JPH08218155A - 微細な結晶粒を有するZr銅合金板の製造方法 - Google Patents
微細な結晶粒を有するZr銅合金板の製造方法Info
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- JPH08218155A JPH08218155A JP4910795A JP4910795A JPH08218155A JP H08218155 A JPH08218155 A JP H08218155A JP 4910795 A JP4910795 A JP 4910795A JP 4910795 A JP4910795 A JP 4910795A JP H08218155 A JPH08218155 A JP H08218155A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 白線模様組織が全く存在せず曲げおよび捻り
強度に優れたZr銅合金板の製造方法を提供する。 【構成】 Zr:0.01〜0.2重量%を含有し、残
りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有するZr
銅合金板鋳塊を、熱間圧延したのち面削し、ついで冷間
圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延するZr銅合
金板の製造方法において、前記熱間圧延は、温度:40
0〜700℃未満で圧下率:10〜50%の一次熱間圧
延し、ついで700〜800℃で焼鈍したのち700〜
800℃で総圧下率:90%以上となるように二次熱間
圧延する工程を含む。
強度に優れたZr銅合金板の製造方法を提供する。 【構成】 Zr:0.01〜0.2重量%を含有し、残
りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有するZr
銅合金板鋳塊を、熱間圧延したのち面削し、ついで冷間
圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延するZr銅合
金板の製造方法において、前記熱間圧延は、温度:40
0〜700℃未満で圧下率:10〜50%の一次熱間圧
延し、ついで700〜800℃で焼鈍したのち700〜
800℃で総圧下率:90%以上となるように二次熱間
圧延する工程を含む。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、ICや半導
体装置のリードフレーム材として使用する微細な結晶粒
を有するZr銅合金板の製造方法に関するものであり、
特に白線模様組織のない微細な結晶粒を有するZr銅合
金板を製造する工程におけるZr銅合金板鋳塊の熱間圧
延方法に関するものである。
体装置のリードフレーム材として使用する微細な結晶粒
を有するZr銅合金板の製造方法に関するものであり、
特に白線模様組織のない微細な結晶粒を有するZr銅合
金板を製造する工程におけるZr銅合金板鋳塊の熱間圧
延方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、Zr:0.01〜0.2重量%を
含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなるZr銅
合金板は、まず、Zr銅合金鋳塊を700〜800℃の
温度範囲内で熱間圧延したのち面削し、ついで冷間圧延
と中間焼鈍を繰り返したのち最終冷間圧延することによ
り製造している。
含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなるZr銅
合金板は、まず、Zr銅合金鋳塊を700〜800℃の
温度範囲内で熱間圧延したのち面削し、ついで冷間圧延
と中間焼鈍を繰り返したのち最終冷間圧延することによ
り製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の方
法で作製したZr銅合金板は、全体が均一な再結晶微細
組織とはならず、一部に粗大組織が残留することがあ
り、かかる粗大組織が残留したZr銅合金板を、ICや
半導体装置製造のために、打ち抜き、曲げまたは捻りな
どの加工を行うと、亀裂、折損などが発生し、ICや半
導体装置の不良品が発生することがある。この原因は、
Zr銅合金は一般の熱間圧延工程では圧延温度が700
℃以上でなければ圧下率:90%以上の加工を施しても
完全には再結晶せず、一方、800℃を越える温度では
大気中にさらされるとZr含有に起因する粒界酸化によ
りやはり再結晶が抑止され、これらいずれの場合でも鋳
造組織が長く延ばされたまま粗大組織として残留してし
まうことである。かりに圧延中のZr銅合金スラブの温
度を700〜800℃の間に保持できれば、これら粗大
組織を消失させることも可能だが、通常、工業的な圧延
ではスラブ温度は圧延開始温度より150℃以上低下し
てしまうので、この様な狭い温度域での圧延は実操業上
極めて困難であり、粗大組織残留は避けられない。この
ような残留鋳造粗大組織を有する熱延板を冷間圧延して
も冷延板には残留鋳造粗大組織による白線模様組織が発
生し、これが打ち抜き、曲げおよび捻りなどの加工の際
に、亀裂、折損などを発生させる原因となるものと考え
られている。したがって、Zr銅合金鋳塊を熱間圧延し
て得られた熱延板に鋳造粗大組織が残留しないような熱
