JPS6311388B2 - - Google Patents

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JPS6311388B2
JPS6311388B2 JP9182978A JP9182978A JPS6311388B2 JP S6311388 B2 JPS6311388 B2 JP S6311388B2 JP 9182978 A JP9182978 A JP 9182978A JP 9182978 A JP9182978 A JP 9182978A JP S6311388 B2 JPS6311388 B2 JP S6311388B2
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JP
Japan
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group
functional group
molecular weight
copolymer
low molecular
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Application number
JP9182978A
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English (en)
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JPS5518454A (en
Inventor
Shinichi Oda
Takanobu Tomomoto
Kihachi Suzuki
Toshimitsu Okuno
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nitto Electric Industrial Co Ltd filed Critical Nitto Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP9182978A priority Critical patent/JPS5518454A/ja
Publication of JPS5518454A publication Critical patent/JPS5518454A/ja
Publication of JPS6311388B2 publication Critical patent/JPS6311388B2/ja
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  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明はポリアクリル系の弾性シーラントに
関する。 建造物などの目地に充填するシーラントは、目
地を構成する建材などの熱的変化などに応じて伸
縮できる弾性特性を有していることが必要で、ま
た水、有機溶剤などの大気中への飛散物質を含ま
ないものが望まれる。 ポリアクリル系のシーラントは、耐候性、着色
性、耐久性などにすぐれるという利点があるが、
その反面非弾性でかつエマルジヨン型もしくは有
機溶剤型のものしか得られていない。 このため、この種のシーラントを目地に充填す
ると、熱的影響などで目地幅が経日的に変動した
ときその変動に追随できないために亀裂が生じた
り隙間が生じやすく、また充填後経日的に目やせ
してシーラントとしての機能を充分に果たさない
ことが多い。したがつて、その用途も限定され、
たとえばALC板用などにしか利用されていない
現状である。 飛散物質を含まないもしくは少ないシーラント
をつくるためには、その樹脂分としてできるだけ
低分子量体を使用した方がよい。高分子量体では
有機溶剤の使用を不可欠とするかまたは水エマル
ジヨン型にしなければならないからである。 たとえばアクリルゴムは弾性を有するポリアク
リル樹脂の1種と考えられるが、高分子量体であ
るため飛散物質を大量に必要とし、それにもかか
わらず高粘度になりがちで施工性が悪くシーラン
ト用として適さない。 この発明者らは、既にアクリル系低分子量共重
合体の1つとして分子量末端に平均約1個の官能
基と分子内の任意の位置に平均約1個の官能基と
を有するものをこの発明者らの独創的合成法で得
