性の指標として、下記の方法に従い、一定条件下で
射出成形したときの樹脂の流動長を測定した。
成形機;川口鉄工株式会社製川口チャーチル040S 金 型;長軸5.0mm、短軸4.6 mの楕円を長軸
に沿って二等分した断面を有するアル キメデス円。
成形条件:射出圧カニ 50 kg/cafGシリンダ
一温度=260℃あるいは 280℃ 金型温度=40℃ 測定方法:成形物のゲート部から自由流動末端と評価 
 までの距離を測定した。流動長が大であるほど、流動
性が良であると評 価する。
例である。
実験Nα2は、(A)成分のガラス転移温度が本発明の
範囲を逸脱するが、当該(A)成分乳化液と(B)成分
乳化液とを混合し、析出して得た重合体組成物Cの固体
では室温で粉末とならずに塊状を呈するため、例えば析
出物の脱水、水洗工程、乾燥工程、あるいはゴム含有ス
チレン系樹脂との混合工程で、操作上の不利を生じた。
実験Nα2以外の実験では、重合体組成物Cの固体は粉
末状を呈し、操作上の不具合は生じなかった。
比較例より明らかな様に、(A)成分の重量平均分子量
あるいは溶解度パラメーターが本発明の範囲を逸脱する
と層状はく離現象あるいはフローマークが顕著となり、
(A)成分のガラス転移温度が本発明の範囲を逸脱する
と耐熱性あるいは製造時の操作性に劣り、(A)成分の
ゲル含有率が本発明の範囲を逸脱すると光沢に劣り、共
に好ましくない。また(B)成分の溶解度パラメーター
、ゲル含有率あるいはガラス転移温度が本発明の範囲を
逸脱すると耐環境応力き裂性に劣り好ましくない。
実施例2及び比較例2 実施例1で製造したA−1乳化液とB−1乳化液とを乳
化液状態で表6に示した割合で混合した(表中の部は重
合体の固形分としての部を表わす)。
更に、重合体混合物の固坦分100部に対して、実施例
1で用いたプルロニックF−68の10%水溶液を7部
添加した。
得られた混合乳化液を実施例1と同様に析出処理して重
合体組成物C−1〜G−8を得た。
次いで、実施例1で使用したABS樹脂粉末、AS樹脂
粉末、及びマーク1500を重合体組成物C−1〜C−
8と下記の割合で配合してペレットとした。
ABS樹脂粉末      30 部 AS樹脂粉末       54 部 マーク1500       0.2都電合体組成物C
16部 得られたペレットを実施例1と同様に物性評価して、そ
の結果を表7に示した。
比較例2より明らかな様に、重合体組成物C中の(B)
成分含有率が本発明の範囲の下限を逸脱すると耐環境応
力き裂性に劣り、上限を逸脱すると層状はく離性あるい
はブローマークが顕著になり、共に好ましくない。
実施例3及び比較例3 実施例1で製造したA−1乳化液50部(重合体の固形
分として)とB−1乳化液50部(重合体の固形分とし
て)とを乳化液状態で混合し、更にプルロニックF−6
8の10%水溶液を7部添加した。
得られた混合乳化液を実施例Iと同様に析出処理して重
合体組成物Cの粉体を得た。
次いで、該重合体組成物Cを、株式会社中央機械製作所
製VC−40型押出機に供給してペレットを得た。
別に表8に組成を示した重合体D−1〜D−8を表9に
示した配合で混合し、VC−40型押出機に供給して、
ゴム含有スチレン系樹脂E−1〜E−7のペレットを得
た。
なお、D−4及びD−6は各々実施例1で用いたABS
樹脂及びAS樹脂である。
次いで、重合体組成物Cのペレットと、ゴム含有スチレ
ン系樹脂E−1〜E−7のペレットを表10に示した割
合で混合し、VC−40型押出機に供給して混練してペ
レットを得た。
得られたペレットを実施例1に同様に物性評価して、そ
の結果を表10に示した。
なお、実験番号24.25.、.3?、38は280℃
、その他の試料は260℃のシリンダ一温度でスパイラ
ルフローの測定を実施した。
表    9 表10の実験番号19〜30は実施例であり、実験番号
31〜′38は比較例である。
実験番号19〜25と実験番号32〜38とを比較する
と、本発明の製造法になる組成物は、ゴム含有スチレン
系樹脂の種類にかかわらずその耐環境応力き裂性に優れ
、しかも層状はく離現象あるいはフローマークの発生し
ないことが分かる。
また実験番号26〜32を比較することにより、重合体
組成物Cとゴム含有スチレン系樹脂との配合比が本発明
の範囲を逸脱すると、得られた組成物の耐環境応力き裂
性あるいは耐衝撃性に劣ることが分かる。
実施例4及び比較例4 実施例3で使用した重合体組成物C1表8のD−1(A
BS) 、D−6(As) 、及びマーク1500を表
11に記した割合で混合し、VC−40型押出機に供給