間圧延方法が求められていたが、今だこのような熱間圧
延方法は得られていない。
法で作製したZr銅合金板は、全体が均一な再結晶微細
組織とはならず、一部に粗大組織が残留することがあ
り、かかる粗大組織が残留したZr銅合金板を、ICや
半導体装置製造のために、打ち抜き、曲げまたは捻りな
どの加工を行うと、亀裂、折損などが発生し、ICや半
導体装置の不良品が発生することがある。この原因は、
Zr銅合金は一般の熱間圧延工程では圧延温度が700
℃以上でなければ圧下率:90%以上の加工を施しても
完全には再結晶せず、一方、800℃を越える温度では
大気中にさらされるとZr含有に起因する粒界酸化によ
りやはり再結晶が抑止され、これらいずれの場合でも鋳
造組織が長く延ばされたまま粗大組織として残留してし
まうことである。かりに圧延中のZr銅合金スラブの温
度を700〜800℃の間に保持できれば、これら粗大
組織を消失させることも可能だが、通常、工業的な圧延
ではスラブ温度は圧延開始温度より150℃以上低下し
てしまうので、この様な狭い温度域での圧延は実操業上
極めて困難であり、粗大組織残留は避けられない。この
ような残留鋳造粗大組織を有する熱延板を冷間圧延して
も冷延板には残留鋳造粗大組織による白線模様組織が発
生し、これが打ち抜き、曲げおよび捻りなどの加工の際
に、亀裂、折損などを発生させる原因となるものと考え
られている。したがって、Zr銅合金鋳塊を熱間圧延し
て得られた熱延板に鋳造粗大組織が残留しないような熱
間圧延方法が求められていたが、今だこのような熱間圧
延方法は得られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
熱間圧延して得られた熱延板に鋳造粗大組織が残留しな
いZr銅合金鋳塊を熱間圧延方法を開発すべく研究を行
った結果、Zr:0.01〜0.2重量%を含有し、残
りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有するZr
銅合金板鋳塊を、熱間圧延したのち面削し、ついで冷間
圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延するZr銅合
金板の製造方法において、前記熱間圧延を温度:400
〜700℃未満で一次熱間圧延し、ついで700〜80
0℃で焼鈍した後700〜800℃で二次熱間圧延する
二段熱間圧延すると、得られた熱延板には長く延ばされ
た鋳造粗大組織は残留せず、かかる熱間圧延を施したZ
r銅合金熱延板を通常の面削および冷間圧延することに
より得られたZr銅合金冷延板には、白線模様組織が発
生せず、均一微細な結晶粒を有するZr銅合金板を得る
ことができ、このZr銅合金板は従来法により製造した
Zr銅合金板に比べて曲げおよび捻りなどの加工による
亀裂、折損などを発生しない、という知見を得たのであ
る。
熱間圧延して得られた熱延板に鋳造粗大組織が残留しな
いZr銅合金鋳塊を熱間圧延方法を開発すべく研究を行
った結果、Zr:0.01〜0.2重量%を含有し、残
りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有するZr
銅合金板鋳塊を、熱間圧延したのち面削し、ついで冷間
圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延するZr銅合
金板の製造方法において、前記熱間圧延を温度:400
〜700℃未満で一次熱間圧延し、ついで700〜80
0℃で焼鈍した後700〜800℃で二次熱間圧延する
二段熱間圧延すると、得られた熱延板には長く延ばされ
た鋳造粗大組織は残留せず、かかる熱間圧延を施したZ
r銅合金熱延板を通常の面削および冷間圧延することに
より得られたZr銅合金冷延板には、白線模様組織が発
生せず、均一微細な結晶粒を有するZr銅合金板を得る
ことができ、このZr銅合金板は従来法により製造した
Zr銅合金板に比べて曲げおよび捻りなどの加工による
亀裂、折損などを発生しない、という知見を得たのであ
る。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、Zr:0.01〜0.2重量%を含
有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有
するZr銅合金板鋳塊を、熱間圧延したのち面削し、つ
いで冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延する
Zr銅合金板の製造方法において、前記熱間圧延は、温
度:400〜700℃未満で圧下率:10〜50%の一
次熱間圧延し、ついで700〜800℃で焼鈍したのち
700〜800℃で総圧下率:90%以上となるように
二次熱間圧延する工程を含む均一微細な結晶粒を有する
Zr銅合金板の製造方法、に特徴を有するものである。
れたものであって、Zr:0.01〜0.2重量%を含
有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有
するZr銅合金板鋳塊を、熱間圧延したのち面削し、つ
いで冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延する
Zr銅合金板の製造方法において、前記熱間圧延は、温
