JPS6311221Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は内部に温水プール、温室、浴室等が有る
建築物の天井構造に関するもので、室内が高温多
湿のために発生する天井面に付着した結露の水滴
が床に落下するのを防止するようにしたものであ
る。

従来の建築物の天井構造の一種としては鉄骨で
組んだ屋根面の室外側に屋根板を固定し、室内面
に平板状の天井板を配置固定する構成であつた。

従つて、室内が高温多湿になると天井板には湿
気が付着して結露水滴になり、この水滴が天井面
から床面に落下するので床面が濡れて滑り易くな
り危険であると共に、室内の利用者が水滴を受け
るので不快感を持つのである。また建築物の内部
が温室の場合には、落下する水滴が植物に当ると
変色原因になつたり極端な場合には枯れる場合が
ある。

本案は上記に鑑み考案されたもので、以下に図
面の実施例により説明する。

第１図は本案の施工状態の概略断面図を示すも
ので、１は屋根面の母屋２…の室内側に固定する
断面上向きコ字状で左右の上縁に鍔片を有する金
属製の長尺な天井支持材で、該天井支持材１の下
面には係止爪片３を設ける。この係止爪片３は支
持材１を打ち抜いて一体成形してもよいし、又は
別個に形成して支持材１の下面に支持してもよ
い。４は例えば金属製板材からなる天井板で、該
天井板４は第４図で示すように一側縁に係止部５
を、他側縁に係合部６を夫々屈曲形成したもので
ある。

上記の係止部５は天井板４の一側縁を上向き傾
斜状に延出した傾斜状片７と、該傾斜状片７の先
端を折返し状に屈曲した係止片８とからなる。係
合部６は係止部５と反対側の天井板４の他側縁を
下向きに屈曲した垂直片９と、該垂直片９の先端
を折返し状に屈曲した係合片１０とからなる断面
コ字状で、垂直片９と係合片１０との屈曲部分に
適宜間隔で水抜孔１１…を穿設するとよい。

以上のようにしてなる天井支持材１と天井板と
により建築物の天井面を施工するには第２図で示
すように屋根の傾斜面と直交するように母屋２を
適宜間隔で配置固定し、該母屋２の室外側には母
屋２と直交するように屋根の傾斜面に沿つて係止
爪片１２を設けた垂木１３を適宜間隔に配置して
固定する。

そして、係止爪片１２に屋根板１４の係止部１
５を係止させ、該係止部１５に上側に位置する屋
根板１４の係合部１６を係合させながら、屋根の
傾斜下端から上端に向つて屋根を葺く。このよう
にして葺いた屋根面の室内側に天井面を施工する
には第３図、第４図で明らかなように母屋２の下
側である室内側に母屋２と直交するように傾斜方
向に沿い天井支持材１を配置して固定し、該支持
材１の係止爪片３に天井板４の係合部６の係合片
１０を係合し、該係止爪片３に傾斜下側に位置す
る天井板４の係止部５の係止片８を係止して接続
する。したがつて、天井板４は天井面の傾斜上端
から下端に向い配設するもので、天井支持材１の
係止爪片３には天井板４の係止部５と隣りの天井
板の係合部６とが支えられる。

従つて、天井面には天井板４同志の接続部分が
室内側に位置するのであり、この接続部分には係
合部６が有る。そしてこの係合部６は接続する隣
りの天井板の係止部５により開口部分が閉塞され
ていないので、天井板の室内面を伝わつて流れる
水滴の受部となる。

このため本案の天井構造を例えば室内に温水プ
ールａを有する大型建築物の天井とした場合に
は、室内が高温、多湿であつて湿気が天井面に結
露して水滴となつて付着しても、この水滴は各天
井板４を傾斜下方に向つて各係合部６に流下し、
各係合部６内の水抜き孔１１ら傾斜下方に位置す
る天井板４の室外側に順次流下し、傾斜最下端に
位置する天井板４の係合部６に溜まる。この傾斜
最下端に位置する天井板４の係合部６の水抜き孔
１１を、例えば樋（図示せず）で受止めて溜つた
水滴を外部に排水するようにすれば室内に水滴を
落下させない。また、第３図に示すように、上向
きに屈曲した係止部５の傾斜状片７と係止片８が
下向きに屈曲した係合部６の係合片１０を下方ら
囲むようにして係止爪片３に係止しているので、
天井板４の室外側に風が吹いても、係止部５がこ
の風を阻止する。したがつて、天井面に付着した
水滴が風によつて吹き落されることを防止するこ
とができるとともに、受部として機能する係合部
６内に溜まつた水が風によつて吹き飛ばされるこ
とを防止することができる。このため、風の有無
に拘らず、天井面の室内側に付着した水滴を確実
に捕捉して室内への落下を確実に防止することが
できる。なお係合部６に水抜孔１１を設けない場
合には、係合部６に溜る水は係合片１０の先端か
らオーバーフローして隣りの天井板の室外面に流
れ、上記と同様に使用する。

従つて、本案の天井構造は母屋の室内側に固定
した天井支持材により簡単に施工できるばかりで
なく、天井面の室内側に付着した水滴が各天井板
の係合部から各天井板の裏面側に順次流下するた
め水滴が床面に落下しないので水滴の落下による
各種の弊害もなく、しかも天井を腐蝕させないの
であり、室内が高温多湿となる温水プール、温
室、浴場その他の建築物に好適である。また、本
案の天井構造は、上向きに屈曲した係止部の一部
が下向きに屈曲した係合部の開口部内に下から延
出しているので、天井板の室外側に風が吹いて
も、係止部がこの風を阻止する。したがつて、天
井面に付着した水滴が風によつて吹き落されるこ
とを防止することができるとともに、受部内に溜
まつた水が風によつて吹き飛ばされることを防止
することができ、風の有無に拘らず、天井面の室
内側に付着した水滴を確実に捕捉して室内への落
下を確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示すもので、第１図は施
工状態の概略断面図、第２図は施工状態を一部拡
大した概略断面図、第３図は係止爪片と天井板同
志の接続状態を示す一部拡大断面図、第４図は天
井板の斜視図である。 １……天井支持材、２……母屋、３……係止爪
片、４……天井板、５……係止部、６……係合
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 母屋の室内側に固定する係止爪片を設けた天井
   支持材と、一側縁に先端を上向き折返し状に屈曲
   した係止部を形成し、他側縁に先端を下向き折返
   し状に屈曲した係合部を形成した天井板とからな
   り、係合部が当該天井板の係止部よりも低くなる
   ように天井板を傾斜させ、天井板の係合部を天井
   支持材の係止爪片に係止させると共に、天井板の
   係止部を該天井支持材の係止爪片に係止させて該
   係止部の一部を係合部の開口部内に下から延出さ
   せ、天井板の接続部分室内側に天井板の係合部と
   傾斜下側の天井板の係止部とにより傾斜上側が開
   口する水滴の受部を設けるようにした建築物の天
   井構造。