JPS6270398A - ウシインタ−ロイキン−2遺伝子のクロ−ニングおよび同定 - Google Patents
ウシインタ−ロイキン−2遺伝子のクロ−ニングおよび同定Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明はウシインタ−ロイキン−2(以後bIL−2と
略す)に関し、より詳細にはヒトインターロイキン−2
(IL−2)の相補的デオキシリボ核酸(cDNA)か
ら誘導されタプローブを使用して、bIL−2mRNA
を含むウシメッセンジャーリボ核酸(mRNA)から合
成されたcDNAライブラリーをスクリーニングするこ
とによるbIL−2遺伝子のクローニングに関する。 従来技術 IL−2はリンパ球の反応性を調節することができ且つ
抗原特異的エフェクターTリンパ球の長期in vit
ro培養を促進(有機分裂誘発)することができる可溶
性タンパク質であって、過去においてマウス、ラットま
たはヒトのリンパ球細胞をマイトジエンで刺激すること
により産出された。 例えば、モーガン(Morgan)らのScience
.193:1007(1976)およびラセッティー(
Ruscetti)らのJ.Immunol.,119
:131(1997)は、プールした正常ヒトリンパ球
を、同じヒト由来の血清およびマイトジエン植物凝集素
(フイトヘマグルチニン;以降PHAと略す)を含有す
るロスウエル・パーク・メモリアル・インスチチュート
−1640培地(Roswell ParkMemor
ial Institute−1640medium;
以後RPMI−1640と略す)中で培養する方法を開
示した。 ギリス(Gillis)およびスミス(Smith)の
Nature,268:154(1977)は、ウシ胎
児血清(以後FCSと略す)を含むRPMI−1640
培養中で正常DBA/2マウス脾臓細胞をマイトジエン
コンカナバリンA(以後ConAと略す)で刺激したこ
とによるネズミIL−2の産生を報告した。 フアラー(Farrar)らのJ.Immunol.,
121:1353(1978)は、また正常マウス血清
(以後MMSと略す)を含む組織培養倍地中Com A
と共にインキュベートしたネズミ脾臓細胞からのIL−
2の産生を開示した。 ギリスらは熱失活FGS、ペニシリン−Gおよびゲンタ
マイシンを補足したRPMI−1640組織培養培地中
で培養したネズミおよびラットの脾臓細胞からのIL−
2の産生を報告した。ネズミおよびラットの脾臓細胞は
ConA、PHAおよびアメリカヤマゴボウマイトジエ
ン(pokeweedmitogen;以後PKMと略
す)を含む種々のマイトジエン類で刺激された。J.I
mmunol.,120:2027(1978)を参照
されたい。 IL−2はまたヒト末梢血液単核細胞を、同じヒト由来
の血清、ペニシリン、ゲンタマイシン、新しいL−グル
タミンおよびPHAを補足したRPMI−1640培地
中で培養することにより産生された。ギリスらのJ.I
mmunol.,124:1954(1980)を参照
されたい。 ギリスらのJ.Immunol.,125:2570(
1980)は熱失活FCS、2.5×10−5M2−メ
ルカプトエタノール、N−2−ヒドロキシ−ピペラジン
−XI1−2−エテン−スルホン酸(以後HEPESと
略す)緩衝液、ペニシリン、ストレプトマイシンおよび
新しいL−グルタミンを補足したMPMI−1640中
で培養したT細胞白血病及びリンパ腫細胞胞株、特にB
10.BRマウス由来の放射線誘発脾臓リンパ腫(LB
RM−33)からのIL−2の産生を明らかにした。こ
の培養物はConAおよびPHAを含む種々のマイトジ
エン類で刺激された。 これらのマウス、ラット及びヒト正常Tリンパ球から精
製されたIL−2は多様な生物活性:例えば(1)胸脾
細胞有糸分裂の著しい促進、ワトソン(Watoson
)らのJ.Exp.Med.,15:849(1979
)およびギリスらのJ.Immunol.,124:1
954(1980)を参照;(2)抗原特異的ヘルパー
またはキラーT細胞株の長期 in vitro 増殖
の促進、ギリスらのNature.268:154(1
977)およびワトソンのJ.Exp.Med.,15
0:1510(1979)を参照;(3)ヌードマウス
脾臓細胞の培養における細胞障害性Tリンパ球(以後C
TLと略す)反応性とプラーク形成細胞応答の誘発、ワ
トソンらの上記文献J.Exp.Med.,150:8
49およびギリスらの上記文献J.Immunol.,
1241954を参照;を保持することが見出された。 従って、IL−2が免疫応答を高揚して免疫不全T細胞
集団(ヌードマウス脾臓細胞)を正常レベルの細胞性/
体液性免疫に復帰させるのに有用であることを示してい
る。さらに、これらの結果はIL−2の産生および応答
が異常免疫の臨床診断の際に有用でありうる免疫学的機
能の重要なパラメーターであることを示唆している。そ
の上、ヒトIL−2が抗原特異的ヒト、マウスおよびラ
ットキラーT細胞のin vitro増殖を可能にする
事実は、検索物質としてのヒトIL−2の重要性を強調
するものである。 これらおよび類似の理由により、ヒトIL−2は現在ヒ
トの臨床上の治療薬材として評価されつつある。IL−
2は免疫機能の重要な調節剤であり、また家畜の治療と
りわけストレスにより誘発されたウシの免疫不全の場合
に有効でありうる。 ウシが放牧地への輸送または放牧地から飼育地への輸送
の際に受けるストレスはステロイドホルモンの産生を高
め、そのステロイドホルモンが免疫応答の低下へと導く
という仮説はしばしば認められている。動物が飼育地へ
到着するとき、それらは低下した免疫反応性ゆえに普通
の最近やウィルスの感染の犠牲になってしまう(普通の
状況下では動物はこの種の感染に対抗する能力を有する
)。 いろいろなタイプの上部気道感染症が発生しうる。 この“輸送熱”症候群の結果は、この状態の動物が食欲
を失い、体重減少を起こし、さらにこれらの一般に拒否
される疾患の原因となる感染因子がもとで死ぬことさえ
あるということである。ギリスおよび共同研究者は、数
年前に、ステロイドホルモン類がIL−2産生を減少さ
せるそれらの能力により免疫応答を劇的に低下させると
発表した。 実際に、ステロイド−抑制免疫応答にIL−2をin
vitro添加すると、免疫反応性が劇的に回復した。 これらの結果に基づいて、輸送熱症候群の治療における
IL−2の使用が、この症候群の排除をもたらし且つ輸
送により誘起される免疫不全の結果として失われる莫大
な金額の返還をもたらすであろうと示唆することは驚く
べきことでない。 都合が悪いことに、bIL−2の産生方法は十分に明ら
かにされていない。その上、天然bIL−2源はその治
療上の有効性を徹底的に研究するのに十分な量の均一な
IL−2を提供しうる利用可能な系であることを証明し
ていない。 比較的多量の均一なbIL−2を産生しうる1つの方法
は組換えDNA技術による。組換えDNA技術は、ひと
たび意図するタンパク質の遺伝子が単離および固定され
ると、そのタンパク質を経済的に産生するために開発さ
れた。タンパク質の産生に関するこの種の組換えDNA
技術の内容はScience vol.196(197
7年4月)中の編集および補助論文に説明されている。 しかしながら、この文献に論じられている組換えDNA
技術を利用するためには、まずbIL−2をコードする
遺伝子を単離しなければならない。 発明の概要 本発明によれば、bIL−2をコードする遺伝子がニッ
クトランスレーションされたヒトcDNAプローブを用
いてcDNAライブラリーから単離される。このプロー
ブはヒトIL−2のヌクレオチド配列の一部に対応する
合成オリゴヌクレオチドプローブの使用によりヒトcD
NAライブラリーから単離する。全ウシRNAは比較的
高レベルのbIL−2を産生することが知られているリ
ンパ腺細胞から抽出する。この全RNA抽出物からポリ
Aを含むmRNAを単離する。cDNAライブラリーは
ポリA+mRNAを逆転写酵素により逆転写することに
よって作成される。このDNAをDNAポリメラーゼ■
で二本鎖となし、これを適当なクローニングベクター内
に挿入する。得られた組換えクローニングベクターは適
当な宿主を形質転換するために使用される。 形質転換宿主を同定して、プールに分ける。これらのプ
ールから得られたプラスミドDNAは、放射性標識した
ヒトcDNAプローブとハイブリダイズさせる。プロー
ブに対して陽性の信号を与えるクローンのプールを同定
し、その推定上のプールをさらに分割してハイブリダイ
ゼーションによる検索を繰り返す。結局、bIL−2遺
伝子を含む単一の形質転換細胞が同定される。この形質
転換細胞からプラスミドDNAを調整し、DNAの塩基
配列決定により同定する。さらに、そのヌクレオチド配
列から対応するアミノ酸配列を決定する。bIL−2遺
伝子のコーディング領域は、成熟bIL−2を発現させ
るために、酵母と細菌の両方の発現系内にクローン化す
る。これらの発現系から得られた組換えvIL−2(以
後rbIL−2と略す)は、逆相高性能液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)法により均一になるまで精製する
。 その後、発現したタンパク質産物がbIL−2であるこ
とを調べるためにパイオアッセイを実現し、そしてrb
IL−2のアミノ酸組成とその配列について分析する。 発明の構成 bIL−2産生細胞源: 好ましくは、比較的高レベルのbIL−2を産生するこ
とが知られている細胞からcDNAライブラリー(bI
L−2をコードする遺伝子はこのライブラリーから検索
されるだろう)を作成する。 これらの細胞源にはウシT細胞組織(すなわちリンパ腺
または脾臓)が含まれる。 活性化されたウシ末梢血液もまたbIL−2分子の源と
なりうる。本発明において使用するために、例えばフイ
コールハイパーク(FicollーHypaque)遠
心法のような標準方法を使って全血液から単核細胞を分
離することができる。採取した白血球は、血清含有培地
中でT細胞マイトジエンの存在下にin vitro培
養することによって増殖させる。以下で説明するように
、本発明者らはマイトジエン刺激ウシ末梢血液細胞から
作成したcDNAライブラリーよりbIL−2遺伝子を
単離するのに成功した。 bIL−2産生細胞からのRNAの調製:チャーウィン
(Chirgwin)らのBlochemistry.
18:5294(1979)およびマニアチス(Man
iatis)らのMolecular Cloning
,aLaboratory Manual,コールド・
スプリング・ハーバー研究所、コールド・スプリング・
ハーバー、ニューヨーク(1982)に記載されるよう
な標準方法を使って、ウシIL−2産生細胞から全RN
Aを抽出する。 よく知られているように、細胞からRNAを抽出する場
合、抽出の初期段階の間中リボヌクレアーゼ(RNアー
ゼ)活性を最小限に抑えることが重要である。これを達
成するための1つの方法は、RNアーゼを含む細胞タン
パク質を、RNアーゼによるRNA加水分解の速度を超
える速度で変性することである。チャーウィンらの上記
文献およびマニアチスらの上記文献(196)の方法で
は、2−メルカプトエタノールのような還元剤と共にグ
アニジニウムチオシアネートを使用してタンパク質のジ
スルフイド結合を分解することにより、これを実施して
いる。RNAはフェノール/クロロホルム抽出、エタノ
ール沈殿または塩化セシウム沈降のような標準方法によ
りタンパク質から単離される。別法として、RNAは塩
酸グアニジンによる抽出およびそれに続くフェノール/
クロロホルム抽出によってタンパク質から分離すること
もできる。 次に、ポリA+mRNAを抽出タンパク質から分離する
。この分離操作を行うためにいくつかの技法が開発され
たが、1つの好適な方法はエドモンド(Edomond
s)らのProc.Natl.Acad.dci.,6
8:1336(1971)、アラブ(Aviv)および
レイダー(Leder)のProc,Natl.Aca
d.Sci.,69:1408(1972)およびマニ
アチスらの上記文献(197)に記載されるようなオリ
ゴ(dT)−セルロースカラムでポリA+mRNAをク
ロマトグラフ処理することである。オリゴ(dT)−セ
ルロースカラムは緩衝液で調製し、その後mRNAをそ
のカラムから溶離する。ポリA+mRNAの完全性はゲ
ル電気泳動により証明される。 mRNAからcDNAの調製: 先に調製および検定したmRNAに対応する二本鎖cD
NAのライブラリーは、逆転写酵素を使用する既知技法
により作成される。本発明に関連して使用しうる1つの
このような方法は、カプラー(Gubler)およびホ
フマン(Hoffman)のGene,25:263−
269(1983)により修正された。マニアチスらの
上記文献(230)に詳述される方法である。簡単に述
べれば、ポリA+mRNAが第一のcDNA鎖のための
プライマーとしてmRNAのポリA尾部にハイブリダイ
ズされたオリゴマーdTを使用することにより逆転写さ
れる。第二のcDNA鎖はDNAポリメラーゼ■、RN
アーゼHおよび大腸菌DNAリカーゼの酵素類を使用し
て合成される。この方法は、マニアチスらの上記文献記
載の標準的なcDNA合成法を単に使用する場合に必要
とされるS1ヌクレアーゼ(最初のcDNA鎖の3′末
端に形成されるヘアピンループの切断を媒介する)を排
除する。二本鎖cDNAは有利な手段によって分画化し
て比較的短いDNA鎖を除き、それにより小さなcDN
A分画のむだなクローンを避ける。 本発明によれば、mRNAから二本鎖cDNAを合成す
るために別の標準方法を使用し得ると理解するべきであ
る。1つのこのような別法はランド(Land)らのN
ucl.Acids Res.,9:2251(198
1)に開示されている。ランドらの方法では、ヘアピン
ループが第二cDNA鎖のプライマーとして使用されな
い。むしろ、第一cDNA鎖の3′末端にはターミナル
デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)
を使用してdCMP残基が付加される。これはポリーC
残基の3′尾部を生ずる。その後、第二鎖の合成が3′
尾部にハイブリダイズしたオリゴマーdGにより開始さ
れる。 この技法は、マニアチスらの方法においてヘアピンがS
1ヌクレアーゼで切断される場合に起こりうる第二cD
NA鎖の5′尾部の欠失部分を避けるのに役立つと言わ
れている。 cDNAのクローニング: 次に、二本鎖cDNAはクローニングベクター(このベ
クターは適合性の原核または真核宿主細胞を形質転換し
てそのベクターを複製するために使用される)に挿入さ
れる。その後形質転換細胞を同定し、その細胞からプラ
スミドDNAを単離する。 本発明を実施するために、種々のクローニングベクター
を使用することができる。好適なものはプラスミドであ
るが、ベクターはバクテリオファージまたはコスミドで
ありうる。クローニングが哺乳動物細胞内で行われる場
合は、ウィルスをベクターとして使用することもできる
。 プラスミドを使用する場合、それは天然源から得られる
か、もしくは人工的に合成される。選ばれた特定のプラ
スミドは意図する形質転換用宿主(例えば大腸菌のよう
な細菌、酵母またはその他の単細胞微生物)と適合すべ
きである。そのプラスミドは使用される個々の宿主細胞
のための適切な複製開始点をもつべきである。また、プ
ラスミドは形質転換宿主細胞を容易に見分けることがで
き且つ形質転換を受けない細胞から容易に分離できるよ
うに表現型特性をもつべきである。この種の表現型特性
には増殖阻害物質(例えば抗生物質)に対して耐性を与
える遺伝子が含まれる。テトラサイクリン、ストレプト
マイシン、サルファ剤、ペニシリンおよびアンピシリン
を含む種々の抗生物質に対する耐性遺伝子をコードする
プラスミドは市販されている。 宿主細胞として大腸菌を使用する場合、本発明に関連し
て使用できる多数のクローニングプラスミドが市販され
ている。本発明の実施にとって好適なプラスミドはpB
R322である。このプラスミドはサトクリフ(Sut
cliffe)のCold SpringHarbor
Symp.Quant.Biol.,43:77(1
979)に記載されるように、その塩基配列が完全に決
定されている。このプラスミドの利点は、それがアンピ
シリン耐性遺伝子中のPst■部位を含めて11個の特
異な既知制限部位を有するということである。この特徴
はホモポリマー付加法(homopoly−mer t
ailing method)によってクローニングす
る際に特に有用である。 プラスミドの代わりにバクテリオファージを使用する場
合、この種のファージはプラスミドの選択に関して先に
示した特徴と実質的に同じ特徴をもつべきである。それ
には表現型マーカーおよび外来遺伝子結合用の連結可能
な末端の存在が含まれる。 好ましくは、本発明において、平滑末端を有する二本鎖
cDNAがホモポリマー付加によってプラスミドベクタ
ー内に挿入される。当分野でよく知られているように、
この技法では相補的ホモポリマーがcDNA鎖とプラス
ミドDNAに付加される。その後、ベクターと二本鎖c
DNAは相補的ホモポリマー尾部間の水素結合により一
緒に結合して、大腸菌のような宿主細胞を形質転換しう
る開環状ハイブリッド分子を形成する。 ホモポリマー付加の1つの方法では、約50〜150個
のdAヌクレオチド残基を線状化プラスミドDNAの3
′末端に付加する。同じ数のdTヌクレオチド残基を二
本鎖cDNAの3′末端に付加し、その後cDNAとプ
ラスミドを一緒に結合する。 別の好適な方法では、適当な制限酵素で切断したクロー
ニングベクターの3′末端にdG尾部を付加する。例え
ば、pBR322プラスミドを使用する場合、制限酵素
Pst■を用いてアンピシリン耐性遺伝子のところでそ
のプラスミドを消化する。 相補的dC尾部を二本鎖cDNAの3′末端に付加し、
その後適当なアニーリング緩衝液を用いてそのcDNA
をプラスミド内に挿入する。 二本鎖cDNAはその他いろいろな標準方法によりプラ
スミドクローニングベクター内に挿入しうると理解すべ
きである。1つのこのような別法には、DNAリカーゼ
の使用により合成ヌクレオチドリンカーをcDNA鎖の
両末端に結合されると、同じ制限酵素で切断したプラス
ミド内に挿入しうる接着末端が生ずる。シエラー(Sc
he−ller)らのScience,196:177
〜180(1977);マニアチスらの上記文献(21
9)を参照されたい。 上記のように作成した組換えDNAプラスミドを使用し
て宿主細胞を形質転換する。宿主は適当な原核または真
核細胞のいずれであってもよいが、好ましくはそれは大
