JPH0636739U - パレット受け渡し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マルチパレットマガジンを割出し回転位置決
めする際に、干渉しない位置まで移動可能に形成され、
かつ迅速で確実な移動が出来ると共に、比較的安価に実
施されるパレット受け渡し装置を提供するもの。 【構成】 パレット７に係着する係止駒５やその移動手
段６等を搭載するベース台２を支持台３に片持ちピン支
持し、マルチパレットマガシン８を回転する場合には昇
降手段４を作動してベース台２をピン１２を中心に下げ
ることによりパレット受け渡し装置１とマルチパレット
マガジン８との干渉防止が図られる。 【効果】 パレット受け渡し装置の干渉防止のための移
動が容易に、かつ迅速に行われる。それにより、機械稼
動率の向上が図れる。また、検出装置や昇降用のガイド
等が不要になり、装置構造がコンパクトにまとめられ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、マルチパレットマガジンで搬送されるパレットを機械側と受け渡し する装置に係り、特に、マルチパレットマガジンの回動時における干渉を防止す るに好適なパレット受け渡し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

マルチパレットマガジンを採用するマシニングセンタのような工作機械の場合 には、マルチパレットマガジン上のパレットを機械側と受け渡しするための受け 渡し装置が使用される。パレットはマルチパレットマガジン上で回動しながら所 定位置に割出し位置決めされ、前記受け渡し装置を介して機械側に送られ、かつ 用済のパレットは受け渡し装置によりマルチパレットマガジン側に戻入される。 図３は従来のパレット受け渡し装置の一例の概要構造を示すものである。マルチ パレットマガジン８は複数個のパレット７を搭載する回転テーブル台９と、その 割出し回転駆動装置１０等から構成される。パレット受け渡し装置１ａはパレッ ト７に係着する係止駒２９と、係止駒２９をパレット７の搬出入方向に沿って移 動する移動手段３０（シリンダ等）と、移動手段３０を支持すると共に係止駒２ ９をパレットの搬出入方向に案内する案内板３１と、パレット７の下方に着離可 能に当接係合し、パレット７を昇降させる昇降装置３２等から構成される。なお 、昇降装置３２はパレット７を支持する受け台３３と、受け台３３に連結するシ リンダ３４と、受け台３３を案内するガイド部３５等から構成される。パレット ７を機械１１側に搬入するには、まず、回転テーブル台９を搬入位置に割出し回 転してマルチパレットマガジン８上の所望のパレット７を位置決めした後、昇降 装置３２の受け台３３を上昇させてパレット７を支持した後、移動手段３０を作 動し係止駒２９をパレット７に当接させて機械１１側に押圧することにより行わ れる。用済後のパレット７は移動手段３１の逆動作により行われ、用済のパレッ ト７はマルチパレットマガジン８側に戻入される。図３に示すように、マルチパ レットマガジン８の回転テーブル９を回転する際に、昇降装置３２の受け台３３ がパレット７の下面に当接している状態では回転テーブル９が昇降装置３２に干 渉し回転テーブル９を割出し回転することが出来ない。そこで、回転テーブル９ を回転する前に昇降装置３２の受け台３３等を下降させ、両者の干渉を防止する ことが必要になる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記したように、パレット７の割出し位置決めのための回転テーブル９の作動 時においてはパレット７を支持する昇降装置３２を回転テーブル９から離隔させ 、両者の干渉を防止することが必要である。また、昇降装置３２は受け台３３を パレット７と当接する位置まで上昇する必要があるため上下位置の検出手段（図 略）が必要であり、かつ受け台３３を案内するガイド部３５が必要となる。その ため、装置構造が複雑で高価なものになり、かつ上下位置決めのために比較的多 くの時間が必要になる。

【０００４】 本考案は、以上の事情に鑑みて創案されたものであり、パレットとの干渉防止 とパレットとの当接係合のための昇降位置決め等が容易に、かつ迅速に出来、コ ンパクトな構造にまとめられるパレット受け渡し装置を提供することを目的とす る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の目的を達成するために、マルチパレットマガジンで搬送され るパレットを機械側に受け渡しする装置であって、前記パレットに着脱自在に係 着する係止駒およびその移動手段を支持するベース台の前記機械側の一端部をピ ン支持する支持台と、前記ベース台の前記マルチパレットマガジン側にピン結合 する昇降手段を設けてなるパレット受け渡し装置を構成するものである。

【０００６】

【作用】

マルチパレットマガジン側を回転する場合には、昇降手段を下降させるとベー ス台が支持台のピン結合部を中心に回動し、パレットに当接係合していた係止駒 およびその移動手段等をパレットから離隔する位置に下降させる。それにより、 パレット受け渡し装置とマルチパレットマガジン側との干渉が解消される。パレ ット搬出入時には昇降手段を上昇させることによりベース台が上昇し、係止駒が パレットに係着する。なお、ベース台上の移動手段を作動することにより、パレ ットの搬出入が行われる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。図１は本実施例の全体構造を 示す側面図であり、図２はその作用を説明するための側面図である。

【０００８】 図１に示すように、パレット受け渡し装置１は、ベース台２と、支持台３と、 昇降手段４と、パレット７に係着する係止駒５と、その移動手段６等から構成さ れる。パレット７はマルチパレットマガジン８の回転テーブル９上に複数個搭載 され、割出し回転駆動装置１０により割出し回転されて所定の搬出入位置に位置 決めされパレット受け渡し装置１により機械１１側に搬入および機械１１側から 搬出される。

