JP2000144284A - 耐熱性に優れる高強度・高導電性Cu−Fe系合金板 - Google Patents

耐熱性に優れる高強度・高導電性Cu−Fe系合金板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リードフレーム等の電気・電子部品用銅合金
として要求される強度、導電率、はんだ付け性、めっき
性などの特性を通常の銅合金以上に維持しながら、打ち
抜き加工で発生した残留応力を除去するための焼鈍を行
った場合に軟化しにくく、かつ導電率の低下の少ないC
u−Fe系銅合金板を得る。 【解決手段】 Fe:1.8〜2.6wt%、P:0.
01〜0.1wt%、Zn:0.05〜0.5wt%、
Zr、In、Sn、Si、Be、Al、Mnのうち1種
又は2種以上の合計:0.005〜0.1wt%、N
i、Cr、Coがそれぞれ単体で0.03wt%以下、
かつ2種以上の合計で0.05wt%以下、O:100
ppm以下、H:10ppm以下であり、残部が実質的
にCu及び不可避不純物からなるCu−Fe系合金板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リードフレーム、
端子、コネクタなど、電気電子部品に用いられる高強度
・高導電性銅合金板及びその製造方法に関するものであ
り、より詳しくは、打ち抜き加工を含む複数の剪断加工
により電気電子部品を製造する際、剪断加工時に生じた
残留応力の除去を行うための焼鈍で軟化しにくい高強度
・高導電性銅合金板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に上記の各種電気電子部品に
は、強度、伸び、導電性、耐熱性、Agめっき性、Sn
めっき及びはんだの耐熱剥離性などの特徴を具備するこ
とが要求されている。このことから、これらの特性をも
った、例えばC19400(Cu−2.3wt%Fe−
0.03wt%P−0.1wt%Zn)やC19210
(Cu−0.1wt%Fe−0.03wt%P)をはじ
め、その他多くの銅合金がその製造に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、最近の各種電気
電子機器の軽薄短小化及び実装密度の向上要求に対し
て、使用部品の小形化、リード間距離の縮小などが加速
している。そのため、例えばリードフレームのプレスに
よる打ち抜き加工において、打抜き後のリードツイス
ト、リードシフト、リード段差などが小さいことが求め
られている。これらリードの平坦性とも言うべき性能を
確保するため、プレス打ち抜き時の剪断により発生する
残留応力が小さいことが要求されている。
【0004】また、これとともに発生した残留応力を小
さくする技術も開発された。この技術はリード打ち抜き
に際して、リード先端を切り落とさず束ねたままの状態
で、一度、数秒〜数分間の短時間熱処理(焼鈍)を行
い、リード側面を打ち抜いた時に生じた残留応力を逃が
し、続いて、残留応力が小さくなった時点でリード先端
部を切り落とし、平坦性を確保するという技術である。
この技術を適用した場合、打ち抜き加工途中の焼鈍によ
って材料自身を軟化させないことが必要である。材料自
身の軟化が生じた場合には、この後のリード先端部の切
り落としの際に強度が足りずに変形したり、例えリード
フレームに加工できたとしても、その後のLSI組立工
程で変形しやすく取り扱いが困難になり、生産性の低下
につながってしまう。従って、耐熱性が非常に重要視さ
れている。
【0005】最近では、特開平2−111829号公報
において、Fe及びSn並びにP、Zn、Si、Sb、
In、Al、Mn、Ni、Mgのうちの1種以上を含む
組成とし、かつFe析出物のサイズを制御した、耐熱性
に富むリードフレーム用銅合金が提案されている。ま
た、特許第2673967号公報ではFe、P、Zn、
Mg、Siの組成を制御した、高強度を有する半導体装
置のCu合金製リードフレーム材が提案されている。し
かしながら、特開平2−111829号公報には、耐熱