腸菌や酵母菌のようなよく知られた細菌である。この種
の宿主は容易に形質転換され、速やかに培養下で増殖す
ることができる。 サルモネラ菌や締炎菌のような他の種類の細菌を大腸菌
の代わりに使用してもよい。細菌の代わりに、例えば真
菌や藻類のような他の単細胞微生物を使用することもで
きる。どんな宿主が選ばれようと、それは組換えプラス
ミドを切断する制限酵素を含むべきでない。 大腸菌を宿主として使用する場合、好適な菌株はMM2
94およびRR1である。プラスミドベクターによるM
M294宿主の性質転換法はよく知られており、マニア
チスらの上記文献(255)およびハナハン(Hana
han)のJ.Mol.Biol.,166:557(
1983)に記載されている。プラスミドベクターによ
るRR1宿主の形質転換法もボリバー(Bolivar
)らのGene.2:95(1977)およびピーコッ
ク(Peacock)らのBiochem.Bioph
ys.Acta.,655:243(1981)に記載
されるように公知である。適切な宿主となり得るその他
の大腸菌株にはDH1(米国20852メリーランド州
、ロックヒル、パークローンドライブ12301、アメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクション〔ATTC
〕寄託番号33849)およびC600が含まれる。こ
れらの菌株およびMM294およびRR1は広く商業的
に入手できる。 マニアチスらの上記文献およびハナハンの上記文献に記
載される方法を含めた形質転換法において、実際に形質
転換される宿主細胞は、その細胞によるプラスミドの取
込みが制限されるために、ほんの一部の細胞に限られる
。形質転換された細胞は、適当な培地および抗生物質の
ような表現型同定剤を含む寒天平板上でその細胞培養物
を培養することにより同定し得る。適当な耐性遺伝子(
例えば抗生物質耐性遺伝子)を有する細胞のみが生き残
るであろう。組換えpBR322プラスミドを用いて大
腸菌株MM294を性質転換する場合、形質転換細胞は
表現型同定剤としてテトラサイクリンを使用することに
より同定し得る。 放射性標識cDNAスクリーニングプローブの調製: 上記のようにして作成したウシcDNAライブラリーを
スクリーニングするために、プローブとしてヒトIL−
2をコードする遺伝子の大部分のヌクレオチド配列に対
応する700塩基対(bp)から成る放射性標識DNA
フラグメントが使用される。このプローブはヒトIL−
2のヌクレオチド配列の一部に対応する放射性標識され
た合成オリゴヌクレオチドプローブを用いてヒトcDN
Aライブラリーから単離する。 本発明のスクリーニング法において使用するcDNAプ
ローブを単離するために、まず初めに上記方法を使って
ヒトmRNAからヒトcDNAライブラリーを作成する
。mRNAはIL−2を産生することが知られているヒ
ト細胞株から抽出される。この種の細胞株にはT白血病
細胞株ジャーカット(Jurkat)またはそのクロー
ンのような種々のT細胞株が含まれる。この細胞株およ
びそのクローンは米国および外国の研究者により広く使
用されており、商業的にまたはATCCから入手可能で
ある。ヒト細胞に由来する全RNAは、例えば2−メル
カプトエタノールと共にグアニジニウムチオシアネート
を使用するような上記標準方法により抽出できる。その
後、ホリA+mRNAをオリゴ(dT)−セルロースに
よるクロマトグラフィーを使って抽出タンパク質から分
離する。 ヒトmRNAに対応する二本鎖cDNAのライブラリー
は、先に論じたように、鋳型としてmRNAを使用して
第一のcDNA鎖を形成するために逆転写酵素を使用す
ることにより作成される。次に、酵素DNAポリメラー
ゼ■および鋳型として第一鎖を使用して第二cDNA鎖
を合成する。この二本鎖cDNAはベクター複製用の適
合性宿主細胞を形質転換するためのクローニングベクタ
ー内に挿入される。好ましくは、そのベクターは多数の
特異な制限部位をもつプラスミドpBR322のような
プラスミドから成る。mRNAから合成されたcDNA
は、上記のようなホモポリマー付加によりこのプラスミ
ド内に挿入することができる。その組換えプラスミドを
用いて、大腸菌株のような適合性宿主を形成転換する。 もちろん、その他の適当な宿主も使用できる。組換えプ
ラスミドにより形質転換された宿主細胞は、抗生物質の
ような標準的な表現型同定剤により同定される。 ヒトcDNAライブラリーをスクリーニングするための
プローブとして、放射性標識されたオリゴヌクレオチド
が合成される。ヒトIL−2をコードする遺伝子のアン
チセンス鎖の一部から誘導されるプローブは次の組織:
5′−AA TGT GAGGAT CCT GGT
GAG−3′を有する。このプローブは第1図に示すセ
ンス鎖であり、比較的容易に合成しうる短鎖であるがヒ
トIL−2遺伝子のプローブとして役立つ十分な情報を
含む長さであるという利点を有する。しかしながら、プ
ローブの組成は本発明の範囲または精神の他の部分に対
応し得ると理解すべきである。 合成オリゴヌクレオチドプローブは、ホスホジエステル
法またはトリエステル法のような公知技法により科学的
に容易に合成される。トリエステル合成法の詳細は例え
ばソード(Sood)らのNucl.Acids Re
s.,4:2557(1977)およびヒロセ(Hir
ose)らのTet.Lett.,28:2449(1
978)に記載されている。合成後、オリゴヌクレオチ
ドプローブはT4ポリヌクレオチチドキナーゼおよび3
2P−ATPで標識される。標準的な標識方法はマニア
チスらの上記文献(122)に記載されている。有利に
は、0H5′末端を有するオリゴヌクレオチドプローブ
を合成することにより、一般に必要とされるホスファタ
ーゼ法を避けるのが望ましい。 ヒトcDNAライブラリーは、実施例3および4に詳述
される放射性標識合成プローブを用いてスクリーニング
する。その後、そのスクリーニング法によって固定され
た特定の陽性コロニーからプラスミドDNAを調製する
。 ヒトプラスミドDNAは以下で論ずるチェインターミネ
ーション法(Chain−terminationme
thod)によりその塩基配列を決定する。その塩基配
列決定の結果から、第1図に示すように、単離したプラ
スミドDNAは実質的にヒトIL−2遺伝子の完全なコ
ーディング領域を含むことが判明した。 単離したヒトプラスミドDNAの実質的全長が、ウシc
DNAライブラリーをクリーニングするためのプローブ
として選ばれた。比較的大きいサイズのプローブ(30
0〜500bpの範囲)は、IL−2をコードしないc
DNAフラグメントよりもむしろIL−2を実際にコー
ドするcDNAとハイブリダイズする可能性を一般に高
める。以下で詳述するように、このプローブの使用によ
り、cDNAライブラリーからbIL−2遺伝子を単離
するのに成功した。ヒトプラスミドDNAフラグメント
のヌクレオチド配列の他の部分に対応するプローブも、
本発明の精神または範囲を逸脱することなく使用し得る
と理解するべきである。 ヒトcDNAプローブは、ウシcDNAライブラリープ
ールとハイブリダイズさせる前に放射性標識される。プ
ローブのサイズが比較的大きいために、いろいろな標識
方法を使用し得るが、好ましくは“ニックトランスレー
ション”でそのプローブを標識する。リグビー(Rig
by)らのT.Molec.Bio.,113:237
(1977)およびマニアチスらの上記文献(108)
に記載されるように、この公知技法では、DNアーゼ■
での非常に制限された処理によりDNAの広く分離され
た部位にニックが導入され、それによって各ニックに遊
離の3′−OH基が生じる。DNAポリメラーゼ■を使
用して3′−OH末端に適当な放射性標識デオキシヌク
レオチド三リン酸(32p−dNTP)を取り込ませ、
同時にニックの5′側からヌクレオチドを分解してDN
Aに沿ってニックの逐次移動(ニックトランスレーショ
ン)を生じさせる。 cDNAライブラリーのスクリーニング:本発明のスク
リーニング法において、形質転換細胞は初めに約250
0個の形質転換細胞から成る比較的大きなグループにプ
ールされる。複製されたプラスミドは、アルカリ溶菌の
ようないくつかの公知方法のいずれかによって形質転換
細胞から抽出する。抽出したプラスミドはPst■で切
断する。得られたDNAフラグメントをアガロースゲル
での電気泳動により分画化し、次いでサザン(Sout
hern)のJ.Mol.Biol.,98:503(
1975)に記載されるサザンプロッティング法により
直接分析する。サザンブロッティング法でニトロセルロ
ースフィルターに固定したDNAフラグメントは、標識
したDNAプローブとハイプリダイズさせる。プローブ
とハイブリダイズする特定のDNAフラグメントはオー
トラジオグラフィーで同定する。 オートラジオグラフィーにより強いハイブリッド形成バ
ンドを示すクローンの推定上のプールは、約500個の
形質転換細胞から成るグループにさらに分割し、その後
標識ネズミcDNAプローブを使って上記のハイブリッ
ド形成スクリーニングを繰り返す。クローンの推定上の
プールを分割して形質転換細胞をスクリーニングするこ
の方法は、所望のプールの大きさが得られるまで繰り返
す。 その後、標識プローブとハイブリダイズする単一の形質
転換細胞が、グルンスタイン(Grunstein)お
よびホグネス(Hogness)のProc.Natl
.Acad.Sci.(USA),72:3961(1
975)に記載のよく知られたコロニーハイブリダイゼ
ーション法により同定される。この方法によって、本発
明者らは1つのこのような陽性コロニーを発見した。B
−IL−2−4と命名したプラスミドDNAはこの特定
コロニーから得られる。 スクリーニングしたcDNAの同定: 上記のプラスミドDNAは標準チェインターミネーショ
ン法によりその塩基配列を決定する。ヌクレオチドのこ
の塩基配列決定法はサンガー(Sanger)らのPr
oc.Natl.Acad.Sci.(USA)、70
:5463(1977)に初めて開示された。米国特許
第4322499号を参照されたい。 チェインターミネーション塩基配列決定法は、M13ク
ローニングおよびシークエンシングと題するAmers
ham Handbook(以後AmershamHa
ndbookと略す)。プレンハイム・クレセント、ロ
ンドン(1983);メッシング(Messing)の
Recombinant DNA Technical
Bulletin,NIH Publication
No。79−99,2,43−48(1979);ノ
ランダー(Norrander)らのGene,26:
101(1983);セレッチ(Cerretti)ら
のNucl.Acids Res.,11:259(1
983)およびビギン(Biggin)らのProc.
Natl.Acad.Sci.(USA).80:39
63(1983)に記載されている。M13線維状ファ
ージをベクターとして使用して対象のDNA配列をクロ
ーニングする。これらのファージベクターはチェインタ
ーミネーション法で簡単に塩基配列を解析できる一本鎖
DNA鋳型を与え、このチェインターミネーション法は
一本鎖鋳型分子に遊離3′−OH基を有する短いプライ
マー鎖を結合し、次にDNAポリメラーゼ(クレノウフ
ラグメント)および4種類のデオキシリボヌクレオチド
三リン酸、すなわちdATP、dNTP、dGTP、お
よびdTTP(集合的にdNTPと記す)(dNTPの
うち1種は放射性標識される)を使用するチェインエク
ステンション反応(鎖伸長反応)により鋳型鎖をコピー
する。この合成反応では、3′−OH末端を欠くヌクレ
オチド特異的チェインターミネーター、例えば2′、3
′−ジデオキシヌクレオチド三リン酸(ddNTP)を
使用して、様々な長さの一連の鎖伸長DNAを合成する
。このターミネーターは伸長するDNA鎖中に取込まれ
るように普通の5′末端をもつが3′−OH末端を欠い
ている。ひとたびターミネーターがDNA鎖に取り込ま
れると、これ以上のデオキシヌクレオチド三リン酸は付
加されず、それによりDNA鎖の伸長が停止する。 4つの別々の合成反応を実施し、各反応は4種のヌクレ
オチドdNTP(すなわちdATP、dCTP、dGT
PおよびdTTP)のうち1種は放射性標識され、こう
して合成鎖はポリアクリルアミドゲルで大きさにより分
別した後オートラジオグラフィーを行うことができる。 4つの反応から得られた鎖伸長DNAは、オートラジオ
グラフィーからのフラグメントのパターンがクローン化
DNAの核酸配列に対応するように、別々のゲルレーン
に相並べて配置する。 第2図は先に作成したB−IL−2−4プラスミドDN
A中に含まれるbIL−2遺伝子のヌクレオチド配列を
示す(ヌクレオチドはその5′末端の始めから番号を付
けてある)。遺伝子の対応するアミノ酸組成も第2図に
示されており、アミノ酸残基は遺伝子のコーティング領
域の始め(ヌクレオチド番号18)から番号を付けてあ
る。成熟タンパク質は星印を付けた21位のAla残基
(ヌクレオチド番号68)から始まり、155位のTh
r残基(ヌクレオチド番号482)まで延びている。 塩基配列決定法では、DNA挿入物を含むプラスミドD
NAをM13ファージベクターにサブクローニングして
一本鎖DNA鋳型を作る。共通のプライマーを用いてセ
ンス鎖とアンチセンス鎖の塩基配列を決定する。単一の
チェインターミネーション法を用いて全長フラグメント
の塩基配列を決定することから得られた結果をあてにす
るより、むしろ追加の合成プライマーを使用して、サブ
クローン化DNAフラグメントの長さの中間位置からチ
ェインターミネーション法を開始する。この合成プライ
マーの組成は共通のプライマーを使用して得られた塩基
配列の情報に基づいていた。この方法によって、サブク
ローン化DNAフラグメントの両鎖は重複する形でその
塩基配列が決定されるので、その塩基配列を二重に確か
めることができる。 上記のチェインターミネーション法を使用せずに、その
他の既知方法を使って、本発明の精神または範囲から逸
脱することなくクローン化ウシcDNA挿入物の塩基配
列を決定することもできると理解するべきである。例え
ば、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA
)。74:560(1977)に記載されるようなマク
サム(Maxam)およびギルバート(Gilbert
)の化学的分解法を使用することができる。 cDNAクローンからの機能的bIL−2の発現: プラスミドbIL−2−4に含まれるbIL−2遺伝子
のcDNAコーティング領域が機能的bIL−2をコー
ドするかどうか調べるために、遺伝子を酵母および細菌
の発現系にて発現させ、その後IL−2依存症ウシT細
胞の増殖を維持するその能力について試験する。 酵母系による発現 bIL−2遺伝子の実質的に完全なコーティング領域の
cDNAフラグメントは、bIL−2の成熟体を酵母宿
主細胞から合成および分泌させるようにデザインされた
発現ベクター(第3図参照)内に挿入する。発現ベクタ
ー、例えばベクターpYafBoIL−2は複製開始点
およびアンピシリン耐性遺伝子(Ampr)を含むプラ
スミドpBR322由来の配列を含む(第3図の太線部
分)。また、発現ベクターは好ましくは酵母由来の配列
、例えば選択マーカーとしてのトリプトファン−1遺伝
子(Trp−1)および2μ酵母の複製開始点を含む(
第3図の細線部分)。理想的には、発現ベクターはさら
に効果的プロモーターとしての酵母α因子(例えば第3
図の点描ボックス部分)、および酵母宿主内でGM−C
SFを合成/分泌させるリーダー配列を含み、このリー
ダー配列の後にbIL−2のコーティング領域の配列(
斜線ボックス部分)が続く。α因子遺伝子の構造はカー
ジャン(Kurjan)およびハーコビッッ(Hers
kowitz)のCell.30:933−943(1
982)に論じられている。 その後発現プラスミドでサッカロミセス・セレビシェ(
Saccharomyces cerevisiae)
の適当な歯株を形質転換する。好適な歯株には酵母菌株
79、X2181−1B、DBY746、YNN282
、20B−12、XV2181が含まれるが、これらに
限定されない。これらの菌株はすべてα因子プロモータ
ーと適合性であるために、およびTrp1、Lrp+形
質転換細胞を選択するためにα、Trp1、Leu2を
含む。これらの菌株は広く入手可能であり、例えば菌株
79は94702カリフォルニア州バークレー、カリフ
ォルニア大学、生物物理学および医療物理学部、酵母遺
伝子貯蔵センター(YaastGenetic Sto
ck Center)から入手できる。 bIL−2遺伝子を含む組換え体発現プラスミドによる
酵母宿主の形質転換は、よく知られた方法(スフェロプ
ラストを作り、洗浄し、その後プラスミドを取込ませる
)に従って行われる。この方法の標準的手法は確立され
ている。ベッグス(Beggs)のNature(Lo
ndon).275:104(1978)およびヒンネ
ン(Hinnen)らのProc.Natl.Acad
.Sci.(USA),75:1929(1978)を
参照されたい。 酵母培養物の上清はIL−2依存性ウシT細胞の増殖を
維持するそれらの能力において、酵母上清は比較的高レ
ベルのbIL−2配列を含まないプラスミドで酵母宿主
を形質転換した。検定の際に、対昭プラスミドから誘導
された上清からは生物活性が全く検出されなかった。 細菌宿主による発現 bIL−2遺伝子の実質的に完全なコーディング領域の
cDNAフラグメントはまた、bIL−2の成熟体を細
菌宿主細胞から合成させるようにデザインされた発現ベ
クター内に挿入される。好ましくは、本質的でないが、
細菌細胞による発現の為に使用するプラスミドはλファ
ージPLプロモーターを含む。相応して、理想的には細
菌宿主例えば大腸菌はPL転写の非耐熱性c■リプレッ
サーを含む。さらに、大腸菌を宿主として使用する場合
、好ましくは発現ベクターは高いコピー数のDNA複製
のために複製開始点(例えばプラスミドpBR322由
来)を、そして形質転換された大腸菌宿主の有利な選択
のためにアンピシリン耐性遺伝子(Ampr)(これも
プラスミドpBR322由来)を含む。これらの条件を
満たす発現ベクターの例にはプラスミドpPL−λ(フ
ァーマシア・ファイン・ケミカルズ社、商品番号27−
4946−01)およびプラスミドpPLc28(AT
CC寄託番号53082)が含まれる。 bIL−2の発現レベルを高めるために、bIL−2c
DNAから上流に非常に効果的な合成翻訳開始配列が使
用される。同じ翻訳開始配列がヒトIL−2の発現のた
めに使われた。マーキーズ(Marquis)らのJ.
