JPS628501B2 - - Google Patents
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- JPS628501B2 JPS628501B2 JP57204892A JP20489282A JPS628501B2 JP S628501 B2 JPS628501 B2 JP S628501B2 JP 57204892 A JP57204892 A JP 57204892A JP 20489282 A JP20489282 A JP 20489282A JP S628501 B2 JPS628501 B2 JP S628501B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
Description
本発明は打ち抜き性およびめつき性の良好な
Fe−Ni系ICリードフレーム材料およびその製造
方法に関する。 近時のエレクトロニクス分野等の発展に伴い、
IC(集積回路)の需要が飛躍的に増大し、その
リードフレーム材料の需要も付随的に著しく増大
している。一般にこれらリードフレーム材料は典
型的には42%Ni−Fe合金で代表されるFe−Ni系
の熱膨張制御合金等の帯材を裁断、めつき処理
後、打ち抜き加工して形成されるものである。こ
れらリードフレーム材料は板厚が0.20〜0.25mm程
度で、最近では0.10mm程度の極薄板材も使用され
るようになつており、その形状はシリコンチツプ
が載置されるアイランド(またはステージ)、そ
の周囲から外周囲に延びアイランドとともにプラ
スチツクモールドされるインナーリード部および
その外部のアウターリード部が枠体内に設けられ
るものであり、これを打ち抜き加工により成形
し、例えばこれらインナーリード部の間隔は200
〜300μm程度と極めて精密な打ち抜き加工が施
されることになり、従つてリードフレーム材料自
体に良好な打ち抜き性が要求される。またリード
フレーム材料はプレス打ち抜き後Au、Agなどの
めつきが施されるのでめつき性の良否はリードフ
レーム材料の品質につながる重大なポイントであ
り、したがつて良好なめつき性を保有しているこ
とが強く要求されるところである。 従来のFe−Ni系熱膨張制御合金、典型的には
42%のNiおよび加工性改善のため0.5%程度のMn
を含有し、残部がC、Si、Al、Cu等の不可避不
純物を含めてFeであるリードフレーム材料が一
般に使用されているが、このような従来材では前
述したような極めて精密な打ち抜きプレス加工に
際して、バリ、カエリの発生に基づく打ち抜きカ
スの除去トラブル、材料送りトラブル等の打ち抜
き加工時のトラブルが発生するおそれが大きくま
たリードフレーム材料の寸法精度を劣化させ、結
果的に高価な打ち抜き工具の寿命を短かくしてい
る。まためつき性も充分満足し得るものではなか
つた。 本発明は従来からリードフレーム材料として多
用され、最も実用性の高いFe−Ni系熱膨張制御
合金について、前述した如き欠陥を低減し、打ち
抜き加工性およびめつき性が良好であり、従つて
打ち抜き加工時のバリ、カエリの発生が極めて少
く、また打ち抜き後の歪も少く、打ち抜き工具寿
命が延長し得、しかもめつき層が強固に付着され
得るリードフレーム材料およびそのような材料を
製造する方法を提供することを目的とするもので
ある。 このような課題のもとに、本発明者らはFe−
Ni系の熱膨張制御合金の組成成分とその製造過
程について種々検討を重ねた結果、従来のFe−
Ni系熱膨張合金においてSを0.005%以下の量で
含有せしめ、その結晶粒度(JIS G0552に基づ
く)を9番以下の粗粒にしかつ破断伸びを15%以
下とすることにより前記課題が達成されるリード
フレーム材料が得られること、およびこのような
リードフレーム材料はSを0.005%以下に規制し
た前述の合金をその結晶粒度が9番以下となるよ
うに焼鈍し、次いで圧下率50%以下で冷間圧延
し、その後必要に応じて450〜700℃の温度範囲に
て焼鈍することにより製造し得ることを見い出
し、本発明をなすに至つた。 本発明におけるリードフレーム材料の基本組成
はFe−Niベース合金であり、Ni含量は30〜54%
の範囲で変化させ得る。このNi含量範囲はオー
ステナイト安定領域であり、Ni含量が30%未満
ではオーステナイト不安定となり、逆にNi含量
が54%を越えると熱膨張係数が大きくなり、Siチ
ツプとの熱膨張係数の差が大きくなるため望まし
くない。Ni含量の好ましい範囲は40〜43%であ
り、最も好ましくは42%である。またMnはリー