性に富むことは記載されているが、Cu−Fe系合金で
問題となる熱間加工性、あるいはリードフレーム材には
必須ともいうべき曲げ加工性、Agめっき性、はんだ耐
熱剥離性については触れられていない。また、特許第2
673967号公報では、その銅合金が高強度・高導電
性及び耐熱性を有することが記載され、その特性はMg
を0.001〜0.05wt%含有することで達成され
ているが、曲げ加工性、Agめっき性については触れら
れていない。特開平7−97646号公報にも示された
ように、この範囲でMgを含有した場合、不可避不純物
であるSと化合物を形成し、Agめっき性を阻害する。
【0006】一方、Cu−Fe系銅合金板においては、
打ち抜き加工途中の高温短時間焼鈍により材料の導電率
が低下するという問題があり、そのため、導電率が高い
と同時に焼鈍による導電率の低下の少ない材料が要求さ
れている。本発明は、リードフレーム、端子、コネクタ
など電気・電子部品用銅合金として要求される強度、導
電率、はんだ付け性、めっき性などの特性を通常の銅合
金以上に維持しながら、打ち抜き加工で発生した残留応
力を除去するための焼鈍を行った場合に軟化しにくく、
かつ導電率の低下の少ないCu−Fe系銅合金板を得る
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐熱性に優
れる高強度・高導電性Cu−Fe系合金板は、Fe:
1.8〜2.6wt%、P:0.01〜0.1wt%、
Zn:0.05〜0.5wt%、Zr、In、Sn、S
i、Be、Al、Mnのうち1種又は2種以上の合計:
0.005〜0.1wt%、Ni、Cr、Coがそれぞ
れ単体で0.03wt%以下、かつ2種以上の合計で
0.05wt%以下、O:100ppm以下、H:10
ppm以下であり、残部が実質的にCu及び不可避不純
物からなることを特徴とする。このCu−Fe系合金で
は、不可避不純物として、Pbが0.01wt%以下、
Sが0.005wt%以下、Mg、Ca、Cd、Be、
Ti、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、
C、Nd、V、Y、Mo、Ga、Ge、As、Se、S
b、Bi、Te、B、Ce、ミッシュメタルの合計が
0.001wt%未満、かつ以上の成分が総量で0.0
1wt%以下に規制されていることが望ましい。上記組
成のCu−Fe系合金により、打ち抜き加工時の焼鈍
(代表的な条件として450℃×1分間の加熱)前後に
おいて、ビッカース硬さHv150以上、導電率60%
IACSの特性を確保できる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明合金において成分を
上記の通りに限定した理由を以下に説明する。 <Fe>Feには、Pとの化合物を形成し合金中に析出
したり、Fe単体で合金中に析出することで、合金の強
度及び耐熱性を確保する作用がある。しかし、その含有
量が1.8wt%未満であると所望の強度及び耐熱性が
得られない。また、鋳造時にFeの包晶反応が起きなく
なり鋳塊の組織が粗大化するようになる。この結果、熱
間加工性を低下させる。一方、2.6wt%を越える割
合で含有させると合金中に粗大なFe析出物が形成され
るようになり、熱間圧延時の加工性が低下すると共に、
製品の曲げ加工性及び導電率の低下が著しくなり、好ま
しくない。従って、Fe含有量は1.8〜2.6wt
%、さらに好ましくは2.0〜2.4wt%である。
【0009】<P>PはFeとの化合物を生成し、合金
中に析出して強度及び耐熱性を向上させる。また、溶解
時の脱酸作用により鋳塊の健全化に寄与する。Pの含有
量が0.01wt%未満の場合は、Fe−P化合物の生
成が不十分であり所望の強度及び耐熱性が得られない。
また、溶解時の脱酸作用も不十分であるため健全な鋳塊
が得られない。一方、Pの含有量が0.1wt%を越え
る場合には、Fe−P化合物の生成にFeがとられ、鋳
造時のFeの包晶反応が起きなくなる。その結果、鋳塊