Cell.Supple−ment,9B:221(1
985)を参照されたい。 高レベル翻訳開始配列は下記表1に記載の合成オリゴヌ
クレオチドに組込まれる。この合成オリゴヌクレオチド
はソード(Sccd)らの上記文献およびヒロセ(Hi
rose)らの上記文献に詳述されるトリエステル法、
またはホスホジエステル法により合成される。 表1 表1に示すように、合成オリゴヌクレオチドは接着Xb
a■−5′末端および開始コドンATGと成熟bIL−
2タンパク質の最初のアミノ酸残基Alaをコードする
配列を含む平滑3′末端を有するように合成される。X
ba■制限部位とMet開始コドンとの間のオリゴヌク
レオチドの中間部分は、翻訳開始配列から成る。オリゴ
ヌクレオチドの5′末端および中間部分は、オリゴヌク
レオチドがbIL−2遺伝子と共に連結される予定の特
定プラスミドの構成と適応する様々な組成のものであり
うると理解すべきである。 bIL−2遺伝子含有発現ベクターによる細菌宿主の形
質転換後、熱誘発の際に、bIL−2の高レベル発現が
以下に詳述するbIL−2依存性細胞検定法により確か
められた。酵母および細菌の両宿主により発現された組
換えDNA産物の高検定レベルは、第2図に示す本発明
者らにより単離された遺伝子がbIL−2遺伝子と一致
することを裏付けるものである。 rbIL−2の精製: 酵母および細菌宿主の発現系で産生されたrbIL−2
はHPLCで精製する。本発明において使用するHPL
Cカラムは、好ましくはタンパク質rbIL−2と共に
最適に使用される十分な大きさの細孔径(すなわち約1
5〜20ミクロンの細孔径)を有する逆相のオクタデシ
ル結合シリカカラムである。 本発明の実施に際して使用するのに適した逆相HPLC
カラムは市販品である。好適なカラムにはメイン州ミル
フォード、ウォーターズ・アソシエート社から市販され
ているカラムのプレパック(PrepPAK(R))、
ラジオパック(radio pak(R))およびポラ
シル(Porasil(R))の系列が含まれる。 好適なカラム充填材料はシリカゲルの表面に、例えばシ
ロキサン(ケイ素−酸素−ケイ素)によって共有結合さ
れた、オクタデシルシラン基を含む。 このタイプの充填材料の例はバイダック(Vydac(
R))C−4)(カリフォルニア州ヘスペリア、セパレ
ーショングループ)である。 カラムにかける前に、発現抽出物は必要に応じて希釈し
、またカラムは例えばトリフルオル酢酸(TFA)、ヘ
プタフルオル酪酸(HFBA)または酢酸から成る適当
な緩衝溶液で平衡化する。 HPLCカラムからのタンパク質の溶離は当分野でよく
知られた方法により行われる。カラムから結合タンパク
質を取り出す適当な溶離法には、例えばTFA、HFB
Aまたは酢酸中のアセトニトリルまたはN−プロパノー
ル緩衝液の線状勾配の使用が含まれる。アセトニトリル
を溶離剤として使用する場合、好適な勾配は約0.05
〜2%TFA中0〜100%(V/V)アセトニトリル
から成り、1分当たり約1〜3%アセトニトリルの割合
でカラムに加えられる。溶離剤がN−プロパノール緩衝
液である場合、好適な組成は0.9M酢酸および0.2
Mピリジン(pH4.0)中約60%(V/V)N−プ
ロパノールである。この緩衝液溶離剤の好ましい勾配範
囲は0〜100%、より好ましくは20〜80%である
。 溶離されたタンパク質は当分野でよく知られた検出系で
都合よく監視することができる。例えば、スタイン(S
tein)およびモシエラ(Moschera)のMe
th.Enzymol.,78:435(1981)に
配される自動蛍光検出装置が使用される。また、HPL
Cカラムから回収された分画の相対的タンパク質度は、
280nmの波長で紫外線分光光度計により溶離物質の
吸光度を測定して決定し得る。適当な自動紫外線吸収検
出装置は市販品である。例えばそれらは英国ケンブリッ
ジのLKBインスツルメント社から市販されている。 回収されたHPLC分画の生物活性は、以下で説明する
bIL−2依存性T細胞増殖検定により分析される。分
画はまたゲル電気泳動により分析される。 十分なタンパク質精製が最初のHPLC法で達成されな
い場合、同じカラムまたは別のカラム(例えば、異なる
組成または形の支持材料もしくは異なる化学組成の結合
相材料を有する充填材料を使用するカラム)の使用によ
り精製を繰り返すことができる。さらに、同一かまたは
異なる種類の溶離剤を使用してもよい。 十分なタンパク質精製が2回目のHPLC法で得られな
い場合、均一性が達成されるまで3回またはそれ以上の
HPLC法を使用することができる。本発明者らは、C
14結合相およびアセトニトリル溶離を使用する最初の
HPLC処理がrbIL−2の実質的精製をもたらすが
、タンパク質産物は均一に精製されていないことを見出
した(第5図参照)。しかしながら、上と同じカラムを
使用するが遊離剤としてN−プロパノール/酢酸/ピリ
ジンを使用する2回目のHPLC処理の後に、約160
00ダルトンの分子量を有する均一なbIL−2が単一
分画に回収された。 本発明の均一なrbIL−2の活性は、上記のHPLC
分画化の際に使用した有機緩衝液(TFA/アセトニト
リル)または(ピリジン/酢酸/プロパノール)中に4
℃で保存したとき、少なくとも六ヶ月安定であることが
わかった。 アミノ酸分析: rbIL−2の均一性が達成されたために、本発明者ら
はこの組換えタンパク質産物のアミノ酸組成およびN−
末端部分のアミノ酸配列を解析することができた。この
情報は、発現産物が天然産物と同じ組成であり且つ発現
産物がrbIL−2cDNAの分析から推定されたアミ
ノ酸組成及び配列と一致することを確かめるのに有用で
ある。 上記のように調製した本発明の均一rbIL−2のサン
プルは、例えばニンヒドリンまたは気相検出を使用する
自動分析装置により、アミノ酸の組成と配列について分
析することができる。この種の装置は市販品であり、例
えば英国ケンブリッジのLKB社(4150型アルファ
)またはアブライド・バイオシステム社(470A型)
から入手できる。これらの分析により、本発明者らは、
rbIL−2のアミノ酸組成がrbIL−2bDNAか
ら推定される対応配列(すなわち第20残基がDNAか
ら推定される対応配列(すなわち第2図のアミノ酸残基
番号21〜41)と同じであることを見出した。 治療用途: 先に述べたように、本発明に従って産生されたrbIL
−2はウシやその他の動物の感染病、例えば乳房炎、呼
吸器および胃腸症候群、ならびに一般的寄生虫感染症を
治療するのに使用される。本発明者らはrbIL−2の
比活性が約4.5×104単位/μg(タンパク質)で
あることを確かめた。 動物の病気を治療するためのrbIL−2の好ましい投
与量は1回の用量あたり約104〜108単位/kg(
動物の体重)の範囲である。0.1〜10mg(理想的
には約5〜6mg)の用量でのrbIL−2治療は、1
200ポンドの雄牛におけるT細胞媒介機能を回復させ
ることが期待される。治療上有効であるためには、rb
IL−2を多数回投与することが必要であると思われ、
このことも本発明の範囲に含まれる。 rbIL−2は非経口または径皮を含めた慣用方法で投
与される。非経口投与のために、ゴマ油や落花生油、も
しくは水性プロピレングリコール中のrbIL−2の溶
液剤が使用され、同様に蒸留水、血清アルブミン、リン
ゲル液、ハンク液などの無菌、無毒性、非アレルギー溶
液剤も使用できる。この種の溶液剤は必要に応じて適当
に緩衝液化され、その液体希釈剤は初めに十分な塩類ま
たはグルコースで等張化される。これらの特定の水性溶
液剤は静脈内、筋肉内または皮下注射に特に適している
。これらの種々の無菌水性媒体はすべて当分野でよく知
られた標準的手法により容易に調製することができる。 bIL−2活性の検定 先に示したように、酵母及び細菌の発現系からの発現産
物はIL−2依存性ウシT細胞により検定される。この
種の検定法に関する細部はベーカー(Baker)およ
び(Knoblock)のVet.Immunol.I
mmunopath,3:381(1982);ミラー
エッジ(Miller−Edge)およびスプリッター
(Splitter)のVet.Immunol.Im
muno−path、7:119(1984);ネーマ
ー(Namer)およびマグナソン(Magnuson
)のImmunol.,52:469(1984);オ
ールドハン(Oldham)およびウイリアムズ(Wi
lliams)のVet.Immu−nol.Immu
nopath、1:201(1984)に記載されてい
る。要約すると、この検定法では、IL−2依存性細胞
を培養物から収穫し、洗浄して増殖培地を除き、8×1
04細胞/mlの濃度で完全RPMI−1640培地中
に再懸濁する。この細胞懸濁液(100μl)を96−
ウエルの微量滴定皿(商品番号3596、カスター)の
個々のウエル(くぼみ)に採置し、その後サンプルの連
続(log2)希釈液または1単位/mlサルIL−2
標品(100μl)を加える。微量滴定皿は空気中5%
のCO2の湿潤雰囲気中37℃で48時間インキュベー
トし、その後自動サンプル採取装置で収穫する。(〔3
H〕−Tdr)(比活性1.9ci/mM)を含む培地
50μlを加える。その滴定皿をさらに4時間インキュ
ベートし、その後自動サンプル採取装置で収穫する。〔
3H〕−Tdr−標識ウエル内容物を含むガラス繊維フ
ィルター試験片を自然乾燥させ、トルエンをベースとす
る混合物(toluene−base cocktai
l;マサチューセッツ州ボストン、ニューイングランド
ヌクレアー社、商品番号NEF−903)の中に入れ、
液体シンチレーションカウンターで0.5分間計数する
。 bIL−2の存在下では、標的IL−2依存性細胞は用
量に依存して〔3H〕−Tdrを取り込む。 bIL−2の不在下では、標的IL−2依存性細胞は2
4時間以内に死滅し、基底レベルの〔3H〕−Tdrを
取り込むにすぎない。bIL−2活性(単位/ml)は
、特定サンプルが標的細胞株の最大増殖の半分を生じさ
せる希釈度を測定することにより定量化される。例えば
、特定のbIL−2検定(全量200μl)において1
:10の希釈度でサンプルが半−最大標的細胞株増殖を
生じる場合、1単位は10で割った200μl(全量)
、すなわち20μl中に含まれると言われる。そのとき
、サンプルは20(1単位のμl数)で割った1000
(1mlのμl数)の力価、すなわち50単位/mlの
力価を有するであろう。 先に述べたように、酵母培養物からの組換えbIL−2
は1.3×106単位/mlのbIL−2活性を示した
。また、細菌発現系から回収された発現産物は10.2
×106単位/ml以上のbIL−2活性を示した。こ
うして、本発者らにより検定された第2図に記載の遺伝
子が実際にbIL−2遺伝子であると確認できた。 mRNAの分析: ウシリンパ腺細胞からのbIL−2mRNAの発現を分
析した。CoA−刺激および非刺激ウシリンパ腺由来の
RNAのノザンプロットは、第2図に示すbIL−22
cDNAから誘導されたRNAプローブを用いるハイブ
リダイゼーションにより分析した。プローブはConA
の単一バンドと強くバイブリダイズしたが、非刺激リン
パ腺細胞に由来するRNAの場合は、ハイブリダイゼー
ションが起こらなかった。 ウシゲノム配列の分析: ウシゲノムDNA中のIL−2関連遺伝子の数は、32
P−標識bIL−2プローブとウシゲノムDNAフラグ
メントのサザンブロックをハイブリダイズさせることに
より調べた。フラグメントはDNAを比較的低い頻度で
切断することが期待される多数の異なる制限酵素でウシ
ゲノムDNAを消化することにより調製した。ゲノムD
NAのサザンプロットに対するIL−2cDNAプロー
ブによるハイブリダイゼーションのオートラジオグラフ
ィーは、bIL−2遺伝子が単一コピーとして存在する
ことを示した。 本発明方法および産生物はさらに次の実施例により示さ
れる。実施例は単に代表的例にすぎず、それらは本発明
を例示し且つ当業者が本発明を利用するのを手伝けする
ものである。実施例は特許証により許可される保護に関
する特許請求の範囲を何ら制限するものではない。 実施例1 ポリA+mRNAの調製 約1×106細胞/mlの濃度のウシ末梢血液白血球を
10%(V/V)の2mMグルタミン、100U/ml
ペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンおよ
び2.5μg/mlConAを補足したRPMI−16
40培地50ml中で培養した。細胞は空気中5%CO
2の湿潤雰囲気において約16時間培養した。その後、
生細胞を遠心により収穫した。 全RNAは一般にチャーウィンらの上記文献に記載され
る方法を用いて、単細胞から抽出した。 この方法では、グアニジニウムチオシアネートを使用す
ることにより、RNアーゼを含む細胞タンパク質を、R
NアーゼによるRNA加水分解の速度を超える速度で変
性した。mRNAはエタノール沈殿により細胞タンパク
質から分離し、続いて8M塩酸グアニジン、25mM酢
酸ナトリウムで再懸濁(抽出)した。次に、塩酸グアニ
ジン抽出RNAを等容量のフェノール/クロロホルム:
イソアミルアルコール(25容量/24容量:1容量)
で再抽出した。このような抽出操作から得られたRNA
含有水相は50mM酢酸ナトリウムとなし、0.6容量
のエタノールの添加により沈殿させた。RNAは−20
℃に冷却して遠心することにより回収した。 その後、マニアチスらの上記文献(197)に記載の方
法を使って、オリゴ(dT)−セルロースクロマトグラ
フィーカラムによりポリA+mRNAを抽出タンパク質
から分離した。簡単に述べれば、カラムは20mMトリ
ス−HCl(pH7.6)、0.5M NaCl.1m
Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA)および0.1%
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)から成る緩衝液で調
製した。タンパク質沈殿物を水とこの緩衝液に溶解して
カラムにかけた。非吸着物質は同じ緩衝液での初期洗浄
、続いて0.1MMaClを含む同じ緩衝液での追加洗
浄により溶離した。保持されたポリA+mRNAは10
mMトリス−HCl(pH7.5)、1mMEDTAお
よび0.05%SDSから成る低下したイオン強度の緩
衝液で溶離した。溶離したポリA+mRNA1/10容
量の酢酸ナトリウム(3M、pH5.2)および2.2
容量のエタノールを用いて−20℃で沈殿させた。 オリゴ(dT)−セルロースカラムからのポリA+mR
NAの溶離後、ポリA+mRNAの完全性はマニアチス
らの上記文献(199)に詳述されたアガロースゲルに
よる電気泳動により確かめた。 実施例2 cDNAライブラリーの作成 mRNAに対応する二本鎖cDNAのライブラリーは、
カプラーおよびホッフマンの上記文献により修正された
マニアチスらの上記文献(229)記載の標準方法を用
いることにより、実施例1で得られた精製mRNAから
作成した。オリゴ−dTはmRNAのポリA尾部とハイ
ブリダイズして、第一のcDNA鎖の逆転写のためのプ
ライマーとして役立った。トリ骨髄芽球症ウイルス(A
MV)の逆転写酵素は、mRNAを鋳型として使用して
第一のcDNA鎖を合成した。簡単に述べれば、第一の
cDNA鎖の合成は50mMトリス・HCl(pH8.
