JPH06528U - ワーク位置決め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 板状ワークの形状にかかわらず、板状ワーク
の位置決めを常に正確に行う。 【構成】 一対の位置決め部材４１、４２は、板状ワー
クＷの角部Ｃに係合可能であり、左右方向に移動自在で
ある。グリッパ４３、４４は、前後方向に移動自在であ
るが、左右方向にも変位可能である。グリッパ４３、４
４は板状ワークＷの縁部を挟持して、板状ワークＷを前
後方向に移動させて位置決め部材４１、４２に当接させ
る。この当接動作の後、グリッパ４３、４４が板状ワー
クＷを挟持した状態で、位置決め部材４１、４２は板状
ワークＷ側に移動して角部Ｃに係合し、板状ワークＷを
左右方向に移動させる。これにより板状ワークＷの位置
決めが完了する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば板状ワークの縁部を折り曲げるベンダ等に設けられ、ワーク の位置決めを行う装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のベンダにおける位置決め動作について、図５（ａ）、（ｂ）を参照して 説明する。板状ワークＷはベルトコンベアによって矢印Ａ方向に移送され、本体 １１に近接して設けられたテーブル１２上に供給される。次いで、各センタリン グピン１３がテーブル１２上に突出するとともにワークＷ側に移動し、ワークＷ の側部に当接してワークＷの供給方向（矢印Ａ方向）の心合わせを行う。この後 、プッシャー１４が本体１１側に移動し、本体１１に設けられたエンドロケータ （ピン）１５にワークＷの縁部を当接させる。これにより、ワークＷの位置決め が完了し、次いでワークＷは、キャリッジ１６に設けられたクランプ１７によっ て固定される。 本体１１にはロッカーアーム（図示せず）が設けられており、ワークＷはキャ リッジ１６によって本体１１側に送り込まれてロッカーアームに当接する。この ロッカーアームを変位させることによって、ワークＷの縁部は折り曲げ加工され る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

さて、ワークＷの形状が例えば図６に示すように矩形ではなく、縁部に凹凸を 有しており、特に突部の位置あるいは形状が不規則である場合、センタリングピ ン１３によるワークＷの位置決めができなかったり、あるいは不確実になるおそ れがある。すなわち、ワークＷの突部Ｐの位置によって、突部Ｐがセンタリング ピン１３に当接したり、または当接しないことがあり、これらの場合毎にワーク Ｗが定められる位置は異なる。このようにワークＷの位置決めが不安定になると 、正確な折り曲げ加工ができなくなるという問題が生じる。 本考案は、以上のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、板状ワー クの形状にかかわらず、板状ワークの位置決めを常に正確に行うことができるワ ーク位置決め装置を得ることを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るワーク位置決め装置は、板状ワークの２つの角部に係合可能であ り、前記角部の一辺に沿う第１の方向に移動自在である一対の位置決め部材と、 板状ワークを挟持して、第１の方向に垂直な第２の方向に移動させて位置決め部 材に当接させるグリッパとを備え、グリッパは位置決め部材による板状ワークの 位置決め時、板状ワークとともに第１の方向に移動可能であることを特徴として いる。

【０００５】

【実施例】

以下図示実施例により本考案を説明する。 図１は本考案の第１実施例を適用したベンダの概略構成を示し、ベンダはワー ク送り装置２０と折り曲げ機３０とを備える。本実施例において、板状ワークＷ は略矩形を有している。板状ワークＷの各辺には、図６に示すように、突部Ｐが 不規則に形成されているが、４つの角部Ｃには突部等が形成されておらず、これ らの角部Ｃは直角を成している。

【０００６】 ワーク送り装置２０は、折り曲げ加工のために板状ワークＷに所定量の送りを 与えるキャリッジ２１を有する。キャリッジ２１は、板状ワークＷを上下から挟 持する回転可能な一対のクランプ板２２、２３を有する。すなわち、上方のクラ ンプ板２２は昇降自在に設けられ、下方のクランプ板２３とともに板状ワークＷ を挟持し、必要に応じて板状ワークＷを回転させる。またキャリッジ２１は、ベ ッド２４に設けられたガイドレール（図示せず）に沿って移動自在に支持され、 モータ２５によって送りネジ２６を回転させることにより、図の左右方向に往復 移動する。サブキャリッジ２７は、クランプ板２２、２３にクランプされていな い板状ワークＷを折り曲げ機３０側に移動させるものであり、モータ２８によっ て送りネジ２９を回転させることにより駆動される。

【０００７】 折り曲げ機３０は、板状ワークＷを保持するホルダ３１と、このホルダ３１に 保持された板状ワークＷの縁部を上下方向に折り曲げる曲げ型３２とを有する。 ホルダ３１は下型３３と、ラム３４によって昇降駆動される上型３５とから成る 。曲げ型３２はロッカーアーム３６の先端に設けられ、このロッカーアーム３６ はアクチュエータ３７、３８、３９によって、揺動あるいは水平移動せしめられ る。

【０００８】 図２はワーク送り装置２０と折り曲げ機３０を上方から見た図である。この図 において、テーブル１２には一対の位置決め部材４１、４２が設けられる。これ らの位置決め部材４１、４２は、板状ワークＷの、折り曲げ機３０とは反対側に 位置する２つの角部Ｃに係合可能であり、これらの角部Ｃの形状に合致したＬ字 形状を有している。また位置決め部材４１、４２は、板状ワークＷに接近あるい は離間する方向（図の左右方向）に移動自在に設けられ、すなわち角部Ｃの一辺 に沿う第１の方向に移動自在である。

