JPH0615203Y2

JPH0615203Y2 - 電子レンジ用乾燥スパゲティ入り容器

Info

Publication number: JPH0615203Y2
Application number: JP1987104493U
Authority: JP
Inventors: 弘天海; 恵利子宍倉
Original assignee: Showa Sangyo Co Ltd
Current assignee: Showa Sangyo Co Ltd
Priority date: 1987-07-09
Filing date: 1987-07-09
Publication date: 1994-04-20
Anticipated expiration: 2002-07-09
Also published as: JPS6412105U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、いわゆる即席食品ではない通常の乾燥スパゲ
ティを電子レンジで簡単に調理できる電子レンジ用乾燥
スパゲティ入り容器に関する。

（従来の技術）従来、スパゲティを作る場合は、調理鍋に多量の湯を沸
かして乾燥スパゲティを入れ、良くかき混ぜながら茹上
げた後、ざるにあけて湯をきり、ケチャップ若しくはミ
ートソース等で味付けして喫食していた。

また、容器入り即席ラーメン、即席焼きそば等の即席食
品は、蓋で密閉された容器の中に、乾燥した固形即席麺
と、粉末スープ、或いはソース等の調味用液体等が入れ
られて市販されており、これらを食する場合、例えば、
即席焼きそばの場合にあっては、先ず容器本体内に乾燥
した固形即席麺を入れて多量の熱湯を加え、蓋を装着し
て略密閉状態にし、この熱湯で乾燥麺を加温して復元さ
せ、復元させた後に余剰のお湯を捨ててから、別添の調
味用液体または粉末スープ等を添加させて調理してい
た。

また、容器本体内に注いだ熱湯の熱及び蒸気が外部に逃
げないよう、容器本体と蓋体の接合部分は、螺合構造や
嵌着構造等に成形されていた。

その他、電子レンジで簡単に調理できる容器入り即席食
品も種々と市販されている。例えば、有底筒形状の周壁
上端に肉厚方向に沿って切り欠きを設けた調理用食品を
収納する容器本体と、頂板周端から短筒壁を垂下周設し
た前記容器本体を密閉閉鎖する蓋体とからなり、該蓋体
の一部に、該蓋体の前記容器本体への組付き姿勢の変更
により、前記切欠きに対向した状態で該切欠きを通して
前記容器本体内と外部とを連通させ、前記切欠きに対向
しない状態で前記容器本体により閉鎖される開口を形成
してなる調理用食品収納容器があった（実開昭６２−４
２５７２号公報参照）。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、上記のように調理されるスパゲティにあ
っては、お湯を沸かす手間を含めて多くの調理時間を要
しており、また、余剰のお湯を捨てる手間がいったり、
調理中に茹湯が吹きこぼれる等面倒なものであった。

一方、即席スパゲティなる製品も知られてはいるが、こ
れらは復元性を早めるため澱粉を多く配合したり、物理
的・化学的手段により麺線内部を多孔質化する等の手段
が施されるため、スパゲティの特徴である弾力が強く歯
切れの良い食感は全く失われており、通常の乾燥品を茹
上げたものは全く異なるものであった。

また、前述した即席食品の容器にあっては、容器本体と
蓋体の接合部分を、螺合構造や嵌着構造等に成形するの
に余分の手間がかかる一方、電子レンジ調理する容器入
り即席食品の場合にあっては、高温度で調理される為、
容器本体と蓋体の接合部分が螺合構造や嵌着構造等で密
閉状態になっていると、加熱時に容器内圧が極端に高く
なって容器本体が破裂したり、調理中に茹湯が吹きこぼ
れたりするため、蓋体等に容器内圧を調圧するための開
口を設けなければならなかった。しかも、前述した実開
昭６２−４２５７２号公報に開示されている調理用食品
収納容器は、販売時及び保存時にあって、蓋体の一部に
設けた前記開口（透孔）を密閉封鎖すべく容器に組み付
けなければならないことから、少なくとも中身（食品）
の品質が損なわれないように、蓋体と容器との嵌合構造
にある程度の気密性が要求されるものであり、また、調
理時にあっては、前記密閉封鎖状態を解除させるべく前
記蓋体を付け変えなければならないといった手間を要す
るものであった。