3)、10mMMgCl2、10mMジチオトレイトー
ル(DTT)、4mMピロリン酸Na、1.25mMd
GTP、1.25mMdATP、1.25mMdTTP
、0.5mMdCTP、15〜20μCiの〔α−32
p〕dCTP(3.000Ci/mmol)、100μ
g/mlのオリゴ(dT12−18)、150μg/m
lmRNA(実施例1より)、3.000単位のAMV
逆転写酵素/mlを含有する20〜40μlの反応容量
中で実施した。43℃で30分間反応させた後、EDT
Aを添加して20mMとすることにより反応を停止した
。反応生成物をフェノールで抽出し、岡山およびベルグ
のMol.Cell.Biol.,2:161−170
(1982)に記載されるように3M酢酸アンモニウム
を加えてエタノール沈殿させた。第二のcDNA鎖は1
00μlの20mMトリス・hCl(pH7.5)、5
mMMgCl2、10mM(NH4)2SO4、100
mMKCl、0.15mMβ−NAD、50μg/ml
BSA、40μMDNTP、8.5単位/mlの大腸菌
RNアーゼH230単位/mlDNAポリメラーゼ■、
10単位/ml大腸菌DNAリカーゼを含有する反応混
合物中で合成した。この混合物を12℃で1時間反応さ
せた。次いでEDTAを加えて20mMとすることによ
り反応を停止した。得られた二本鎖cDNAは上記のよ
うにフェノールで抽出した。 二本鎖cDNAはセファクリル(Sephacryl)
S−400(ファーマシア・ファイン・ケミカルズ社)
カラムコロマトグラフィーで分子の大きさにより分画化
し、分子量マーカーとしてpBR322DNAの末端標
識フラグメントを用いるアルカリ性アガロース電気泳動
により測定した。500bp以下の長さのDNA鎖をえ
り除いて、これらの短いcDNA分画を無意味にクロー
ニングするのを避けた。 二本鎖cDNA分画は、マニアチスらの上記文献(23
9から始まる)に記載の方法により、pBR322プラ
スミド(ファーマシア・ファイン・ケミカル社)のPs
t■部位に挿入した。この方法では、二本鎖cDNAの
3′末端にポリ(dc)の尾部を付加した。プラスミド
pBR322はPst■エンドヌクレアーゼで消化した
後、その3′末端にポリ(dG)の尾部を付加した。d
G付加プラスミドDNAとdC付加cDNAとはアーニ
リング緩衝液(0.1M NaCl、10mMトリス−
hCl(pH7.8)および10mMEDTA)を用い
てアニーリングレ、新規な組換えプラスミドを形成した
。 本明細書に記載の全ての制限酵素はマサチューセッッ州
ビバリーのニュー・イングランド・バイオラブズ社から
市販されている。 ハナハンの上記文献の方法を使用することにより、大腸
菌株MM294を組換えプラスミドで形質転換した(こ
の場合大腸菌細胞は高濃度のMg2+の存在下での増殖
により得られた)。形質転換宿主を平板培養し、その後
表現型同定剤としてテトラサイクリンを用いて形質転換
細胞を同定した。 この技法の使用により本発明者らは約35,000個の
独立した形質転換細胞を得た。 実施例3 ヒトIL−2cDNAスクリーニングプローブを使って
オリゴ(dT)−セルロースクロマトグラフィーカラム
により全RNAからポリA+mRNAを分離した。 ジャーカット細胞株はATCC(寄託番号ATCC−C
RL−8163)から入手できる。得られたポリA+m
RNAの完全性はアガロースゲル電気泳動により確かめ
られた。ヒトmRNAに対応する二本鎖cDNAのライ
ブラリーは実施例2に記載の方法により作成した。50
0bpより大きい得られた二本鎖cDNA分画を、実施
例2に記載のホモポリマー付加法によりpBR322プ
ラスミドのPst■部位に挿入した。この組換えプラス
ミドで大腸菌株MM294を形質転換し、形質転換細胞
は表現型同定剤としてテトラサイクリンを用いて同定し
た。この方法によって、本発明者らは約1×106個の
独立した形質転換細胞を同定した。 合成オリゴヌクレオチドプローブはソードらの上記文献
およびヒロセらの上記文献に詳述される標準トリエステ
ル法により化学的に合成し、その後ネズミcDNAライ
ブラリーをスクリーニングするのに使用するために32
Pで標識した。このプローブは次のヌクレオチド配列: 5′−AATGT AGA CAT CCT GGTG
AG−3′を有し、これは第1図のヌクレオチド173
〜192に対応する。標識を促進するために、オリゴヌ
クレオチドの5′末端はOH末端となるように合成し、
それによりDNAフラグメントを標識する際に一般に使
用しなければならないホスファターゼ処理を省いた。標
識方法は16μlの32PATP(7000Ci/mM
)、1μl(10U)のT4ポリヌクレオチドキナーゼ
および2μlの10xキナーゼ緩衝液■(0.5Mトリ
ス・HCl(pH7.6)、0.1mMMgCl2、5
0mMジチオトレイトール、1mMスペルミジンおよび
1mMEDTA)に合成オリゴヌクレオチド1μlを加
えることを包含していた。37℃で30分間反応させた
後、合成ヌクレオチドをフェノール/クロロホルムで抽
出した。標識プローブはセフアデックスG−50カラム
(ファーマシア・ファイン・ケミカルズ社)によるクロ
マトグラフィーまたは遠心を用いて非標識オリゴヌクレ
オチドから分離した。 ヒトcDNAライブラリーの初期スクリーニングを容易
にするために、形質転換した細菌培養物をプール(各プ
ールは約5,000個の異なるクローンを含む)に分け
た。プラスミドDNAはイシューホロビッッ(Ish−
Horowicz)およびバーク(Burke)のNu
cl.Acids Res.,9:2989(1981
)に詳述される標準的なアルカリ溶菌法を従って宿主細
菌のサンプルから単離した。単離したプラスミドは標準
方法によりPvu■およびHind■で完全消化した。 次にプラスミド消化物を0.8%アガロースゲルによる
電気泳動で分画化し、サザンらの上記文献の標準方法に
よりニトロセルロースフィルター上にのせた。ニトロセ
ルロースフィルターに固定したDNAは、以下の実施例
4で詳述する方法を使って、標識合成オリゴヌクレオチ
ドプローブとハイブリダイズさせた。 DNAのハイブリッド形成バンドが得られたクローンの
推定上のプールは、放射性標識合成プローブでの直接コ
ロニーハイブリダイゼーションによりスクリーニングし
て、単一の陽性コロニーを同定した。 プラスミドDNAは上記の方法により同定した陽性コロ
ニーから調製して、以下の実施例5に記載するように塩
基配列を決定した。単離したヒトプラスミドDNAフラ
グメントのヌクレオチド配列(第1図に示す)は、実質
的にヒトIL−2遺伝子のオープン・リーディング・フ
レームの完全なヌクレオチド配列を含むことが見出され
た。 第1図で下線を施したヒトIL−2cDNAクローンの
708bpフラグメント(ヌクレオチド番号12〜ヌク
レオチド番号719)が、上記の実施例2で調製したヒ
トプラスミドDNAをスクリーニングするためのプロー
ブとして選ばれた。 このプローブフラグメントは制限酵素Pst■およびR
sa■での消化、その後のアガロースゲル電気泳動によ
りヒトcDNAクローンから単離した。 cDNAヌクレオチドプローブはマニアチスらの上記文
献(108)に記載の先に論じた標準方法によりニック
トランスレーションで放射性標識した。この方法によれ
ば、プローブは約5×108CPM/μgDNAの比活
性に標識された。スクリーニング法で使用する前に、標
識プローブは水中100℃で10分間沸騰させその後氷
上で冷やすことにより変性した。 実施例4 cDNAライブラリーのスクリーニング上記の実施例2
で作成したcDNAライブラリーの初期スクリーニング
を容易にするために、形質転換した細菌培養物をプール
(各プールは約2500個の異なるクローンを含む)に
分けた。 イシューホロビッッおよびパークの上記文献に詳述され
る標準アルカリ溶菌法を用いて宿主細菌のサンプルから
プラスミドDNAを単離した。単離したプラスミドをP
st■で切断し、次いで適当な大きさのマーカーと共に
1.0%アガロースゲル電気泳動で処理して分画化した
。そのアガロースゲルをサザンらの上記文献記載の方法
によりニトロセルロースフィルター上にのせた。移行処
理後、フィルターを自然乾燥させ、真空下約80℃で2
時間ベーキングすることによりDNAフラグメントをニ
トロセルロースに固定した。 固定したDNAは次に標識cDNAプローブとハイブリ
ダイズさせた。要約すると、ベーキングしたヒトロセル
ロースを、6×SSC、0.5%NP40界面活性剤、
0.1%サルコシル、5×Denhardt′s溶液(
0.02%フイコール、0.02%ポリビニルピロリド
ン、0.02%BSA)および100μg/ml変性サ
ケ精子DNA(シグマ■型、ナトリウム塩)から成るプ
レハイブリダイゼーション緩衝液中55℃で2〜4時間
インキュベートした。次にフィルターは上記のようなハ
イブリダイゼーション溶液中32P−標識cDNAプロ
ーブ(106cpm/ml)(実施例3より)と共に5
5℃で一晩インキュベートした。一晩ハイブリダイゼー
ションを行った後、フィルターは6×SSCを用いて温
室で洗浄し、次いで42℃で1時間さらに55℃で1.
5時間6×SSCにて洗浄した。自然乾燥後、フィルタ
ーを−70℃でオートラジオフラフィーに付した。 オートラジオグラフィーから本発明者らは強いハイブリ
ッド形成バンドを生じたプラスミドDNAが得られたク
ローンの推定上の1つのプールを、約500個の形質転
換細胞のプールにさらに分割し、ハイブリダイゼーショ
ンスクリーニング法を繰り返した。DNAの強いハイブ
リッド形成バンドが見られた推定上のサブプールはその
後平板培養した。得られたクローンは上記のハイブリッ
ド形成条件を用いて、グルンタインおよびホグネスの上
記文献記載の公知方法により、放射性標識したヌクレオ
チドプローブで検索した。 実施例5 スクリーニングしたcDNAの同定 bIL−2−4と命名したプラスミドは実施例4に記載
の方法により同定した陽性コロニーからのcDNAを用
いて作成した。大腸菌を形質転換した宿主プラスミドの
サンプルは寄託番号53184としてATCCに寄託さ
れた。陽性宿主コロニーから単離したプラスミドDNA
由来のcDNA挿入物は、以下で説明する変更を伴うア
マーシャムハンドブックに本質的に記載されるような標
準チエインターミネーション法により塩基配列を決定し
た。そのcDNA挿入物をPst■および/またはRs
a■で消化し、その後M13一本鎖線維状ファージベク
ターのmp18およびmp19(イリノイ州アーリント
ンハイツ、アマーシャム社)内にサブクローニングした
。ノランダーらの上記文献に記載されるmp18および
mp19ファージベクターは次の特異なクローニング部
位:すなわちHind■;Sph■;Pst■;Sal
■;Acc■;Hinc■;Xph■;BamH■;X
ma■;Sma■;Kpn■;Sst■;およびEco
R■を含む。mp18およびmp19ベクターの組成は
同じであるが、上記の制限部位の順序がmp19ベクタ
ー内では逆になっており、こうしてcDNA挿入物の両
鎖はこれらの2つのベクターを用いることにより有利に
塩基配列が決定できる。対応するcDNA鎖を挿入した
mp18およびmp19ベクターを使ってK12株の大
腸菌JM107(メリーランド州ベテスタ、ベテスタ・
リサーチ研究所)を形質転換し、それによりセンス鎖と
アンチセンス鎖の一本の鎖挿入物を含む一本鎖DNA鋳
型を得た。 その一本鎖DNA鋳型に一般的な合成プライマ−:5′
−CCCAGTCACGAGGTT−3′(ウイスコン
シン州ミルウォーキー、P−Lバイオケミカルズ社)を
アーニングして、上記のようにDNA合成を開始させた
。その後、伸長フラグメントをゲル電気泳動で大きさに
より分離し、オートラジオグラフィーを行い、それより
フラグメントのヌクレオチド配列を推論した。 ジデオキシ塩基配列決定反応において、放射性標識とし
てデオキシアデノシン5′(α−〔35S〕チオ)トリ
ホスフェート(以後dATP〔α−35S〕と略す)を
用いた。また、アマーシャムハンドブックの36頁に記
載のゲルを使用せずに、6%ポリアクリルアミドゲル(
7M尿素、108mMトリス・ホウ酸〔pH8.1〕お
よび2mMEDTAを含む厚さ0.4mmの6%ポリア
クリルアミドゲル)を使用した。 上述のように、bIL−2−4cDNAのヌクレオチド
配列は第2図に示される。bIL−2遺伝子のコーティ
ング領域はヌクレオチド番号18(Met残基)からヌ
クレオチド番号482(Thr残基)まで伸びており、
成熟タンパク質はヌクレオチド番号78に対応するアミ
ノ残基(Ala)から始まる。ヌクレオチド配列から決
定された対応するアミノ酸をコドンの下に記載する。 実施例6 成熟bIL−2−4cDNAクローンからbIL−2遺
伝子のコーティング領域と3′側面領域の一部を分離し
、リンキングオリゴヌクレオチドを用いてプラスミドp
α3内に挿入して組換え発現プラスミド(pYαfBo
IL−2と命名)を作成し、それにより酵母宿主細胞内
でbIL−2を高レベルに発現させた。出発プラスミド
pα3は寄託番号53220としてATCCに寄託され
ている。第3図に示すように、pα3はプラスミドpB
R332に由来する複製開始点とAmpr耐性遺伝子を
含む(太線部分)。pYαfGM−2プラスミドはまた
2μサークルの複製開始点および形質転換酵母宿主(T
rp−栄養要求株)選択用のTrp■遺伝子を含む(第
3図の細線部分)。出発プラスミドはさらにbIL−2
の高レベル転写および分泌を支配する酵母α因子プロモ
ーターおよびリーダー配列および開始コドンATGを含
む(第3図の点描ボックス部分)。bIL−2配列(第
3図の斜線ボックス部分)は以下でさらに詳しく論じる
ように合成オリゴヌクレオチドの使用によりα因子配列
の下流(3′)末端に融合される。 pα3プラスミドはまた第3図に示すように接着Kpn
I5′および3′末端を有するリンキングオリゴヌクレ
オチド(中空ボックス部分)、および目的にcDNAク
ローニングフラグメントへ都合よく連結するための種々
の制限酵素切断部位(Pst■、Avr■およびNco
