JPS628960Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はプレス機械へ金型を供給する装置に
関する。

プレス機械へ金型を供給し設置する作業は一般
に段取り作業と称せられ、なんら付加価値を生じ
ない準備作業であるため、できるだけ短時間に行
なわなければならない。特に１日に何種類かの金
型を取替え使用する場合には金型段取り作業時間
の如何んによりプレス機械の生産性は大きく左右
される。従来金型をプレス機械へ供給するのには
予め保管してある金型置場よりフオークリフト、
クレーン、運搬台車などの運搬装置を駆使し、そ
の都度金型を運んでプレス機械に供給していた。
この方法ではどうしても多くの段取り作業時間を
要するので金型の供給を容易に、短時間にできる
装置も製作されているが、すべてプレス機械１台
につき１供給装置という組合せでプレス機械１台
の専用となつている。したがつて複数台のプレス
機械を使用する場合には供給装置の設置場所を多
く必要とし、設備費用も多くかゝるという難点が
あつた。

この考案は上述の点にかんがみ、プレス金型の
供給が便利で、供給に要する時間が少なく、設置
場所が僅少で、かつ設備費用も少なくて済む金型
供給装置を提供することを目的とする。この目的
は本考案によれば、複数台のプレス機械が設置さ
れ中心部の位置に垂直に設けられた支持軸に支え
られ、支持軸を中心とし水平面上で回転可能の複
数段の回転収納棚と、該回転収納棚の外周を取り
囲みプレス機械の金型取付台に接続できかつ不使
用時にははね上げて収納可能な架橋をそなえた固
定枠と、前記支持軸の下部に設けられ支持軸に連
結された油圧シリンダにより回転収納棚と共に上
昇または下降させられ任意の回転収納棚をプレス
機械の金型取付台の高さ位置に設定できる機構を
そなえたプレスへの金型供給装置によつて達成さ
れる。

以下この考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。本実施例では４台のプレス機械に対する金型
供給装置を説明する。第１図はプレス機械と本考
案による一実施例になる金型供給装置との配置を
示す平面図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ線に
沿う矢視図、第３図は支持軸に取付けられた回転
収納棚の斜視図で、第４図は固定枠の斜視図であ
る。図において１は４台設置されたプレス機械
で、これらの中心部に本考案による金型供給装置
が設置される。金型供給装置のターンテーブル方
式の回転収納棚（第２図、第３図では回転収納棚
３段の場合を示す）は中心を支持軸３にて支えら
れ回転可能である。回転収納棚２の外周は固定枠
４が覆つており、固定枠４の天井部には支持軸３
に遊合する軸穴５が設けられている。支持軸３の
上部は軸穴５に摺動して支えられ、下部は油圧シ
リンダ６に連結されており、油圧シリンダの駆動
により支持軸３は回転収納棚２と共に上昇または
下降される。また固定枠４の外周に、プレス機械
１と対向する位置にはプレス機械１の金型取付台
７と回転収納棚２とを接続するたとえばころコン
ベアのごとき架橋８が設けられる。この架橋８は
金型供給時には回転収納棚２と金型取付台７とを
接続して図に示す位置に置かれるが、金型を供給
しない時は、プレス作業者の邪魔にならないよう
に一点鎖線８ａにて示す位置にはねあげ固定して
収納される構造となつている。この金型供給装置
の回転収納棚にはプレス機械４台に使用される各
種の金型が収納されるが、必要な金型を選んで任
意のプレス機械に設置するには、まづ必要とする
金型９を収容してある回転収納棚２を選び、油圧
シリンダ６を駆動して（操作方法後述）橋架８の
高さ位置まで移動させる。このあと任意の架橋８
を倒して必要とするプレス機械１の金型取付台７
に接続し架橋８を降ろした状態とする。次に回転
収納棚２を回して必要な金型９を任意の架橋８の
位置に最も近くまでもつて行き、金型９を架橋８
を利用して運搬し金型取付台７の上に供給する。
しかるのち架橋８をはねあげ８ａの位置に固定収
納する。これで金型設置の準備は完了する。こゝ
で前述の油圧シリンダ６の操作について説明す
る。第５図に示す油圧・電気回路図では電源１０
からの電気回路は実線で示し、油圧ユニツト１１
からの油圧回路１２は破線にて示す。回転収納棚
昇降用の選択スイツチ１３を操作すれば任意の回
転収納棚（上、中、下段の何れか）の指令がでて
制御装置１４により方向制御弁１５を作動させる
（ここで上昇または下降の制御弁が開かれる。）
こゝにおいて油圧ユニツト１１からの圧油は油圧
回路１２を流通し、油圧シリンダ１６を操作す
る。油圧シリンダ１６の駆動により、油圧シリン
ダ１６に連結されている支持軸３は回転収納棚２
と共に上昇または下降し、回転収納柵２に設けら
れたドツグ１７により、固定枠４に取付けられた
リミツトスイツチ１８が動作させられ（制御装置
１４より指令のでているリミツトスイツチ１８の
み動作させられ、他のリミツトスイツチは不動
作）、その指令は制御装置１４を経て方向制御弁
１４（停止の制御弁）が動作される。油圧回路１
２には圧油が流れなくなるので油圧シリンダ１６
は昇降を停止し、支持軸３に支えられ選択された
回転収納棚２は架橋８の高さ位置に止まる。図は
選択スイツチ１３の中段を選択して操作し、回転
収納棚２の中段が架橋８の高さ位置に止まつた状
態を示している。

上に述べた構成になる金型供給装置は、回転収
納棚が立体的に設けられ、多段選択ターンテーブ
ル方式となつていて多くの金型が収容できるた
め、複数台のプレス機械に金型を供給する場合で
も１台で賄え、しかも回転収納棚の選択は油圧操
作により極めて簡単にでき、任意のプレス機械へ
も架橋を利用して容易に接続できるので、金型の
供給が便利で、供給に要する時間も少なく、設置
場所が僅少でかつ設置費用も少なくて済む金型供
給装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレス機械と本考案の一実施例になる
金型供給装置との配置を示す平面図、第２図は第
１図におけるＡ−Ａ線に沿う矢視図、第３図は支
持軸に取付けられた回転収納棚の斜視図、第４図
は固定枠の斜視図、第５図は油圧・電気回路図で
ある。 １：プレス機械、２：回転収納棚、３：支持
軸、４：固定枠、７：金型取付台、８，８ａ：架
橋、１６：油圧シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数台のプレス機械が設置された中心部の位置
   に垂直に設けられた支持軸に支えられ、支持軸を
   中心とし水平面上で回転可能の複数段の回転収納
   棚と、該回転収納棚の外周を取り囲みプレス機械
   の金型取付台に接続できかつ不使用時にははね上
   げて収納可能な架橋をそなえた固定枠と、前記支
   持軸の下部に設けられ支持軸に連結された油圧シ
   リンダにより回転収納棚と共に上昇または下降さ
   せられ任意の回転収納棚をプレス機械の金型取付
   台の高さ位置に設定できる機構をそなえたことを
   特徴とするプレスへの金型供給装置。