ることに成功した。 この共重合体は分子両末端に官能基を有するテ
レケリツク型低分子量体に類似した構造、性能を
もち、これにこの低分子量体が有する官能基と反
応しうる官能基を持つた多官能性化合物を配合し
て硬化反応させると線状および網状に高分子量化
してすぐれた特性を有する感圧性接着剤が得られ
ることも知つた。 この発明者らは、これらの知見をもとにさらに
引き続き研究した結果、上述した低分子量共重合
体がシーラント用としても好適であり、これによ
れば従来得ることのできなかつた水、有機溶剤な
どの飛散物質をあえて必要とせず、かつ苛酷な条
件下でも使用できる弾性シーラントが得られるこ
とを知得するとともに、このアクリル系低分子量
共重合体を硬化反応させて線状および網状に高分
子量化させる前記の多官能性化合物として上記共
重合体と同系のポリアクリル系の低分子量共重合
体を用いれば従来の多官能性化合物を使用した場
合に較べ硬化物の分子鎖長をより長くすることが
でき、したがつてシーラントを施工後により良好
な弾性を付与でき、またアクリル系樹脂特有のす
ぐれた耐候性、耐久性などの特性もより良好なも
のとなることを見い出し、この発明を完成した。 すなわち、この発明は、2種のアクリル系低分
子量共重合体(A),(B)を主成分とし、これに触媒、
充填剤などの任意成分を配合してなる弾性シーラ
ントであつて、前記低分子量共重合体(A),(B)は共
に下記イ,ロ; イ (a)一般式; (但し、R3は水素原子またはメチル基を示
し、R4は水酸基、アミノ基またはエポキシ基
のうちのいずれかの官能基を1個有するアルキ
ル基を示す。)で表わされる官能基を1個有す
る不飽和単量体と、(b)一般式; (但し、R1は水素原子またはメチル基を示
し、R2は炭素数2〜14個のアルキル基を示
す。)で表わされる不飽和単量体(この不飽和
単量体はその一部を共重合可能な他の不飽和単
量体に代替されてもよい)とを、(c)前記(a)成分
単量体の官能基と同一の官能基を有する重合開
始剤かあるいは前記(a)成分単量体の官能基と同
一の官能基を有する連鎖移動剤のいずれか少な
くとも一方の存在下に共重合させて得られる、
重合体分子末端に上記(c)成分の重合開始剤およ
び/または連鎖移動剤から導かれた平均約1個
の官能基と分子内の任意の位置に上記(a)成分単
量体から導かれた平均約1個の官能基を有する
分子量が1000〜10000の低分子量共重合体、 ロ 上記イの低分子量共重合体のうち官能基とし
て水酸基またはアミノ基を有するものに芳香族
ジイソシアネート化合物を反応させて得られ
る、上記イの共重合体の官能基位置と同じ位置
に上記芳香族ジイソシアネート化合物がそのひ
とつのイソシアネート基と水酸基またはアミノ
基との反応によつてウレタン結合または尿素結
合し、この結合に関与する上記芳香族ジイソシ
アネート化合物の残りのイソシアネート基が新
たな官能基として導入された低分子量共重合
体、 のどちらかで構成されているとともに、一方の共
重合体(A)を構成する上記イまたはロの共重合体に
含まれる上記官能基と、他方の共重合体(B)を構成
する上記イまたはロの共重合体に含まれる上記官
能基とは、互いに活性であり、この互いに活性な
官能基の組み合わせがイソシアネート基とアミノ
基または水酸基であるかあるいはアミノ基とエポ
キシ基であることを特徴とする弾性シーラントに
係るものである。 この発明において上記イの低分子量共重合体に
おける分子末端に「平均約1個の官能基」を有す
るとは、重合反応では一般に単一の反応物を与え
るのではなく分子量分布を有する混合物を与え、
また重合開始もしくは重合停止反応においても複
雑な挙動を示すものが普通であり、このような重
合反応の一般的な性質を考慮した表現形式によつ
たものである。すなわち、重合体分子末端に平均
約1個の官能基が導入されるとは、分子末端に1
個の官能基が導入される場合だけでなく、確率的
には非常に低い分子末端に官能基が全く導入され
ないものや逆に両末端に各1個づつ導入されてく
る場合があることを意味する。 たとえば前者の例としては官能基を有しない重
合開始剤と官能基を有する連鎖移動剤とを用いた
場合でかつ連鎖移動剤たとえば―SH基の水素引
抜きで重合が停止する場合、重合反応の初期の段
階において重合開始末端にも重合停止末端にも官
能基が導入されない共重合体が生成してくること
