JPS6328460B2 - - Google Patents

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JPS6328460B2
JPS6328460B2 JP14520283A JP14520283A JPS6328460B2 JP S6328460 B2 JPS6328460 B2 JP S6328460B2 JP 14520283 A JP14520283 A JP 14520283A JP 14520283 A JP14520283 A JP 14520283A JP S6328460 B2 JPS6328460 B2 JP S6328460B2
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resin
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monomers
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JP14520283A
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JPS6036553A (ja
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Tetsuo Maeda
Akihiro Okamoto
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication of JPS6328460B2 publication Critical patent/JPS6328460B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は環境応力き裂性に優れ、しかも熱安定
性の改善された熱可塑性樹脂組成物に関する。 ゴム含有スチレン系樹脂は応力負荷状態で薬品
と接触すると、き裂が発生して著しい場合には破
断する現象が観察されるが、この様な現象は環境
応力き裂現象と呼ばれ、樹脂に対する溶解度の高
くない、アルコール、カルボン酸、アルカン、ア
ルケン等の薬品で顕著に観察されることは周知の
通りである。 この現象は樹脂組成物に外力が負荷されていな
い状態でも、成形物内部に残留する成形時の歪み
が、薬品との接触により開放されることにより発
生するため、ゴム含有スチレン系樹脂の用途に多
大の制限を与えている。 ゴム含有スチレン系樹脂の環境応力き裂性に影
響を及ぼす因子として、ゴム成分の含有率及び樹
脂成分の分子量が知られており、ゴム成分の含有
率を高くする、あるいは樹脂成分の分子量を大き
くすることにより環境応力き裂性の改善が果され
るが、その効果は実用上不充分であつた。 既に本発明者らにより、脂肪酸ビニルエステル
を含む共重合体をゴム含有スチレン系樹脂に混合
することにより、ゴム含有スチレン系樹脂の環境
応力き裂性が飛躍的に改善されることが報告され
ている(特開昭56−147841)。 しかしながら前発明の組成物は、環境応力き裂
性の改良効果は著しいものの、脂肪酸ビニルエス
テルを含む共重合体の熱安定性がゴム含有スチレ
ン系樹脂のそれに比べて悪いために、ゴム含有ス
チレン系樹脂と同一成形条件での成形が困難であ
るという欠点を有していた。たとえば酢酸ビニル
を含む共重合体では、230℃付近から脱酢酸反応
が顕著に起こるが、このため該共重合体を含むゴ
ム含有スチレン系樹脂を230℃以上の温度で成形
すると、変色、光沢低下などの成形物外観上の不
良現象が起こるばかりでなく、甚だしい場合には
発生する酢酸により、成形機のシリンダー、スク
リユー、金型などの腐食現象が起こり、改良の必
要が望まれていた。このために、脂肪酸ビニルエ
ステルを含む共重合体の熱安定性を改良する方法
が提案されたが(特開昭57−195140)、苛酷な成
形条件下での安定化効果において今だ不充分であ
つた。 本発明は、前記欠点の解決を目的としたもので
あり、 () ゴム含有スチレン系樹脂(A)100重量部と、 () アクリル酸エステル単量体を含む単量体の
乳化重合により得られたアクリル系ゴム状重合
体(B1)100重量部に、一種類以上のビニル単
量体(B2)1〜200重量部を乳化グラフト重合
することにより得られたグラフト重合体(B)1〜
50重量部からなる混合物において、(B1)の溶
解度パラメーターが8.4〜9.8(cal/c.c.)1/2であ
り、(B1)のガラス転移温度が20℃以下であ
り、(B1)のゲル含有率が70重量%以下であ
り、(B2)からなる重合体の溶解度パラメータ
ーSPbと(A)成分の樹脂成分を構成する重合体の
溶解度パラメーターSPaとの差の絶対値|SPa
−SPb|が1.0未満であることを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物においては、環境応力き裂性
に優れ、しかも熱安定性の著しく改善された熱
可塑性樹脂の得られることを見出して本発明の
完成に至つた。すなわち本発明は脂肪酸ビニル