度:400〜700℃未満で圧下率:10〜50%の一
次熱間圧延し、ついで700〜800℃で焼鈍したのち
700〜800℃で総圧下率:90%以上となるように
二次熱間圧延する工程を含む均一微細な結晶粒を有する
Zr銅合金板の製造方法、に特徴を有するものである。
【0006】この発明のZr銅合金板の製造方法におけ
る熱間圧延方法において、温度:400〜700℃未満
で圧下率:10〜50%の一次熱間圧延するのは、短時
間で再結晶が起こらない温度域で耳割れ発生が無く圧延
し、大きな歪みを残留させるためであり、次に、一次熱
延板を700〜800℃で焼鈍することにより均一微細
な再結晶粒を発生させるためであり、その後700〜8
00℃で総圧下率:90%以上となるように二次熱間圧
延するのは、この二次熱間圧延により完全に鋳造組織を
破壊すると共に所定の厚さの熱延板を作製するためであ
る。
る熱間圧延方法において、温度:400〜700℃未満
で圧下率:10〜50%の一次熱間圧延するのは、短時
間で再結晶が起こらない温度域で耳割れ発生が無く圧延
し、大きな歪みを残留させるためであり、次に、一次熱
延板を700〜800℃で焼鈍することにより均一微細
な再結晶粒を発生させるためであり、その後700〜8
00℃で総圧下率:90%以上となるように二次熱間圧
延するのは、この二次熱間圧延により完全に鋳造組織を
破壊すると共に所定の厚さの熱延板を作製するためであ
る。
【0007】この発明の微細な結晶粒を有するZr銅合
金板の製造方法を一層理解し易くするために、Zr銅合
金鋳塊の熱間圧延による圧延面の結晶粒の変化を従来法
と比較した模式図を用いて説明する。図1および図2
は、それぞれこの発明の微細な結晶粒を有するZr銅合
金板の製造方法および従来のZr銅合金板の製造方法の
模式図である。図2に示されるように、従来のZr銅合
金鋳塊の熱間圧延方法によると、Zr銅合金鋳塊を熱間
圧延しても、Zr銅合金鋳塊の鋳造組織が熱間圧延方向
に延ばされた粗大組織となって残留し、この熱延板を冷
間圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延しても圧延
板表面に鋳造組織残留による白線模様組織が観察され
る。
金板の製造方法を一層理解し易くするために、Zr銅合
金鋳塊の熱間圧延による圧延面の結晶粒の変化を従来法
と比較した模式図を用いて説明する。図1および図2
は、それぞれこの発明の微細な結晶粒を有するZr銅合
金板の製造方法および従来のZr銅合金板の製造方法の
模式図である。図2に示されるように、従来のZr銅合
金鋳塊の熱間圧延方法によると、Zr銅合金鋳塊を熱間
圧延しても、Zr銅合金鋳塊の鋳造組織が熱間圧延方向
に延ばされた粗大組織となって残留し、この熱延板を冷
間圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延しても圧延
板表面に鋳造組織残留による白線模様組織が観察され
る。
【0008】これに対し、図1に示されるように、この
発明の温度:400〜700℃未満で圧下率:10〜5
0%の一次熱間圧延し、ついで700〜800℃で焼鈍
したのち700〜800℃で総圧下率:90%以上とな
るように二次熱間圧延すると、熱間圧延方向に延ばされ
た粗大組織は発生せず、微細な結晶粒を有する熱延板が
得られ、この熱延板を冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して
最終冷間圧延して得られた冷延板の表面に鋳造組織残留
による白線模様組織が観察されないのである。
発明の温度:400〜700℃未満で圧下率:10〜5
0%の一次熱間圧延し、ついで700〜800℃で焼鈍
したのち700〜800℃で総圧下率:90%以上とな
るように二次熱間圧延すると、熱間圧延方向に延ばされ
た粗大組織は発生せず、微細な結晶粒を有する熱延板が
得られ、この熱延板を冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して
最終冷間圧延して得られた冷延板の表面に鋳造組織残留
による白線模様組織が観察されないのである。
【0009】この発明の均一微細な結晶粒を有するZr
銅合金板の製造方法における一層好ましい範囲は、Z
r:0.01〜0.09重量%を含有し、残りがCuお
よび不可避不純物からなる組成を有するZr銅合金板鋳
塊を、熱間圧延したのち面削し、ついで冷間圧延と中間
焼鈍を繰り返して最終冷間圧延するZr銅合金板の製造
方法において、前記熱間圧延は、温度:500〜700
℃未満で圧下率:35〜50%の一次熱間圧延し、つい
で700〜800℃で焼鈍したのち600〜800℃で
総圧下率:90%以上となるように二次熱間圧延する工
程を含むことである。
銅合金板の製造方法における一層好ましい範囲は、Z
r:0.01〜0.09重量%を含有し、残りがCuお
よび不可避不純物からなる組成を有するZr銅合金板鋳
塊を、熱間圧延したのち面削し、ついで冷間圧延と中間
焼鈍を繰り返して最終冷間圧延するZr銅合金板の製造
方法において、前記熱間圧延は、温度:500〜700
℃未満で圧下率:35〜50%の一次熱間圧延し、つい
で700〜800℃で焼鈍したのち600〜800℃で
総圧下率:90%以上となるように二次熱間圧延する工
程を含むことである。
【0010】
実施例1 まず、電気銅を不活性ガス中で溶解し、得られた電気銅