がある。また後者の例としてはたとえば重合開始
末端に官能基を持つポリマーラジカルがカツプリ
ングによる停止反応をおこす場合などが考えられ
る。 しかしながら、前者の例において水素引抜きで
生じた官能基を含む連鎖移動剤残基はこれが引き
続き重合開始ラジカルとして関与する結果、上記
の官能基が重合開始末端に導かれ、この反応が一
般に重合反応の主流をなすために前述した官能基
を全く有しないものの割合は全体的にみて非常に
少なくなる。 また後者の例として挙げたカツプリングによる
停止反応も一般のアクリル系単量体のラジカル重
合ではおこりにくいものであり、通常は連鎖移動
に基づく停止反応が主体をなすから、このような
両末端に官能基を有するものの割合は全体的にみ
て僅かである。 また、上記イの低分子量共重合体における分子
内の任意の位置に平均約1個の官能基が導入され
るとは、(a)成分単量体からの官能基が1個導入さ
れる場合だけでなく、官能基が全く導入されない
ものや逆に2個ないしそれ以上導入されてくる場
合が考えられるため、飽くまでも平均的にみて約
1個の官能基が導入されるものであることを意味
するものである。ここで重要なことは、共重合性
比や反応条件によつて平均個数を約1個に抑える
場合はそれ以上の平均個数たとえば約2個、約3
個などに抑える場合に比べてその調整が容易であ
るだけでなく前述したような官能基数のばらつき
度合が小さくなることである。 この発明において前記イの低分子量共重合体を
得るために用いられる(a)成分単量体は、つぎの一
般式; (但し、R3は水素原子またはメチル基を示し、
R4は水酸基、アミノ基またはエポキシ基のうち
のいずれかの官能基を1個有するアルキル基を示
す。)で表わされる官能基を1個有する不飽和単
量体であり、具体的には2―ヒドロキシエチルア
クリレート(もしくはメタクリレート)、グリシ
ジルアクリレート(もしくはメタクリレート)、
N―メチルアミノエチルアクリレートなどが挙げ
られる。 このような(a)成分単量体は、後述する(b)成分単
量体に対するモル比が1/3〜1/500となる範
囲内で、重合度とそれ自体の重合性比を堪案して
分子内の任意の位置に平均約1個の官能基が導入
されるような割合で用いられる。 (a)成分単量体とともに使用される(b)成分単量体
は、つぎの一般式; (但し、式中R1は水素原子またはメチル基を
示し、R2は炭素数2〜14個のアルキル基を示
す。)で表わされるアクリル酸(もしくはメタク
リル酸)のアルキルエステルで、これらの1種も
しくは2種以上を使用する。 上記一般式中のアルキル基(R2)は分枝状で
あつても非分枝状であつても差し支えない。具体
的には、エチル、n―ブチル、イソブチル、1―
エチルプロピル、1―メチルペンチル、2―メチ
ルペンチル、3―メチルペンチル、1―エチルブ
チル、2―エチルブチル、2―エチルヘキシル、
オクチル、イソオクチル、3・5・5―トリメチ
ルヘキシル、デシル、ドデシルなどが挙げること
ができる。アルキル基の炭素原子数が14を超える
ものは弾性シーラント用の組成物として建材など
の目地材に対する接着性に問題が生じる。 この発明においては上記(b)成分単量体のうち、
その約半分までは他の共重合可能な不飽和単量体
に置換することができる。共重合可能な不飽和単
量体の具体例としてはビニルエステル類、ビニル
ピリジン、ビニルエーテル類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、メチレングルタルニト
リル、メチルメタクリレート、N・N―ジメチル
アミノエチルアクリレート、ブタジエン、スチレ
ン、クロロプレン、アクリル酸アミドなどが挙げ
られる。また前記(a)成分単量体として例示した官
能性不飽和単量体もその官能基を共重合体(A),(B)
間で反応させるものでない限り(b)成分単量体の置
換成分として使用できる。これらの不飽和単量体
の種類および使用割合は弾性シーラントの使用目
的に応じて適宜決定すればよいが、半分より多い
使用量ではアクリル系の特色が薄れてくる。 イの低分子量共重合体を得るために用いられる
(c)成分の1つである前記(a)成分単量体の官能基と
同一の官能基を有する重合開始剤としては、上記
官能基としてたとえば水酸基を有するアゾビスシ
アノペンタノールなどが挙げられる。 また、(c)成分の他の1つである前記(a)成分単量
