JPS6312297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は電線束等の線材を保持するワイヤ保持
具に関し、特に両端部の係合が不用意に外れるこ
とを防止し得るワイヤ保持具に関する。

（従来の技術及びその問題点） 従来のワイヤ保持具は第１図に示すように弾性
抱擁帯片２先端部の係止突部４同志を単に引掛け
るような構成となつているのが通例である。従つ
て、不用意に弾性抱擁帯片２を手で押えたり、他
の器具等があたつたりなどすると２点鎖線で示す
ように係止突部４の係合が外れ易く、ロツクの確
実性に欠けるという問題点があつた。特に、ワイ
ヤ保持具を吊り下げたり、垂直に取り付けた場合
などにおいては、保持された電線束等がはみ出し
てくるという問題点があつた。

本考案はこのような事情を背景としてなされた
ものであり、本考案の目的とするところは、電線
束等の保持が確実で、かつロツクとアンロツクの
操作が容易なワイヤ保持具を提供することにあ
る。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） このような目的を達成するためになされた本考
案の要旨とするところは、互いに掛け止めされ得
る係止突部を先端部に設けた弾性抱擁帯片を対向
位置に配置し、その内部空間に線材を保持するよ
うにしたワイヤ保持具において、一方の弾性抱擁
帯片先端部の前記内部空間側平面に第１の係止突
部を設け、他方の弾性抱擁帯片先端部の前記内部
空間反対側平面に前記第１の係止突部に掛け止め
可能な第２の係止突部を設けかつ該弾性抱擁帯片
の第２の係止突部突設側平面には該第２の係止突
部突設位置に至る板状部材を配置し、しかも板状
部材と弾性抱擁帯片との間に該弾性抱擁帯片の長
手方向にリブを設け、板状部材先端部内側面と弾
性抱擁帯片との間に前記一方の弾性抱擁帯片の第
１の係合突部とのロツク解除を阻害しない幅の空
間部を形成したことを特徴とするワイヤ保持具に
ある。

（作 用） 本考案のワイヤ保持具によれば、一方の弾性抱
擁帯片先端部に設けた板状部材とこの弾性抱擁帯
片との間に他方の弾性抱擁帯片の係合突部とのロ
ツク解除を阻害しない幅の空間部が形成され、か
つこの空間部内側面に一方の弾性抱擁帯片を当接
可能とすることによつて両係止突部の掛け止め解
除後における両弾性抱擁帯片先端部間のの離間に
一定の制限を加えるよにされているので、弾性抱
擁帯片をその係止突部の係止が外れる方向に押し
ただけでは、両弾性抱擁帯片先端部間が一定以上
に開くことがなく、内部に保持した電線束等が外
部にはみ出すことが防止できる。従つて、従来の
ワイヤ保持具において電線束等のはみ出し易い取
り付け状態すなわち、ワイヤ保持具を吊り下げた
り、垂直にした場合でも安全に使用が可能とな
る。また、弾性抱擁帯片先端部に設けた空間部は
両係止突部の掛け止め解除を阻害するものではな
いので、ロツク、アンロツクの操作は従来同様に
容易である。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

（実施例） 第２図、第３図において１０はワイヤ保持具の
基底板であり、その下面中央部付近には、周知の
ワンタツチ取付脚１２が突設され、シヤーシの孔
等に取り付け可能とされている。基底板１０の側
端部には板状部１４が立設され、その先端部には
水平方向に弾性抱擁帯片１６が設けられ、弾性抱
擁帯片１６の先端部に、第１の係止突部に相当す
る下向きの係止突部１８が形成されている。弾性
抱擁帯片１６は板状部１４より幅が狭く、かつ薄
肉とされ弾性変形が容易とされている。基底板１
０の他端部には、板状部２０が立設され、その先
端部には薄肉可撓部２２を介して弾性抱擁帯片２
４が連設され、その先端部には第２の係合突部に
相当する上向きの係止突部２６が形成される。板
状部２０と弾性抱擁帯片２４は、前記弾性抱擁帯
片１６と同様に幅が狭く、かつ薄肉とされ、弾性
を生ずるようにされている。なお、各係止突部１
８，２６の掛け止め面はそれぞれ弾性抱擁帯片の
平面にほぼ直角とされている。弾性抱擁帯片２４
には、係止突部２６の突設位置に至る板状部２８
が連設され、両者間は弾性抱擁帯片２４の長手方
向に設けたリブ３０につて補強されると共に弾性
抱擁帯片２４先端部と板状部２８先端部との間に
空間部３２が形成されている。弾性抱擁帯片２４
は薄肉可撓部２２によつて屈曲可能とされ、空間
部３２内に他方の弾性抱擁帯片１６の先端部が嵌
り得ると共に両係止突部１８，２６同志が掛け止
め可能とされる。第３図の２点鎖線はその状態を
示す。第３図において、板状部２８下面と弾性抱
擁帯片１６上面との隙間ｇは係止突部１８，２６
間の掛け止め深さより若干広くされている。従つ
て、板状部２８を押し付けて弾性抱擁帯片１６に
当接され、隙間ｇを零とすると係止突部の掛け止
めが外れる。なお、上記ワイヤ保持具はナイロン
等の合成樹脂によつて一体につくられている。