■部位を含む)を含む。pYαfBoIL−2プラスミ
ドを作るために、まず初めにpα3プラスミドを、例え
ばマニアチスらの上記文献に記載されるような標準方法
により制限酵素Kpn■およびNco■で消化した。生
成した大きい方のフラグメントは、マニアチスらの上記
文献(199)に詳述される方法を使ってアガロースゲ
ルによる電気泳動で単離した。この消化方法によって、
第3図に示すリンキングオリゴヌクレオチドの複数のク
ローニング部位の大部分がその大きい方のフラグメント
から除かれる。 マニアチスらの上記文献に記載されるような標準方法を
用いて、IL−2遺伝子のコーディング領域と3′側面
領域の一部、すなわちHgiA■(ヌクレオチド番号7
7)からSsp■と Ssp■制限酵素の使用によりbIL−2−4クローン
から分離した。生成した小さい方のフラグメントをT4
DNAポリメラーゼで処理して、5′HgiA■末端の
3′突出部分を除去した。Nco■リンカーを単離した
cDNAの3′末端に付加して、pα3ベクターのNc
o■部位内にcDNAフラグメントを連結できるように
した。組成:GGGCCATGGCCCのNco■リン
カーは、例えばマニアチスらの上記文献に記載されるよ
うな標準方法により、cDNAの3′末端に付加した。 その後、nco■リンカーをNco■制限酵素で消化し
て接着3′末端を生成させた。この455塩基対(bp
)のHgiA■−Nco■bIL−2フラグメントはア
ガロースゲルによる電気泳動にかけて精製した。 次に、上記のbIL−2cDNAフラグメントの5′末
端をpα3クローニングベクターに連結するために、リ
ンキングオリゴヌクレオチドを作成した。このオリゴヌ
クレオチドの組成は、下の表2および第3図に示すよう
に、Kpn■接着5′末端(その後にα因子プロセッシ
ング領域のAAA−AGAが続く)を含む。Alaをコ
ードするコドンGCAはα因子フロッシング部位の3′
側に位置し、成熟bIL−2遺伝子の第一コドンとして
役立つ。この第一コドンはHgiA■での消化、その後
に続くその3′突出部分の除去によりbIL−2cDN
Aから失われた。 表2 pYαfBoIL−2プラスミドを作るために、Kpn
■−Nco■消化pα3プラスミド、Kpn■−平滑末
端−Nco■bIL−2−4cDNAフラグメントを用
いて三通りの連結が行われる。 その他の標準的な組換えDNA技術を用いて同一の発現
ベクターを作成することができ、また上記の作成方法は
bIL−2cDNAフラグメントを調節してpYα5B
oIL−2ベクター内に挿入するために使用しうる多様
な方法のうちの非制限的な1つの例であることを理解す
べきである。さらに、bIL−2−4cDNAフラグメ
ントは酵母宿主内でのbIL−2の高レベル発現用のそ
の他の適切なベクターに挿入することができるだろう。 pYαfBoIL−2発現プラスミドを用いて、標準方
法により、Trp+形質転換細胞選択用のS.セレビシ
ェ(S.cerevisiae)酵母菌株79(α.T
rp1−1.Leu2−1)を形質転換した。形質転換
に先立って、菌株79は2×107細胞/mlの密度に
なるまでYEPD培地〔1%(w/v〕酵母エキス、2
%(w/v)ヘプトン、2%(w/v)グルコース〕中
で増殖させた。細胞を22℃、1000×gで5分間遠
心して収穫し、得られた沈殿物を減菌蒸留水で洗浄した
。 次いで、酵母細胞は1/10容量のSED(1Mソルビ
トール、25mMEDTA(pH8.0)、および50
mMジチオトレイトール)に再懸濁して、30℃で10
分インキュベートした。細胞−緩衝液混合物を300x
gで5分間遠心した。沈殿物を1/10容量の1Mソル
ビトールで1回洗い、細胞を1/10容量のSCE(1
Mソルビトール、0.1Mクエン酸ナトリウム(pH5
.8)、0.01MEDTA)に再懸濁した。細胞壁を
破壊する10−3容量のグルスラーゼをこの溶液に加え
、その後時折穏やかに撹拌しながら30℃で30分イン
キュベートした。スフェロプラストの存在は10μlの
酵母細胞を顕微鏡用スライドガラス上の5%(w/v)
SDS1滴中に希釈して、400倍の位相差顕微鏡で“
ゴースト”について観察することにより検定した。その
後、細胞混合物を300xgで3分間遠心した。得られ
た沈殿物を1/10容量の1Mソルビトールで2回洗浄
し、次にCaS(1Mソルビトール、10mMCaCl
2)中で1回洗浄した。 その後、酵母スフェロプラスミドはベッグズの上記文献
から適応させた方法を用いて、先に作成した発現ベクタ
ーで形質転換した。スフェロプラスト沈殿物を1/20
0容量のCaSに懸濁し、100μlのアルコートに分
けて1.5mlのエッペンドルフ試験管に加えた。次い
で、1〜10μlのプラスミドDNAを各アリコート(
0.5〜5μg)に加えた。この混合物を室温で15分
インキュベートし、その後各アリコートに1mlのPE
G(20%PEG4000、10mMCaCl2、10
mMトリス−HCl(pH7.4))を加えてDNAの
取込みを促進させた。室温で15分後、混合物を350
xgで5分間遠心した。得られた沈殿物は150μlの
SOS(10mlの2Mソルビトール、6.7mlのY
EPD培地、0.13mlの1MCaCl2、27μl
の1%トリプトファン、および3、7mlの水)に再懸
濁した。この混合物を平板に植えつける前に、選択平板
を37℃でプレインキュベートした。その後、18.2
mlのソルビトール、2g寒天、0.6gジフコ(Di
fco)酵母窒素塩基(アミノ酸不含)、2gグルコー
ス、0.1mlの1%アデニン、0.4mlの1%ウラ
シルおよび必要に応じてアミノ酸類を含む溶融した表面
寒天(45℃)3mlを形質転換細胞の各アリコートに
加え、その試験管内容物を選択培地上に注いだ。この平
板を30℃で2〜4日間インキュベートした。Trpマ
イナス培地に発生したコロニーはTrp1遺伝子をもつ
プラスミドを含んでおり、すなわちそれらは形質転換さ
れたものであった。 バイオアッセイに先立って、形質転換細胞は20〜50
mlのYEPD中30℃で定常期になるまで増殖させた
。細胞収穫時に、プロテアーゼ阻害剤のフッ化フェニル
メチルスルホニル(PMSF)およびペプスタチンAを
それぞれ1mMと10μMの最終濃度で加えた。その後
、細胞を400xgで遠心して除き、培地は0.45ミ
クロンのセルロースアセテートフィルター(ニューヨー
ク州コーニングのコーニング・グラス・ワークス社)に
通してろ過した。無菌上清は4℃で保存した。標的IL
−2依存性ウシ細胞を用いて検定したとき、得られた上
清は約1.3×106単位/mlのbIL−2活性を示
した。 実施例7 bIL−2の細菌宿主による発現 第2図に示すHgiAl(ヌクレオチド番号77)から
bIL−2遺伝子の3′側面領域中のPst■制限部位
(ヌクレオチド番号533)まで伸びるbIL−2遺伝
子のコーティング領域を発現ベクターに挿入して、大腸
菌によりbIL−2を発現させた。pLnbovIL−
2と命名したこの発現ベクター(第4図に示す)はプラ
スミドpPL−λ(ニュージャージー州ピスタウェー、
ファーマシア・ファインケミカルズ社、商品番号27−
4946−01)から作成された。プラスミドpPL−
λのゲノムはファージPLプロモーターとN遺伝子を含
有する。第4図に示すように、pPL−λプラスミドは
大腸菌内での高いコピー数のDNA複製のための複製開
始点(pBR322由来)、および形質転換した大腸菌
宿主を選択するためのアンピシリン耐性遺伝子(これも
プラスミドpBR322に由来する)を含む。pLNb
ovIL−2プラスミドは寄託番号53202としてA
TCCに寄託された。 pLNbovIL−2プラスミドは2つの工程で作成さ
れた。第4図に示すように、第一工程はpPL−λプラ
スミド(制限酵素Hpa■で消化)、合成オリゴヌクレ
オチドA、および挿入物DNAフラグメント(ヒトIL
−2cDNA遺伝子の一部を含む)を含んでいた。 ヒトIL−2遺伝子をコードするcDNAは、実施例3
で記載したように、制限酵素Pst■およびRsa■で
消化することによりヒトcDNAクローンから単離した
。次いで、このDNAフラグメントを、制限酵素Sma
■およびPst■で消化しておいたクローニングベクタ
ーpUC−8(ファーマシア・ファイン・ケミカルズ社
、商品番号27−4916−01)内に連結した。得ら
れたプラスミドをHgiA■とHind■で消化すると
、第1図のヌクレオチド番号66のHigiA■部位か
らpUC−8中のHind■部位(Pst■部位を4ヌ
クレオチド越える)まで伸びるヒトIL−2cDNA遺
伝子の部分を含むDNAフラグメントを単離することが
できた。その後の連結に先立って、IL−2遺伝子の3
′末端の5′突出部分を逆転酵素を使って修復した。 Hpa■で切断したpPL−λプラスミドは、平滑5′
末端とHgiAl−適合性3′末端を有するオリゴヌク
レオチドAと連結し、さらにHgiAl5′末端と平滑
末端化されたHind■末端を有する上記のヒトIL−
2cDNAフラグメントと連結した。 連結反応はマニアチスらの上記文献に記載されるように
、4μg/mlのプラスミドDNAを使用してベクター
対挿入物DNA対オリゴヌクレオチドのモル比1:20
:8で実施した。その後得られた組換えプラスミド(p
LNIL−2と命名)を用いてPLプロモーターの非耐
熱性大腸菌c■リプレッサーをコードする遺伝子をもつ
プラスミドpRK248c■ts(ATCC番号337
66)を含む大腸菌株(ATCC番号31343)を形
質転換した。この形質転換方法では、全連結混合物をコ
ンピテント大腸菌RR1(pRK248c■ts)に添
加した。混合物は氷上に30分放置し、次に30℃で4
分インキュベートし、L−培地にて30℃で1時間増殖
させた。その後形質転換宿主はテトラサイクリンおよび
アンピシリン、17μg/mlを含有するL平板上にま
いた。 次に、プラスミドpLNIL−2を第二工程で使用して
、第4図に示すプラスミドpLNbovIL−2を作成
した。pLNIL−2Xba■とStu■で消化するこ
とにより、ヒトIL−2のコーディング配列とオリゴヌ
クレオチドAの一部をpLNIL−2から単離した。(
Sつ1部位は第1図の位置番号500に依存する。)b
IL−2のコーティング領域を含む挿入物DNAは、制
限酵素HgiA■およびPst■で消化することにより
プラスミドbIL−2−4から単離した。単離したDN
Aフラグメントの両末端の3′突出部分はT4DNAポ
リメラーゼで消化して平滑末端とした。 Xba■およびStu■で消化pLNIL−2ベクター
、bIL−2挿入物DNA、および第4図のオリゴヌク
レオチドBを上記の工程1での連結反応において使用し
た相対濃度で連結させると、プラスミドpLNbov−
2が得られた。その後、得られた組換えプラスミドpL
NbovIL−2を用いて、上記方法により大腸菌株R
R1(pRK248C■ts)を形質転換した。 第4図に示すように、合成オリゴヌクレオチドBはbI
L−2遺伝子の効率のよい翻訳開始のために使用された
。オリゴヌクレオチドBの組成には切断したpLNIL
−2ベクターのXba■末端へ連結するためのXba■
接着5′末端、およびbIL−2DNAフラグメントの
5′末端へ連結するための平滑3′末端が含まれる。A
TG開始コドンおよびbIL−2遺伝子のN末端アラニ
ンをコードするヌクレオチドGCAはオリゴヌクレオチ
ドの3′末端に位置する。先に述べたように、オリゴヌ
クレオチドの中間配置は翻訳開始列から成る。オリゴヌ
クレオチドはソードらの上記文献およびヒロセらの上記
文献に詳述されるトリエステル法により化学的に合成さ
れた。しかしながら、オリゴヌクレオチドはホスホジエ
ステル法のような他の方法でも合成し得ることを理解す
べきである。 特に指定しない限り制限酵素による消化、連結反応、ア
ガロースゲル電気泳動によるDNAフラグメントの単離
、T4DNAポリメラーゼによる一本鎖DNA末端の消
化、および逆転写酵素による修復反応は全てマニアチス
らの上記文献に記載されるように実施した。 大腸菌株RR1(pRK248c■ts)内にpLNb
ovIL−2を含む培養物は、17μg/mlのアンピ
シリンおよびテトラサイクリンを含有するS.I.培地
〔32g/lトリプトンおよび20g/l酵母エキスを
補足したM−9培地(マニアチスらの上記文献)で30
℃、一晩増殖させた。その後、それらをアンピリシリン
不含S.I.培地で100倍に希釈し、600nmでの
吸光度が0.5になるまで増殖させ、42℃に4時間保
持して沈降を促進させた。培養物の1mlサンプルを4
℃で遠心して沈殿させ、ドライアイスとメタノールの混
合物にさらして凍結した。その沈殿物を150μlの7
M塩酸グアニジンに再懸濁し、ドライアイス/メタノー
ルで凍結した。その後、グアニジン抽出物の生物活性の
存在を上記のbIL−2検定法で確かめた。本発明者ら
はpLNbovIL−2プラスミドが10.2×106
単位/ml以上の生物活性を示すことを見出した。この
ことは第2図に示すcDNAがbIL−2遺伝子である
ことを裏付けるものである。 実施例8 酵母検出物またはグアニジン抽出物(例えば上記の実施
例6および7)からのrbIL−2は、ウオーターズ・
プレパラティブ・グラジエント・ジェネレーターを備え
たウォーターズLC500AプレパラティブHPLCク
ロマトグラフ〔LKB2238ユビコード■吸光度計(
LKBインスツルメント社)を用いて280nmでの吸
光度を監視する〕を使用するHPLC処理により均一に
精製した。発現されたrbIL−2を含む培地は約10
0ml/分の流量でウォーターズ・プレパック・カラム
(Waters PrePAK column;ウォー
ターズアソシエート社)に直接送った。このカラムは1
5〜20ミクロン粒径のバイダックC−4樹脂を装填し
、予め0.1%(v/v)TFAで平衡化した。約7l
の培地を1度にカラムにかけた。 このカラムに0.1%(v/v)TFA水溶液を流して
、280nmでの吸光度がLKB2238ユビコード■
吸光度計の使用により基線(培地添加前)値に戻るまで
非結合成分を洗い流した。結合タンパク質の溶離は0.
