JPS6316022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、正方向及び逆方向いずれの方向に磁
気記録媒体である磁気テープを走行駆動させた場
合においても、記録再生を行ない得るようにした
リバース式テープレコーダの磁気ヘツド調整装置
に関し、特に走行する磁気テープに対する磁気ヘ
ツドのギヤツプの垂直度を上記磁気テープの正方
向駆動及び逆方向駆動に応じてそれぞれ独立に調
整し得る第１及び第２の調整ねじを有するものに
関する。

一般にリバース式テープレコーダにあつては、
磁気テープの走行位置を規制するテープガイド等
の加工精度及び組付け精度の向上を図つても、上
記テープガイド等と磁気テープ間には幅方向にわ
ずかのクリヤランスが存在するため、正方向駆動
の場合と逆方向駆動の場合とでは、磁気テープの
走行状態が微妙に相違する。そのため、磁気テー
プの正方向駆動状態でのみ走行する磁気テープに
対する磁気ヘツドのギヤツプの垂直度を調整して
も、逆方向駆動時にはもはやその調整した垂直度
を維持することができなくなり、記録再生特性を
著しく悪くしてしまう。

そこで、上述したような問題点を解決するた
め、走行する磁気テープに対する磁気ヘツドのギ
ヤツプの垂直度を正方向駆動時及び逆方向駆動時
にそれぞれ独立して調整し得るようにしたリバー
ス式テープレコーダにおける磁気ヘツド調整装置
が提案されている。

この種の磁気ヘツド調整装置は、走行する磁気
テープに対する磁気ヘツドのギヤツプの垂直度を
上記磁気テープの正方向駆動及び逆方向駆動に応
じてそれぞれ独立に調整し得るようにヘツド取付
け板に正方向用及び逆方向用の２本の調整ねじを
設け、この２本の調整ねじのいずれか一方により
それぞれ正方向駆動及び逆方向駆動時における磁
気ヘツドのギヤツプの垂直度を調整するように構
成している。

ところが、上記調整ねじは同一の形状をなし、
ヘツド取付け板に設けられた小さな面積の調整ね
じ取付け部に近接しているため、いずれが正方向
駆動用あるいは逆方向駆動用の調整ねじか速断す
ることが難しく、誤つて調整ねじを回動操作して
しまうことが多々生じる。このように誤つて調整
ねじを回動操作してしまうと、所望する駆動方向
におけるギヤツプの調整ができないばかりか、調
整済の駆動方向のギヤツプの垂直度を狂わしてし
まい再び調整する必要が生ずる等して磁気ヘツド
のギヤツプの走行する磁気テープに対する垂直度
の調整が難しいという問題点がある。

そこで、本考案は上述したような走行する磁気
記録媒体である磁気テープに対する磁気ヘツドの
ギヤツプの垂直度を上記磁気テープの正方向駆動
及び逆方向駆動に応じてそれぞれ独立に調整し得
るようにしたリバース式テープレコーダの磁気ヘ
ツド調整装置において、上記磁気テープの正方向
駆動及び逆方向駆動に応じ磁気ヘツドのギヤツプ
の垂直度を調整すべき調整ねじの選択を誤ること
がないようにし、磁気ヘツドのギヤツプの垂直度
の調整の操作性の向上を図るようにしたものであ
り、特に磁気テープの正方向駆動及び逆方向駆動
の切換え操作を行なう切換えレバーに関連してい
ずれか一方の調整ねじのみの回動操作を可能にす
るようにしたものである。

以下、本考案を図面に示す一実施例を参照して
説明する。

本考案によつて構成されるリバース式テープレ
コーダの磁気ヘツド調整装置は、第１図に示すよ
うに磁気ヘツド１が取付けられる弾性偏位可能な
板ばね部材等で形成されたヘツド取付け板２を有
している。このヘツド取付け板２は、磁気ヘツド
１が取付けられるヘツド取付け部３の一側を立上
り形成するとともにＬ字状に折曲げ、この折曲げ
部分を走行する磁気記録媒体である磁気テープに
対する磁気ヘツド１のギヤツプの垂直度を上記磁
気テープの正方向駆動及び逆方向駆動に応じてそ
れぞれ独立に調整する第１及び第２の調整ねじ
４，５が取付けられる調整ねじ取付け部６として
いる。