体の官能基と同一の官能基を有する連鎖移動剤に
は、上記官能基として水酸基、アミノ基またはエ
ポキシ基を有しかつ共重合の連鎖移動剤として効
果的に作用するものであれば広く包含され、代表
例として2―メルカプトエタノール、2―アミノ
エタンチオール、つぎの式; で示される2―メルカプト酢酸グリシジルエステ
ルなどを挙げることができる。 この発明においては上記の官能基を有する重合
開始剤かあるいは上記の官能基を有する連鎖移動
剤のいずれか少なくとも一方を使用するが、これ
らの重合開始剤および/または連鎖移動剤は1種
であつても2種以上であつてもよい。その使用量
としては、低分子量共重合体の分子末端に平均約
1個の官能基が導入されかつ重合体の重合度が小
さすぎたり、また大きすぎたりしない範囲内にす
ることが必要で、通常は(b)成分単量体100重量部
に対して0.1〜20重量部となる割合とするのがよ
い。 イ)の低分子量共重合体の合成は、上述した(c)
成分としての所定量の重合開始剤および/または
連鎖移動剤の存在下に、所定量の(a)成分単量体と
(b)成分単量体とを常法に準じて共重合すればよ
い。重合はラジカル重合であり、たとえばベンゾ
イルパーオキサイド、α・α′―アゾビスイソブチ
ロニトリル、レドツクス系触媒など通常の開始剤
を使用できる。 なお(c)成分として官能基を有する重合開始剤を
使用するときは上述した通常の開始剤は必ずしも
必要でない。しかし、この場合は分子末端に平均
約1個の官能基を導入しうるように通常の開始剤
よりも多量に使用すべきである。もちろん、(c)成
分として官能基を有する重合開始剤と官能基を有
する連鎖移動剤とを併用するときはそれに応じて
上記重合開始剤の使用量が決定される。 重合に際し単量体混合物の仕込み方法は、重合
当初から全量を一括して仕込んでもよいし、はじ
めに一部だけを仕込み残りの混合物を重合反応の
進行とともに滴下法で徐々に仕込んでもよい。後
者の方法はとくに重合発熱が問題になりやすいも
のに対して有利であり、この場合あらかじめ小ス
ケールで重合した低分子量共重合体やシーラント
配合時に使用する可塑剤を溶剤代りに使用するの
が好ましい。 (c)成分としての官能基を有する重合開始剤や官
能基を有する連鎖移動剤さらに通常の開始剤も上
記と同様にして仕込めばよく、はじめに一部だけ
を仕込むときは残量は単量体混合物中に溶解させ
て行うのが好ましい。 重合方法は塊状重合法を採用して溶剤を使用せ
ずに行うのが好ましい。温度、時間などの重合条
件はゲル状共重合体が生じないようにあるいは未
反応の単量体ができるだけ残存しないように調節
する。未反応の単量体は共重合体の溶剤として作
用するため、シーラントとしたとき施工時の臭気
や施工後の目やせなどを起こし好ましくない。(c)
成分として官能基を有する連鎖移動剤を使用した
ときは、これが重合度調節剤の役目をも果たすた
め、重合制御が容易となる。集合反応の終点は通
常発熱が生じなくなつた時点とするのがよい。 このようにして得られるイの低分子量共重合体
は、重合体分子末端に(c)成分としての重合開始剤
および/または連鎖移動剤から導かれた平均約1
個の官能基と、分子内の任意の位置に(a)成分単量
体から導かれた平均約1個の官能基とを有する分
子量が1000〜10000の範囲の低分子量共重合体で
あり、上記の官能基は、既述してきたことからも
明らかなように、水酸基、アミノ基またはエポキ
シ基のうちのいずれかからなるものである。 この発明におけるロの低分子量共重合体は、上
記イの低分子量共重合体のうち官能基として水酸
基またはアミノ基を有するものに芳香族ジイソシ
アネート化合物を反応させて得られる、上記イの
共重合体の官能基位置と同じ位置に上記芳香族ジ
イソシアネート化合物がそのひとつのイソシアネ
ート基と水酸基またはアミノ基との反応によつて
ウレタン結合または尿素結合し、この結合に関与
する上記芳香族ジイソシアネート化合物の残りの
イソシアネート基が新たな官能基として導入され
てなるものである。 このようなロの低分子量共重合体および前記イ
の低分子量共重合体はいずれも常温下で低粘度の
液状を呈するものである。 この発明において使用するアクリル系低分子量
共重合体(A),(B)は共に上述のイまたはロの共重合
体のうちのどちらかで構成されており、かつ一方
の共重合体(A)を構成する上記イまたはロの共重合
