JPS6311540Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は低外気温時の暖房能力を向上させる冷
媒加熱器を具備した空気調和機における運転制御
装置の改良に関するものである。

この種の空気調和機においては設定された一定
周期ごとに外気温を検出し、媒体加熱運転とヒー
トポンプ運転の切換えを行なう判定回路を設け、
そして正確な外気温を検出するためには、センサ
ーの応答時間を考慮して一定時間室外フアンモー
タを運転することが考えられる。

本考案は、その期間中に圧縮機保護装置が作動
した時には、外気温判定を中断して直ちに圧縮
機、媒体加熱器等を停止し、保護装置復帰後、外
気温の判定を行なうようにし、これによつて外気
温判定終了を持つことなく冷凍サイクルを保護す
るとともに、次の判定タイミングまで持つことな
く外気温判定を行なうことによつて、より効率的
な運転を行なう運転制御装置を提供するものであ
る。

以下、本考案をその一実施例を示す添付図面を
参考に説明する。

まず、第１図によつて冷凍サイクルの構造につ
いて説明する。

同図において、１は圧縮機、２は四方切換弁、
３は室内側熱交換器、４は減圧機構、５は室外熱
交換器、６は暖房時前記圧縮機１へのもどり管１
ａを加熱する媒体加熱器で、この媒体加熱器６の
中には水等の熱媒体６ａおよび前記熱媒体６ａを
加熱するヒータ６ｂ等がそれぞれ配設され、前記
もどり管１ａは媒体加熱器６内を貫通している。
７，８はそれぞれ電磁式の切換弁で、冷凍サイク
ルの流れを制御するもので、ヒートポンプ運転時
には切換弁７が開き、切換弁８が閉じる。また媒
体加熱運転時には切換弁７が閉じ、切換弁８が開
く。９は室内フアン、１０は室外フアンである。

次に、第２図により通常の動作について説明す
る。

同図において、ヒートポンプ運転時間はT_A、
媒体加熱運転時間はT_Bであり、センサーの応答
時間を考慮し、室外フアンは設定時間T_C運転し、
Ｂのタイミングで外気温度を検出し、外気温度to
が切換え温度ｔより高ければヒートポンプ運転を
行う。逆に外気温度toが切換え温度ｔよりも低け
れば媒体加熱運転を行う。

次に第３図により圧縮機１の保護装置が動作し
た場合の概略の制御について説明する。

同図において検出点B₂で外気温判定を行なう
が、すでに外気温度toが切換え温度ｔより低いた
め、設定された時間T_Bだけ冷媒加熱運転を行う。
この運転時間中においてC₁時点で圧縮機１の保
護装置が動作すれば、復帰時点D₁までの間すべ
ての機器が停止する。次に冷媒加熱運転を設定さ
れた時間T_B行なつた後、検出点A₃より室外フア
ン１０を運転し、外気温度toの検出動作に入り、
その途中C₂時点に保護装置が動作した場合には
直ちにすべての機器を停止する。そして保護装置
復帰時点D₂より室外フアン１０を設定時間T_C運
転し、検出点B₃で外気温度toを検出する。この
時、外気温度toは切換え温度ｔよりも低いため、
設定時間T_Bだけ冷媒加熱運転を行なう。

次に第４図により第２図、第３図に示す運転制
御を実現するための制御回路の一例について説明
する。

同図において、１１は保護装置、１３は冷媒加
熱運転を行う設定時間T_Bをつくるタイマー、１
２はヒートポンプ運転を行う設定時間T_Aをつく
るタイマー、１４は判定のための設定時間T_Cを
つくるタイマー、１５は外気温判定回路、１６は
外気温度toの判定動作後の冷媒加熱運転もしくは
ヒートポンプ運転を行なうためのフリツプ・フロ
ツプ回路（以下単にＦ／Ｆと称す）、１７は圧縮
機１の運転を制御するサーモスタツト、１８はリ
レーの駆動回路である。Rthは外気温度検出用の
サーミスタ、１５ａはコンパレーターである。タ
イマー１２またはタイマー１３によつて設定時間
T_Aまたは設定時間T_B後にラインV₁がHiとなり、
室外フアン１０を運転するとともに圧縮機１の保
護装置１１が動作していない時は接点が閉状態で
タイマー１４を動かし、外気温度を判定するため
の設定時間T_C後にラインV₂にHiが出力される。