してベレットを得た。
得られたペレットを実施例1と同様に物性評価して、そ
の結果を表11に示した。
表  11 実験番号43は、重合体組成物Cの添加料が本発明の範
囲の上限を逸脱した例であり、ゴム含有スチレン系樹脂
と混合して得た熱可塑性樹脂組成物は剛性、耐熱性及び
層状はく離性に劣り好ましくな、い。
因みに、表10に示した比較例3の実験番号31も、実
験番号43と同様に重合体組成物の添加量が本発明の範
囲の上限を逸脱した例であるが、得られた熱可塑性樹脂
組成物は耐衝撃性に劣り、実験番号43とは挙動を異に
する。実験番号32と実験番号43との物性差は、使用
したゴム含有スチレン系樹脂の含有するゴム含有率の差
異に基づくものである。
比較例5 表8のD−1(ABS)の乳化液80部(重合体の固形
分として)と実施例1で製造したB−1の乳化液20部
(重合体の固形分として)とを乳化液状態で混合し、塩
化カルシウム・2水塩51Bの水溶液中に注油し、90
〜95℃でかくはんして析出した。
得られたスラリーをろ過、水洗、乾燥して得られた粉末
40部を、前記のAs樹脂(D−6)粉末60部、マー
ク150000.2部と共にヘンシェルミキサーで混合
し、VC−40型押出機に供給してベレットとした。
得られたベレットを実施例1に従って物性評価したとこ
ろ、引張り降伏点401kg/cnf、アイゾツト衝撃
強度28 kgcm/ cn+、耐薬品性〉300分、
光沢90%、層状はく離性C1フローマークD。
ビカット軟化温度97℃、スパイラルフロー(シリンダ
一温度260℃)40cmであり、層状はく離性、フロ
ーマークに劣った。
比較例6 表8の前記のABS (D−1)の乳化液30部(重合
体の固形分として)、表8のD−7の乳化液62部(重
合体の固形分として)、及び★流側1で製造したB−1
の乳化液8部(重合体の固形分として)を乳化液状態で
混合し、塩化カルシウム・2水塩5部の水溶液中に注油
し、105℃でかくはんして析出した。
得られたスラリーをろ過、水洗、乾燥して得られた粉末
100部をマーク150000.2部と共にヘンシェル
ミキサーで混合し、VC−40型押出機に供給してベレ
ットとした。
得られたベレットを実施例1に従って物性評価したとこ
ろ、引張り降伏点420 kg/ ctA、アイゾツト
衝撃強度14 kgcm/ em、耐薬品性〉300分
、光沢93%、層状はく離性D1フローマークD1ビカ
ット軟軟化度110℃、スパイラルフロー(シリンダ一
温度280℃)23cmであり、層状はく離性、フロー
マークに劣った。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の方法に従って製造された
熱可塑性樹脂組成物は、耐環境応力き裂性に優れ、しか
も得られた成形物に層状はく離現象あるいは70−マー
クが発生しないという顕著な効果を奏するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (A)ビニル系単量体の重合体であり、そのガラス転移
    温度が20℃を越え、ゲル含有率が10%以下であり、
    溶解度パラメーターが9.0〜11.0(cal/cc
    )^1^/^2であり、かつポリスチレン基準の重量平
    均分子量が1.5×10^5以上かつ2×10^5未満
    である重合体の乳化液20〜90重量%(重合体の固形
    分として)と、(B)アクリル酸エステル単量体の単独
    重合体または共重合体、あるいはアクリル酸エステル単
    量体と他の共重合性単量体の共重合体であり、そのガラ
    ス転移温度が20℃以下であり、ゲル含有率が70%以
    下であり、かつ溶解度パラメーターが8.4〜9.8(
    cal/cc)^1^/^2である重合体の乳化液10
    〜80重量%(重合体の固形分として)とを乳化液状態
    で混合した後に、重合体を分離して得られる重合体組成
    物C0.5〜50重量%と、ゴム成分の含有率が2〜5
    0重量%であり、樹脂成分を構成する単量体が芳香族ビ
    ニル単量体40〜90重量%、シアン化ビニル単量体5
    〜50重量%、及び他の共重合性単量体0〜40重量%
    から成るゴム含有スチレン系樹脂50〜99.5重量%
    とを混合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製
    造方法。
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