ドフレーム材料の加工性の点から1.0%以下の量
で含有せしめる。Mn含量が1.0%を越えると熱膨
張係数が大きくなり望ましくない。このような
Fe−Ni系合金において本発明では良好なめつき
性を得るためSを0.005%以下に限定した。 本発明者らはリードフレーム材料の打ち抜き加
工性の良否を判定する基準として以下に説明する
剪断面比率を採用した。通常、材料の打ち抜きプ
レスを行うと切断面は打ち抜き工具により剪断さ
れる剪断面とそれに続く破断面とが観察され、剪
断面部分が少なければ少ない程工具と材料との接
触時間が短くてすみ、またバリ、カエリの発生お
よび歪みも防止することができ、しかも工具の寿
命もそれに伴つて延長されるものである。従つ
て、全切断面のうち剪断面部分の比率を求めて、
この比率が小さい程打ち抜き性が良好であるとい
える。 本発明者らの検討によれば、のように規定され
る剪断面比率が70%を越えると、実用上打ち抜き
プレスラインにおいて騒音、工具寿命の低下、打
ち抜きバリの発生とこれに伴うカス取り不良、寸
法精度の維持が困難になる等の種々のトラブルが
発生し易くなることを見い出した。 このような剪断面比率に及ぼす諸因子として前
述した如き本発明範囲内にてNiおよびMnを含有
した合金におけるS含量、結晶粒度番号および破
断伸びが関連することが種々の実験の過程で見い
出された。またS量を0.005%以下に微量に制御
することによつてめつき性が著るしく改善できる
ことを見い出し、本発明に至つた。 実施例 1 次表に示すような各合金を調製し、打ち抜き加
工性およびめつき性につき試験した。これら各合
金のうちNo.1、2、5および6は本発明組成範
囲内のもの、No.3および4は本発明組成範囲外
のものである。これら各合金は結晶粒調整焼鈍
し、冷間圧延し、次いで歪取り焼鈍した。この結
晶粒調整焼鈍により結晶粒度は第1図に示される
ように変化するものであり、この焼鈍温度を変化
させ第1表に示される合金No.1〜No.4の結晶粒
度を種々変化させてその時の剪断面比率を検討し
ところ第2図のような結果を得た。第2図におい
て、曲線1は結晶粒度番号が6.2、曲線2は結晶
粒度番号が8.6、曲線3は結晶粒度番号が10.5、
曲線4は結晶粒度番号が8.6のものを示し、また
実線で示した曲線1〜3は歪取り焼鈍が680℃で
30分間、破線で示した曲線4は歪取り焼鈍が720
℃で30分間実施したものである。
Fe−Ni系ICリードフレーム材料およびその製造
方法に関する。 近時のエレクトロニクス分野等の発展に伴い、
IC(集積回路)の需要が飛躍的に増大し、その
リードフレーム材料の需要も付随的に著しく増大
している。一般にこれらリードフレーム材料は典
型的には42%Ni−Fe合金で代表されるFe−Ni系
の熱膨張制御合金等の帯材を裁断、めつき処理
後、打ち抜き加工して形成されるものである。こ
れらリードフレーム材料は板厚が0.20〜0.25mm程
度で、最近では0.10mm程度の極薄板材も使用され
るようになつており、その形状はシリコンチツプ
が載置されるアイランド(またはステージ)、そ
の周囲から外周囲に延びアイランドとともにプラ
スチツクモールドされるインナーリード部および
その外部のアウターリード部が枠体内に設けられ
るものであり、これを打ち抜き加工により成形
し、例えばこれらインナーリード部の間隔は200
〜300μm程度と極めて精密な打ち抜き加工が施
されることになり、従つてリードフレーム材料自
体に良好な打ち抜き性が要求される。またリード
フレーム材料はプレス打ち抜き後Au、Agなどの
めつきが施されるのでめつき性の良否はリードフ
レーム材料の品質につながる重大なポイントであ
り、したがつて良好なめつき性を保有しているこ
とが強く要求されるところである。 従来のFe−Ni系熱膨張制御合金、典型的には
42%のNiおよび加工性改善のため0.5%程度のMn
を含有し、残部がC、Si、Al、Cu等の不可避不
純物を含めてFeであるリードフレーム材料が一
般に使用されているが、このような従来材では前
述したような極めて精密な打ち抜きプレス加工に
際して、バリ、カエリの発生に基づく打ち抜きカ
スの除去トラブル、材料送りトラブル等の打ち抜
き加工時のトラブルが発生するおそれが大きくま
たリードフレーム材料の寸法精度を劣化させ、結
果的に高価な打ち抜き工具の寿命を短かくしてい
る。まためつき性も充分満足し得るものではなか
つた。 本発明は従来からリードフレーム材料として多
用され、最も実用性の高いFe−Ni系熱膨張制御
合金について、前述した如き欠陥を低減し、打ち
抜き加工性およびめつき性が良好であり、従つて
