JPS631458Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、耐衝撃性にすぐれた圧電振動子の保
持構造に関するものである。

水晶振動子のごとき圧電振動子は、厚味振動を
自由に生ぜしめ且つ外部との電気的接続の為に、
その両端を一対のサポータによつて保持してい
る。

サポータによる保持構造の代表的なものとして
線サポート方式と板サポート方式とが知られてい
る。

第１図は線サポート方式の構成図を示し、図
中、１は円盤状の圧電振動子を示し、両面に電極
が各々設けられている。２は圧電振動子のベース
であり、３はベースに設けられたリード端子、４
はリード端子に接続され圧電振動子１を保持する
線サポータである。

第１図ａの平面図に示すごとく圧電振動子１の
両側は一対の線サポータ４によつて保持されてお
り、第１図ｂの断面図のごとく線サポータ４はそ
の先端でリング状の端部４ａを持ち、リング状の
端部４ａによつて、圧電振動子１をはさむように
保持するものである。もちろん端部４ａと圧電振
動子１とは導電性接着剤によつて固着される。係
子線サポート方式によれば、線サポータ４は線状
でありバネ性を有しているので、外部の衝撃に対
し線サポータが吸収作用を撥揮する。すなわち第
１図ａの平面左右方向の衝撃に対しては、線サポ
ータ４のバネ性により衝撃が吸収され、垂直面方
向の衝撃に対してもそのバネ性により衝撃が吸収
されるものである。

しかしながら、一般に圧電振動子を含めベース
２上にケースがかぶされる為、極端な衝撃に対し
ては圧電振動子がケースに衝突し、圧電振動子が
破損してしまうおそれがあつた。

一方、板サポート方式は次の様である。第２図
は板サポート方式の構成図を示し、図中、５はリ
ード端子に接続された圧電振動子１を保持する板
サポータであり、その他第１図と同一のものは同
一の記号で示してある。

板サポータ５の上部には、係合穴５ａが設けら
れ、圧電振動子１の両端が、この係合穴５ａに係
合することにより、圧電振動子１が保持される。

又、この係合穴５ａと係合する圧電振動子１の
端部は板サポータ５と、係合穴５ａの部位で導電
性接着剤等により固着される。

係る板サポート方式では、板サポータ５は板状
であるため、第２図ａの平面左右方向には柔軟性
を有しているが、垂直方向に対しては柔軟性を有
していない。

従つて、外部の衝撃に対し、その平面方向の衝
撃には、板サポータのバネ性によつて衝撃が吸収
され、垂直方向の衝撃には、板サポータの剛性に
よつて、圧電振動子１がしつかりと保持されるこ
とになる。

しかしながら、垂直方向の衝撃が板サポータ５
の剛性のため、圧電振動子１に全て付与され、こ
のため、圧電振動子１が割れてしまう恐れがあつ
た。

本考案は、上述の線サポート方式及び板サポー
ト方式の欠点を除去する新規な圧電振動子の保持
構造を提供することを目的とする。

以下、本考案を一実施例により詳細に説明す
る。

第３図は、本考案の一実施例構成図を示し、第
３図ａはその平面図、第３図ｂは、板サポータ５
側から見た断面図、第３図ｃは線サポータ４側か
ら見た断面図である。

図中、第１図及び第２図と同一のものは同一の
記号で示してある。

ベース２上に固着された一対のリード端子３の
一方には、板サポータ５が、他方には、線サポー
タ４が接続される。そして、圧電振動子１の両端
の一方が板サポータ５に、他方が線サポータ４に
より、保持される。

即ち、圧電振動子１の両端の一方は板サポータ
５の係合穴５ａに係合し、他方は線サポータ４の
リング状端部４ａではさまれ、各々導電性接着剤
等で固着されて保持される。

係る構成では、第３図ａの平面方向の衝撃に対
しては、板サポータ５及び線サポータ４のバネ性
による柔軟性を持ち、係るバネ性による撓みを呈
する。

この撓みは、第１図の線サポート方式より少な
く、第２図の板サポート方式よりやや大きい。

一方、第３図ａの垂直方向の衝撃に対しては、
板サポータ５の係合穴５ａを中心とし、線サポー
タ４の撓み分だけ、圧電振動子１が回転すること
により、衝撃が吸収されることになる。

このような動作により、平面方向の衝撃に対し
ては、従来の線サポート方式のように大きく撓む
ことなく衝撃を吸収するため、ケースに圧電振動
子１が衝突することがなく、圧電振動子１を破損
する恐れがない。そして垂直方向の衝撃に対して
は、従来の板サポート方式のように剛性のみによ
つて保持することなく、線サポータ４の撓みによ
つて衝撃を吸収するので、圧電振動子１に全ての
衝撃力が付与されることがないため、圧電振動子
１が割れる恐れもない。

以上の様に、本考案によれば、平面方向の衝撃
に対しては、板サポータ５の撓みが寄与し、圧電
振動子がそれ程振動することなく、衝撃が吸収さ
れ、又垂直方向の衝撃に対しては、線サポータ４
の撓みが寄与し、この撓みにより衝撃が吸収され
ることになる。このため、いずれの方向の衝撃に
対しても、圧電振動子１の破損、割れ等が生ぜ
ず、極めて有効な保持が可能となり、実用上極め
て有用である。

尚、本考案を一実施例により説明したが、本考
案の主旨に従い、種々の変形が可能であり、これ
らを本考案の範囲から排除するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の線サポート方式の構成図、第２
図は従来の板サポート方式の構成図、第３図は本
考案の一実施例構成図を示す。 図中、１は圧電振動子、２はベース、３はリー
ド端子、４は線サポータ、４ａは線サポータの端
部、５は板サポータ、５ａは板サポータの係合穴
を各々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベース上に設けられた一対のサポータによつて
   圧電振動子の両端を保持してなる圧電振動子の保
   持構造において、該一対のサポータの一方を板状
   サポータ、他方を線状サポータで構成することを
   特徴とする圧電振動子の保持構造。