エステルを含む共重合体と同等の機能を有する
重合体を、熱的に不安定な結合を含まない単量
体を用いて設計したことを特徴としており、こ
のために本発明の組成物では熱安定性の著しい
改善が果され、苛酷な成形条件下における変
色、光沢低下などの成形物外観上の不良現象が
解消されたばかりでなく、腐食性分解ガスの発
生がないために成形機械の腐食現象も解消さ
れ、環境応力き裂性に優れる熱可塑性樹脂成形
物を通常のゴム含有スチレン系樹脂の成形条件
下で容易に提供することができる。 本発明の(A)成分であるゴム含有スチレン系樹脂
のゴム成分を構成する単量体としては、ブタジエ
ン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプ
レン、シクロペンタジエンなどの共役ジエン単量
体、2,5−ノルボルナジエン、1,4−シクロ
ヘキサジエン、4−エチリデンノルボルネンなど
の非共役ジエン単量体、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル単量
体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
のシアン化ビニル単量体、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートな
どの(メタ)アクリル酸エステル単量体、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、2
−ブテンなどのオレフイン単量体などがあり、こ
れらを単独あるいは共重合して用いる。また、架
橋用量単体として多官能性ビニル単量体の共重合
を行なうことができるが、用いうる多官能性ビニ
ル単量体としては、ジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジメタクリレート、1,4−ブチレン
グリコールジメタクリレート、プロピレングリコ
ールジメタクリレート、シアヌル酸トリアリル、
イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、アリルアクリレート、
アリルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビ
ニルメタクリレート、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレーなどがある。 本発明の(A)成分に用いるゴム成分はグラフト活
性点を有していることが必要であり、具体的には
ゴム分子中に炭素−炭素二重結合を有しているこ
とが好ましい。 前記の単量体の重合方法は等に制限はなく、乳
化重合、溶液重合などの公知の技術を用いうる。 また(A)成分のゴム成分は一種類である必要はな
く、別途重合された二種類以上のゴム成分の混合
物であつてよい。 本発明の(A)成分であるゴム含有スチレン系樹脂
の樹脂成分を構成する単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−
ブチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、アク
リロニトリル、メタクリロニトルなどのシアン化
ビニル単量体、メチルメタクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアク
リレート、オクチルアクリレートなどの(メタ)
アクリル酸エステル単量体などがあり、単独ある
いは共重合して用いるが、芳香族ビニル単量体の
含有を必須としており、好ましくは芳香族ビニル
単量体30〜90重量%、シアン化ビニル単量体5〜
60重量%、及びこれらと共重合可能な単量体0〜
60重量%からなる。芳香族ビニル単量体、及びシ
アン化ビニル単量体の含有率が上記の範囲を逸脱
すると、(B)成分と混合して得た熱可塑性樹脂の剛
性、耐衝撃性、成形加工性の均衡に劣り、また耐
環境応力き裂性に不足する。 本発明に用いる(A)成分は、前記のようにゴム成
分と樹脂成分とからなるが、粒子状構造をとるゴ
ム成分と連続相である樹脂成分との界面に、グラ
フト構造を介在していることが必要である。この
ような構造は、ゴム成分の存在下で樹脂成分を構
成する単量体の一部あるいは全部を重合する所謂
グラフト重合法により達成されることは公知であ
るが、本発明の(A)成分も公知のグラフト重合技術
により製造できる。 (A)成分中に含有されるゴム成分の含有率を調節
するために、(A)成分に別途重合された樹脂成分を
混合することも可能であるが、別途重合された樹
脂成分はグラフト重合で得られた樹脂成分と同一
組成である必要はない。たとえばポリブタジエン
の存在下でアクリロニトリル−スチレン−メチル
メタクリレートをグラフト重合して得た(A)成分に
アクリロニトリル−スチレン−α−メチルスチレ
ンを共重合して得た樹脂成分を混合することがで
きる。 本発明の(A)成分の具体例を示すと、ABS(アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、耐
