JPS6310986Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車におけるスライド機構付シート
のスライドロツク装置に関するものである。

シートクツシヨンの底部両側にスライドレール
を前後方向に向けて固定し、フロア等の車体部材
に固設したレールに上記スライドレールをスライ
ド可能なるよう嵌装すると共に、レールとスライ
ドレールをロツクしてシートを固定するロツク機
構をスライドレールに取付けたスライド機構付シ
ートは自動車のフロントシートとして一般に用い
られている（例えば実開昭51−29525号公報参
照）。

ロツク機構にはレールとスライドレールのロツ
クを解除操作するロツクレバーが設けられるが、
従来は第１図の鎖線示の符号Ａにて示すようにロ
ツクレバーはシートクツシヨンの前方下部附近に
位置するよう設けられているのが普通であり、着
座した乗員が前方に身をかがめて前方下部に手を
のばして操作しなければならず、操作性に問題が
あるばかりか、車室内の美感上あまり好ましくな
いと言う問題を有している。

本考案は、バツクレストの傾角調整装置の操作
レバーがシートクツシヨンの側面部に設けられて
いることに着目し、第１図に示すようにロツクレ
バー１をシートクツシヨン側面部にバツクレスト
傾角調整用操作レバー１０と並べて設けることに
より操作レバー類の集中化による外観性の向上及
び操作性の向上をはかると共にスライドロツク機
構とロツクレバーとの連繋機構に工夫をこらすこ
とにより、ロツク解除機構のロツク状態をロツク
レバーが保持し、ロツク強度の著しい向上をはか
り得るようにしたものである。

以下本考案を第２図の実施例につき詳しく説明
する。

第２図において７はシート９のクツシヨン両側
下部に前後方向に向けて固定されたスライドレー
ルで、該スライドレール７はフロア等の車体部材
に前後方向に向けて固設した固定レール（図示省
略）に前後方向にスライド可能なるよう嵌装され
る。

該スライドレール７の上面７ａにはロツクプレ
ート４が軸６にて該スライドレール７の上面と平
行な面内において回動可能なるよう軸着されてい
る。

ロツクプレート４はスライドレール７の上面か
らシート中央側側面７ｂに対向する垂下面４ａ及
び該垂下面４ａ下端から更にシート中央側に延び
る水平面４ｂを有し且つ上記垂下面４ａ先端部附
近にはスライドレール７のシート中央側側面７ｂ
に設けた係合孔（図示省略）内に嵌入し且つ該ス
ライドレール７が嵌装される固定レールの係合部
（図示省略）に嵌入係合してスライドレール７を
ロツクするロツク部４ｃが突出形成されている。

スライドレール７の上面７ａにはシヤフト２が
スライドレール７の幅方向に向けて回転可能なる
ようブラケツト３にて取付けられ、該シヤフト２
の側外方端部にはロツクレバー１が固定され、シ
ヤフト２のシート中央側端部には下方に垂下する
係合部２ａが形成されている。

前記ロツクプレート４の水平面４ｂには係合穴
５が設けられ、前記シヤフト２の係合部２ａが該
係合穴５に係合し、第２図においてロツクレバー
１を上方に回動させることにより係合部２ａがス
ライドレール７のシート中央側面７ｂにほぼ沿つ
て時計方向に回動しロツクプレート４は軸６を中
心として回動しロツク部４ｃが抜け出してスライ
ドレールと固定レールのロツクを解除するように
なつている。

８はロツクレバー４をロツク方向に附勢するス
プリングである。

係合穴５は、係合部２ａとロツクプレート４の
それぞれの回動軌跡の違いによつて生ずる幅方向
の変位を吸収する為に幅方向に上記変位分だけ余
裕をもたせると共に、前後方向にも所定範囲余裕
をもたせ、且つロツクプレート４のロツク解除位
置からロツク位置に戻るとき係合部２ａを元の位
置に戻すことができるよう第３図に示すように係
合部２ａの回動軌跡Ｘ−Ｘに対しある角度をもつ
た斜めの長穴に構成している。

