JPS6310189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトランスフアプレスにおける成形品の
保持装置に関するものである。

従来、トランスフアプレスで直径に比較して高
さの高いフランジのない容器を成形する場合、複
数の加工工程中始めの工程では直径に比較して高
さはそれ程高くないので成形品の安定性はよい
が、加工工程が進むに従つて直径に比較して高さ
が増して安定性が悪くなり、それ以後の工程で搬
送された金型上で不安定なため加工不良を生ずる
ことがあつた。

本考案の目的はこの欠点を除き、フイードバー
のアンクランプ運動を利用して成形品を金型上で
保持して安定させ、加工不良を生じないようにす
るトランスフアプレスにおける成形品の保持装置
を提供することにある。以下本考案の実施例につ
いて図面を参照して説明する。

第１図において、プレスのボルスタ１に固定さ
れた金型２を前後に挾んで中心線に対称に１対の
フイードバー３がプレスの左右方向（図では紙面
に垂直方向）に設けられている。フイードバー３
はプレスのトランスフア（図示せず）に駆動され
て、その長手方向にアドバンス・リターン運動
を、幅方向に１対が互に接近、離隔するクラン
プ・アンクランプ運動を与えられる。金型２を前
後に挾む位置には１組の本装置が設けられている
が図では便宜上片側に設けられたものについて説
明する。

第１図乃至第３図において、ボルスタ１上に固
定された本装置の機体４にはフイードバー３のク
ランプ・アンクランプ方向に向けて２本のガイド
バー５，５が固定されている。フイードバー３を
アドバンス・リターン方向に摺動自在に案内する
フイードバー受６は、その下部に突出したガイド
ブロツク７，７の穴がガイドバー５，５に摺動自
在に案内されている。（第４図参照）ガイドバー
５，５の金型２側への延長部には固定用フインガ
８を保持している保持部材９がその両側の穴を摺
動自在に案内されている。固定用フインガ８の先
端は金型２の上に伸びている。固定用フインガ８
の上部にはフイードバー３に固定された搬送用フ
インガ１０が金型２の上部に伸びている。

フイードバー受６の下面にはガイドブロツク
７，７の間にクランプ・アンクランプ方向に向け
て板カム１１が固定されている。板カム１１は金
型２側が厚く、反対側が薄く、途中に傾斜部を持
つている。機体４には一端部のカムホロア１２が
板カム１１に接したくの字形のレバー１３が枢着
されている。レバー１３の他端部にはピン１４が
設けられている。ピン１４に掛合するＵ字溝を一
端部に有するくの字形のレバー１５が機体４に枢
着されている。レバー１５の他端部のＵ字溝は保
持部材９に設けたピン１６と掛合している。

第１図、第３図、第５図及び第６図において、
保持部材９の上面にはクランプ・アンクランプ方
向に向いた第６図に示すような下開きの溝１７が
設けられ、金型２と反対側端はねじ止めされたス
トツパ１８で閉じられている。固定用フインガ８
の下面には溝１７に摺動自在に嵌合する突起部１
９が設けられ保持されている。突起部１９とスト
ツパ１８との間には２本のばね２０，２０が設け
られ固定用フインガ８を金型２側に向けて付勢し
ている。突起部１９の下面には第１図に示すよう
にピン２１が突出して設けられ、保持部材９と係
合して固定用フインガ８がばね２０に付勢されて
金型２側へ前進した前進限を規制している。

次に作用について述べる。第１図、第２図及び
第３図において、フイードバー３が搬送用フイン
ガ１０，１０でワーク２３を挾持してアドバンス
運動し、金型２の上において第１図に示す位置か
ら一点鎖線で示す位置までアンクランプ運動を行
ない、ワーク２３を金型２の上面に置く。フイー
ドバー３のアンクランプ運動に伴ないフイードバ
ー受６は機体４に固定されたガイドバー５，５に
案内されてアンクランプ方向に移動する。このと
きフイードバー受６の下面に固定した板カム１１
はカムホロア１２を介してレバー１３を回動さ
せ、ピン１４に掛合するレバー１５を回動させ、
ピン１６を介して保持部材９を金型２側へ駆動す
る。

固定用フインガ８を保持した保持部材９はガイ
ドバー５，５に案内されてフイードバー３とは逆
にクランプ運動を行ない、金型２上に置かれたワ
ーク２３を固定用フインガ８，８で挾持して位置
決めし姿勢を安定させる。

このとき保持部材９のストツパ１８と固定用フ
インガ８の突起部１９との間に設けたばね２０が
若干収縮してワーク２３と固定用フインガ８との
位置関係を調整している。ワーク２３は上型パン
チ２２と金型２とで絞り加工され若干直径が小さ
くなつて、例えばワーク２３ａからワーク２３ｂ
となつて金型２上に押上げられたとき、固定用フ
インガ８はばね２０の作用により若干直径の小さ
いワーク２３ｂを挾持することが可能で、これを
位置決めし姿勢を安定させ、次の搬送用フインガ
１０，１０による挾持を良好に行なわせることが
できる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、フイードバーのアンクランプ運動を利用して
成形品を金型上で保持して姿勢を安定させるの
で、加工不良が生ずることがなく、また搬送の失
敗をも防止することができるなど、実用上の効果
と利点は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の要部縦断面側面図、第２図は
第１図の矢視による一部断面の正面図、第３図
は一部断面の平面図、第４図は一部断面の側面
図、第５図は第１図の矢視による要部平面図、
第６図は第５図の矢視図である。 １はボルスタ、２は金型、３はフイードバー、
４は機体、５はガイドバー、６はフイードバー
受、７はガイドブロツク、８は固定用フインガ、
９は保持部材、１０は搬送用フインガ、１１は板
カム、１２はカムホロア、１３はレバー、１４は
ピン、１５はレバー、１６はピン、１７は溝、１
８はストツパ、１９は突起部、２０はばね、２１
はピン、２２は上型パンチ、２３はワークであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランスフアプレスで取扱う成形品の安定性を
   確保する装置において、フイードバーをアドバン
   ス・リターン方向に可動の状態に支持すると共
   に、機体に対してクランプ・アンクランプ方向に
   可動であるフイードバー受を設け、該フイードバ
   ー受にクランプ・アンクランプ方向の板カムを固
   着し、該カムに係るカムホロアを一端に有し、ほ
   ぼ中央部を機体に枢着されたくの字形のレバーを
   設け、該レバーの他端と一端部において回転自在
   で、かつ若干量変移自在に掛合し、ほぼ中央部を
   機体に枢着されたくの字形の第２のレバーを設
   け、該第２のレバーの他端部と掛合し、機体に対
   してクランプ・アンクランプ方向に可動に案内さ
   れているフインガ部材を設けたことを特徴とする
   トランスフアプレスにおける成形品の保持装置。