溶湯にZrを表1〜表2に示される割合で添加してZr
銅合金溶湯を製造し、この溶湯を金型に鋳造して厚さ:
180mm、幅:450mm、長さ:2400mmの寸
法を有する板状の鋳塊を製造し、この板状の鋳塊を表1
〜表2に示される温度および圧下率で一次熱間圧延し、
得られた一次熱延板をさらに表1〜表2に示される温度
に加熱し、30分保持の焼鈍を行った後、引き続いて同
上温度で表1〜表2に示される圧下率で二次熱間圧延
し、得られた二次熱延板を面削し、ついで冷間圧延と中
間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延し、板厚:0.25m
mの冷延板を作製することにより本発明法1〜14およ
び比較法1〜11を実施した。
溶湯にZrを表1〜表2に示される割合で添加してZr
銅合金溶湯を製造し、この溶湯を金型に鋳造して厚さ:
180mm、幅:450mm、長さ:2400mmの寸
法を有する板状の鋳塊を製造し、この板状の鋳塊を表1
〜表2に示される温度および圧下率で一次熱間圧延し、
得られた一次熱延板をさらに表1〜表2に示される温度
に加熱し、30分保持の焼鈍を行った後、引き続いて同
上温度で表1〜表2に示される圧下率で二次熱間圧延
し、得られた二次熱延板を面削し、ついで冷間圧延と中
間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延し、板厚:0.25m
mの冷延板を作製することにより本発明法1〜14およ
び比較法1〜11を実施した。
【0011】この冷延板を酸洗した後、目視により表面
外観を観察し、その結果を表1〜表2に示した。酸洗し
た薄板に鋳造組織が残留している場合は、圧延板表面に
白線模様組織として観察される。なお、一次熱間圧延し
て得られた一次熱延板および二次熱間圧延して得られた
二次熱延板を目視により表面外観を観察し、耳割れが確
認されたものは、その後の工程は行わなかった。
外観を観察し、その結果を表1〜表2に示した。酸洗し
た薄板に鋳造組織が残留している場合は、圧延板表面に
白線模様組織として観察される。なお、一次熱間圧延し
て得られた一次熱延板および二次熱間圧延して得られた
二次熱延板を目視により表面外観を観察し、耳割れが確
認されたものは、その後の工程は行わなかった。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】従来例1 一方、比較のために、実施例1で作製した厚さ:180
mm、幅:450mm、長さ:2400mmの寸法を有
する板状の鋳塊を表3に示される温度および圧下率で熱
間圧延し、得られた熱延板を面削した後、実施例1と同
じ条件で冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延
し、板厚:0.25mmの冷延板を作製することにより
従来法1〜4を実施した。この従来法1〜4により作製
した冷延板を酸洗した後、目視により表面外観を観察
し、その結果を表3に示した。なお、従来例1において
も熱間圧延して得られた熱延板を目視により表面外観を
観察し、耳割れが確認されたものは、その後の工程は行
わなかった。
mm、幅:450mm、長さ:2400mmの寸法を有
する板状の鋳塊を表3に示される温度および圧下率で熱
間圧延し、得られた熱延板を面削した後、実施例1と同
じ条件で冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延
し、板厚:0.25mmの冷延板を作製することにより
従来法1〜4を実施した。この従来法1〜4により作製
した冷延板を酸洗した後、目視により表面外観を観察
し、その結果を表3に示した。なお、従来例1において
も熱間圧延して得られた熱延板を目視により表面外観を
観察し、耳割れが確認されたものは、その後の工程は行
わなかった。
【0015】
【表3】
【0016】
【発明の効果】実施例1の表1に示される結果から明ら
かなように、本発明法1〜14によると、熱間圧延工程
で鋳造組織が完全に消滅し、したがって、冷間圧延して
得られた冷延板の組織には白線模様組織が全く存在せ
ず、均一微細な結晶粒を有するZr銅合金板を得ること
ができることが分かる。しかし、実施例1の表2および
従来例1の表3に示されるように、この発明の範囲外の
比較法1〜11および従来法1〜4では一次熱間圧延で
耳割れが発生したり、最終冷間圧延して得られた冷延板
に白線模様組織が発生するので好ましくないことが分か
る。
かなように、本発明法1〜14によると、熱間圧延工程
で鋳造組織が完全に消滅し、したがって、冷間圧延して
得られた冷延板の組織には白線模様組織が全く存在せ
ず、均一微細な結晶粒を有するZr銅合金板を得ること
ができることが分かる。しかし、実施例1の表2および
従来例1の表3に示されるように、この発明の範囲外の
比較法1〜11および従来法1〜4では一次熱間圧延で
耳割れが発生したり、最終冷間圧延して得られた冷延板
に白線模様組織が発生するので好ましくないことが分か
る。
【図1】本発明法によるZr銅合金鋳塊の熱間圧延によ
る結晶粒の変化を示す模式図である。
る結晶粒の変化を示す模式図である。
【図2】従来法によるZr銅合金鋳塊の熱間圧延による
結晶粒の変化を示す模式図である。
結晶粒の変化を示す模式図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Zr:0.01〜0.2重量%を含有