熱性ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン−α−メチルスチレン)樹脂、AAS(アクリ
ロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン)樹
脂、AES(アクリロニトリル−EPDM−スチレ
ン)樹脂、MBAS(メチルメタクリレート−ブタ
ジエン−アクリロニトリル−スチレン)樹脂など
がある。 本発明の(B)成分を形成するアクリル系ゴム状重
合体(B1)はアクリル酸エステル単量体の単独
重合体あるいは共重合体またはアクリル酸エステ
ル単量体と他の共重合可能な単量体の共重合体で
あるが、ここで述べるアクリル酸エステル単量体
とはメチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシエ
チルアクリレートなどであり、他の共重合可能な
単量体とは、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、t−ブチルスチレンなどの芳香族
ビニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル単量体などのシアン化ビニル単量体、メチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどの
メタクリル酸エステル単量体、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレンな
どのオレフイン単量体、メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
フエニルビニルエーテルなどのビニルエーテル単
量体などである。 また(B1)成分は多官能性単量体の共重合を
行なうことができるが、用いうる多官能性単量体
とは、ジビニルベンゼン、エエチレングリコール
ジメタクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジメタクリレート、1,4−ブチレングリコール
ジメタクリレート、プロピレングリコールジメタ
クリレート、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌ
ル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、アリルアクリレート、アリルメタ
クリレート、ビニルアクリレート、ビニルメタク
リレート、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレートなどである。 本発明の(B1)は8.4〜9.8(cal/c.c.)1/2、好ま
しくは8.8〜9.5(cal/c.c.)1/2の範囲の溶解度パラメ
ーターを有している必要がある。ただしここで用
いる溶解度パラメーターはJohn Wiley &
Sons社出版「ポリマー ハンドブツク」に記載
されている溶解度パラメーター値を用い、共重合
体の溶解度パラメーターδTは、m種類のビニル
単量体から成る共重合体を構成する個々のビニル
単量体の単独重合体の溶解度パラメーターδnと、
その重量分率Wnとから、式(1)により算出する。 式(1) δ=nn=1 δnWn/nn=1 Wn〔(cal/c.c.)1/2〕 例えばポリアクリル酸ブチル、及びポリアクリ
ル酸エチルの溶解度パラメーターをそれぞれ8.8
(cal/c.c.)1/2、9.4(cal/c.c.)1/2とすると、ポ
リアク
リル酸ブチル70重量%、ポリアクリル酸エチル30
重量%からなる共重合体の溶解度パラメーターは
9.0(cal/c.c.)1/2と計算される。 溶解度パラメーターが8.4未満あるいは9.8
(cal/c.c.)1/2を越える(B1)成分であつては、(A)
成分と混合して得た樹脂の環境応力き裂性が低く
好ましくない。 本発明の(B1)成分はガラス転移温度がが20
℃以下好ましくは10℃以下である必要があるが、
ガラス転移温度が20℃を越えると、(A)成分と混合
して得た樹脂の衝撃強度が低く、また環境応力き
裂性の改良が果されない。 本発明の(B1)成分は70重量%以下のゲルを
含有していることが必要である。ただし、ここで
用いるゲル含有率は、(B1)成分のメチルエチル
ケトン1重量%溶液を温度30℃にて200メツシユ
ステンレス製金網で濾過して得た濾過残渣を乾燥
し、 {(濾過残渣重量)/(B1)成分重量)}×100
(%)として求めた。(B1)成分のゲル含有率が
70重量%を越えると、(A)成分と混合して得た樹脂
の環境応力き裂性が低下して好ましくない。 本発明の(B1)成分は乳化重合法により製造
されるが、乳化重合方法は特に制限がなく、公知
の技術を適用しうる。 次に、本発明の(B)成分は(B1)成分にビニル
単量体(B2)を乳化グラフト重合するが、(B2
は具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、t−ブチルスチレンなどの芳香族
ビニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル単量体、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、オクチルアクリレート、メトキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレ
ートなどの(メタ)アクリル酸エステル単量体な
どである。 本発明では、(B2)からなる重合体の溶解度パ
ラメーターSPbと、(A)成分の樹脂成分を構成する
重合体の溶解度パラメーターSPaとの差の絶対値
|SPa−SPb|が1.0未満、好ましくは0.5以下で
あることが必要である。|SPa−SPb|が1.0以上
の(B2)であつては、(A)成分と(B)成分の相溶性
が不充分であり、両者を混合して得た熱可塑性樹
脂を射出成形に供したとき、層状剥離現象の観察
されることがある。 (B2)の乳化グラフト重合方法は特に制限は
なく、従来の公知の技術を適用できる。具体的に
は、(B1)ラテツクスの存在下に(B2)を一括あ
るいは回分あるいは連続添加して重合を行なえば
よく、(B1)の重合に引き続き直ちに(B2)の重
合を継続することもできる。 本発明の(B)成分は(B1)100重量部に対して
(B2)1〜200重量部好ましくは2〜100重量部を
グラフト重合するが、(B2)が1重量部未満では
(A)成分と(B)成分の相溶性が不充分であり、200重
量部を超えると(B)成分の環境応力き裂性改良効果
が不充分であり好ましくない。 本発明では(A)成分100重量部に対し(B)成分1〜
50重量部を混合する。(B)成分の添加量が1重量部
未満では(A)成分と(B)成分を混合して得た熱可塑性
樹脂の耐環境応力き裂性が不充分であり、50重量
部を超えると該樹脂の剛性、耐熱性が低下して好
ましくない。 本発明においては、(A)成分と(B)成分との混合を
行なうことが必要であるが、混合は公知の方法を
適用し、乳化状態、粒子状態、あるいは溶融状態
の両成分を配合し、溶融混練することにより容易
に混合物を得ることができる。(B)成分が乳化状態
で混合に供される場合には、(B)成分ラテツクス
を、乳化状態、粒子状態、あるいは溶融状態の(A)
成分と配合し、脱水工程を経て、あるいは脱水工
程と同時に溶融混練することができる。溶融混練
装置を例示するならば、バンバリーミキサー、イ
ンテンシブミキサー、ミクストルーダー、コニー
ダー、エクストルーダー、ロールなどがあり、ま
た特開昭56−131656号に開示された製造方法を用
いることもできる。 さらに本発明においては、前記以外の添加剤た
とえば顔料、染料、安定剤、分散剤、補強材、充
填材、滑剤等を添加することも可能である。 以上のように、本発明にゴム含有スチレン系樹
脂(A)成分にグラフト構造を有するアクリル系ゴム
状重合体(B)成分を添加した組成物であつて、耐環
境応力き裂性に優れると同時に、ゴム含有スチレ
ン系樹脂の有する優れた熱安定性、機械的強度、
成形加工性を具備したスチレン系樹脂である。こ
こで(B)成分は、耐環境応力き裂性の改質に寄与す
る(B1)成分と、相溶性を改良する(B2)成分
とから構成されており、(B)成分をこのように設計
することにより、(A)成分の好ましい性質を損なう
ことなく、(A)成分の耐環境応力き裂性の改良が果
される。 本発明による組成物は、機械油、防錆油、グリ
ース、シンナー、インク、可塑剤などと接触する
部位に好適に用いることができる。また、応力負
荷されたスチレン系樹脂が可塑剤を含有する塩化
ビニル系樹脂と接触して用いられると、スチレン
系樹脂内部へ可塑剤が移行して環境応力き裂破壊
を生起させることが知られているが、本発明の組
成物ではこのような破壊現象が防止されるため、
塩化ビニル系樹脂との二重射出成形物、多層シー
ト、組み立て物などの材料に好適に用いることが
できる。 以下実施例をあげて本発明を更に説明する。な
お明細書記載の部及び%はすべて重量基準で示し
た。 参考例 グラフト重合体(B)の製造例 オートクレーブに純水180部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム1.5部、過硫酸カリウム
0.2部を加え、窒素雰囲気下にて撹拌した。内容
物を65℃に加熱し、n−ブチルアクリレート70
部、メチルメタクリレート30部、t−ドデシルメ
ルカプタン0.05部、エチレングリコールジメタク
リレート0.10部からなる単量体混合液を4時間か
けて連続添加し、アクリル系ゴム状重合体(B1
を得た。前記単量体の添加終了後、直ちに、アク
リロニトリル6部、n−ブチルアクリレート14部
からなる単量体混合液(B2)を1時間かけて連
続添加してグラフト重合した。ついで内容物を75
℃に昇温して2時間撹拌し、グラフト重合体B−
1を得た。収率は98%であつた。 アクリル系ゴム状重合体(B1)のガラス転移
温度は−19℃、ゲル含有率は0.2%であり、式(1)
より算出した溶解度パラメーターは9.0(cal/c.c.)
