JPS627570Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は麺類等の食品用カツプに関し、カツプ
内に熱湯を入れて麺類をほぐした後、使用済みの
湯を注出するのに至便なものを得んとしている。

従来より、焼そば、そば、うどん、そうめん、
ラーメン、スパゲテイ等の麺類に対し、熱湯を入
れるのみで食用できる即席食品が普及している
が、最近では麺類に対し当初から味付けをせず、
一旦熱湯でほぐした後、スープダシ、調味料等を
入れるようにしたものが出ている。しかしこの場
合使用済みの湯を流出させるのに外蓋をいちいち
外さねばならぬカツプでは非常に面倒であるほ
か、湯の流出時に麺その他の内容物が一緒に流れ
出ぬよう注意を要する不便もあつた。

本考案は、従来の食品用カツプの欠点を解消す
べくなされたもので、外蓋に流湯用の注出口を設
けると共に、特にこの注出口が、湯だけを確実に
注出できるような麺類等の食品用カツプを提供す
ることを目的とする。

本考案の要旨とするところは、断熱性を有する
カツプ本体Ａとこれと密嵌できる外蓋Ｃとから成
り、外蓋Ｃは、カツプ本体Ａの開口部を覆う天板
部１と、この天板部１の周端縁より垂下した周側
板部４とからなり、天板部１の周縁部やや内方位
置から周側板部４にかけて適所を上方及び周側外
方へ膨出させてカツプ本体Ａ上縁との間において
周方向に連続した比較的小間隙の空間部を形成し
て流湯用の注出口５となし、この外蓋Ｃにおける
前記注出口５に相当する膨出部分内面に天板部１
から周側板部４へかけて、複数の溝１５を形成
し、これらの溝１５と、これらの溝１５，１５間
を隔する前記膨出部分内面の凸部１５′とをいず
れもカツプ本体Ａの上縁に接触せず連続した空間
を形成するように設けたことにある。以下にその
実施例を図により説明する。

Ａは断熱性を具有したカツプ本体、Ｂはカツプ
本体１に貼着した内蓋、Ｃはカツプ本体Ａに対し
嵌合自在な外蓋である。この外蓋Ｃはカツプ本体
Ａの開口部を覆う天板部１と、この天板部１の周
端縁より垂下した周側板部４とからなる。この外
蓋Ｃの天板部１の周縁部には内方へ突出させカツ
プ本体Ａの周縁内側へ嵌合させる突縁２を形成
し、突縁２の嵌合側外周には密嵌度合を高める突
条３を有してカツプ本体１と密嵌できるようにし
ている。さらに外蓋Ｃには、天板部１の周縁部や
や内方位置から、周側板部４にかけて、２個所を
上方及び周側外方へ膨出させて流湯用の注出口５
となしている。外蓋Ｃにおける前記注出口５に相
当する膨出部分の内面においては突縁２が欠如さ
れ、この欠如部、すなわち天板部１から周側板部
４へかけて延びる複数の溝１５を形成している。
１５′はこれら溝１５，１５間を隔する前記膨出
部分内面の凸部である。湯をカツプ本体Ａ内へ注
入し外蓋Ｃをカツプ本体Ａに被嵌した場合には、
外蓋Ｃ内面の突縁２がカツプ本体Ａの上縁に接触
すると共に、注出口５においては、第５図に示す
ように、溝１５である凹部およびこれらの溝１
５，１５間を隔する前記膨出部分内面の凸部１
５′はいずれもカツプ本体Ａの上縁に接触せず連
続した空間を形成している。注出口５，５の一方
が空気抜き口になるよう実施しているが、他の空
気抜き手段を設けて実施することもできる。そし
て上記注出口５の複数溝１５は周側板下端の少し
手前まで形成し、余部を他の周側板下端よりやや
外方へ膨出した状態の扁平個所１４として形成
し、湯出しが一層スムーズに行なえるようにして
いる。

なお、図中６は指押さえ部であり、外蓋Ｃの突
縁２のうち先の注出口５とは別な対角二個所で欠
除させた個所から上方へ膨出させて形成してお
り、湯の注出時に手に熱さを感ぜず取扱い易いよ
うにしている。７は外蓋Ｃの周側板部４に形成し
た内方への小突部で、カツプ本体Ａに対する嵌合
助成とこれ自体の補強作用を助成している。８は
内蓋Ｂに形成した剥離用の指示線である。