打ち抜き加工時のバリ、カエリの発生が極めて少
く、また打ち抜き後の歪も少く、打ち抜き工具寿
命が延長し得、しかもめつき層が強固に付着され
得るリードフレーム材料およびそのような材料を
製造する方法を提供することを目的とするもので
ある。 このような課題のもとに、本発明者らはFe−
Ni系の熱膨張制御合金の組成成分とその製造過
程について種々検討を重ねた結果、従来のFe−
Ni系熱膨張合金においてSを0.005%以下の量で
含有せしめ、その結晶粒度(JIS G0552に基づ
く)を9番以下の粗粒にしかつ破断伸びを15%以
下とすることにより前記課題が達成されるリード
フレーム材料が得られること、およびこのような
リードフレーム材料はSを0.005%以下に規制し
た前述の合金をその結晶粒度が9番以下となるよ
うに焼鈍し、次いで圧下率50%以下で冷間圧延
し、その後必要に応じて450〜700℃の温度範囲に
て焼鈍することにより製造し得ることを見い出
し、本発明をなすに至つた。 本発明におけるリードフレーム材料の基本組成
はFe−Niベース合金であり、Ni含量は30〜54%
の範囲で変化させ得る。このNi含量範囲はオー
ステナイト安定領域であり、Ni含量が30%未満
ではオーステナイト不安定となり、逆にNi含量
が54%を越えると熱膨張係数が大きくなり、Siチ
ツプとの熱膨張係数の差が大きくなるため望まし
くない。Ni含量の好ましい範囲は40〜43%であ
り、最も好ましくは42%である。またMnはリー
ドフレーム材料の加工性の点から1.0%以下の量
で含有せしめる。Mn含量が1.0%を越えると熱膨
張係数が大きくなり望ましくない。このような
Fe−Ni系合金において本発明では良好なめつき
性を得るためSを0.005%以下に限定した。 本発明者らはリードフレーム材料の打ち抜き加
工性の良否を判定する基準として以下に説明する
剪断面比率を採用した。通常、材料の打ち抜きプ
レスを行うと切断面は打ち抜き工具により剪断さ
れる剪断面とそれに続く破断面とが観察され、剪
断面部分が少なければ少ない程工具と材料との接
触時間が短くてすみ、またバリ、カエリの発生お
よび歪みも防止することができ、しかも工具の寿
命もそれに伴つて延長されるものである。従つ
て、全切断面のうち剪断面部分の比率を求めて、
この比率が小さい程打ち抜き性が良好であるとい
える。 本発明者らの検討によれば、のように規定され
る剪断面比率が70%を越えると、実用上打ち抜き
プレスラインにおいて騒音、工具寿命の低下、打
ち抜きバリの発生とこれに伴うカス取り不良、寸
法精度の維持が困難になる等の種々のトラブルが
発生し易くなることを見い出した。 このような剪断面比率に及ぼす諸因子として前
述した如き本発明範囲内にてNiおよびMnを含有
した合金におけるS含量、結晶粒度番号および破
断伸びが関連することが種々の実験の過程で見い
出された。またS量を0.005%以下に微量に制御
することによつてめつき性が著るしく改善できる
ことを見い出し、本発明に至つた。 実施例 1 次表に示すような各合金を調製し、打ち抜き加
工性およびめつき性につき試験した。これら各合
金のうちNo.1、2、5および6は本発明組成範
囲内のもの、No.3および4は本発明組成範囲外
のものである。これら各合金は結晶粒調整焼鈍
し、冷間圧延し、次いで歪取り焼鈍した。この結
晶粒調整焼鈍により結晶粒度は第1図に示される
ように変化するものであり、この焼鈍温度を変化
させ第1表に示される合金No.1〜No.4の結晶粒
度を種々変化させてその時の剪断面比率を検討し
ところ第2図のような結果を得た。第2図におい
て、曲線1は結晶粒度番号が6.2、曲線2は結晶
粒度番号が8.6、曲線3は結晶粒度番号が10.5、
曲線4は結晶粒度番号が8.6のものを示し、また
実線で示した曲線1〜3は歪取り焼鈍が680℃で
30分間、破線で示した曲線4は歪取り焼鈍が720
℃で30分間実施したものである。
【表】
第2図より、結晶粒度番号が9番以下の曲線1
および2は各S含量範囲にて剪断面比率が70%未
満であり、打ち抜き性良好であるに反結晶粒度番
号が9を越える曲線3はS含量が多い場合には剪
断面比率が70%未満であるが、S含量が少い場合
には剪断面比率が70%を越えてしまうものであ
り、後述するめつき性の点からS含量が0.005%
以下であることが必要となるので、打ち抜き性お
よびめつき性をともに良好ならしめるためには望
ましくないものであることがわかる。 また、第2図は各試料合金において、その結晶
粒度番号が大きくなるに従つて剪断面比率が大き
くなることがわかる。従つて、打ち抜き性を良好