次に、以上のように構成されたワイヤ保持具の
使用方法および効果を説明する。なお、説明に当
たり「掛け止め」、「ロツク」なる語は両弾性抱擁
帯片１６，２４の先端部に形成された係止突部１
８，２６が互いに係合した状態を指し、「掛け止
め解除」，「アンロツク」なる語は上記係止突部１
８，２６の係合状態のみが解かれ一方の弾性抱擁
帯片１６が他方の弾性抱擁帯片２４と板状部２８
とにより形成される空間部内にある状態を指して
いる。また、第３図の実線で示す状態は「弾性抱
擁帯片の先端部が開いた状態」なる語を使用す
る。

まず、本実施例のワイヤ保持具は、取付脚１２
をシヤーシ等の所定の取付孔に挿入することによ
つて取り付けられる。なお、基底板１０底面の四
隅はやや出張るようにされ、取り付け時十分な弾
力を生ずるようにされると共に、位置固定用のピ
ン３４が突設されている。ついで、第３図に実線
で示すように両弾性抱擁帯片１６，２４の先端部
が開いた状態におかれると、その開口部から内部
空間内に電線束３６が挿入され保持可能となる。
次いで、板状部２０を第３図上やや右側に撓めせ
た状態で空間部３２内に反対側の弾性抱擁帯片１
６先端部が嵌め入れられると、板状部２０は弾性
によつて現位置に復元し、２点鎖線で示すように
両係止突部１８，２６が掛け止めされ、完全にロ
ツクされる。

前述したように隙間ｇは各係止突部間の掛け止
め深さより若干大きくしただけであるので、不用
意に板状部２８が押し下げられることがあつて
も、両弾性抱擁帯片１６，２４の先端部間が完全
に解放されることは、ほとんどない。仮にあつた
としても、電線束等は両係止突部間を通り、一方
の弾性抱擁帯片先端部と他方のリブとの間を経
て、更に一方の弾性抱擁帯片１６先端部上面と他
方の板状部２８下面との間を通らなければ外方に
はみ出すことはできない。従つて、その経路が長
いので、電線束等がはみ出ることはほぼ完全に防
止できる。

従つて、ワイヤ保持具を吊り下げたり、垂直に
するなど種々の状態で取り付けた場合において
も、電線束等が外れることがない。また、アンロ
ツクは上記と逆にすればよく、ロツク、アンロツ
クの操作は簡単である。

前記実施例において、一方の弾性抱擁帯片の先
端部に第４図に示す係合凹部３８を設け、他方の
弾性抱擁帯片のリブ４０を第５図に示すように係
止突部２６基端部まで出張らせ、係合凹部３８内
にリブ４０が嵌り込むようにしてもよい。第５図
はその状態を示す。こうすることによつて、各弾
性抱擁帯片の横方向（紙面直角方向）のずれが防
止でき、電線束等の外れが防止できる。

以上本考案の一実施例について説明したが、本
考案はこのような実施例に何等限定されるもので
はなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる態様で実施し得ることは勿論であ
る。

以上詳記したように、本考案によれば一方の弾
性抱擁帯片先端部に、他方の弾性抱擁帯片の先端
部が一定間隙をもつて嵌り得る空間部が形成さ
れ、かつ両係止突部の掛け止め解除後の両弾性抱
擁帯片先端部間の離間が一定範囲内に制限されて
いるので、不用意に両者の掛け止めを外すことが
あつても、両者の先端部の開口がそれ程大きくな
ることはなく、電線束等がはみ出ることが防止で
きる。

従つて、ワイヤ保持具を釣り下げたり、垂直に
するなど種々の状態で使用できる。また、両弾性
抱擁帯片の係止突部の掛け止め、解除を阻害する
構成とはなつていないので、従来例のロツク、ア
ンロツクの容易さはほとんどそのまま保持でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のワイヤ保持具の掛け止め状態
を示す部分側面図であり、第２図は本考案の一実
施例を示すワイヤ保持具の斜視図であり、第３図
は同じくその正面図であり、第４図は前記実施例
の一方の弾性抱擁帯片に代えて使用し得る他の弾
性抱擁帯片の部分斜視図であり、第５図は同じく
その弾性抱擁帯片が掛け止めされた状態を示す部
分側面図である。 １６，２４……弾性抱擁帯片、１８，２６……
係止突部、３０，４０……リブ、３２……空間
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 互いに掛け止めされ得る係止突部を先端部に
   設けた弾性抱擁帯片を対向位置に配置し、その
   内部空間に線材を保持するようにしたワイヤ保
   持具において、一方の弾性抱擁帯片先端部の前
   記内部空間側平面に第１の係止突部を設け、他
   方の弾性抱擁帯片先端部の前記内部空間反対側
   平面に前記第１の係止突部に掛け止め可能な第
   ２の係止突部を設けかつ該弾性抱擁帯片の第２
   の係止突部突設側平面には該第２の係止突部突
   設位置に至る板状部材を配置し、しかも板状部
   材と弾性抱擁帯片との間に該弾性抱擁帯片の長
   手方向にリブを設け、板状部材先端部内側面と
   弾性抱擁帯片との間に前記一方の弾性抱擁帯片
   の第１の係合突部とのロツク解除を阻害しない
   幅の空間部を形成したことを特徴とするワイヤ
   保持具。 ２ 一方の弾性抱擁帯片は、その先端部において
   該弾性抱擁帯片の長手方向に他方の弾性抱擁帯
   片に設けられたリブが嵌り得る係合凹部が形成
   されたものである実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のワイヤ保持具。