このように形成されたヘツド取付け板２は、ヘ
ツド取付け部３に磁気ヘツド１をスポツト溶接な
どにより取付けるとともに、上記ヘツド取付け部
３の一端をテープレコーダ本体を構成するメカシ
ヤーシ７上にスライド自在に配設されたヘツド基
板８上にスペーサ９を介在させたビス１０により
固定されている。また、上記ヘツド取付け板２の
他端側である調整ねじ取付け部６には第２図に示
すように長孔１１が穿設され、この長孔１１にヘ
ツド基板８に植立した支軸１２の先端が挿通さ
れ、この支軸１２により支持されている。すなわ
ち、ヘツド取付け板２は片持支持構造としてヘツ
ド基板８上に取付けられている。

そして、上記ヘツド取付け板２の調整ねじ取付
け部６の下面側には、この調整ねじ取付け部６に
取付けられる第１及び第２の調整ねじ４，５の下
端縁が選択的に係合する係合面１３を有する制御
レバー１４が設けられている。この制御レバー１
４は、係合面１３を形成した膨出部１５の下面側
に突設した突起部１６をヘツド基板８に設けたス
ライドガイド溝１７に係合させるとともに、上記
膨出部１５の基端縁から延設した支持杆１８に穿
設した長孔１９からヘツド基板８に固定されるブ
ツシング２０を介在させた取付けガイド軸２１を
挿通し、この取付けガイド軸２１により上記ヘツ
ド基板８に取付けられている。この制御レバー１
４は磁気テープの正方向駆動（ノーマル駆動）又
は逆方向駆動（リバース駆動）を選択的に切換え
る上記第１及び第２の調整ねじ４，５の一端であ
る頭部４ａ，５ａと対向するように磁気ヘツド１
上に摺動するように設けられた切換えレバー２２
と連結され、上記切換えレバー２２の切換え操作
に応じてヘツド基板８のスライドガイド溝１７に
突起部１６が案内されて第１図中矢印Ａ方向に往
復摺動させられる。そして、上記制御レバー１４
と磁気ヘツド１上に延在される切換えレバー２２
との連結は、切換えレバー２２の一側縁から垂下
される連結片２３の先端を折曲げて形成した係合
片２４を制御レバー１４の膨出部１５の一側面に
形成した係合凹部２５に係合させて行なわれてい
る。なお、切換えレバー２２は、制御レバー１４
のスライド量に比し大きなスライド量を有するた
め、このスライド量の調節を図るため、上記係合
片２４と係合凹部２５間のスライド方向にクリヤ
ランスが設けられている。

ところで、制御レバー１４に設けられる係合面
１３は、膨出部１５の両側コーナ部に傾斜面部２
６，２７を形成して構成され、この係合面１３上
には、制御レバー１４の摺動方向に位置をずらせ
て取付けられる第１及び第２の調整ねじ４，５の
下端面を支持する第１及び第２の板ばね２８，２
９が延在されている。この第１及び第２の板ばね
２８，２９は一体に形成され、これらばね２８，
２９を連結する連結片３０の基端部を取付けガイ
ド軸２１の頭部２１ａとブツシング２０間に介在
して固定されている。すなわち、第１及び第２の
板ばね２８，２９はヘツド基板７に固定されるよ
うになつている。

上記第１及び第２の板ばね２８，２９によつて
下端面を支持される第１及び第２の調整ねじ４，
５は、制御レバー１４の摺動方向に相互に位置を
ずらせ且つ斜めになつてヘツド取付け板２の調整
ねじ取付け部６に取付けられている。この調整ね
じ取付け部６はヘツド取付け部３等に比較して肉
厚となるように下面側に補強板３１が接合されて
いる。この補強板３１は、調整ねじ取付け部６か
ら一部が突出する大きさとされ、調整ねじ取付け
部６の側縁との間に段部３２が形成される。そし
て、上記補強板３１には第２図に示すように調整
ねじ取付け部６の側縁に略半円部分が掛るように
して第１及び第２の調整ねじ４，５が螺合するね
じ穴３３，３４が穿設されている。これらねじ穴
３３，３４は、上記段部３２を含むように調整ね
じ取付け部６の側縁に円弧状の切欠き凹部３５，
３６を形成するように設けられる。このように形
成されたねじ穴３３，３４には、軸部４ａ，５ａ
にコイルスプリング３７，３８を介在させた第１
及び第２の調整ねじ４，５が螺合されて取付けら
れている。従つて、コイルスプリング３７，３８
の端部と、調整ねじ取付け部６間には上記段部３
２に応じた間隙が構成される。