の組織が粗大化するようになり、熱間加工性を低下させ
るため、好ましくない。従って、Pの含有量は0.01
〜0.1wt%、さらに好ましくは0.01〜0.04
wt%とする。
【0010】<Ni、Co、Cr>Ni、Co、Cr
は、Pとの化合物を生成し合金中に析出する。Ni−P
化合物及びCo−P化合物は形成温度が低く、容易に粗
大化する。また、Cr−P化合物は形成温度が熱延を行
う温度に近いため、熱延途中においてすでに粗大に生成
してしまう。粗大に成長したこれらの化合物は合金のマ
トリックスとの整合性が極端に小さく、粗大析出物と母
材との界面は自由界面に近い。このため、転位は粗大析
出物にたどり着くと消滅してしまう。この結果、同じ加
工率で冷間加工を行っても強度が高くならず、曲げ加工
性も低下する。これらは単体ではその含有量が0.03
wt%を越えてくると、粗大化合物として析出しやすく
なる。また、2種以上の場合は、その総量が0.05w
t%を越えてくると、さらに顕著となる。従って、N
i、Co、Crの含有量はそれぞ、単体で0.03wt
%以下、2種以上の合計では0.05wt%以下、好ま
しくは0.03wt%以下、さらに好ましくは0.01
wt%以下とする。
【0011】<Zn>Znは銅合金のはんだ及びSnめ
っきの耐熱剥離性を改善する。しかし、含有量が0.0
5wt%未満の場合、所望の効果が得られない。一方、
その含有量が0.5wt%を越えるとはんだ濡れ性が低
下する。また、導電率の低下も激しくなる。従って、Z
nの含有量は総量で0.05〜0.5wt%、好ましく
は0.1〜0.3%wtとする。 <Zr、In、Sn、Si、Be、Al、Mn量>Z
r、In、Sn、Si、Be、Al、Mnは、合金中に
固溶することで強度を向上させるのみならず、Fe−P
析出物又はFe析出物と共存した状態で耐熱性を向上さ
せる。これらの原子は合金中の空孔との親和性が強い。
このため空孔による転位の上昇運動が起きにくく、析出
粒子にトラップされた転位は移動しにくくなる。結果、
耐熱性が向上する。また、これらの元素は打ち抜き加工
途中の焼鈍による導電率の低下を低減する作用がある。
この特性は、これらの元素のうち1種又は2種以上の含
有量が0.005wt%未満では十分でなく、0.1w
t%を超えると導電率が低下し、450℃×1分間加熱
前後において60%IACSを切るようになる。従っ
て、これらの元素のうち1種又は2種以上の含有量は
0.005〜0.1wt%、好ましくは0.01〜0.
1wt%、さらに好ましくは0.02〜0.08wt%
とする。
【0012】<O>OはPと反応しやすい。Oが100
ppmを越えた場合、反応したPは上述したFeとの化
合物を形成できなくなる。結果、耐熱向上の効果が低下
してしまう。また、Oと反応したPは鋳塊の結晶粒界に
集まり、粒界強度を低下させ、熱間加工性の低下を招
く。従って、Oの含有量は100ppm以下、好ましく
は50ppm以下、さらに好ましくは30ppm以下と
する。 <H>Hは、O量が10ppm以上含有されている場
合、H量が10ppmを越えてくると、鋳造時の冷却時
の冷却過程でOと結び付いて水蒸気となり、この水蒸気
が鋳塊中にブローホール欠陥を生じてしまう。従って、
Hの含有量は10ppm以下、好ましくは4ppm以
下、さらに好ましくは2ppm以下とする。O、Hの低
減については、必要に応じて溶湯を木炭被覆下でArバ
ブリングを行うとよい。
【0013】<その他>Pbが0.01wt%を越える
か、Sが0.005wt%を越えるか、Mg、Ca、C
d、Be、Ti、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、
Pd、W、C、Nd、V、Y、Mo、Ga、Ge、A
s、Se、Sb、Bi、Te、B、Ce、ミッシュメタ
ルの合計が0.001wt%以上となるか、又は以上の
元素が総量で0.01wt%を越えた場合、固溶したこ
れらの原子はZr、In、Sn、Be、Al、Mn原子
と転位との相互作用を阻害し、上述した耐熱性の効果を