1/2であつた。 また、(B2)からなる重合体の前記式(1)より算
出した溶解度パラメーターは9.9(cal/c.c.)1/2であ
つた。 同様の重合操作を行ない、グラスト重合体B−
2〜B−22を得た。これらの重合体の(B1)成
分の組成および性質を表1に、(B2)成分の組成
および(B2)からなる重合体の性質を表2に、
また(B1)成分と(B2)成分の組み合せと(B)成
分の名称を表3にそれぞれ示した。 実施例 1 ポリブタジエンラテツクス(平均粒子径350m
μ)40部(固形分として)にアクリロニトリル18
部、スチレン42部をグラフト重合して得たABS
樹脂ラテツクス45部(固形分)に表3B−1〜B
−17の(B)成分ラテツクス10部(固形分として)を
ラテツクス混合した後、通常の析出操作を経て混
合物を回収した。該混合物55部にアクリロニトリ
ル−スチレン共重合体(アクリロニトリル含有率
30%、メルトフローインデツクス34g/10分)55
部を混合した後エクストルーダーで溶融混練して
ペレツト状の樹脂組成物を得た。即ち、該樹脂組
成物はABS樹脂100部(ゴム濃縮ABS45部をアク
リロニトリルースチレン共重合体55部で希釈した
樹脂)に(B)成分10部を混合した樹脂組成物に等し
い。該ABS樹脂の樹脂成分はアクリロニトリル
30%、スチレン70%からなり、この溶解度パラメ
ーターは式(1)より計算して10.1(cal/c.c.)1/2であ
る。 該樹脂組成物ペレツトより試験片を作成して物
性評価を行ない、その結果を表4実験No.1〜17に
示した。 実施例 2 B−1の添加量を表5に示した量に変えたほか
は実施例1と同様に実施してペレツトを得た。 得られたペレツトより成形物を作成して物性評
価を行ない、その結果を表5実験No.18〜22に示し
た。 実施例 3 EPDMゴム18%、アクリロニトリル18%、ス
チレン64%からなるAES樹脂100部にB−1を10
部混合してペレツトを得た。該AES樹脂の樹脂
成分の溶解度パラメーターは9.8(cal/c.c.)1/2であ
る。 得られたペレツトより成形物を作成して物性評
価を行ない、その結果を表6実験No.23に示した。 実施例 4 架橋ポリアクリル酸ブチル22%、アクリロニト
リル20%、スチレン58%からなるAAS樹脂100部
にB−1を10部混合してペレツトを得た。該
AAS樹脂の樹脂成分の溶解度パラメーターは
10.0(cal/c.c.)1/2である。 得られたペレツトより成形物を作成して物性評
価を行ない、その結果を表6実験No.24に示した。 実施例 5 ポリブタジエン21.0%、アクリロニトリル19.8
%、スチレン15.2%、α−メチルスチレン44.0%
からなる耐熱ABS樹脂100部にB−1を10部混合
してペレツトを得た。該耐熱ABS樹脂の樹脂成
分の溶解度パラメーターは9.6(cal/c.c.)1/2であ
る。 得られたペレツトより成形物を作成して物性評
価を行ない、その結果を表6実験No.25に示した。 比較例 1 実施例1で(B)成分としてB−18〜B−23を使用
した以外は実施例1と同様に実施してペレツトを
得た。 得られたペレツトより試験片を作成して物性評
価を供し、その結果を表7実験No.26〜31に示し
た。 比較例 2 (B)成分に代えて、エチレン20%、酢酸ビニル80
%からなるエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)を用いた以外は実施例1と同様に処理し
て物性評価を行ない、その結果を表7実験No.32に
示した。 比較例 3 B−1の添加量を表8に示した量に変えたほか
は実施例1と同様に実施してペレツトを得た。 得られたペレツトより試験片を作成して物性評
価を行ない、その結果を表8実験No.33、34に示し