1%(v/v)TFA中0〜100%アセトニトリルの
直線勾配(1分当たり2%の勾配)を約100ml/分
の流量で流すことにより達成された。 1分ごとの分画を集め、先に詳述したIL−2依存性ウ
シ細胞株検定法により分析した。第5図に示すように、
意有な活性が分画10と11にあらわれた。これらの分
画のポリアクリルアミドゲル電気泳動は、有意な濃度の
rbIL−2が最初のHPLC法で得られるが、タンパ
ク質は均一に精製されていないことを示した。 最初のHPLC法から得られたbIL−2活性を示す分
画(分画番号10および11)をプールして緩衝液A(
0.9M酸性酸、0.2Mピリジン、pH4.0)で1
:2に希釈し、50ml/分の流量で、予め緩衝液Aお
よび20%緩衝液B(0.9M酸性酸中60%n−プロ
パノール、0.2Mピリジン、pH4.0)で平衡化し
た同じプレバックカラムに再度装填した。装填後、初め
に緩衝液Aでカラムを洗って非結合成分を除いた。次い
で、20〜80%勾配の緩衝液B(1分当たり1%の勾
配)を約15ml/分の流量で流してカラムからタンパ
ク質を溶離した。 2回目のHPLC法から1分ごとの分画を集め、上記の
バイオアッセイ、ポリアクリスアミドゲル電気泳動およ
びアンデンフレンド(Undenfriend)らのS
cience.178:871(1972)に記載のフ
ルオレサミンにより分析した。この分析から、第6図に
示すように、均一なrbIL−2は分画番号30〜32
に主としてあらわれた。また、rbIL−2は約16,
000ダルトンの分子量を有することが測定され、bI
L−2活性を示す分画に検出された唯一のタンパク質産
物であった。分画30〜32における活性の回収率は2
回目のHPLCカラムにかけたものの約86%であった
。 天然bIL−2は約20,000〜23,000ダルト
ンの分子量を有することが報告されている。ブラウン(
Brown)らのJ.Immunol,133:318
4(1985)参照されたい。第2図に示したbIL−
2をコードするcDNAから予測されるbIL−2の分
子量は約15,450ダルトンであり、これはポリアク
リルアミドゲル電気泳動分析により測定されたrbIL
−2の分子量と一致する。天然bIL−2と組換えbI
L−2との間の分子量の差は、第2図の位置番号70の
Asn残基に存在しうるN−結合グリコシル化部位のた
めでありうる。前述のことから、応答性T細胞の増殖を
誘起するために、rbIL−2はグリコシル化を必要と
しないように思われる。 均一なrbIL−2はアミノ酸組成について分析した。 精製産生物のサンプルはHCl(濃HClから再蒸留し
たもの;ニューヨーク州ロチェスター、コダック社)中
で24時間絶えず沸騰させることにより真空中で加水分
解した。加水分解後、サンプルを真空化で蒸発乾固し、
0.2Nクエン酸ナトリウム(pH2.2)に再懸濁し
た。このサンプルはアミノ酸残基を標準ニンヒドリン試
験で検出する単一カラムアミノ酸アナライザー(415
0型−アルファ;LKBインスツルメント社)に注入し
た。存在する個々のアミノ酸の量に対応する出力“ピー
ク”の面積は、LKB2220型記録積分器を用いて積
分した。アミノ酸組成の分析結果は上記のウシcDNA
から予測されたものと一致した。 2回目のHPLC法から得られた均一タンパク質はまた
標準方法でアミノ酸配列を決定した。 rbIL−2のサンプルを乾燥し、真空乾燥器にかけて
小容量となし、次いでアブライドバイオシステムズ74
0型Aシークエネーター(カリフォルニア州フォスター
シティー)および製造者により提供される試薬類とプロ
グラムを使用して自動化アミノ末端部分の最初の20残
基は、第2図のアミノ酸残基番号21〜41に記載され
るcDNAから予測されたアミノ酸配列と同じであるこ
とが見出された。タンパク質のアミノ酸配列分析法にお
いて、フェニルチオヒダントインアミノ酸はデュポンゾ
ルバック(DuPont Zorback)ODS4.
6mm×30cmカラムまたはIBM−シアノ4.5m
m×25cmカラムによる逆相HPLCを用いて同定し
た。 実施例9 nRNAの分析 ウシリンパ腺細胞から単離したvbIL−2mRNAの
発現は、bIL−2cDNAから誘導されたプローブを
用いるハイブリダイゼーションにより、ノザン法(No
rthern blot)により分析した。これに関し
て、ノザン法用の全RNAはConA刺激および非刺激
ウシリンパ腺細胞から、実施例1に記載のグアニジニウ
ムチオシアナネート法により単離した。RNAサンプル
はホルムアルデヒド(RNAを変性して、ゲル中を泳動
するRNAの速度がその分子量に比例するようにする)
を含む1.1%アガロースゲルでの電気泳動を行つて大
きさにより分別した。ホルムアルデヒド含有アガロース
ゲルによるRNAの標準的な電気泳動法はマニアチスら
の上記文献(202)に記載されている。 電気泳動後、ホルムアルデヒド変性RNAは標準方法(
例えばマニアチスらの上記文献203を参照)を使って
ナイロン膜(ハイボンド−N,アマーシャム社)に移行
させ、次いでグリーン(Green)らのCell,3
2,681(1981年3月)に記載の方法によりSP
6RNAポリメラーゼでin vitro転写された3
2P−標準RNAプローブとハイブリダイゼーションを
行った。32P−RNAプローブはpGEM−1ベクタ
ー(ウィスコンシン州マジソン、プロメガバイオテク社
)内でサブクローニングした第2図のbIL−2cDN
Aの434塩基対のRsa■からDra■まで(ヌクレ
オチド番号22〜506)のフラグメントから合成した
。ナイロン膜に結合したRNAはスターク(Stark
)の完全緩衝液;すなわち5×SSC;50mMKH2
PO4(pH2.5);1150μg/ml変性サケ精
子DNA;2×Denhardt溶液(0.04w/v
%フイコール、0.04w/v%BSA);0.1%S
DS;20mMNa2EDTA;および50w/v%ホ
ルムアミド中63℃で16時間標識RNAプローブ(1
06cpm/ml)とハイブリダイズさせた。ハイブリ
ダイゼーション後、フィルターを6×SSCで63℃、
2時間洗い、次に0.1×SSCで2時間洗い、その後
増感板を使用して−70℃で4時間オートラジオグラフ
ィーを行った。ソートラジオグラフィーの結果はCon
Aで刺激したリンパ腺細胞からの全RNA中に約1,1
00ヌクレオチドから成る強くハイブリダイズするバン
ドを示した。 しかし、ConAで刺激しなかったリンパ腺細胞からは
この種のバンドがあらわれなかった。ノザンプロット分
析の結果は、先に論じた末梢血液白血球から誘導された
rvIL−2の先に測定された生物活性のレベルと一致
する。 実施例10 ウシゲノム配列の分析 ウシゲノムDNA中のIL−2関連遺伝子の数を調べる
ために、標識bIL−2cDNAプローブはマニアチス
らの上記文献に詳述されるような標準方法により、ウシ
末梢血液白血球から単離したゲノムDNAのサザンプロ
ツトとハイブリダイズさせた。10μgのゲノムDNA
は比較的少ない頻度で切断することが予期される制限酵
素で消化した。プローブは第2図のウシcDNAの50
6bpフラグメント(ヌクレオチド番号1〜506)を
含んでいた。マニアチスrno上記文献(108)に記
載の標準方法により、このプローブをニツクトランスレ
ーシヨンで放射性標識した。ハイブリダイゼーシヨンに
先だつて、10μgのウシゲノムDNAは標準技法を用
いてBamHI,EcoRIまたはHindIIで完全
消化した。消化したウシDNAを適当な大きさのマーカ
ーと共に0.7%アガロースゲルによる電気永動で分画
化した。このアガロースゲルをサザンの上記文献に記載
の方法によりニトロセルロースフイルター上にブロツテ
イング(blotting)した。移行処理後、このフ
イルターを自然乾燥し、80℃で2時間ベーキングする
ことによりDNAフラグメントをニトロセルロースに固
定した。その後、固定したDNAを上記実施例4で説明
したように32P−標識cDNAプローブとハイブリダ
イズさせ、次に室温にて2×SSC,0.5%SDSで
洗い、さらに65℃にて0.1×SSC,0.5%SD
Sで45分間洗つた。自然乾燥後、フイルターを−70
℃でオートラジオグラフイーにかけ、そのオートラジオ
グラフイーはBamHI、EcoRIおよびHindI
Iで消化したウシゲノムDNAが単一のバンドであるこ
とを示した。これにより、IL−2遺伝子はウシゲノム
DNA中に単一コピー遺伝子として存在すると思われる
。 本発明の分野に習熟した者には明らかであるように、本
発明はその精神または本質的特徴から逸脱することなく
先に詳述したものとは別の形で具体化されうる。それ故
、上記の本発明の実施態様はすべての点において例示と
して解釈されるべきであつて、限定するものではない。 本発明の範囲は前述の実施例に制限されるものではなく
、むしろ特許請求の範囲に記載されるものである。
略す)に関し、より詳細にはヒトインターロイキン−2
(IL−2)の相補的デオキシリボ核酸(cDNA)か
ら誘導されタプローブを使用して、bIL−2mRNA
を含むウシメッセンジャーリボ核酸(mRNA)から合
成されたcDNAライブラリーをスクリーニングするこ
とによるbIL−2遺伝子のクローニングに関する。 従来技術 IL−2はリンパ球の反応性を調節することができ且つ
抗原特異的エフェクターTリンパ球の長期in vit
ro培養を促進(有機分裂誘発)することができる可溶
性タンパク質であって、過去においてマウス、ラットま
たはヒトのリンパ球細胞をマイトジエンで刺激すること
により産出された。 例えば、モーガン(Morgan)らのScience
.193:1007(1976)およびラセッティー(
Ruscetti)らのJ.Immunol.,119
:131(1997)は、プールした正常ヒトリンパ球
を、同じヒト由来の血清およびマイトジエン植物凝集素
(フイトヘマグルチニン;以降PHAと略す)を含有す
るロスウエル・パーク・メモリアル・インスチチュート
−1640培地(Roswell ParkMemor
ial Institute−1640medium;
以後RPMI−1640と略す)中で培養する方法を開
示した。 ギリス(Gillis)およびスミス(Smith)の
Nature,268:154(1977)は、ウシ胎
児血清(以後FCSと略す)を含むRPMI−1640
培養中で正常DBA/2マウス脾臓細胞をマイトジエン
コンカナバリンA(以後ConAと略す)で刺激したこ
とによるネズミIL−2の産生を報告した。 フアラー(Farrar)らのJ.Immunol.,
121:1353(1978)は、また正常マウス血清
(以後MMSと略す)を含む組織培養倍地中Com A
と共にインキュベートしたネズミ脾臓細胞からのIL−
2の産生を開示した。 ギリスらは熱失活FGS、ペニシリン−Gおよびゲンタ
マイシンを補足したRPMI−1640組織培養培地中
で培養したネズミおよびラットの脾臓細胞からのIL−
2の産生を報告した。ネズミおよびラットの脾臓細胞は
ConA、PHAおよびアメリカヤマゴボウマイトジエ
ン(pokeweedmitogen;以後PKMと略
す)を含む種々のマイトジエン類で刺激された。J.I
mmunol.,120:2027(1978)を参照
されたい。 IL−2はまたヒト末梢血液単核細胞を、同じヒト由来
の血清、ペニシリン、ゲンタマイシン、新しいL−グル
タミンおよびPHAを補足したRPMI−1640培地
中で培養することにより産生された。ギリスらのJ.I
mmunol.,124:1954(1980)を参照
されたい。 ギリスらのJ.Immunol.,125:2570(
1980)は熱失活FCS、2.5×10−5M2−メ
ルカプトエタノール、N−2−ヒドロキシ−ピペラジン
−XI1−2−エテン−スルホン酸(以後HEPESと
略す)緩衝液、ペニシリン、ストレプトマイシンおよび
新しいL−グルタミンを補足したMPMI−1640中
で培養したT細胞白血病及びリンパ腫細胞胞株、特にB
10.BRマウス由来の放射線誘発脾臓リンパ腫(LB
RM−33)からのIL−2の産生を明らかにした。こ
の培養物はConAおよびPHAを含む種々のマイトジ
エン類で刺激された。 これらのマウス、ラット及びヒト正常Tリンパ球から精
製されたIL−2は多様な生物活性:例えば(1)胸脾
細胞有糸分裂の著しい促進、ワトソン(Watoson
)らのJ.Exp.Med.,15:849(1979
)およびギリスらのJ.Immunol.,124:1
954(1980)を参照;(2)抗原特異的ヘルパー
またはキラーT細胞株の長期 in vitro 増殖
の促進、ギリスらのNature.268:154(1
977)およびワトソンのJ.Exp.Med.,15
0:1510(1979)を参照;(3)ヌードマウス
脾臓細胞の培養における細胞障害性Tリンパ球(以後C
TLと略す)反応性とプラーク形成細胞応答の誘発、ワ
トソンらの上記文献J.Exp.Med.,150:8
49およびギリスらの上記文献J.Immunol.,
1241954を参照;を保持することが見出された。 従って、IL−2が免疫応答を高揚して免疫不全T細胞
集団(ヌードマウス脾臓細胞)を正常レベルの細胞性/
体液性免疫に復帰させるのに有用であることを示してい
る。さらに、これらの結果はIL−2の産生および応答
が異常免疫の臨床診断の際に有用でありうる免疫学的機
能の重要なパラメーターであることを示唆している。そ
の上、ヒトIL−2が抗原特異的ヒト、マウスおよびラ
ットキラーT細胞のin vitro増殖を可能にする
事実は、検索物質としてのヒトIL−2の重要性を強調
するものである。 これらおよび類似の理由により、ヒトIL−2は現在ヒ
トの臨床上の治療薬材として評価されつつある。IL−
2は免疫機能の重要な調節剤であり、また家畜の治療と
りわけストレスにより誘発されたウシの免疫不全の場合
に有効でありうる。 ウシが放牧地への輸送または放牧地から飼育地への輸送
の際に受けるストレスはステロイドホルモンの産生を高
め、そのステロイドホルモンが免疫応答の低下へと導く
という仮説はしばしば認められている。動物が飼育地へ
到着するとき、それらは低下した免疫反応性ゆえに普通
の最近やウィルスの感染の犠牲になってしまう(普通の
状況下では動物はこの種の感染に対抗する能力を有する
)。 いろいろなタイプの上部気道感染症が発生しうる。 この“輸送熱”症候群の結果は、この状態の動物が食欲
を失い、体重減少を起こし、さらにこれらの一般に拒否
される疾患の原因となる感染因子がもとで死ぬことさえ
あるということである。ギリスおよび共同研究者は、数
年前に、ステロイドホルモン類がIL−2産生を減少さ
せるそれらの能力により免疫応答を劇的に低下させると
発表した。 実際に、ステロイド−抑制免疫応答にIL−2をin
vitro添加すると、免疫反応性が劇的に回復した。 これらの結果に基づいて、輸送熱症候群の治療における
IL−2の使用が、この症候群の排除をもたらし且つ輸
送により誘起される免疫不全の結果として失われる莫大
な金額の返還をもたらすであろうと示唆することは驚く
べきことでない。 都合が悪いことに、bIL−2の産生方法は十分に明ら
かにされていない。その上、天然bIL−2源はその治
療上の有効性を徹底的に研究するのに十分な量の均一な
IL−2を提供しうる利用可能な系であることを証明し
ていない。 比較的多量の均一なbIL−2を産生しうる1つの方法
は組換えDNA技術による。組換えDNA技術は、ひと
たび意図するタンパク質の遺伝子が単離および固定され
ると、そのタンパク質を経済的に産生するために開発さ
れた。タンパク質の産生に関するこの種の組換えDNA
技術の内容はScience vol.196(197
7年4月)中の編集および補助論文に説明されている。 しかしながら、この文献に論じられている組換えDNA
技術を利用するためには、まずbIL−2をコードする
遺伝子を単離しなければならない。 発明の概要 本発明によれば、bIL−2をコードする遺伝子がニッ
クトランスレーションされたヒトcDNAプローブを用
いてcDNAライブラリーから単離される。このプロー
ブはヒトIL−2のヌクレオチド配列の一部に対応する
合成オリゴヌクレオチドプローブの使用によりヒトcD
NAライブラリーから単離する。全ウシRNAは比較的
高レベルのbIL−2を産生することが知られているリ
ンパ腺細胞から抽出する。この全RNA抽出物からポリ
Aを含むmRNAを単離する。cDNAライブラリーは
ポリA+mRNAを逆転写酵素により逆転写することに
よって作成される。このDNAをDNAポリメラーゼ■
で二本鎖となし、これを適当なクローニングベクター内
に挿入する。得られた組換えクローニングベクターは適
当な宿主を形質転換するために使用される。 形質転換宿主を同定して、プールに分ける。これらのプ
ールから得られたプラスミドDNAは、放射性標識した
ヒトcDNAプローブとハイブリダイズさせる。プロー
ブに対して陽性の信号を与えるクローンのプールを同定
し、その推定上のプールをさらに分割してハイブリダイ
ゼーションによる検索を繰り返す。結局、bIL−2遺
伝子を含む単一の形質転換細胞が同定される。この形質
転換細胞からプラスミドDNAを調整し、DNAの塩基
配列決定により同定する。さらに、そのヌクレオチド配
列から対応するアミノ酸配列を決定する。bIL−2遺
伝子のコーディング領域は、成熟bIL−2を発現させ
るために、酵母と細菌の両方の発現系内にクローン化す
る。これらの発現系から得られた組換えvIL−2(以
後rbIL−2と略す)は、逆相高性能液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)法により均一になるまで精製する
。 その後、発現したタンパク質産物がbIL−2であるこ
とを調べるためにパイオアッセイを実現し、そしてrb
IL−2のアミノ酸組成とその配列について分析する。 発明の構成 bIL−2産生細胞源: 好ましくは、比較的高レベルのbIL−2を産生するこ
とが知られている細胞からcDNAライブラリー(bI
L−2をコードする遺伝子はこのライブラリーから検索
されるだろう)を作成する。 これらの細胞源にはウシT細胞組織(すなわちリンパ腺
または脾臓)が含まれる。 活性化されたウシ末梢血液もまたbIL−2分子の源と
なりうる。本発明において使用するために、例えばフイ
コールハイパーク(FicollーHypaque)遠
心法のような標準方法を使って全血液から単核細胞を分
離することができる。採取した白血球は、血清含有培地
中でT細胞マイトジエンの存在下にin vitro培
養することによって増殖させる。以下で説明するように
、本発明者らはマイトジエン刺激ウシ末梢血液細胞から
作成したcDNAライブラリーよりbIL−2遺伝子を
単離するのに成功した。 bIL−2産生細胞からのRNAの調製:チャーウィン
(Chirgwin)らのBlochemistry.