なお、調整ねじ取付け部６とヘツド基板８間に
は、上記調整ねじ取付け部６に一端を接合し垂下
片の折曲げた先端を上記ヘツド基板８の下面に係
合された押えばね３９が設けられ、ヘツド取付け
板２は上記押えばね３９によつてヘツド基板２側
へ押し付けられている。

ところで、上述のように構成されたヘツド調整
装置において、テープレコーダのスイツチを切換
えピンローラの圧着を切換え操作して、磁気テー
プの正方向駆動及び逆方向駆動を切換える切換え
レバー２２には、上記磁気テープの正方向駆動及
び逆方向駆動に対応してそれぞれ磁気ヘツドの垂
直度を調整する第１及び第２の調整ねじ４，５の
一端である頭部４ａ，５ａと対向する位置に、上
記第１及び第２の調整ねじ４，５の頭部４ａ，５
ａが選択的に臨むねじ調整用開口部４０が設けら
れている。この開口部４０は上記第１及び第２の
調整ねじ４，５を回動操作するドライバー等の治
具が挿入されるに足る幅をもつて、切換えレバー
２２の摺動方向に位置をずらせ斜めに設けられた
第１及び第２の調整ねじ４，５の配列方向と逆方
向に斜めに長孔として形成されている。従つて、
切換えレバー２２の第１の操作位置にあつては、
ねじ調整用開口部４０の一端４０ａ側に第２の調
整ねじ５の頭部５ａが臨み、磁気テープの駆動方
向を切換えるため上記切換えレバー２２を第２図
中矢印Ｂ方向に押圧操作して第２の操作位置（第
２図の破線位置）に切換えレバー２２が位置する
と、ねじ調整用開口部４０の他端４０ｂ側に第１
の調整ねじ４の頭部４ａが臨み、一方上記第２の
調整ねじ５の頭部５ａは切換えレバー２２によつ
て覆われ調整不能となる。すなわち、切換えレバ
ー２２による磁気テープの駆動方向の選択によ
り、該磁気テープの駆動方向に対応したいずれか
一方の調整ねじ４又は５がねじ調整用開口部４０
に臨むようになる。

また、制御レバー１４も上記切換えレバー２２
の切換え操作に応じてヘツド基板７上を摺動す
る。そして、磁気テープの正方向駆動又は逆方向
駆動に対応して、制御レバー１４の係合面１５に
第１又は第２の調整ねじ４，５のいずれか一方が
載置係合する。このとき、上記係合面１５上に載
置される第１又は第２の調整ねじ４又は５は、そ
の頭部４ａ又は５ａが切換えレバー２２のねじ調
整用開口部４０に臨んでいる。この開口部４０に
臨み係合面１５上に係合する第１又は第２の調整
ねじ４又は５を回動操作すれば、必然的に切換え
レバー２２によつて切換え選択された磁気テープ
の駆動方向における磁気ヘツド１のギヤツプの上
記磁気テープに対する垂直度の調整が行なえる。

上述したような本考案によれば、磁気テープの
正方向駆動及び逆方向駆動の切換え選択に対応し
て、それぞれ駆動方向に応じた調整ねじのみが切
換えレバーの開口部に臨むので、所望する磁気テ
ープの駆動方向に応じた磁気ヘツドのギヤツプの
磁気テープに対する調整を必然的に行なうことに
なるので、調整の誤りをなくすことができ極めて
操作性の良い磁気ヘツド調整装置を構成すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図であ
り、第２図はその平面図であり、第３図は第２図
の−断面図である。 １……磁気ヘツド、２……ヘツド取付け板、４
……第１の調整ねじ、５……第２の調整ねじ、６
……調整ねじ取付け部、２２……切換えレバー、
４０……ねじ調整用開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行する磁気記録媒体に対する磁気ヘツドのギ
   ヤツプの垂直度を、上記磁気記録媒体の正方向駆
   動及び逆方向駆動に応じてそれぞれ独立に調整す
   る第１及び第２の調整ねじをヘツド取付け板に設
   けるとともに、上記第１及び第２の調整ねじの一
   端に各々設けられた頭部と対向して上記磁気記録
   媒体の正方向駆動及び逆方向駆動を選択的に切換
   える切換えレバーを設け、この切換えレバーに、
   上記磁気記録媒体の正方向駆動及び逆方向駆動の
   切換え操作に応じて上記第１及び第２の調整ねじ
   の頭部のいずれか一方のみが選択的に臨むねじ調
   整用開口部を設けてなるリバース式テープレコー
   ダの磁気ヘツド調整装置。