JPS629052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は遠心力成形法を利用してセグメントを
製造する際に使用されるセグメントの成形型枠に
係り、更に詳しくは円弧状セグメントの外周面を
成形し得る外方に湾曲突出した円弧状外板の前後
両側面に夫々側板を起立固定し、片側にテーパー
面を持つた２個一対のテーパーライナーを前記側
板の内面に沿つて夫々摺動自在に取付け、かつ前
記外板の左右両側端に仕切板を着脱自在に取付け
てなるセグメントの成形型枠に関するものであ
る。従来のセグメントの成形型枠は中央部が湾曲
突出した円弧状外枠の周りに一対の側板と一対の
仕切板とを夫々着脱自在に起立して構成し、この
型枠の中にコンクリートを打設した後バイブレー
ターによつて型枠内のコンクリートを締め固め、
更にその表面をコテによつて手仕上げしてセグメ
ントが充分固化した後型枠を解体してセグメント
を取出していたが、型枠をその都度組立てかつ解
体しなければならず、しかも一作業工程で１個の
セグメントしか製造することが出来ない等の欠点
があつた。

本考案に係る成形型枠は従来の之等の欠点に鑑
み開発された全く新規な技術に関するものであ
る。図により本考案に係る成形型枠の一実施例を
具体的に説明すると、第１図乃至第４図に於て、
１は中央部が下方（外方）に湾曲した円弧状外板
であつて、成形するセグメントの外径に相似した
内径を有し、第１図に於ける左右巾はセグメント
の左右巾に等しく、前後巾はセグメントの前後巾
より一定の寸法だけ大きく構成され、かつこの外
板１の前後両側面には夫々側板２が一体的に起立
固定され、更にこの側板２の所定位置にはボルト
孔３が穿孔されている。４は外板１の左右両側端
に着脱自在に取付けられる仕切板であつて、その
内面両側端には後述のテーパーライナーを規定し
得る突条５が夫々突設され、かつ所定位置にはボ
ルト孔６が穿孔されている。又前記側板２の上縁
所定位置にはボルト孔７を持つた支持部８が内方
に向つて突設されている。次に９は内面が垂直に
形成されかつ外面がテーパー面となつた棒状の第
１テーパーライナーであつて、所定位置にボルト
１０が外方に向つて突設されている。１１は前記
第１テーパーライナーの外面に対応するテーパー
面を内面に有し外面が垂直に形成された第２テー
パーライナーであつて、前記側板２の内壁面の高
さより低い高さを有し、かつ下部所定位置には上
下に長いボルト孔１２及び切溝１３が夫々穿設さ
れて構成され、更にその上面所定位置にはボルト
１４が起立突設されている。

図中１５はボルト１０に螺合されたハンドル、
１６はボルト１４に螺合されたナツト、１７は継
手板であつてテーパーライナー９，１１及び側板
２を挿通されたリーマーボルト１８によつて型枠
に仮着されている。１９は中子、２０はアンカー
筋であて継手２１に突設されている。又Ａは型枠
内で成形されたセグメントである。

本考案に係る型枠を組立構成してセグメントＡ
を成形する場合には図に示す如く、外板１の両端
に仕切板４を夫々ボルトを介して固定すると共に
仕切板４の内面に突設された突条５、ボルト１
０，１４、支持部８、ハンドル１５、ナツト１４
等を利用して２種のテーパーライナー９，１１を
側板２の内面に夫々取付けて１単位当りの型枠を
構成した後、次に特に第５図に示す如く、前述の
如く構成された数個の型枠を順に連結して遠心力
成形用のリング枠を組立構成し、このリング枠を
所定の回動装置によつて一定速度で回転させ、こ
のリング枠の中にコンクリートを供給して各型枠
内にこれを充填することによつてセグメントＡを
遠心力成形することが出来る。次に型枠からセグ
メントＡを取出す場合には、まず各型枠の連結を
解いた後、仕切板４を外板１より取りはずし、次
にナツト１６を回動することによつて第２テーパ
ーライナー１１を上方に引上げて第１テーパーラ
イナー９との間に隙間を形成し、今度はハンドル
１５を回動することによつて第１テーパーライナ
ー９を側板２側に移動せしめ、これによつてセグ
メントＡからテーパーライナー９を強制的に引離
し、従つてセグメントＡは型枠から簡単かつ確実
に取出すことが出来る。

本考案に係る型枠は上述の如く、２個一対のテ
ーパーライナーを側板の内面に摺動自在に取付け
て構成したので、このテーパーライナーを利用
し、これ等を順に摺動することによつてテーパー
ライナーをセグメントのリング面から引離し、セ
グメントを型枠から極めて簡単に取出すことが出
来、かつ型枠は中央部が外方に湾曲した円弧状外
板を基材として構成しているので、数個の型枠を
相互に連結することによつて遠心力成形用のリン
グ枠を構成することが出来、従つて遠心力成形が
可能であり、更に側板は外板に一体的に固定して
構成されているので、型枠の組立及び解体作業が
容易で作業能率を極めて向上せしめることが出
来、しかも側板は外枠と一体に構成されているの
で型枠が簡単で成形精度が良い等の特徴を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本願型枠の組立及び使用説
明図である。 １は外板、２は側板、４は仕切板、５は突条、
８は支持部、９，１１はテーパーライナー、１
０，１４はボルト、１５はハンドル、１７は継手
板、１９は中子である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円弧状セグメントの外周面を成形し得る外方に
   湾曲突出した円弧状外板１の前後両側面に夫々側
   板２を起立固定し、片側にテーパー面を持つた２
   個一対のテーパーライナー９，１１を前記側板２
   の内面に沿つて収納し、かつ該２個一対のテーパ
   ーライナー９，１１の内の一方を垂直方向に又他
   方を水平方向に摺動し得る如く設け、更に前記外
   板１の左右両側端に仕切板４を着脱自在に取り付
   けてなるセグメントの成形型枠。