JPS6318169Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビジヨン放送信号の如き音声FM
信号を検波して音声信号を得る音声復調回路に関
する。

テレビジヨン放送の音声信号は、放送局側で
FM変調を行う前に、高域部に対してブリエンフ
アシスがかけられており、このため、テレビジヨ
ン受像機側では、検波して得た音声信号に対して
デイエンフアシスを行なわなければならない。こ
のデイエンフアシスは基本的には音声検波段から
音声出力段の間の伝送経路内であれば、その経路
内の何れの位置で行つてもよい訳である。

一方、音声検波段からの音声信号出力中には元
のFM信号のキヤリア成分が残留している場合が
多いので、このキヤリア成分は上記検波段の出力
端の近くで充分に減衰させておかないと、受信機
内の他の回路に影響を与えることになる。特にテ
レビジヨン受像機の場合には、上記キヤリア成分
の適調波等が映像信号回路に妨害を与えることに
なる。

このため、一般に上記検波段の出力端にはキヤ
リア成分押圧用のコンデンサ等が接続されている
が、先のデイエンフアシスのためのフイルタ素子
を上記出力端に設ければ、このフイルタ素子を上
記キヤリア成分抑圧用に兼用できることになり有
利である。しかし、その際には、検波段とその後
段回路との結合を充分に考慮しておかないと、上
記後段回路の入力インピーダンスのバラツキ等に
よつて前記フイルタ素子のデイエンフアシスのた
めの時定数を所定値に正確に設定できないことに
なる。

そこで、本考案は斯る点に着眼してなされたも
のであり、以下、その詳細を図面を参照して説明
する。

図面は本考案による音声復調回路の一実施回路
例を示しており、この回路は大別してピークデイ
フアレンシヤル型に構成されたFM検波段１と、
その検波出力を取り出すための電流ミラー回路段
２とから構成されている。

前記FM検波段１は、入力端子Ｐ１に導入され
るテレビジヨン受像機の音声中間周波信号の如き
音声FM変調信号を入力とするエミツタホロワト
ランジスタＴ１と、そのエミツタホロワ出力を受
ける差動対トランジスタＴ３，Ｔ４と、この差動
対の定電流用トランジスタＴ５及びそのバイアス
用トランジスタＴ２と、180゜移相器を構成するコ
イルＬ１及びコンデンサＣ１，Ｃ２等からなる回
路構成であり、斯る回路構成自体はピークデイフ
アレンシヤル型検波器として周知であつて特記す
べき特徴はない。ここで注意すべきは、前記差動
対トランジスタのうち検波出力を取り出す側の一
方Ｔ３のコレクタにデイエンフアシス用のコンデ
ンサＣ４を接続すると共に、そのＴ３のコレクタ
を抵抗Ｒ１１，Ｒ１２によつてバイアスされてベ
ース接地型で動作するトランジスタＴ６のエミツ
タに抵抗Ｒ９を介して接続し、このＴ６のコレク
タを次の電流ミラー回路段２に接続するようにし
た点である。なお、コンデンサＣ３は検波段での
キヤリア成分抑圧用のものである。

前記前流ミラー回路段２は、前記ベース接地型
トランジスタＴ６のコレクタに接続された入力側
トランジスタＴ７及びバイアス用トランジスタＴ
８と、Ｔ７，Ｔ８にベースが接続された出力側ト
ランジスタＴ９と、このＴ９のコレクタ出力を取
り出すためのエミツタホロワトランジスタＴ１０
等を主要素として構成されており、この構成自体
には何等特徴はない。

さて、斯る回路構成に依れば、検波段１からの
検波出力即ち差動対トランジスタＴ３のコレクタ
電流はベース接地型トランジスタＴ６のコレク
タ・エミツタ間を通つて電流ミラー回路段２の入
力側トランジスタＴ７から流れるので、抵抗Ｒ１
３，Ｒ１４の抵抗値を同一値としておけば、上記
電流ミラー回路段２の出力側トランジスタＴ９に
も上記と同じ大きさのコレクタ電流が流れ、従つ
て、最終的にはエミツタホロワトランジスタＴ１
０のエミツタに接続された出力端子Ｐ２から検波
出力即ち音声信号が取り出せる訳である。

ここで、前記トランジスタＴ６はベース接地型
で動作しているから、このトランジスタのエミツ
タから見た入力インピーダンスは非常に小さい。
従つて、前記コンデンサＣ４と相俟つてデイエン
フアシス用の時定数を決める抵抗Ｒ９の値が上記
入力インピーダンスに対して充分大きくなるよう
に、この抵抗Ｒ９及び上記コンデンサＣ９の値を
設定すれば、上記入力インピーダンスにバラツキ
があつても、デイエンフアシスのための時定数は
先のＣ４とＲ９とによつて略一義的に決まること
になる。従つて、検波段１から取り出される音声
信号の高域部に対して常に一定のデイエンフアシ
ス作用を与えることができることになり、また、
その際、コンデンサＣ４はハイパスフイルタとし
て働くから、上記音声信号中の残留キヤリア成分
を減衰させる訳である。なお、当然のことではあ
るが、先のＣ４，Ｒ９の値を選定するに当つて
は、前述の条件の他に、このＣ４とＲ９が検波出
力（音声信号）の高域部に対して所定の減衰特性
を与えるように考慮しなければならない。

本考案の音声復調回路は、以上の如く構成され
たものであるから、検波段の出力端に設けたデイ
エンフアシス用素子のフイルタ作用が上記検波段
に接続された回路の入力インピーダンスによつて
左右されず、このため検波された音声信号に対し
て常に一定のデイエンフアシス作用を与えること
ができ、また、上記素子によつて検波出力中の残
留キヤリア成分を同時に除去できると云う利点も
ある。従つて、テレビジヨン音声信号の如き音声
FM変調信号の復調に使用して好適である。

なお、図示の実施例では、検波段の差動対トラ
ンジスタの一方のみから検波出力を得るようにし
ているが、上記差動対トランジスタの双方から差
動信号型式の検波出力を取り出すようにした場合
には、その双方のコレクタに実施例の如き回路構
成を採用すればよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による音声復調回路の一実施例を
示す回路図である。 １：検波段、２：電流ミラー回路段、Ｔ６：ベ
ース接地型トランジスタ、Ｃ４，Ｒ９：デイエン
フアシス用のフイルタを構成するコンデンサと抵
抗。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 音声FM変調信号を入力とする検波段の出力を
   ベース接地型として動作するトランジスタのエミ
   ツタ・コレクタ間を介して取り出す様にすると共
   に、前記検波段の出力端と前記トランジスタのエ
   ミツタとの接続点に、前記トランジスタの入力イ
   ンピーダンスに比して充分大きい抵抗値を有する
   抵抗及び残留キヤリヤ成分を抑圧するコンデンサ
   とで構成され、デイエンフアシス作用を有するフ
   イルタ回路を設けたことを特徴とする音声復調回
   路。