体に含まれる官能基と他方の共重合体(B)を構成す
る上記イまたはロの共重合体に含まれる官能基と
が互いに活性となるような組み合わせで用いられ
る。そして、この互いに活性な官能基の組み合わ
せとしては、特にイソシアネート基とアミノ基ま
たは水酸基の組み合わせであるか、あるいはアミ
ノ基とエポキシ基との組み合わせの中から選ばれ
る。 このような共重合体(A),(B)を弾性シーラントの
主成分とすることにより、両共重合体はシーラン
ト施工後官能基間の速やかな反応によつて容易に
分子鎖長および架橋間分子量の長いゴム様の物理
的性質を示す高分子量体を与え、これがポリアク
リル系としての良好な耐候性、耐久性、耐熱性を
示すとともに、目地幅の変動に追随しうる弾性を
示して経日的な亀裂や隙間の発生を抑えるという
効果を発揮する。 この発明の弾性シーラントは、上述したよう
に、互いに活性な官能基を持つた2種のアクリル
系低分子量共重合体(A),(B)を主成分とするもので
あるが、この両共重合体(A),(B)の配合割合は、両
共重合体(A),(B)が未反応で残存して耐候性や耐久
性に悪影響を及ぼさないように適宜決定すべきで
あり、通常は一方の共重合体(A)に対して他方の共
重合体(B)の割合が0.05〜50重量比となるようにす
るのがよい。 この発明の弾性シーラントには、一般のシーラ
ントに必要とされる充填剤や共重合体(A)と(B)との
反応を促進するための触媒を配合することがで
き、さらに必要に応じて可塑剤、顔料、老化防止
剤、防カビ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、オゾ
ン劣化防止剤、チキソトロープ剤などを添加する
こともできる。 上記の充填剤は、この発明の弾性シーラントの
強度を向上させ、かつシーラントの粘度を適度な
ものとして作業性を向上させるのに役立つもので
あつて、たとえば炭酸カルシウム、シリカ粉、タ
ルク、ガラス粉、マグネシア、粘土粉、酸化チタ
ンなどが好ましく用いられる。その添加量は、ア
クリル系低分子量共重合体100重量部に対して30
〜200重量部とするのがよく、これよりも少ない
量では所望の強度を有するものを得にくく、また
あまりに多すぎては硬化物の伸び率が低くなつて
しまい、好ましい弾性特性を得ることが難しくな
る。 また、上記の触媒としては、たとえばジブチル
チンジラウレート、モノブチルチンオキシド、ジ
オクチルチンジラウレート、スタナスオクトエー
トの如き金属化合物もしくはトリエチレンジアミ
ン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフエニ
ルメタンなどのアミン誘導体などを使用できる。
添加量は、アクリル系低分子量共重合体100重量
部に対し通常0.01〜5重量部でよい。 以上詳述したように、この発明の弾性シーラン
トは、前記イまたはロの共重合体から構成される
互いに活性な官能基を有する2種のアクリル系低
分子量共重合体(A),(B)を主成分とし、これに必要
に応じて充填剤や反応促進触媒などを配合してな
るものであるため、施工時に有機溶剤を使用しな
くても施工可能な粘度に調整でき、したがつて施
工時や施工後に有害な有機溶剤の飛散を伴わず、
しかもこの飛散による施工後の目やせなども抑止
できる。 また、施工後はアクリル系低分子量共重合体
(A),(B)が架橋反応して線状および網状に高分子量
化し、特に両共重合体(A),(B)を分子末端に平均約
1個の官能基を有しかつ分子内の任意の位置に平
均約1個の官能基を有するテレケリツク型低分子
量体類似の構造としているため、この高分子量体
は従来のシーラントに較べ分子鎖長および架橋間
分子量の長いゴム様の物理的性質を示す高分子量
体となる。 このため、上記の高分子量体はポリアクリル系
としての良好な耐候性、耐久性、耐熱性などを有
しているばかりでなく、弾性を有しているために
熱的影響などを受けて目地幅が変動した場合でも
その変動に容易に追随し、その結果従来のシーラ
ントのように経日的に亀裂が生じたり隙間が生じ
てくるなどの弊害がほとんどなく、弾性シーラン
トとしてのすぐれた性能を発揮する。 つぎに、この発明の実施例を記載してより具体
的に説明する。なお、以下において部、%とある
はそれぞれ重量部、重量%を示すものとする。 実施例 1 アクリル酸n―ブチル100部、2―ヒドロキシ