妨げ、また、焼鈍後の導電率の低下を大きくする。さら
に、Agめっき性も低下させる。従って、これらの元素
はPbが0.01wt%以下、Sが0.005wt%以
下、Mg、Ca、Cd、Be、Ti、Hf、Th、L
i、Na、K、Sr、Pd、W、C、Nd、V、Y、M
o、Ga、Ge、As、Se、Sb、Bi、Te、B、
Ce、ミッシュメタルの合計が0.001wt%未満、
かつ以上の成分が総量で0.01wt%以下、好ましく
は0.005wt%以下に規制されるのが望ましい。
【0014】ところで、先に述べたように、例えばリー
ドフレームのプレスによる打ち抜き加工において、発生
した残留応力を小さくするため、数秒〜数分間の短時間
高温焼鈍を行うことが一般化している。この熱処理は生
産性のためにトンネル炉などを用いて行われ、その代表
的な条件としては450℃以下の温度で1分以下の時間
加熱である。この熱処理後の特性がビッカース硬さでH
v150未満となると、この後のLSIなどの組み立て
工程中に変形を生じやすくなり、生産性を著しく阻害す
る。また、加熱前に60%IACS以上の導電率であっ
たものが、加熱後に60%IACSを下回った場合、L
SIに組み立て後、製品に実装する際のはんだ付けにお
いて、はんだの経時変化によりはんだの剥離を生じるこ
とになり、好ましくない。本発明のCu−Fe系銅合金
板では、450℃×1分間加熱前後のビッカース硬さが
Hv150以上、導電率が60%IACS以上の特性を
得ることが可能となる。
【0015】上記特性を持つCu−Fe系銅合金板は、
上記組成のCu−Fe系銅合金からなる鋳塊を熱間圧延
した後、急冷し、続いて冷間圧延を施して製造する場合
において、冷間圧延の前又は冷間圧延の途中で500℃
以上の温度に5分間以上保持する熱処理を行い、その条
件を満たす最終の熱処理以降に80%以上の加工率で冷
間圧延を行うことにより得ることができる。熱処理条件
を上記のように設定するのは、添加元素を析出させて強
度向上を図り、同時に導電率を改善するためであり、冷
間加工率を上記のように設定した理由は、添加元素と合
わせた強度改善効果を得て450℃×1分間加熱後のビ
ッカース硬さをHv150以上とするためである。冷間
加工率は、より好ましくは90%以上、さらに好ましく
は95%以上である。ただし、500℃以上の温度で5
分以上の保持時間の熱処理を行う工程の前工程又は後工
程、若しくはその両方に400℃以下の温度で保持する
熱処理を行う工程があっても差し支えない。また、必要
に応じて仕上げ圧延後に熱処理工程を設け、伸び及び曲
げ加工性の回復を図ることができる。
【0016】
【実施例】本発明に係わる銅合金板及びその製造方法の
実施例について、比較例及び従来例とともに説明する。
表1〜表2に示す組成の銅合金をクリプトル炉にて木炭
被覆下で大気溶解し、ブックモールドに鋳造して50m
m×80mm×200mmの鋳塊を作製した。この鋳塊
を約900℃にて熱間圧延し、直ちに水中急冷し、厚さ
15mmの熱延材を作製した。この熱延材の表面の酸化
スケールを除去するため、軽く表面切削した後、1.5
mmtまで冷延した後、550℃で4時間の析出処理を
行った。この後、酸洗いを行い表面酸化スケールを除去
した後、0.25mmtまで冷延して試験材を作製し
た。得られた試験材について、強度、硬さ、導電率、曲
げ加工性及びAgめっき性の測定を下記要領で実施し
た。さらに、この試験材を窒素−水素の混合ガス雰囲気
中で450℃×1分間加熱し、加熱後の硬さ、導電率、
はんだ耐熱剥離性を下記要領で調べた。以上の結果を表
3〜表4に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】引張強さは、試験材からJIS5号試験片
を加工して引張強さを測定し、硬さは、JIS Z 2
244に規定された方法に基づいて測定した(ただし、
試験加重は500gfとした)。導電率は、JIS H
0505に規定されている方法に基づきダブルブリッ
ジを用いて測定した。曲げ加工性は、JIS H313