またカツプ本体Ａは、図示する内カツプ１０と
外カツプ２０からなる二重カツプの場合には紙と
プラスチツク、プラスチツク同士の組合せが可能
であり、一重構造で実施する場合には紙、発泡ス
チロール、塩化ビニール、ポリプロピレン、無公
害樹脂（例えば特殊ポリオレフイン樹脂と無機質
フイラーの複合物）等の何れかにより形成され、
断熱性を具有させたものを使用する。さらに内蓋
Ｂはアルミニウムと紙とを貼着したものあるいは
上記カツプ本体Ａと同様の樹脂も使用でき、外蓋
Ｃについてもカツプ本体Ａと同様の樹脂が使用可
能である。

本考案は上記のごとく構成しており、カツプ本
体Ａ内に麺類を主にした食品を充填後、内蓋Ｂで
シールを行ない、食品保存に適した密封状態に
し、食用時には内蓋Ｂの一部を剥がして熱湯を注
いだ後、外蓋Ｃの特徴を活かして使用する。

即ち、熱湯を注いで麺類をほぐした後、外蓋Ｃ
を嵌合したまま湯を注出させるもので、湯は外蓋
Ｃの注出口５のうち突縁２の一部を欠除している
個所の天板部１から周側板部４へかけて形成した
溝１５を通つて下向きに排出されることになり、
そのため流出した熱湯の湯気や飛沫によつてカツ
プを把持している手を火傷したりすることがな
い。しかもこの時カツプ本体Ａと外蓋Ｃとは密嵌
されてあるので、湯を流し出す場合に麺類が外蓋
Ｃにあたつても外蓋Ｃが外れるおそれはなく、片
手でカツプを把持して湯出し操作することがで
き、非常に取扱い易い。また上記の外蓋Ｃに有す
る流湯用の注出口５は、外方への膨出によりカツ
プ本体Ａ上縁との間において周方向に連続した比
較的小間隙の空間部を形成してかつ該部における
外蓋Ｃにおける前記注出口５に相当する膨出部分
の内面に複数の溝１５を設けてなるので、スムー
ズに湯出しできるとともに、麺類および固形の添
え物等カツプ内の内容物が流出するのを防止で
き、使用済みの湯だけを確実に流し出せるもので
ある。特に本考案における注出口５は前記のごと
き構成により複数の溝１５とこれら溝１５，１５
間を隔する前記膨出部分内面の凸部１５′とがい
ずれもカツプ本体Ａの上縁に接触せず連続した空
間を形成するものであるから、溝１５の部分だけ
でなく溝１５，１５間の空隙部分においても排湯
作用が行なわれ、溝と溝との間がカツプ本体上縁
に密接して空間を保有しない構造のものよりも注
出口の全幅に対する開口面積の割合が大きく、そ
れだけ効率よく迅速に湯出しできるのである。そ
して湯を流し切つた後、スープダシ、調味料等で
味付を行なつて食する。このような使用方法は焼
そば、そば、うどん、そうめん、ラーメン、スパ
ゲテイ等何れの場合にも適し、特に焼そばの場合
には本考案品の使用にてフライパンなしで焼そば
を提供することができる。

このように本考案による食品用カツプはカツプ
内に熱湯を入れて麺類をほぐした後、使用済みの
湯を注出するのに好適なものとなる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図
はカツプ本体、内蓋および外蓋とを分離状態で示
す斜視図、第２図は外蓋の内側を示す斜視図、第
３図は閉蓋状態の斜視図、第４図は内蓋を一部剥
がした状態で閉蓋した前図Ｘ−Ｘ線の一部断面
図、第５図は第３図Ｙ−Ｙ線の一部断面図、第６
図は内蓋全体が被着された状態でかつ第４図と同
位置における一部断面図、第７図は第３図Ｚ−Ｚ
線の一部断面図である。 図中Ａ……カツプ本体、Ｂ……内蓋、Ｃ……外
蓋、１……天板部、４……周側板部、５……注出
口、１５……注出口の複数溝を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断熱性を有するカツプ本体Ａとこれと密嵌でき
   る外蓋Ｃとから成り、外蓋Ｃは、カツプ本体Ａの
   開口部を覆う天板部１と、この天板部１の周端縁
   より垂下した周側板部４とからなり、天板部１の
   周縁部やや内方位置から周側板部４にかけて適所
   を上方及び周側外方へ膨出させてカツプ本体Ａ上
   縁との間において周方向に連続した比較的小間隙
   の空間部を形成して流湯用の注出口５となし、こ
   の外蓋Ｃにおける前記注出口５に相当する膨出部
   分内面に、天板部１から周側板部４へかけて、複
   数の溝１５を形成し、これらの溝１５と、これら
   の溝１５，１５間を隔する前記膨出部分内面の凸
   部１５′とをいずれもカツプ本体Ａの上縁に接触
   せず連続した空間を形成するように設けたことを
   特徴とする麺類等の食品用カツプ。