【０００９】 ベース台２は機械１１側の一端側をピン１２を介して支持台３に支持され、支 持台３は不動側１３に固定される。昇降手段４はシリンダ１４と、継具１５を有 するピストンロッド１６と、シリンダ１４をピン１７を介してピン支持する支持 具１８とからなり、支持具１８は不動側１３に固定される。ベース台２のマルチ パレットマガジン８側に設けブラケット１９にはピン２０を介して継具１５がピ ン結合する。ベース台２上に固定されるブラケット２１，２２間には送りねじ軸 ２３とガイドロッド２４が架設される。送りねじ軸２３には係止駒５が螺合し、 係止駒５がガイドロッド２４に摺動可能に支持される。送りねじ軸２３にはプー リ２５が固定する。一方、ベース台２には駆動モータ２６が固定され、駆動モー タ２６の回転軸にはプーリ２７が固定される。また、プーリ２５とプーリ２７間 にはプーリベルト２８が架設される。

【００１０】 次に、本実施例の作用を説明する。図１に示すように、まず、マルチパレット マガジン８によりパレット７が所定の搬出位置に割出し位置決めされると係止駒 ５がパレット７に係着する。駆動モータ２６を作動することにより、プーリ２７ ，プーリベルト２８，プーリ２５を介し送りねじ軸２３が回転する。それにより 係止駒５がガイドロッド２４に案内され送りねじ軸２３に沿ってねじ送りされる 。それに伴ってパレット７が機械１１側に搬入される。一方、用済のパレット７ は機械１１側に送られた係止駒５をパレット７に係着し、駆動モータ２６を逆転 することによりパレット７はマルチパレットマガジン８側に搬出される。

【００１１】 次に、マルチパレットマガジン８の回転テーブル９を回転する場合について説 明する。図２に示すように、昇降手段４のシリンダ１４を作動し、ピストンロッ ド１６を下降させる。ピストンロッド１６は継具１５を介してベース台２に連結 するため、ピストンロッド１６の下降によりベース台２がピン１２を中心に下向 きに回動する。ベース台２には係止駒５およびその移動手段６の駆動モータ２６ 等が支持されるため、ベース台２の下降により係止駒５等も下方に移動する。そ れにより、係止駒５とパレット７との係合が解除され、かつ回転テーブル９と干 渉の恐れのある部分がすべて回転テーブル９から離れた位置に移動する。以上に より、回転テーブル９を回動し、次の所定のパレット７を所定の割出し位置決め することが出来る。以下、再び図１の状態にベース台２等を上昇させ、パレット ７と係止駒を係合させることによりパレット７の搬出入が行われる。

【００１２】 以上に説明したように、本実施例のパレット受け渡し装置１の場合には、昇降 手段４のシリンダ１４を作動するだけでパレット７とパレット受け渡し装置１と の係合が解除され、かつ元の状態に復帰することが出来るため、パレット７の割 出し位置決めおよび搬出入動作が極めて簡単に、かつ迅速に行われる。

【００１３】 本実施例において、係止駒５の形状やその移動手段６を図示のものを採用した が、勿論それに限定するものではない。また、マルチパレットマガジン８側の形 状も図示のものに限定するものではない。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、次のような効果が上げられる。 （１）片持ちにピン支持されているパレット受け渡し装置を該ピンを中心に回動 するだけの簡単な動作により、該装置をマルチパレットマガジン側から離隔する 位置を移動することが出来ると共に、逆動作により元の位置に簡単に復帰位置決 めすることが出来る。そのため、パレットの割出し位置決めから搬出入までの全 体の動作が、円滑に、かつ迅速に行われる。その結果、機械稼動率の向上が図れ る。 （２）昇降手段の昇降位置を予め決めることにより、特別の検出手段を用いるこ となく装置の位置決めが出来る。また、特別のガイド部材を必要としない。その 結果、安価に実施することが出来、かつコンパクトにまとめられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の全体構造を示す側面図であ
る。

【図２】本実施例の作用を説明するための側面図であ
る。

【図３】従来のパレット受け渡し装置の概要構造を示す
側面図である。

【符号の説明】

１ パレット受け渡し装置 ２ ベース台 ３ 支持台 ４ 昇降手段 ５ 係止駒 ６ 移動手段 ７ パレット ８ マルチパレットマガジン ９ 回転テーブル １０ 割出し回転駆動装置 １１ 機械 １２ ピン １３ 不動側 １４ シリンダ １５ 継具 １６ ピストンロッド １７ ピン １８ 支持具 １９ ブラケット ２０ ピン ２１ ブラケット ２２ ブラケット ２３ 送りねじ軸 ２４ ガイドロッド ２５ プーリ ２６ 駆動モータ ２７ プーリ ２８ プーリベルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 マルチパレットマガジンで搬送されるパ
   レットを機械側に受け渡しする装置であって、前記パレ
   ットに着脱自在に係着する係止駒およびその移動手段を
   支持するベース台の前記機械側の一端部をピン支持する
   支持台と、前記ベース台の前記マルチパレットマガジン
   側にピン結合する昇降手段を設けることを特徴とするパ
   レット受け渡し装置。