【０００９】 キャリッジ２１の両側には、それぞれグリッパ４３、４４が配設される。グリ ッパ４３、４４はそれぞれ、板状ワークＷの縁部を挟持するとともに、第１の方 向に垂直な第２の方向（図の上下方向）、すなわちキャリッジ２１に沿って移動 自在である。後述するように、グリッパ４３、４４は板状ワークＷに接近してそ の縁部を挟持し、そして板状ワークＷを後方すなわち折り曲げ機３０の反対側に 移動させ、位置決め部材４１、４２に当接させる。

【００１０】 図３はグリッパ４３および支持機構５０の構成を示す。この図に示すように、 グリッパ４３は支持機構５０のロッド５１に支持され、このロッド５１に沿って 変位可能である。ロッド５１は支持枠５２に固定され、またグリッパ４３と支持 枠５２との間には、コイルバネ５３、５４が設けられている。したがってグリッ パ４３は、図の左右方向の外力を受けた時、バネ５３、５４を撓ませて左右方向 に変位する。なお、他方のグリッパ４４も上述した構成を有する。

【００１１】 図４（ａ）〜（ｃ）を参照して本実施例の作用を説明する。 板状ワークＷは、ベルトコンベアによってベンダに搬入され、テーブル１２の 略中央に載置される。次いで、一対の位置決め部材４１、４２がそれぞれ直線的 に移動し、図４（ａ）に示すように板状ワークＷに接近する。この時、もし板状 ワークＷがテーブル１２の中心位置から図の左右方向に大きくずれていれば、位 置決め部材４１、４２の一方が板状ワークＷに当接することとなるが、図示例で は両者は板状ワークＷに接触していない。

【００１２】 次にグリッパ４３、４４が、折り曲げ機３０側（図の上方）に前進して板状ワ ークＷに接近し、このワークＷの縁部を挟持する。そしてグリッパ４３、４４は 、折り曲げ機３０の反対側（図の下方）に後退し、図４（ｂ）に示すように板状 ワークＷを位置決め部材４１、４２の内面に当接させる。これにより板状ワーク Ｗの前後方向の位置決めが行われる。

【００１３】 次いで各位置決め部材４１、４２は、それぞれ板状ワークＷ側に所定の距離だ け左右方向に移動し、図４（ｃ）に示すように角部Ｃに係合して板状ワークＷを 所定の位置に定める。もし、図４（ｂ）の状態において板状ワークＷの左右方向 の位置が所定の位置からずれていると、位置決め部材４１、４２による左右方向 の位置決めにより、板状ワークＷは左右方向に移動するが、この板状ワークＷの 移動とともにグリッパ４３、４４もバネ５３、５４を撓ませつつ左右方向に移動 する。すなわち位置決め部材４１、４２による位置決め時、グリッパ４３、４４ は板状ワークＷを挟持した状態で、このワークＷとともに一体的に変位する。

【００１４】 この位置決めの後、位置決め部材４１、４２は図の左右方向に移動して板状ワ ークＷを開放する。またこの時、グリッパ４３、４４も板状ワークＷを開放し、 この結果バネ５３、５４のバネ力によってロッド５１の中央位置に復元する。そ してグリッパ４３、４４は、図２に示すように板状ワークＷから後退して初期位 置に戻る。次いでサブキャリッジ２７が板状ワークＷの後端部に係合し、板状ワ ークＷを折り曲げ機３０側に前進させ、所定の位置に定める。そして、図示しな いクランプ機構が板状ワークＷを上下から挟持して保持し、この状態で、折り曲 げ機３０内に設けられた曲げ型が板状ワークＷの縁部に係合して、この縁部を折 り曲げ加工する。

【００１５】 以上のように本実施例は、グリッパ４３、４４によって板状ワークＷを移動さ せて位置決め部材４１、４２に当接させ、次いで位置決め部材４１、４２を板状 ワークＷの角部Ｃに係合させることにより、板状ワークＷの位置決めを行うよう に構成されている。すなわち本実施例では、板状ワークＷの位置決め時、従来の ように板状ワークＷの縁部に係合するピン状の部材は用いられない。したがって 、板状ワークＷの縁部に凹凸が不規則に形成されていても、このような形状の影 響を受けることなく、板状ワークＷは正確に所定の位置に定められ、これにより 正確な折り曲げ加工が実現される。

【００１６】 なおグリッパ４３、４４は、板状ワークＷを折り曲げ機３０側から押圧して位 置決め部材４１、４２に当接させる構成であってもよい。 また本考案はベンダに限定されるものではなく、その他の加工装置にも適用可 能である。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、板状ワークの形状にかかわらず、板状ワークの 位置決めを常に正確に行うことができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るワーク位置決め装置を
備えたベンダの概略の構成を示す側面図である。

【図２】ワーク位置決め装置の概略の構成を示す平面図
である。

【図３】グリッパの構成を示す平面図である。

【図４】位置決め部材による板状ワークの位置決め動作
を示す図である。

【図５】従来の位置決め装置による位置決め動作を説明
するための図である。

【図６】板状ワークの一例を示す平面図である。

【符号の説明】

４１、４２ 位置決め部材 ４３、４４ グリッパ Ｗ 板状ワーク Ｃ 角部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状ワークの２つの角部に係合可能であ
   り、前記角部の一辺に沿う第１の方向に移動自在である
   一対の位置決め部材と、板状ワークを挟持して、第１の
   方向に垂直な第２の方向に移動させて位置決め部材に当
   接させるグリッパとを備え、グリッパは位置決め部材に
   よる板状ワークの位置決め時、板状ワークとともに第１
   の方向に移動可能であることを特徴とするワーク位置決
   め装置。