更に、このような、容器本体の上方開口部面積よりも大
きく形成されて周縁部に同容器本体の上方開口縁を越え
る折り返し部が形成されている蓋体にあっては、特に電
子レンジでスパゲティ等の麺食品を調理する場合、内容
物の沸騰に応じた、換言すれば、泡面に乗った自由な上
下運動ができないため、発泡が激しくて吹きこぼれが起
こり易く、また、麺同士の付着が著しくなることも相俟
って、食味・食感が悪くなってしまうといった問題があ
った。

本考案はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもの
で、蓋体等に容器内圧を調圧するための開口を設けるこ
となく、通常の乾燥スパゲティであっても、短時間で、
麺線同士の付着のない食味・食感の良好な状態に復元で
きると共に、加熱時、発泡による吹きこぼれの全くない
電子レンジ用乾燥スパゲティ入り容器を提供することを
目的とするものである。

（問題点を解決するための手段）上述の如き従来の問題点を解決し所期の目的を達成する
ため本考案の構成は、上方開口部を有する容器本体と、
前記開口部に装着される蓋体とを備え、前記容器本体内
に、乾燥スパゲティと、ソース、オリーブオイル等の調
味材料とを収納してなる電子レンジ用乾燥スパゲティ入
り容器において、前記容器本体は、底部の長手方向の内
寸が、前記乾燥スパゲティの寸法よりも１０％以上大き
く形成されると共に、その容器本体の側面立ち上がり角
度を７０°以下に形成し、かつ、容器本体の深さと底面
積の比を０．０１乃至０．０５cm^-1にすると共に、前記
蓋体は、前記容器本体の上方開口部面積よりも小さく形
成してなる電子レンジ用乾燥スパゲティ入り容器に存す
る。

（作用）このように構成される電子レンジ用乾燥スパゲティ入り
容器は、容器本体底部の長手方向の内寸を、乾燥スパゲ
ティの寸法よりも１０％以上大きく形成すると共に、そ
の容器本体の側面立ち上がり角度を７０°以下に形成
し、かつ、容器本体の深さと底面積の比を０．０１乃至
０．０５cm^-1にしたことによって、乾燥スパゲティが水
分を含んで膨張しても、容量に余裕があり、麺の自由運
動が妨げられることがないため、麺線同士の付着のない
食味・食感の良好な状態に復元でき、しかも、蓋体が、
容器本体の上方開口部面積よりも小さく形成され、ま
た、容器本体の側面立ち上がり角度を７０°以下に形成
したことも相俟って、加熱時、蓋体は、内容物の沸騰に
より持ち上がり、泡面に乗って自由に上下動できるた
め、発泡による吹きこぼれが無くなることとなる。

（実施例）次に、本考案の実施の一例を図面を参照しながら説明す
る。

図中Ａは、本考案に係る電子レンジ用乾燥スパゲティ入
り容器であり、この電子レンジ用乾燥スパゲティ入り容
器Ａは、上方開口部１を有するトレー状の容器本体２
と、前記開口部１に装着される蓋体３とから構成されて
おり、容器本体２の中に、乾燥スパゲティ４と、ミート
ソース、オリーブオイル等の調味材料５とを備えてい
る。

また、この容器本体２及び蓋体３は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリカーボネイト等のようなマイクロ波
を透過し、かつ、電子レンジの加熱に耐えうる耐熱性材
料で作られており、トレー状容器本体２の底部２ａの長
手方向の内寸が、前記乾燥スパゲティ４の寸法よりも１
０％以上大きく形成され、その容器本体２の側面２ｂの
立ち上がり角度を７０°以下に形成してある。更に、容
器本体１は、深さと底面積の比が０．０１〜０．０５cm
^-1になるように形成されている。

一方、底部２ａの下面の周縁全体或いはその一部には脚
部２ｃが突設されており、この脚部２ｃにより底面全体
が電子レンジのトレー（図示せず）と接触せずに間隙が
生ずるため、熱効率が高まり茹上げが良好となる。

更に、中央に把手３ｂを一体成形した蓋体３は、前記容
器本体２の上方開口部１の面積よりも小さく形成されて
おり、その周縁部３ａが、容器本体２の前記開口縁１ａ
に内接して支持されている。