とするためには結晶粒度番号を小さくすることが
有効であり、特に9以下とすることによりめつき
性とともに打抜き性が良くなるものである。 さらに、結晶粒度番号が8.6である曲線2と4
とを比較すると歪取り焼鈍温度が720℃である曲
線4は680℃の曲線2より剪断面比率が著しく増
大し、打ち抜き性が劣化することが明らかであ
る。 また、第2図における曲線2と同一条件、すな
わち結晶粒度番号が8.6番であり、歪取り焼鈍が
680℃で30分間実施した各合金のS含量とめつき
性との関係図を第3図に示す。めつき性試験は1
スポツトの面積が12mm2となるようにAgのスポツ
トめつきを施し、これを450℃に加熱したホツト
プレート上に5分間載置し、生じたフクレ個数で
判定した。第3図よりS含量が0.005%以下では
実質的にフクレはほとんど生じないが、S含量が
0.005%を越えるにつれてフクレ個数が急激に増
大し、めつき性が劣化することがわかる。従つて
S含量はめつき性の点から0.005%以下とする。 なお、結晶粒度は第1図に示されるように結晶
粒調整焼鈍により決定される。 このようにして行われる結晶粒調整焼鈍に続い
て行われる冷間圧延およびそれにその後必要に応
じて行われる歪取り焼鈍において、冷間圧延の圧
下率を50%以下とすることにより、結晶粒調整焼
鈍にて決定される材料の結晶粒度がそのまま維持
されるとともに、材料の破断伸びが15%以下に抑
えられる。この場合冷間圧延の圧下率が50%を越
えるとリード部の折れ曲げ性が著るしく劣化し実
用に耐え得ないため50%以下に限定した。また必
要に応じて行なわれる歪取り焼鈍温度が700℃を
越えると破断伸びが15%を越え、打ち抜き性が劣
化するため700℃以上の温度での歪取り焼鈍は避
けるべきである。 実施例 2 合金組成を調整し、かつ結晶粒度を調整した本
発明材料であつても、最終工程の歪取り焼鈍で延
性が増加し、その結果、打ち抜き加工時の剪断面
比率が増加することが充分に予想されるため、材
料の延性と剪断面比率の関係を調査した。 第1表に示したNo.1合金の薄板を900℃の温度
で結晶粒調整焼鈍を施した後30%の圧下率で冷間
圧延を施しさらに各種温度で歪取り焼鈍を行なつ
た。 上記材料からJIS G2201に基づく13号試験片を
採取し引張試験を行なつた。 他方上記材料について剪断面比率(クリアラン
ス10%、剪断速度:200mm/秒)を求めた。その
結果を第2表にまとめて示した。
および2は各S含量範囲にて剪断面比率が70%未
満であり、打ち抜き性良好であるに反結晶粒度番
号が9を越える曲線3はS含量が多い場合には剪
断面比率が70%未満であるが、S含量が少い場合
には剪断面比率が70%を越えてしまうものであ
り、後述するめつき性の点からS含量が0.005%
以下であることが必要となるので、打ち抜き性お
よびめつき性をともに良好ならしめるためには望
ましくないものであることがわかる。 また、第2図は各試料合金において、その結晶
粒度番号が大きくなるに従つて剪断面比率が大き
くなることがわかる。従つて、打ち抜き性を良好
とするためには結晶粒度番号を小さくすることが
有効であり、特に9以下とすることによりめつき
性とともに打抜き性が良くなるものである。 さらに、結晶粒度番号が8.6である曲線2と4
とを比較すると歪取り焼鈍温度が720℃である曲
線4は680℃の曲線2より剪断面比率が著しく増
大し、打ち抜き性が劣化することが明らかであ
る。 また、第2図における曲線2と同一条件、すな
わち結晶粒度番号が8.6番であり、歪取り焼鈍が
680℃で30分間実施した各合金のS含量とめつき
性との関係図を第3図に示す。めつき性試験は1
スポツトの面積が12mm2となるようにAgのスポツ
トめつきを施し、これを450℃に加熱したホツト
プレート上に5分間載置し、生じたフクレ個数で
判定した。第3図よりS含量が0.005%以下では
実質的にフクレはほとんど生じないが、S含量が
0.005%を越えるにつれてフクレ個数が急激に増
大し、めつき性が劣化することがわかる。従つて
S含量はめつき性の点から0.005%以下とする。 なお、結晶粒度は第1図に示されるように結晶
粒調整焼鈍により決定される。 このようにして行われる結晶粒調整焼鈍に続い
て行われる冷間圧延およびそれにその後必要に応
じて行われる歪取り焼鈍において、冷間圧延の圧
下率を50%以下とすることにより、結晶粒調整焼
鈍にて決定される材料の結晶粒度がそのまま維持
されるとともに、材料の破断伸びが15%以下に抑
えられる。この場合冷間圧延の圧下率が50%を越
えるとリード部の折れ曲げ性が著るしく劣化し実