ここで、外気温度toが低い時にはサーミスタ
Rthの抵抗は大となり、コンパレータ１５ａの出
力はオープンとなつてＦ／Ｆ１６のＳ端子にHi
信号が入力される。Ｆ／Ｆ１６の出力Ｑは冷媒加
熱時にHiとなり、出力はヒートポンプ運転時
にHiとなるように決定されているため、Ｆ／Ｆ
１６のＳ端子にHi信号が入力されると出力Ｑに
Hi信号が出力され、外気温度toが切換え温度ｔ
より低い時には冷媒加熱運転となり、圧縮機１、
四方切換弁２、冷媒加熱器６、および切換弁７が
それぞれON動作する。一方外気温度toが高い時
にはコンパレータ１５ａの出力はLoとなり、
Ｆ／Ｆ１６のＲ端子にHi信号が入力される。Ｒ
端子にHi信号が入力されると出力ＱはLo、出力
ＱはHiとなり、圧縮機１、四方切換弁２、切換
弁８、室外フアン１０がそれぞれON動作し、ヒ
ートポンプ運転となる。

次に保護装置１１が動作すると、その接点は開
となり、インバータ１８ａの出力はLoとなり、
リレー１９のコイルに電圧が印加され、リレー１
９が動作して圧縮機１等すべての機器を停止させ
る。そしてこの保護装置１１が外気温度toの判定
動作中に動作すると、タイマー１４への入力が
Loとなり、ラインV₂はHiにはならずＦ／Ｆ１６
へ入力信号が入らない。タイマー１２およびタイ
マー１３の出力はＦ／Ｆ１６の端子Ｒまたは端子
ＳにHi信号が入力された時にリセツトされる。
これによつて設定時間T_Cの間外気温度toの判定
のために室外フアン１０が運転する。この外気温
度toの判定動作中に保護装置１１が動作した時に
はＦ／Ｆ１６には入力されないため、タイマー１
２またはタイマー１３の出力はHiとなつており、
保護装置１１の復帰後、その接点が閉となり、タ
イマー１４にHi信号が入力され、設定時間T_C後
Hi信号が出力され、外気温度toの判定動作が行
なわれる。

したがつて、外気温度toの判定のための設定時
間T_C中に保護装置１１が動作したとき、その外
気温度toの判定動作を中断し直ちにすべての機器
を停止し、そして保護装置１１の復帰後に再び外
気温度toの判定動作を最初から行なうことによつ
て、外気温度toの判定動作の終了を持つことなく
機器を停止し、冷凍サイクルを保護するととも
に、中断された外気温度toの判定動作をキヤンセ
ルすることなく保護装置１１の復帰後、外気温度
の判定動作を行ない、運転の効率を上げることが
できる。

上記実施例より明らかなように、本考案におけ
る空気調和機の運転制御装置は、一定周期ごとに
外気温を検出し、冷媒加熱運転とヒートポンプ運
転の切換えを判定するため、頻繁なスイツチ類の
作動が防止でき、それに起因する機器の寿命低下
および大きな温度変動も防止できるとともに、効
率のよいヒートポンプ暖房運転が最大限に行え、
消費エネルギの消減化がはかれる。さらに前記暖
房運転の判定に所定時間を設けているため、その
判定中に圧縮機の保護装置が作動しても、その判
定が消去され、保護装置の復帰後に外気温に不適
格な暖房を行うといつたことも解消できる等、
種々の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における冷媒加熱器
を具備したヒートポンプ式空気調和機の冷凍サイ
クル図、第２図は同空気調和機における通常運転
モードのタイミングチヤート、第３図は同空気調
和機における保護装置が動作した時の運転モード
のタイミングチヤート、第４図は同空気調和機に
おける制御回路図である。 １……圧縮機、２……四方切換弁、３……室内
熱交換器、４……減圧機構、５……室外熱交換
器、６……媒体加熱器、１１……保護装置、１５
……外気温判定回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機、四方切換弁、室内熱交換器、減圧機
   構、室外熱交換器をそれぞれ連結してなる主回路
   と、循環冷媒を加熱する冷媒加熱器を具備したヒ
   ートポンプ式冷凍サイクルに、この冷凍サイクル
   の運転を外気温度により前記主回路によるヒート
   ポンプ運転と前記冷媒加熱器による冷媒加熱運転
   とに切換える切換え装置を設け、この切換え装置
   を、外気温が設定値以上であるか否かを検出する
   温度検出回路と、前記冷媒加熱運転時間、ヒート
   ポンプ運転時間を設定し、その時間経過ごとに出
   力するタイマ手段と、このタイマ手段の出力によ
   り前記温度検出回路の検出温度信号を入力して冷
   媒加熱運転かヒートポンプ運転かの判定を行う判
   定回路と、前記判定回路の判定時間を設定する判
   定タイマ手段と、前記冷媒加熱運転時における判
   定回路の判定時に室外フアンを駆動する駆動回路
   と、前記圧縮機の危険状態を検出し、一定時間圧
   縮機、判定タイマの運転を停止する保護装置と、
   保護装置の復帰により前記圧縮機、判定タイマを
   作動させる出力回路を設けた空気調和機の運転制
   御装置。