尚、容器本体２の全容積に占める乾燥スパゲティの容積
比率が０．０５〜０．２であれば、蓋体２によって、吹
きこぼれ防止が効果的になされる。

例えば、容器本体２の底部２ａの長手方向の内寸１５０
mm、底面積１８５cm²、長手方向の容器側面２ｂの立上
り角度６５°、深さ４０mmのトレー状のポリプロピレン
製容器Ａ（全容積７８０ｍ）に、１．５mm径のハーフ
サイズ・スパゲティ（長さ１２５mm）８０ｇ、熱湯１８
０ｍ及びオリーブ油４ｇを加え、蓋体３を装着して電
子レンジ（三菱オーブンレンジＲＯ２００Ｍ）で７分間
加熱した。加熱時、発泡による吹きこぼれは全く無く、
茹上がった乾燥スパゲティは麺線同士のくっつきのない
食味・食感の良好なものであった。尚、この容器の全容
積に占める乾燥スパゲティの容積の割合は０．０８であ
った。

尚、本考案の電子レンジ用乾燥スパゲティ入り容器は、
本実施例に限定されることなく、本考案の目的の範囲内
で自由に設計変更し得るものであり、本考案はそれらの
全てを包摂するものである。例えば、本考案は乾燥スパ
ゲティを主眼として案出された電子レンジ用容器である
が、これに限定されることなく、乾燥スパゲティ以外の
パスタや麺類にも応用できることは云うまでもない。

（考案の効果）本考案は上述の如く構成され、容器本体の底部の長手方
向の内寸を、乾燥スパゲティの寸法よりも１０％以上大
に形成すると共に、その容器本体の側面立ち上がり角度
を７０°以下に形成し、かつ、容器本体の深さと底面積
の比を０．０１乃至０．０５cm^-1にしたことによって、
乾燥スパゲティが水分を含んで膨張しても、容量に余裕
があり、麺の自由運動が妨げられることがないため、麺
線同士の付着のない食味・食感の良好な状態に復元で
き、しかも、蓋体が、容器本体の上方開口部面積よりも
小さく形成され、また、容器本体の側面立ち上がり角度
を７０°以下に形成したことも相俟って、加熱時、蓋体
は、内容物の沸騰により持ち上がり、泡面に乗って自由
に上下動できるため、発泡による吹きこぼれが無くなる
こととなった。

これにより、通常の乾燥スパゲティであっても電子レン
ジで簡単に調理でき、しかも短時間で、麺線同士の付着
のない食味・食感の良好な状態に復元できると共に、加
熱時、発泡による吹きこぼれの全くない便利な電子レン
ジ用乾燥スパゲティ入り容器を提供できることとなっ
た。

また、構成も単純であるため、大量生産に適し、価格も
低廉なものとして需要者に供給することができる等、本
考案は優れた利点を有しているもので、本考案を実施す
ることはその実益的価値が甚だ大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示すもので、第１図は本考
案に係る電子レンジ用乾燥スパゲティ入り容器の斜視
図、第２図は同分解斜視図、第３図は同平面図、第４図
は同底面図、第５図は同側面図、第６図は同縦断面図で
ある。１…上方開口部、２…容器本体３…蓋体、４…乾燥スパゲティ５…調味材料

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上方開口部を有する容器本体と、前記開口
部に装着される蓋体とを備え、前記容器本体内に、乾燥
スパゲティと、ソース、オリーブオイル等の調味材料と
を収納してなる電子レンジ用乾燥スパゲティ入り容器に
おいて、前記容器本体は、底部の長手方向の内寸が、前記乾燥ス
パゲティの寸法よりも１０％以上大きく形成されると共
に、その容器本体の側面立ち上がり角度を７０°以下に
形成し、かつ、容器本体の深さと底面積の比を０．０１
乃至０．０５cm^-1にすると共に、前記蓋体は、前記容器
本体の上方開口部面積よりも小さく形成されていること
を特徴とする電子レンジ用乾燥スパゲティ入り容器。
【請求項２】前記蓋体は、周縁部に容器本体の上方開口
縁を越える折り返し部が形成されてないことを特徴とす
る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の電子レンジ用
乾燥スパゲティ入り容器。