用に耐え得ないため50%以下に限定した。また必
要に応じて行なわれる歪取り焼鈍温度が700℃を
越えると破断伸びが15%を越え、打ち抜き性が劣
化するため700℃以上の温度での歪取り焼鈍は避
けるべきである。 実施例 2 合金組成を調整し、かつ結晶粒度を調整した本
発明材料であつても、最終工程の歪取り焼鈍で延
性が増加し、その結果、打ち抜き加工時の剪断面
比率が増加することが充分に予想されるため、材
料の延性と剪断面比率の関係を調査した。 第1表に示したNo.1合金の薄板を900℃の温度
で結晶粒調整焼鈍を施した後30%の圧下率で冷間
圧延を施しさらに各種温度で歪取り焼鈍を行なつ
た。 上記材料からJIS G2201に基づく13号試験片を
採取し引張試験を行なつた。 他方上記材料について剪断面比率(クリアラン
ス10%、剪断速度:200mm/秒)を求めた。その
結果を第2表にまとめて示した。
【表】
同表にみられるごとく破断伸びの増加にともな
つて剪断面比率が増加しており、打ち抜き加工性
の限界値である剪断面比率70%以下を確保するた
めには破断伸び値で15%以下としなければならな
いことを示している。 実施例 3 第1表中の合金No.5および6について下記の
条件にて処理し、得られた材料について第3表に
示す項目について検討した。 条 件 結晶粒度調整焼鈍温度 900℃ 冷間圧延の圧下率 30% 歪取り焼鈍温度 600℃
つて剪断面比率が増加しており、打ち抜き加工性
の限界値である剪断面比率70%以下を確保するた
めには破断伸び値で15%以下としなければならな
いことを示している。 実施例 3 第1表中の合金No.5および6について下記の
条件にて処理し、得られた材料について第3表に
示す項目について検討した。 条 件 結晶粒度調整焼鈍温度 900℃ 冷間圧延の圧下率 30% 歪取り焼鈍温度 600℃
【表】
以上のように、加工性、めつき性ともに良好な
リードフレーム材が得られた。 以上のような本発明のリードフレーム材料は
Ni30〜54%、Mn1.0%以下およびS0.005%以下と
し、残部が実質的にFeからなり、結晶粒度番号
(JIS G0552に基づく)9番以下の粗粒とし、し
かも破断伸びが15%以下としたものであり、これ
により打ち抜き性が極めて良好となり、めつき性
も良好となる。 以上のような本発明によれば、打ち抜き性が極
めて良好であるため、打ち抜き加工プレスライン
にて騒音を減じ、バリ、カエリの発生もなく、打
ち抜きカスの落下もスムーズであり、高価な打ち
抜き工具の寿命も延長でき、しかもめつき性も良
好であり、めつき不良品に伴う製品歩留の低下が
解消し得るリードフレーム材料が得られ、さらに
そのようなリードフレーム材料を容易に製造し得
る方法が提供され、実用上極めて有用である。
リードフレーム材が得られた。 以上のような本発明のリードフレーム材料は
Ni30〜54%、Mn1.0%以下およびS0.005%以下と
し、残部が実質的にFeからなり、結晶粒度番号
(JIS G0552に基づく)9番以下の粗粒とし、し
かも破断伸びが15%以下としたものであり、これ
により打ち抜き性が極めて良好となり、めつき性
も良好となる。 以上のような本発明によれば、打ち抜き性が極
めて良好であるため、打ち抜き加工プレスライン
にて騒音を減じ、バリ、カエリの発生もなく、打
ち抜きカスの落下もスムーズであり、高価な打ち
抜き工具の寿命も延長でき、しかもめつき性も良
好であり、めつき不良品に伴う製品歩留の低下が
解消し得るリードフレーム材料が得られ、さらに
そのようなリードフレーム材料を容易に製造し得
る方法が提供され、実用上極めて有用である。
第1図は結晶粒調整焼鈍温度と結晶粒度との関
係図である。第2図は結晶粒度を異にした場合の
S含量と剪断面比率との関係図である。第3図は
S含量とめつき性との関係図である。
係図である。第2図は結晶粒度を異にした場合の
S含量と剪断面比率との関係図である。第3図は
S含量とめつき性との関係図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Ni:30〜54%、Mn:1.0%以下残部が実質的
にFeからなる合金であつて、Sを0.005%以下と
し結晶粒度番号(JIS G0552に基づく)を9番以
下の粗粒とし、破断伸びが15%以下となるように
調整したリードフレーム材料。 2 Ni:30〜54%、Mn:1.0%以下、S:0.005
%以下、残部が実質的にFeからなる合金を、850
〜1000℃の温度範囲で焼鈍し、結晶粒度番号
(JIS G0552に基づく)を9番以下の粗粒にし、