18:5294(1979)およびマニアチス(Man
iatis)らのMolecular Cloning
,aLaboratory Manual,コールド・
スプリング・ハーバー研究所、コールド・スプリング・
ハーバー、ニューヨーク(1982)に記載されるよう
な標準方法を使って、ウシIL−2産生細胞から全RN
Aを抽出する。 よく知られているように、細胞からRNAを抽出する場
合、抽出の初期段階の間中リボヌクレアーゼ(RNアー
ゼ)活性を最小限に抑えることが重要である。これを達
成するための1つの方法は、RNアーゼを含む細胞タン
パク質を、RNアーゼによるRNA加水分解の速度を超
える速度で変性することである。チャーウィンらの上記
文献およびマニアチスらの上記文献(196)の方法で
は、2−メルカプトエタノールのような還元剤と共にグ
アニジニウムチオシアネートを使用してタンパク質のジ
スルフイド結合を分解することにより、これを実施して
いる。RNAはフェノール/クロロホルム抽出、エタノ
ール沈殿または塩化セシウム沈降のような標準方法によ
りタンパク質から単離される。別法として、RNAは塩
酸グアニジンによる抽出およびそれに続くフェノール/
クロロホルム抽出によってタンパク質から分離すること
もできる。 次に、ポリA+mRNAを抽出タンパク質から分離する
。この分離操作を行うためにいくつかの技法が開発され
たが、1つの好適な方法はエドモンド(Edomond
s)らのProc.Natl.Acad.dci.,6
8:1336(1971)、アラブ(Aviv)および
レイダー(Leder)のProc,Natl.Aca
d.Sci.,69:1408(1972)およびマニ
アチスらの上記文献(197)に記載されるようなオリ
ゴ(dT)−セルロースカラムでポリA+mRNAをク
ロマトグラフ処理することである。オリゴ(dT)−セ
ルロースカラムは緩衝液で調製し、その後mRNAをそ
のカラムから溶離する。ポリA+mRNAの完全性はゲ
ル電気泳動により証明される。 mRNAからcDNAの調製: 先に調製および検定したmRNAに対応する二本鎖cD
NAのライブラリーは、逆転写酵素を使用する既知技法
により作成される。本発明に関連して使用しうる1つの
このような方法は、カプラー(Gubler)およびホ
フマン(Hoffman)のGene,25:263−
269(1983)により修正された。マニアチスらの
上記文献(230)に詳述される方法である。簡単に述
べれば、ポリA+mRNAが第一のcDNA鎖のための
プライマーとしてmRNAのポリA尾部にハイブリダイ
ズされたオリゴマーdTを使用することにより逆転写さ
れる。第二のcDNA鎖はDNAポリメラーゼ■、RN
アーゼHおよび大腸菌DNAリカーゼの酵素類を使用し
て合成される。この方法は、マニアチスらの上記文献記
載の標準的なcDNA合成法を単に使用する場合に必要
とされるS1ヌクレアーゼ(最初のcDNA鎖の3′末
端に形成されるヘアピンループの切断を媒介する)を排
除する。二本鎖cDNAは有利な手段によって分画化し
て比較的短いDNA鎖を除き、それにより小さなcDN
A分画のむだなクローンを避ける。 本発明によれば、mRNAから二本鎖cDNAを合成す
るために別の標準方法を使用し得ると理解するべきであ
る。1つのこのような別法はランド(Land)らのN
ucl.Acids Res.,9:2251(198
1)に開示されている。ランドらの方法では、ヘアピン
ループが第二cDNA鎖のプライマーとして使用されな
い。むしろ、第一cDNA鎖の3′末端にはターミナル
デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)
を使用してdCMP残基が付加される。これはポリーC
残基の3′尾部を生ずる。その後、第二鎖の合成が3′
尾部にハイブリダイズしたオリゴマーdGにより開始さ
れる。 この技法は、マニアチスらの方法においてヘアピンがS
1ヌクレアーゼで切断される場合に起こりうる第二cD
NA鎖の5′尾部の欠失部分を避けるのに役立つと言わ
れている。 cDNAのクローニング: 次に、二本鎖cDNAはクローニングベクター(このベ
クターは適合性の原核または真核宿主細胞を形質転換し
てそのベクターを複製するために使用される)に挿入さ
れる。その後形質転換細胞を同定し、その細胞からプラ
スミドDNAを単離する。 本発明を実施するために、種々のクローニングベクター
を使用することができる。好適なものはプラスミドであ
るが、ベクターはバクテリオファージまたはコスミドで
ありうる。クローニングが哺乳動物細胞内で行われる場
合は、ウィルスをベクターとして使用することもできる
。 プラスミドを使用する場合、それは天然源から得られる
か、もしくは人工的に合成される。選ばれた特定のプラ
スミドは意図する形質転換用宿主(例えば大腸菌のよう
な細菌、酵母またはその他の単細胞微生物)と適合すべ
きである。そのプラスミドは使用される個々の宿主細胞
のための適切な複製開始点をもつべきである。また、プ
ラスミドは形質転換宿主細胞を容易に見分けることがで
き且つ形質転換を受けない細胞から容易に分離できるよ
うに表現型特性をもつべきである。この種の表現型特性
には増殖阻害物質(例えば抗生物質)に対して耐性を与
える遺伝子が含まれる。テトラサイクリン、ストレプト
マイシン、サルファ剤、ペニシリンおよびアンピシリン
を含む種々の抗生物質に対する耐性遺伝子をコードする
プラスミドは市販されている。 宿主細胞として大腸菌を使用する場合、本発明に関連し
て使用できる多数のクローニングプラスミドが市販され
ている。本発明の実施にとって好適なプラスミドはpB
R322である。このプラスミドはサトクリフ(Sut
cliffe)のCold SpringHarbor
Symp.Quant.Biol.,43:77(1
979)に記載されるように、その塩基配列が完全に決
定されている。このプラスミドの利点は、それがアンピ
シリン耐性遺伝子中のPst■部位を含めて11個の特
異な既知制限部位を有するということである。この特徴
はホモポリマー付加法(homopoly−mer t
ailing method)によってクローニングす
る際に特に有用である。 プラスミドの代わりにバクテリオファージを使用する場
合、この種のファージはプラスミドの選択に関して先に
示した特徴と実質的に同じ特徴をもつべきである。それ
には表現型マーカーおよび外来遺伝子結合用の連結可能
な末端の存在が含まれる。 好ましくは、本発明において、平滑末端を有する二本鎖
cDNAがホモポリマー付加によってプラスミドベクタ
ー内に挿入される。当分野でよく知られているように、
この技法では相補的ホモポリマーがcDNA鎖とプラス
ミドDNAに付加される。その後、ベクターと二本鎖c
DNAは相補的ホモポリマー尾部間の水素結合により一
緒に結合して、大腸菌のような宿主細胞を形質転換しう
る開環状ハイブリッド分子を形成する。 ホモポリマー付加の1つの方法では、約50〜150個
のdAヌクレオチド残基を線状化プラスミドDNAの3
′末端に付加する。同じ数のdTヌクレオチド残基を二
本鎖cDNAの3′末端に付加し、その後cDNAとプ
ラスミドを一緒に結合する。 別の好適な方法では、適当な制限酵素で切断したクロー
ニングベクターの3′末端にdG尾部を付加する。例え
ば、pBR322プラスミドを使用する場合、制限酵素
Pst■を用いてアンピシリン耐性遺伝子のところでそ
のプラスミドを消化する。 相補的dC尾部を二本鎖cDNAの3′末端に付加し、
その後適当なアニーリング緩衝液を用いてそのcDNA
をプラスミド内に挿入する。 二本鎖cDNAはその他いろいろな標準方法によりプラ
スミドクローニングベクター内に挿入しうると理解すべ
きである。1つのこのような別法には、DNAリカーゼ
の使用により合成ヌクレオチドリンカーをcDNA鎖の
両末端に結合されると、同じ制限酵素で切断したプラス
ミド内に挿入しうる接着末端が生ずる。シエラー(Sc
he−ller)らのScience,196:177
〜180(1977);マニアチスらの上記文献(21
9)を参照されたい。 上記のように作成した組換えDNAプラスミドを使用し
て宿主細胞を形質転換する。宿主は適当な原核または真
核細胞のいずれであってもよいが、好ましくはそれは大
腸菌や酵母菌のようなよく知られた細菌である。この種
の宿主は容易に形質転換され、速やかに培養下で増殖す
ることができる。 サルモネラ菌や締炎菌のような他の種類の細菌を大腸菌
の代わりに使用してもよい。細菌の代わりに、例えば真
菌や藻類のような他の単細胞微生物を使用することもで
きる。どんな宿主が選ばれようと、それは組換えプラス
ミドを切断する制限酵素を含むべきでない。 大腸菌を宿主として使用する場合、好適な菌株はMM2
94およびRR1である。プラスミドベクターによるM
M294宿主の性質転換法はよく知られており、マニア
チスらの上記文献(255)およびハナハン(Hana
han)のJ.Mol.Biol.,166:557(
1983)に記載されている。プラスミドベクターによ
るRR1宿主の形質転換法もボリバー(Bolivar
)らのGene.2:95(1977)およびピーコッ
ク(Peacock)らのBiochem.Bioph
ys.Acta.,655:243(1981)に記載
されるように公知である。適切な宿主となり得るその他
の大腸菌株にはDH1(米国20852メリーランド州
、ロックヒル、パークローンドライブ12301、アメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクション〔ATTC
〕寄託番号33849)およびC600が含まれる。こ
れらの菌株およびMM294およびRR1は広く商業的
に入手できる。 マニアチスらの上記文献およびハナハンの上記文献に記
載される方法を含めた形質転換法において、実際に形質
転換される宿主細胞は、その細胞によるプラスミドの取
込みが制限されるために、ほんの一部の細胞に限られる
。形質転換された細胞は、適当な培地および抗生物質の
ような表現型同定剤を含む寒天平板上でその細胞培養物
を培養することにより同定し得る。適当な耐性遺伝子(
例えば抗生物質耐性遺伝子)を有する細胞のみが生き残
るであろう。組換えpBR322プラスミドを用いて大
腸菌株MM294を性質転換する場合、形質転換細胞は
表現型同定剤としてテトラサイクリンを使用することに
より同定し得る。 放射性標識cDNAスクリーニングプローブの調製: 上記のようにして作成したウシcDNAライブラリーを
スクリーニングするために、プローブとしてヒトIL−
2をコードする遺伝子の大部分のヌクレオチド配列に対
応する700塩基対(bp)から成る放射性標識DNA
フラグメントが使用される。このプローブはヒトIL−
2のヌクレオチド配列の一部に対応する放射性標識され
た合成オリゴヌクレオチドプローブを用いてヒトcDN
Aライブラリーから単離する。 本発明のスクリーニング法において使用するcDNAプ
ローブを単離するために、まず初めに上記方法を使って
ヒトmRNAからヒトcDNAライブラリーを作成する
。mRNAはIL−2を産生することが知られているヒ
ト細胞株から抽出される。この種の細胞株にはT白血病
細胞株ジャーカット(Jurkat)またはそのクロー
ンのような種々のT細胞株が含まれる。この細胞株およ
びそのクローンは米国および外国の研究者により広く使
用されており、商業的にまたはATCCから入手可能で
ある。ヒト細胞に由来する全RNAは、例えば2−メル
カプトエタノールと共にグアニジニウムチオシアネート
を使用するような上記標準方法により抽出できる。その
後、ホリA+mRNAをオリゴ(dT)−セルロースに
よるクロマトグラフィーを使って抽出タンパク質から分
離する。 ヒトmRNAに対応する二本鎖cDNAのライブラリー
は、先に論じたように、鋳型としてmRNAを使用して
第一のcDNA鎖を形成するために逆転写酵素を使用す
ることにより作成される。次に、酵素DNAポリメラー
ゼ■および鋳型として第一鎖を使用して第二cDNA鎖
を合成する。この二本鎖cDNAはベクター複製用の適
合性宿主細胞を形質転換するためのクローニングベクタ
ー内に挿入される。好ましくは、そのベクターは多数の
特異な制限部位をもつプラスミドpBR322のような
プラスミドから成る。mRNAから合成されたcDNA
は、上記のようなホモポリマー付加によりこのプラスミ
ド内に挿入することができる。その組換えプラスミドを
用いて、大腸菌株のような適合性宿主を形成転換する。 もちろん、その他の適当な宿主も使用できる。組換えプ
ラスミドにより形質転換された宿主細胞は、抗生物質の
ような標準的な表現型同定剤により同定される。 ヒトcDNAライブラリーをスクリーニングするための
プローブとして、放射性標識されたオリゴヌクレオチド
が合成される。ヒトIL−2をコードする遺伝子のアン
チセンス鎖の一部から誘導されるプローブは次の組織:
5′−AA TGT GAGGAT CCT GGT
GAG−3′を有する。このプローブは第1図に示すセ
ンス鎖であり、比較的容易に合成しうる短鎖であるがヒ
トIL−2遺伝子のプローブとして役立つ十分な情報を
含む長さであるという利点を有する。しかしながら、プ
ローブの組成は本発明の範囲または精神の他の部分に対
応し得ると理解すべきである。 合成オリゴヌクレオチドプローブは、ホスホジエステル
法またはトリエステル法のような公知技法により科学的
に容易に合成される。トリエステル合成法の詳細は例え
ばソード(Sood)らのNucl.Acids Re
s.,4:2557(1977)およびヒロセ(Hir
ose)らのTet.Lett.,28:2449(1
978)に記載されている。合成後、オリゴヌクレオチ
ドプローブはT4ポリヌクレオチチドキナーゼおよび3
2P−ATPで標識される。標準的な標識方法はマニア
チスらの上記文献(122)に記載されている。有利に
は、0H5′末端を有するオリゴヌクレオチドプローブ
を合成することにより、一般に必要とされるホスファタ
ーゼ法を避けるのが望ましい。 ヒトcDNAライブラリーは、実施例3および4に詳述
される放射性標識合成プローブを用いてスクリーニング
する。その後、そのスクリーニング法によって固定され
た特定の陽性コロニーからプラスミドDNAを調製する
。 ヒトプラスミドDNAは以下で論ずるチェインターミネ
ーション法(Chain−terminationme
thod)によりその塩基配列を決定する。その塩基配
列決定の結果から、第1図に示すように、単離したプラ
スミドDNAは実質的にヒトIL−2遺伝子の完全なコ
ーディング領域を含むことが判明した。 単離したヒトプラスミドDNAの実質的全長が、ウシc
DNAライブラリーをクリーニングするためのプローブ
として選ばれた。比較的大きいサイズのプローブ(30
0〜500bpの範囲)は、IL−2をコードしないc
DNAフラグメントよりもむしろIL−2を実際にコー
ドするcDNAとハイブリダイズする可能性を一般に高
める。以下で詳述するように、このプローブの使用によ
り、cDNAライブラリーからbIL−2遺伝子を単離
するのに成功した。ヒトプラスミドDNAフラグメント
のヌクレオチド配列の他の部分に対応するプローブも、
本発明の精神または範囲を逸脱することなく使用し得る
と理解するべきである。 ヒトcDNAプローブは、ウシcDNAライブラリープ
ールとハイブリダイズさせる前に放射性標識される。プ
ローブのサイズが比較的大きいために、いろいろな標識
方法を使用し得るが、好ましくは“ニックトランスレー
ション”でそのプローブを標識する。リグビー(Rig
by)らのT.Molec.Bio.,113:237
(1977)およびマニアチスらの上記文献(108)
に記載されるように、この公知技法では、DNアーゼ■
での非常に制限された処理によりDNAの広く分離され
た部位にニックが導入され、それによって各ニックに遊
離の3′−OH基が生じる。DNAポリメラーゼ■を使
用して3′−OH末端に適当な放射性標識デオキシヌク
レオチド三リン酸(32p−dNTP)を取り込ませ、
同時にニックの5′側からヌクレオチドを分解してDN
Aに沿ってニックの逐次移動(ニックトランスレーショ
ン)を生じさせる。 cDNAライブラリーのスクリーニング:本発明のスク
リーニング法において、形質転換細胞は初めに約250
0個の形質転換細胞から成る比較的大きなグループにプ
ールされる。複製されたプラスミドは、アルカリ溶菌の
ようないくつかの公知方法のいずれかによって形質転換
細胞から抽出する。抽出したプラスミドはPst■で切
断する。得られたDNAフラグメントをアガロースゲル
での電気泳動により分画化し、次いでサザン(Sout
hern)のJ.Mol.Biol.,98:503(
1975)に記載されるサザンプロッティング法により
直接分析する。サザンブロッティング法でニトロセルロ
ースフィルターに固定したDNAフラグメントは、標識
したDNAプローブとハイプリダイズさせる。プローブ
とハイブリダイズする特定のDNAフラグメントはオー
トラジオグラフィーで同定する。 オートラジオグラフィーにより強いハイブリッド形成バ
ンドを示すクローンの推定上のプールは、約500個の
形質転換細胞から成るグループにさらに分割し、その後
標識ネズミcDNAプローブを使って上記のハイブリッ
ド形成スクリーニングを繰り返す。クローンの推定上の
プールを分割して形質転換細胞をスクリーニングするこ
の方法は、所望のプールの大きさが得られるまで繰り返
す。 その後、標識プローブとハイブリダイズする単一の形質
転換細胞が、グルンスタイン(Grunstein)お
よびホグネス(Hogness)のProc.Natl
.Acad.Sci.(USA),72:3961(1
975)に記載のよく知られたコロニーハイブリダイゼ
ーション法により同定される。この方法によって、本発
明者らは1つのこのような陽性コロニーを発見した。B
−IL−2−4と命名したプラスミドDNAはこの特定
コロニーから得られる。 スクリーニングしたcDNAの同定: 上記のプラスミドDNAは標準チェインターミネーショ
ン法によりその塩基配列を決定する。ヌクレオチドのこ
の塩基配列決定法はサンガー(Sanger)らのPr
oc.Natl.Acad.Sci.(USA)、70
:5463(1977)に初めて開示された。米国特許
第4322499号を参照されたい。 チェインターミネーション塩基配列決定法は、M13ク
ローニングおよびシークエンシングと題するAmers
ham Handbook(以後AmershamHa
ndbookと略す)。プレンハイム・クレセント、ロ
ンドン(1983);メッシング(Messing)の
Recombinant DNA Technical
Bulletin,NIH Publication
No。79−99,2,43−48(1979);ノ
ランダー(Norrander)らのGene,26:
101(1983);セレッチ(Cerretti)ら
のNucl.Acids Res.,11:259(1
983)およびビギン(Biggin)らのProc.