0の方法で板厚と同等の曲げ半径を有するW型の曲げ治
具を用いて加工した。加工後のW曲げ部を目視で観察
し、クラックの有無で加工性を評価した。Agめっきテ
ストは、シアン系Agめっきを厚さ1μm行った時に、
局所的に厚さが厚くなる現象(突起)の有無を実体顕微
鏡で観察した。はんだ耐熱剥離性は、6Sn/4Pbは
んだを245±5℃×5秒にてはんだ付けした後、15
0℃のオーブンで1000Hrまで加熱した。この試験
片を180℃曲げ戻しにて加工を加え加工部のはんだが
剥離するか観察した。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】表3より、本発明の規定範囲内に入るN
o.1〜10の試験材は、加熱前において、強度、硬
さ、導電率、曲げ加工性、Agめっき性など、電気電子
部品が要求する特性を具備し、さらに加熱後において
も、Hv150以上、導電率60%IACS以上をも
ち、はんだ耐熱剥離性が優れている。一方、表4より、
本発明の規定範囲外の合金から製造されたNo.11〜
23の試験材は材料調整ができていないか、いずれかの
性能が低い。例えばNi量が多いNo.15とNi+C
o+Cr量が多いNo.16は、加熱前の強度が低く、
曲げ加工性が劣る。No.17はZnが少なくはんだが
剥離し、No.18はZnが多すぎて導電率が低い。Z
r〜Mnから選ばれる元素の添加量が少ないNo.21
は加熱後の硬さと導電率の低下が大きく、はんだ耐熱剥
離性も劣り、Zr〜Mnが多いNo.22は導電率が低
い。Pb〜ミッシュメタルの多いNo.23はAgめっ
き性が劣り、加熱後の硬さ、導電率、はんだ耐熱剥離性
も劣る。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、リードフレーム、端
子、コネクタなど電気・電子部品用銅合金として要求さ
れる強度、導電率、Agめっき性、はんだ付け性などの
特性を通常の銅合金以上に維持しながら、プレス打ち抜
き時に発生する残留御力を除去するために行われる焼鈍
時に軟化しにくく、耐熱性のよいCu−Fe系銅合金を
得ることができる。従って、各種電気電子機器の微細化
による寸法精度に対する厳しい要求に対応が可能とな
る。
フロントページの続き (72)発明者 山口 節夫 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 津野 理一 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 Fターム(参考) 5F067 DA11 EA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe:1.8〜2.6wt%、P:0.
    01〜0.1wt%、Zn:0.05〜0.5wt%、
    Zr、In、Sn、Si、Be、Al、Mnのうち1種
    又は2種以上の合計:0.005〜0.1wt%、N
    i、Cr、Coがそれぞれ単体で0.03wt%以下、
    かつ2種以上の合計で0.05wt%以下、O:100
    ppm以下、H:10ppm以下であり、残部が実質的
    にCu及び不可避不純物からなることを特徴とする耐熱
    性に優れる高強度・高導電性Cu−Fe系合金板。
  2. 【請求項2】 Pbが0.01wt%以下、Sが0.0
    05wt%以下、Mg、Ca、Cd、Be、Ti、H
    f、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、C、N
    d、V、Y、Mo、Ga、Ge、As、Se、Sb、B
    i、Te、B、Ce、ミッシュメタルの合計が0.00
    1wt%未満、かつ以上の成分が総量で0.01wt%
    以下に規制されたことを特徴とする請求項1又は2に記
    載された耐熱性に優れる高強度・高導電性Cu−Fe系
    合金板。
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