し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有す
るZr銅合金板鋳塊を、熱間圧延したのち面削し、つい
で冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延するZ
r銅合金板の製造方法において、 前記熱間圧延は、温度:400〜700℃未満で一次熱
間圧延し、ついで700〜800℃で焼鈍したのち70
0〜800℃で二次熱間圧延する工程を含むことを特徴
とする微細な結晶粒を有するZr銅合金板の製造方法。 - 【請求項2】 Zr:0.01〜0.2重量%を含有
し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有す
るZr銅合金板鋳塊を、熱間圧延したのち面削し、つい
で冷間圧延と中間焼鈍を繰り返して最終冷間圧延するZ
r銅合金板の製造方法において、 前記熱間圧延は、温度:400〜700℃未満で圧下
率:10〜50%の一次熱間圧延し、ついで700〜8
00℃で焼鈍したのち700〜800℃で総圧下率:9
0%以上となるように二次熱間圧延する工程を含むこと
を特徴とする微細な結晶粒を有するZr銅合金板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4910795A JPH08218155A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | 微細な結晶粒を有するZr銅合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4910795A JPH08218155A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | 微細な結晶粒を有するZr銅合金板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08218155A true JPH08218155A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12821864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4910795A Withdrawn JPH08218155A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | 微細な結晶粒を有するZr銅合金板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08218155A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1329540C (zh) * | 2004-03-29 | 2007-08-01 | 日本碍子株式会社 | 兼备强度和导电性的铜合金及其制造方法 |
US7338631B2 (en) | 2004-04-14 | 2008-03-04 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Copper alloy and method of manufacturing the same |
JP2010242177A (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-28 | Hitachi Cable Ltd | 電気・電子部品用銅合金材 |
-
1995
- 1995-02-14 JP JP4910795A patent/JPH08218155A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1329540C (zh) * | 2004-03-29 | 2007-08-01 | 日本碍子株式会社 | 兼备强度和导电性的铜合金及其制造方法 |
US9777348B2 (en) | 2004-03-29 | 2017-10-03 | Akihisa Inoue | Copper alloy and copper alloy manufacturing method |
US7338631B2 (en) | 2004-04-14 | 2008-03-04 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Copper alloy and method of manufacturing the same |
US7485200B2 (en) | 2004-04-14 | 2009-02-03 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Copper alloy and method of manufacturing the same |
JP2010242177A (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-28 | Hitachi Cable Ltd | 電気・電子部品用銅合金材 |
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