ルエチルアクリレート3.4部および2―メルカプ
トエタノール2.2部を混合し、この混合物の30%
を200c.c.容量の四つ口フラスコに入れ、攪拌しな
がら窒素ガスを流通させ70℃に加温した。フラス
コ内を約30分間窒素ガス置換したのち、α・α′―
アゾビスイソブチロニトリル0.1部を加えた。 約12分後に重合が始まり発熱した。この発熱が
穏やかになつてから、上記残りの混合物70%に
α・α′―アゾビスイソブチロニトリル0.2部を加
えたものを滴下漏斗により徐々にフラスコ内に滴
下した。滴下時間を3時間とし、以後発熱が認め
られなくなつた時点で重合を終えた。 このようにして得られた分子内に水酸基を有す
るアクリル系低分子量共重合体(A1)は、その
固形分含量(150℃で30分間加熱乾燥後)が99.8
%、B型粘度計による粘度が100ポイズ/30℃、
蒸気圧浸透法による分子量が6300、1分子当りの
水酸基数(アセチル価と分子量により算出)が
2.1であつた。 つぎに、この低分子量共重合体(A1)の水酸
基を化学変性させるために、トルイレンジイソシ
アネート10.9部およびジブチルチンジラウレート
0.1部が入つている200c.c.容量の四つ口フラスコに
上記低分子量共重合体104部を滴下混入して、130
℃で4時間反応させた。 このようにして水酸基をイソシアネート基に変
性させて得たアクリル系低分子量共重合体(A2
は、そのイソシアネート基含量(ジブチルアミン
による定量)が2.2%であつた。 一方、アクリル酸オクチル100部、2―ヒドロ
キシエチルメタクリレート1.6部および2―メル
カプトエタノール1部を混合したのち、α・α′―
アゾビスイソブチロニトリルを使用して上記と同
様に重合して、分子内に水酸基を有するアクリル
系低分子量共重合体(B)を得た。 このアクリル系低分子量共重合体(B)は、その物
性を前記共重合体(A1)の場合と同様にして調
べたところ、固形分が99.3%、粘度が230ポイ
ズ/30℃、分子量が8000、1分子当りの水酸基数
が2.0であつた。 このアクリル系低分子量共重合体(B)100部に、
炭酸カルシウム95部、ジオクチルフタレート10
部、デイスパロン3600N(楠本化成(株)製)2部お
よびジブチルチンジラウレート0.5部を加えて、
ニーダーにより予備混合し、さらに三本ロールに
より混練した。ついで前記の分子内にイソシアネ
ート基を有するアクリル系低分子量共重合体
(A2)50部を配合して、この発明の弾性シーラン
トとした。 実施例 2 アクリル酸n―ブチル100部、酢酸ビニル10部、
N―メチルアミノエチルアクリレート6部および
2―アミノエタンチオール3.5部を混合し、この
混合物の30%を200c.c.容量の四つ口フラスコに入
れて窒素ガスを流通させながら攪拌下に70℃まで
加温した。フラスコ内を約60分間窒素ガス置換し
たのち、α・α′―アゾビスイソブチロニトリル
0.1部を加えた。発熱がやや穏やかになつてから
上記混合物の残りの70%にα・α′―アゾビスイソ
ブチロニトリル0.2部を加えたものを滴下漏斗を
用いて2時間で滴下し、滴下終了後発熱が認めら
れなくなつた時点で重合を終了した。 このようにして得られた分子内にアミノ基を有
するアクリル系低分子量共重合体(A)は、固形分含
量が99.1%、分子量が6000、粘度が200ポイズ/
30℃、1分子当りのアミノ基数(分子量とミクロ
キエルダール法により測定)が1.9であつた。 一方、アクリル酸2―エチルヘキシル100部、
アクリル酸アミド30部、グリシジルアクリレート
3.5部および2―メルカプト酢酸グリシジルエス
テル4部を混合したのち、α・α′―アゾビスイソ
ブチロニトリル0.3部を使つて上記と同様に重合
して、分子内エポキシ基を有するアクリル系低分
子量共重合体(B)を得た。 この共重合体(B)は固形分含量が99.4%、分子量
が4500、粘度が150ポイズ/30℃、1分子当りの
エポキシ基数(分子量と塩酸―ジオキサン法によ
り測定)が2.0であつた。 このアクリル系低分子量共重合体(B)100部に、
炭酸カルシウム120部、ジオクチルフタレート15
部、カーボン粉1部およびデイスパロン3600N2
部を加えて、ニーダーとさらに3本ロールにより
混練し、ついで前記の分子内にアミノ基を有する
アクリル系低分子量共重合体(A)50部を配合して、