上記のような構成を採ることにより、ロツクレ
バー１を第１図示のようにシート９のクツシヨン
側面部においてバツクレスト傾角調整機構の操作
レバー１０と並んだ位置に配設することができ、
該ロツクレバー１の操作性の向上をもたらし得る
と共に、シートに設けられるレバー類の集中化に
よる外観性の著しい向上をはかり得るものであ
る。

又ロツクレバー側の係合部２ａが嵌入係合する
ロツクプレート４の係合穴５を係合部２ａの回動
軌跡に対し角度をもつた斜めの長穴に構成したこ
とにより、第３図イのロツク状態からロツクレバ
ー１を上方に回動操作した場合、係合部２ａは係
合穴５の一方の傾斜カム面５ａを押圧してロツク
プレート４をロツク解除方向に回動させつつ係合
穴５内を移動して第３図ロのアンロツク状態と
し、ロツクレバー１より手をはなしロツクプレー
ト４がスプリング８によりロツク方向に回動する
と他方の傾斜カム面５ｂに案内されて係合部２ａ
は係合穴５内を相対的に移動して第３図イのよう
に元の位置に戻る。上記ロツク解除操作時は、一
方のカム面５ａが係合部２ａの移動軌跡に対し斜
めの面となつているので、係合部２ａの摺動抵抗
が極めて小であり比較的小なる操作力にてスムー
ズにロツク解除作動を行わせることができる。又
ロツク状態でロツクプレート４のみがロツク解除
方向に回動しようとすると、傾斜カム面５ｂによ
つて係合部２ｂをＸ−Ｘ線上をロツク解除方向に
押圧移動させつつ回動しなければならないが、傾
斜カム面５ｂにて係合部２ｂを移動させるにはか
なり大なる力を必要とするので、実質上はロツク
状態でのロツクプレート４のロツク解除方向回動
は係合部２ｂにてある程度抑制された状態とな
り、ロツク強度の著しい向上をはかり、安定なる
ロツク状態保持を行い得るものである。

更に上記カム機能をもつた係合穴５の構成によ
り、ロツクプレート４をロツク方向に附勢するス
プリング８をロツクレバー１のリターンスプリン
グとして兼用させることができ、部品数の削減を
もはかり得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したシートの斜視図、第
２図は本考案実施例の要部を示す斜視図、第３図
は第２図におけるロツクレバー側の係合部とロツ
クプレートの係合穴の関係を示す平面説明図であ
る。 １……ロツクレバー、２……シヤフト、２ａ…
…係合部、４……ロツクプレート、４ｃ……ロツ
ク部、５……係合穴、５ａ，５ｂ……傾斜カム
面、６……軸、７……スライドレール、８……ス
プリング、９……シート、１０……バツクレスト
傾角調整用操作レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンの両側下部に設けたスライド
   レールを車体部材に設けた固定レールに前後にス
   ライド可能に嵌装したシートにおいて、スライド
   レールの上面にロツクプレートを固定レールに係
   合したロツク位置からロツク解除位置に回動し得
   るよう軸着すると共に、該ロツクプレートをロツ
   ク方向に附勢するスプリングを設け、スライドレ
   ール上面にシヤフトをスライドレールの幅方向に
   向けて回転可能に取付け、該シヤフトの側方の端
   部にロツクレバーを固定することにより、該ロツ
   クレバーがシートクツシヨン側方部に位置するよ
   う構成すると共に、該シヤフトの他端に該シヤフ
   トの回転に伴つてスライドレールの側面部にほぼ
   沿つて回動する係合部を設け、該係合部をロツク
   プレートの係合穴に嵌装してロツクレバーの回動
   操作によりロツク解除方向に回動させ得るよう構
   成し、且つ上記係合穴を係合部の移動軌跡に対し
   ある角度をもつた斜めの長穴に構成したことを特
   徴とするスライド機構付シートのスライドロツク
   装置。