JPS6318538Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のルーフ部に形成したレインレ
ールの水切り構造に関するものである。

従来、自動車のルーフレインレール１は、第１
図に示すように、車体２のルーフ部３の両側端の
車長方向に設けられていて、ウインドガラス５の
外周部に形成された空間部に前記ルーフレインレ
ール１の端部６を連結し、この空間部を覆うウイ
ンドモール７とフロントウインドガラス５の間に
雨水の排水通路を設けて、降雨時におけるルーフ
部３の排水を行つている。しかしながら、この構
造のものは降雨時に急停車したり、雨量が一時的
に集中したりすると、ウインドモール７とフロン
トウインドガラス５の僅かな間隙部から雨水が漏
出してフロントウインドガラス５の外面を伝つて
流れるいわゆる雨だれ現象ａを起して運転中の視
界を乱す欠点がある。

なお、ルーフレインレールの水切り構造の従来
例としては、実公昭44−20323号公報、実開昭52
−86116号公報および実開昭55−55470号公報に示
されているが、いずれも本考案のような構造を備
えたものではない。

本考案は、かかる欠点に鑑みてなされたもの
で、ルーフレインレールの端部に対向するウイン
ドモールの内側にガイド部材を設けて、該ガイド
部材の案内面で雨水をフロントウインドガラスの
側方へ導くことにより、前記欠点の解消を図つた
ルーフレインレールの水切り構造を提供すること
を目的とする。

以下、本考案を各実施例について詳細に説明す
る。

実施例 １ 本例は第１図ないし第３図に示し、ルーフレイ
ンレールからの雨水をフロントウインドガラスの
一側方の排水通路に導く場合である。

ルーフレインレール１は、フロント側の端部６
がウインドガラス５と車体２のフロントウインド
ガラス用開口段部８との間に形成した隙間１０に
連結されており、該隙間を覆うウインドモール７
の下方には、雨水を車外に排出せしめる上部排水
通路１１および側部排水通路１２，１３が設けら
れている。前記ルーフレインレール１の端部６に
対向するウインドモール７の内側には、ゴム等の
軟質弾性材料によるガイド部材２１ａが設けられ
ている。

前記ガイド部材２１ａは、車幅方向に平行な横
案内面２２ａを有する横部材２３と車長方向に平
行な縦案内面２５を有する縦部材２６とを連設し
てＬ字状に形成され、かつ該縦部材の後端部から
下方に係止片２７が突設されたものであつて、該
係止片が前記レインレール１の端部６とフロント
ウインドガラス５との隙間１０に嵌挿されて前記
縦案内面２５をレインレール１の内側壁面２８と
面一に設けるとともに、ウインドモール７の上側
内周部とフロントウインドガラス５との接触部３
０は横部材２３によつて密封されている。３１お
よび３２はシール材および接着剤であり、３３は
フロントヘツダである。

上記の構造において、ルーフレインレール１内
の雨水が車体２の前方に向つて流れると、雨水は
ルーフレインレール１の端部６に対向する上部排
水通路１１に流入すると同時に、ガイド部材２１
ａの縦案内面２６および横案内面２２ａによつて
フロントウインドガラス５の側方（第１図、第２
図において右側）に導かれたのち、側部排水通路
１２を経て車外に排出される。したがつて、ルー
フレインレール１内に流れる雨水の流量、流速が
急激に増加しても、ルーフレインレール端部に対
向するウインドモールの内側からフロントウイン
ドガラスの外側に雨水が漏洩するおそれはない。

実施例 ２ 本例は第４図および第５図に示し、雨水をフロ
ントウインドガラスの両側方の排水通路に導く場
合である。

ガイド部材２１ｂは横案内面２２ｂのみを有す
る短片状に形成され、該横案内面の中央部をルー
フレインレール１の端部６に対向せしめるととも
に、雨水の流通を許容する所要の間隙Ａを有せし
めてウインドモール７の内側に設けられており、
ルーフレインレール１から上部排水通路１１に流
入する雨水を、ガイド部材２１ｂによつて間隙Ａ
の下方へ導びき、左右の側部排水通路１２，１３
側へ流通せしめるようにしたものである。

以上のように本考案によれば、自動車のルーフ
レインレールの端部に対向するウインドモール内
側にガイド部材を設けて、雨水をフロントウイン
ドガラスの側方へ導くようにしたので、ルーフレ
インレール内を流れる雨水が瞬間的に多くなつて
もウインドモールの内側からフロントウインドガ
ラスの表面へ漏水するのを防止して降雨時におけ
る視界を良好な状態に維持しうるとともに、ガイ
ド部材は構造が簡単で量産に適し、しかも脱着が
容易で作業性がよいなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は自
動車のルーフ部を示す外形斜視図、第２図は第１
図の部を拡大した実施例１におけるレインレー
ル端部の斜視図、第３図は第２図の−線にお
ける断面図、第４図は実施例２におけるレインレ
ール端部の斜視図、第５図は第４図の−線に
おける断面図である。 １……ルーフレインレール、２……車体、３…
…ルーフ部、５……フロントウインドガラス、６
……端部、７……ウインドモール、８……開口段
部、１０……隙間、１１……上部排水通路、１
２，１３……側部排水通路、２１ａ，２１ｂ……
ガイド部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントウインドガラス上端縁上方のルーフ部
   に車体前後方向に延びる凹状のレインレールを形
   成し、フロントウインドガラス上端縁と該フロン
   トウインドガラス取付用の開口段部との間に形成
   された車幅方向に延びる上部排水通路に前記レイ
   ンレールの前端部を連結するとともに、前記フロ
   ントウインドの側端縁と車体との間に前記上部排
   水通路に連通する側部排水通路を設ける一方、前
   記両排水通路およびフロントウインド端縁部を覆
   うウインドモールを設けた自動車において、前記
   レインレールの前端部に対向する位置から前記側
   部排水通路近傍までの前記ウインドモールとフロ
   ントウインド上端縁との間に、前記レインレール
   からの雨水を前記側部排水通路へ導くガイド部材
   を設けたことを特徴とするルーフレインレールの
   水切り構造。