この発明の弾性シーラントとした。 実施例 3 つぎの第1表に示す重合原料組成で実施例2と
同様にして分子内に水酸基を有するアクリル系低
分子量共重合体(A1)および分子内にアミノ基
を有するアクリル系低分子量共重合体(B)を得た。
これら共重合体の物性を第1表に併記した。
【表】
【表】 つぎに、上記の第1表に示すアクリル系低分子
量共重合体(A1)は、これを実施例1と同様の
方法で脱水処理後、この共重合体(A1)100部に
対しつぎの第2表に示す芳香族ジイソシアネート
化合物および触媒を用いて、分子内に官能基とし
てイソシアネート基を有するアクリル系低分子量
共重合体(A2)に化学変性させた。反応条件お
よび変性後の上記共重合体(A2)のイソシアネ
ート基含量を第2表にまとめて示した。
【表】 このようにして得たアクリル系低分子量共重合
体(A2)と前記のアクリル系低分子量共重合体
(B)とを用いて、つぎの第3表に示す配合組成で実
施例1と同様の方法でこの発明の弾性シーラント
を得た。
【表】
【表】 以上の実施例1〜3で得た弾性シーラントにつ
き、JIS―A5757に基づいて特性評価試験を行つ
た。その結果を第4表にまとめて示した。また、
実施例1で得た弾性シーラントおよび参考のため
現在市販の2液タイプのウレタン系弾性シーラン
トにつき、JIS―A5757に準じ耐熱性試験および
耐久性試験を行つた。この結果は第5表にまとめ
て記載した。
【表】
【表】
【表】 上記の第4表および第5表の結果から明らかな
ように、この発明に係る弾性シーラントはシーラ
ントとして非常に良好な特性を有しており、特に
耐熱性および耐久性にすぐれた弾性シーラントで
あることが判る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2種のアクリル系低分子量共重合体(A),(B)を
    主成分とし、これに触媒、充填剤などの任意成分
    を配合してなる弾性シーラントであつて、前記低
    分子量共重合体(A),(B)は共に下記イ,ロ; イ (a)一般式; (但し、R3は水素原子またはメチル基を示
    し、R4は水酸基、アミノ基またはエポキシ基
    のうちのいずれかの官能基を1個有するアルキ
    ル基を示す。)で表わされる官能基を1個有す
    る不飽和単量体と、(b)一般式; (但し、R1は水素原子またはメチル基を示
    し、R2は炭素数2〜14個のアルキル基を示
    す。)で表わされる不飽和単量体(この不飽和
    単量体はその一部を共重合可能な他の不飽和単
    量体に代替されてもよい)とを、(c)前記(a)成分
    単量体の官能基と同一の官能基を有する重合開
    始剤かあるいは前記(a)成分単量体の官能基と同
    一の官能基を有する連鎖移動剤のいずれか少な
    くとも一方の存在下に共重合させて得られる、
    重合体分子末端に上記(c)成分の重合開始剤およ
    び/または連鎖移動剤から導かれた平均約1個
    の官能基と分子内の任意の位置に上記(a)成分単
    量体から導かれた平均約1個の官能基を有する
    分子量が1000〜10000の低分子量共重合体、 ロ 上記イの低分子量共重合体のうち官能基とし
    て水酸基またはアミノ基を有するものに芳香族
    ジイソシアネート化合物を反応させて得られ
    る、上記イの共重合体の官能基位置と同じ位置
    に上記芳香族ジイソシアネート化合物がそのひ
    とつのイソシアネート基と水酸基またはアミノ
    基との反応によつてウレタン結合または尿素結
    合し、この結合に関与する上記芳香族ジイソシ
    アネート化合物の残りのイソシアネート基が新
    たな官能基として導入された低分子量共重合
    体、 のどちらかで構成されているとともに、一方の共
    重合体(A)を構成する上記イまたはロの共重合体に
    含まれる上記官能基と、他方の共重合体(B)を構成
    する上記イまたはロの共重合体に含まれる上記官
    能基とは、互いに活性であり、この互いに活性な
    官能基の組み合わせがイソシアネート基とアミノ
    基または水酸基であるかあるいはアミノ基とエポ
    キシ基であることを特徴とする弾性シーラント。
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