次いで圧下率50%以下の冷間圧延を施すことを特
徴とするリードフレーム材料の製造方法。 3 Ni:30〜54%、Mn:1.0%以下、S:0.005
%以下、残部が実質的にFeからなる合金を、850
〜1000℃の温度範囲で焼鈍し、結晶粒度番号
(JIS G0552に基づく)を9番以下の粗粒し、次
いで圧下率50%以下の冷間圧延を施し、しかる後
に450〜700℃の温度範囲で歪取り焼鈍を施すこと
を特徴とするリードフレーム材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20489282A JPS5996245A (ja) | 1982-11-22 | 1982-11-22 | リ−ドフレ−ム材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20489282A JPS5996245A (ja) | 1982-11-22 | 1982-11-22 | リ−ドフレ−ム材料およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5996245A JPS5996245A (ja) | 1984-06-02 |
JPS628501B2 true JPS628501B2 (ja) | 1987-02-23 |
Family
ID=16498119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20489282A Granted JPS5996245A (ja) | 1982-11-22 | 1982-11-22 | リ−ドフレ−ム材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5996245A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6033337A (ja) * | 1983-08-05 | 1985-02-20 | Nisshin Steel Co Ltd | 電子部品用高Νi−Fe合金 |
JPS6232631A (ja) * | 1985-08-05 | 1987-02-12 | Hitachi Ltd | 集積回路パッケージ用リード片の製法 |
JPS6240343A (ja) * | 1985-08-19 | 1987-02-21 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Fe―Ni合金の製造方法 |
DE69207482T2 (de) * | 1991-05-30 | 1996-05-30 | Hitachi Metals Ltd | Werkstoff für Lochmaske mit hoher Schärfe und Verfahren zu seiner Herstellung |
JP2549277B2 (ja) * | 1995-03-16 | 1996-10-30 | 九州日立マクセル株式会社 | 半導体装置 |
JP5237867B2 (ja) * | 2009-03-30 | 2013-07-17 | Dowaメタルテック株式会社 | リードフレーム用Fe−Ni系合金材料およびその製造方法 |
CN103602792B (zh) * | 2013-09-12 | 2015-10-07 | 宁波康强电子股份有限公司 | 功率集成电路引线框架原材料的退火方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS563652A (en) * | 1979-06-23 | 1981-01-14 | Nippon Gakki Seizo Kk | Manufacture of seal bonding material |
-
1982
- 1982-11-22 JP JP20489282A patent/JPS5996245A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS563652A (en) * | 1979-06-23 | 1981-01-14 | Nippon Gakki Seizo Kk | Manufacture of seal bonding material |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5996245A (ja) | 1984-06-02 |
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