た。 上記の試験において物性測定値はすべて以下の
方法により求めた。 (1) 引張り降伏点 ………JIS K 6871 (2) アイゾツト衝撃強度 ………JIS K 6871 (3) メルトフローインデツクス
………JIS K 7210 に準拠、温度250℃、荷重5Kg (4) 耐薬品性試験方法 JIS K 7113号形試験片に50mmのたわみを与
えて治具に固定し、エチレングリコールモノエ
チルエーテルを塗布し、温度23℃に放置したと
きの破断に至るまでの時間を分で表わす。 (5) 熱安定性試験方法 シリンダー温度を250℃とした2オンス射出
成形機のシリンダー内部に樹脂を10分間滞留さ
せた後に射出成形し、その3シヨツト目の成形
物(50×80×3mm平板)の白色度W10を、日本
電色工業株式会社製COLOR AND COLOR
DIFFERENCE METER MODEL ND−
101DCを用いて測定する。また、同一条件の射
出成形機で滞留操作を行なわずに射出した成形
物の白色度W0を測定する。白色度変化率WD
=(W0−W10)/W0×100を求め、WD<10を
A、10〓WD<20をB、WD〓20をCとして評
価する。WD〓20の樹脂では、滞留操作を行な
わずに射出した成形物であつても、成形温度の
多少の違いで成形物のW0に差異が生じる為に
好ましくない。 (5) 剥離性試験方法 シリンダー温度を200℃とした2オンス射出
成形機を用いて50×85×2mmの板状の成形物を
成形し、タブゲート(8.5×18×2mm)部分を
手折つたときのゲート断片の状態を観察する。
全く剥離現象が観察されない試料をA、破断面
に著しい凹凸が観察される試料をB、薄皮状の
明らかな剥離膜が観察される試料をCとして評
価する。 (6) 溶解度パラメーター 本明細書で用いた溶解度パラメーター値は以
下の通りである。ただし単位は(cal/c.c.)1/2
ある。 ポリアクリル酸ブチル ;8.8 ポリアクリル酸エチル ;9.4 ポリメタクリル酸メチル ;9.5 アクリロニトリル ;12.5 スチレン ;9.1 α−メチルスチレン ;8.5
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 () ゴム含有スチレン系樹脂(A)100重量部
    と、 () アクリル酸エステル単量体を含む単量体の
    乳化重合により得られたアクリル系ゴム状重合
    体(B1)100重量部に、一種類以上のビニル単
    量体(B2)1〜200重量部を乳化グラフト重合
    することにより得られたグラフト重合体(B)1〜
    50重量部からなる混合物において、(B1)の溶
    解度パラメーターが8.4〜9.8(cal/c.c.)1/2であ
    り、(B1)のガラス転移温度が20℃以下であ
    り、(B1)のゲル含有率が70重量%以下であ
    り、(B2)からなる重合体の溶解度パラメータ
    ーSPbと(A)成分の樹脂成分を構成する重合体の
    溶解度パラメーターSPaとの差の絶対値|SPa
    −SPb|が1.0未満であることを特徴とする熱
    可塑性樹脂組成物。 2 (B2)が芳香族ビニル単量体、シアン化ビ
    ニル単量体、及び(メタ)アクリル酸エステル単
    量体からなる群より選ばれることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の熱可塑性樹脂組成物。
JP14520283A 1983-08-09 1983-08-09 熱可塑性樹脂組成物 Granted JPS6036553A (ja)

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