Natl.Acad.Sci.(USA).80:39
63(1983)に記載されている。M13線維状ファ
ージをベクターとして使用して対象のDNA配列をクロ
ーニングする。これらのファージベクターはチェインタ
ーミネーション法で簡単に塩基配列を解析できる一本鎖
DNA鋳型を与え、このチェインターミネーション法は
一本鎖鋳型分子に遊離3′−OH基を有する短いプライ
マー鎖を結合し、次にDNAポリメラーゼ(クレノウフ
ラグメント)および4種類のデオキシリボヌクレオチド
三リン酸、すなわちdATP、dNTP、dGTP、お
よびdTTP(集合的にdNTPと記す)(dNTPの
うち1種は放射性標識される)を使用するチェインエク
ステンション反応(鎖伸長反応)により鋳型鎖をコピー
する。この合成反応では、3′−OH末端を欠くヌクレ
オチド特異的チェインターミネーター、例えば2′、3
′−ジデオキシヌクレオチド三リン酸(ddNTP)を
使用して、様々な長さの一連の鎖伸長DNAを合成する
。このターミネーターは伸長するDNA鎖中に取込まれ
るように普通の5′末端をもつが3′−OH末端を欠い
ている。ひとたびターミネーターがDNA鎖に取り込ま
れると、これ以上のデオキシヌクレオチド三リン酸は付
加されず、それによりDNA鎖の伸長が停止する。 4つの別々の合成反応を実施し、各反応は4種のヌクレ
オチドdNTP(すなわちdATP、dCTP、dGT
PおよびdTTP)のうち1種は放射性標識され、こう
して合成鎖はポリアクリルアミドゲルで大きさにより分
別した後オートラジオグラフィーを行うことができる。 4つの反応から得られた鎖伸長DNAは、オートラジオ
グラフィーからのフラグメントのパターンがクローン化
DNAの核酸配列に対応するように、別々のゲルレーン
に相並べて配置する。 第2図は先に作成したB−IL−2−4プラスミドDN
A中に含まれるbIL−2遺伝子のヌクレオチド配列を
示す(ヌクレオチドはその5′末端の始めから番号を付
けてある)。遺伝子の対応するアミノ酸組成も第2図に
示されており、アミノ酸残基は遺伝子のコーティング領
域の始め(ヌクレオチド番号18)から番号を付けてあ
る。成熟タンパク質は星印を付けた21位のAla残基
(ヌクレオチド番号68)から始まり、155位のTh
r残基(ヌクレオチド番号482)まで延びている。 塩基配列決定法では、DNA挿入物を含むプラスミドD
NAをM13ファージベクターにサブクローニングして
一本鎖DNA鋳型を作る。共通のプライマーを用いてセ
ンス鎖とアンチセンス鎖の塩基配列を決定する。単一の
チェインターミネーション法を用いて全長フラグメント
の塩基配列を決定することから得られた結果をあてにす
るより、むしろ追加の合成プライマーを使用して、サブ
クローン化DNAフラグメントの長さの中間位置からチ
ェインターミネーション法を開始する。この合成プライ
マーの組成は共通のプライマーを使用して得られた塩基
配列の情報に基づいていた。この方法によって、サブク
ローン化DNAフラグメントの両鎖は重複する形でその
塩基配列が決定されるので、その塩基配列を二重に確か
めることができる。 上記のチェインターミネーション法を使用せずに、その
他の既知方法を使って、本発明の精神または範囲から逸
脱することなくクローン化ウシcDNA挿入物の塩基配
列を決定することもできると理解するべきである。例え
ば、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA
)。74:560(1977)に記載されるようなマク
サム(Maxam)およびギルバート(Gilbert
)の化学的分解法を使用することができる。 cDNAクローンからの機能的bIL−2の発現: プラスミドbIL−2−4に含まれるbIL−2遺伝子
のcDNAコーティング領域が機能的bIL−2をコー
ドするかどうか調べるために、遺伝子を酵母および細菌
の発現系にて発現させ、その後IL−2依存症ウシT細
胞の増殖を維持するその能力について試験する。 酵母系による発現 bIL−2遺伝子の実質的に完全なコーティング領域の
cDNAフラグメントは、bIL−2の成熟体を酵母宿
主細胞から合成および分泌させるようにデザインされた
発現ベクター(第3図参照)内に挿入する。発現ベクタ
ー、例えばベクターpYafBoIL−2は複製開始点
およびアンピシリン耐性遺伝子(Ampr)を含むプラ
スミドpBR322由来の配列を含む(第3図の太線部
分)。また、発現ベクターは好ましくは酵母由来の配列
、例えば選択マーカーとしてのトリプトファン−1遺伝
子(Trp−1)および2μ酵母の複製開始点を含む(
第3図の細線部分)。理想的には、発現ベクターはさら
に効果的プロモーターとしての酵母α因子(例えば第3
図の点描ボックス部分)、および酵母宿主内でGM−C
SFを合成/分泌させるリーダー配列を含み、このリー
ダー配列の後にbIL−2のコーティング領域の配列(
斜線ボックス部分)が続く。α因子遺伝子の構造はカー
ジャン(Kurjan)およびハーコビッッ(Hers
kowitz)のCell.30:933−943(1
982)に論じられている。 その後発現プラスミドでサッカロミセス・セレビシェ(
Saccharomyces cerevisiae)
の適当な歯株を形質転換する。好適な歯株には酵母菌株
79、X2181−1B、DBY746、YNN282
、20B−12、XV2181が含まれるが、これらに
限定されない。これらの菌株はすべてα因子プロモータ
ーと適合性であるために、およびTrp1、Lrp+形
質転換細胞を選択するためにα、Trp1、Leu2を
含む。これらの菌株は広く入手可能であり、例えば菌株
79は94702カリフォルニア州バークレー、カリフ
ォルニア大学、生物物理学および医療物理学部、酵母遺
伝子貯蔵センター(YaastGenetic Sto
ck Center)から入手できる。 bIL−2遺伝子を含む組換え体発現プラスミドによる
酵母宿主の形質転換は、よく知られた方法(スフェロプ
ラストを作り、洗浄し、その後プラスミドを取込ませる
)に従って行われる。この方法の標準的手法は確立され
ている。ベッグス(Beggs)のNature(Lo
ndon).275:104(1978)およびヒンネ
ン(Hinnen)らのProc.Natl.Acad
.Sci.(USA),75:1929(1978)を
参照されたい。 酵母培養物の上清はIL−2依存性ウシT細胞の増殖を
維持するそれらの能力において、酵母上清は比較的高レ
ベルのbIL−2配列を含まないプラスミドで酵母宿主
を形質転換した。検定の際に、対昭プラスミドから誘導
された上清からは生物活性が全く検出されなかった。 細菌宿主による発現 bIL−2遺伝子の実質的に完全なコーディング領域の
cDNAフラグメントはまた、bIL−2の成熟体を細
菌宿主細胞から合成させるようにデザインされた発現ベ
クター内に挿入される。好ましくは、本質的でないが、
細菌細胞による発現の為に使用するプラスミドはλファ
ージPLプロモーターを含む。相応して、理想的には細
菌宿主例えば大腸菌はPL転写の非耐熱性c■リプレッ
サーを含む。さらに、大腸菌を宿主として使用する場合
、好ましくは発現ベクターは高いコピー数のDNA複製
のために複製開始点(例えばプラスミドpBR322由
来)を、そして形質転換された大腸菌宿主の有利な選択
のためにアンピシリン耐性遺伝子(Ampr)(これも
プラスミドpBR322由来)を含む。これらの条件を
満たす発現ベクターの例にはプラスミドpPL−λ(フ
ァーマシア・ファイン・ケミカルズ社、商品番号27−
4946−01)およびプラスミドpPLc28(AT
CC寄託番号53082)が含まれる。 bIL−2の発現レベルを高めるために、bIL−2c
DNAから上流に非常に効果的な合成翻訳開始配列が使
用される。同じ翻訳開始配列がヒトIL−2の発現のた
めに使われた。マーキーズ(Marquis)らのJ.
Cell.Supple−ment,9B:221(1
985)を参照されたい。 高レベル翻訳開始配列は下記表1に記載の合成オリゴヌ
クレオチドに組込まれる。この合成オリゴヌクレオチド
はソード(Sccd)らの上記文献およびヒロセ(Hi
rose)らの上記文献に詳述されるトリエステル法、
またはホスホジエステル法により合成される。 表1 表1に示すように、合成オリゴヌクレオチドは接着Xb
a■−5′末端および開始コドンATGと成熟bIL−
2タンパク質の最初のアミノ酸残基Alaをコードする
配列を含む平滑3′末端を有するように合成される。X
ba■制限部位とMet開始コドンとの間のオリゴヌク
レオチドの中間部分は、翻訳開始配列から成る。オリゴ
ヌクレオチドの5′末端および中間部分は、オリゴヌク
レオチドがbIL−2遺伝子と共に連結される予定の特
定プラスミドの構成と適応する様々な組成のものであり
うると理解すべきである。 bIL−2遺伝子含有発現ベクターによる細菌宿主の形
質転換後、熱誘発の際に、bIL−2の高レベル発現が
以下に詳述するbIL−2依存性細胞検定法により確か
められた。酵母および細菌の両宿主により発現された組
換えDNA産物の高検定レベルは、第2図に示す本発明
者らにより単離された遺伝子がbIL−2遺伝子と一致
することを裏付けるものである。 rbIL−2の精製: 酵母および細菌宿主の発現系で産生されたrbIL−2
はHPLCで精製する。本発明において使用するHPL
Cカラムは、好ましくはタンパク質rbIL−2と共に
最適に使用される十分な大きさの細孔径(すなわち約1
5〜20ミクロンの細孔径)を有する逆相のオクタデシ
ル結合シリカカラムである。 本発明の実施に際して使用するのに適した逆相HPLC
カラムは市販品である。好適なカラムにはメイン州ミル
フォード、ウォーターズ・アソシエート社から市販され
ているカラムのプレパック(PrepPAK(R))、
ラジオパック(radio pak(R))およびポラ
シル(Porasil(R))の系列が含まれる。 好適なカラム充填材料はシリカゲルの表面に、例えばシ
ロキサン(ケイ素−酸素−ケイ素)によって共有結合さ
れた、オクタデシルシラン基を含む。 このタイプの充填材料の例はバイダック(Vydac(
R))C−4)(カリフォルニア州ヘスペリア、セパレ
ーショングループ)である。 カラムにかける前に、発現抽出物は必要に応じて希釈し
、またカラムは例えばトリフルオル酢酸(TFA)、ヘ
プタフルオル酪酸(HFBA)または酢酸から成る適当
な緩衝溶液で平衡化する。 HPLCカラムからのタンパク質の溶離は当分野でよく
知られた方法により行われる。カラムから結合タンパク
質を取り出す適当な溶離法には、例えばTFA、HFB
Aまたは酢酸中のアセトニトリルまたはN−プロパノー
ル緩衝液の線状勾配の使用が含まれる。アセトニトリル
を溶離剤として使用する場合、好適な勾配は約0.05
〜2%TFA中0〜100%(V/V)アセトニトリル
から成り、1分当たり約1〜3%アセトニトリルの割合
でカラムに加えられる。溶離剤がN−プロパノール緩衝
液である場合、好適な組成は0.9M酢酸および0.2
Mピリジン(pH4.0)中約60%(V/V)N−プ
ロパノールである。この緩衝液溶離剤の好ましい勾配範
囲は0〜100%、より好ましくは20〜80%である
。 溶離されたタンパク質は当分野でよく知られた検出系で
都合よく監視することができる。例えば、スタイン(S
tein)およびモシエラ(Moschera)のMe
th.Enzymol.,78:435(1981)に
配される自動蛍光検出装置が使用される。また、HPL
Cカラムから回収された分画の相対的タンパク質度は、
280nmの波長で紫外線分光光度計により溶離物質の
吸光度を測定して決定し得る。適当な自動紫外線吸収検
出装置は市販品である。例えばそれらは英国ケンブリッ
ジのLKBインスツルメント社から市販されている。 回収されたHPLC分画の生物活性は、以下で説明する
bIL−2依存性T細胞増殖検定により分析される。分
画はまたゲル電気泳動により分析される。 十分なタンパク質精製が最初のHPLC法で達成されな
い場合、同じカラムまたは別のカラム(例えば、異なる
組成または形の支持材料もしくは異なる化学組成の結合
相材料を有する充填材料を使用するカラム)の使用によ
り精製を繰り返すことができる。さらに、同一かまたは
異なる種類の溶離剤を使用してもよい。 十分なタンパク質精製が2回目のHPLC法で得られな
い場合、均一性が達成されるまで3回またはそれ以上の
HPLC法を使用することができる。本発明者らは、C
14結合相およびアセトニトリル溶離を使用する最初の
HPLC処理がrbIL−2の実質的精製をもたらすが
、タンパク質産物は均一に精製されていないことを見出
した(第5図参照)。しかしながら、上と同じカラムを
使用するが遊離剤としてN−プロパノール/酢酸/ピリ
ジンを使用する2回目のHPLC処理の後に、約160
00ダルトンの分子量を有する均一なbIL−2が単一
分画に回収された。 本発明の均一なrbIL−2の活性は、上記のHPLC
分画化の際に使用した有機緩衝液(TFA/アセトニト
リル)または(ピリジン/酢酸/プロパノール)中に4
℃で保存したとき、少なくとも六ヶ月安定であることが
わかった。 アミノ酸分析: rbIL−2の均一性が達成されたために、本発明者ら
はこの組換えタンパク質産物のアミノ酸組成およびN−
末端部分のアミノ酸配列を解析することができた。この
情報は、発現産物が天然産物と同じ組成であり且つ発現
産物がrbIL−2cDNAの分析から推定されたアミ
ノ酸組成及び配列と一致することを確かめるのに有用で
ある。 上記のように調製した本発明の均一rbIL−2のサン
プルは、例えばニンヒドリンまたは気相検出を使用する
自動分析装置により、アミノ酸の組成と配列について分
析することができる。この種の装置は市販品であり、例
えば英国ケンブリッジのLKB社(4150型アルファ
)またはアブライド・バイオシステム社(470A型)
から入手できる。これらの分析により、本発明者らは、
rbIL−2のアミノ酸組成がrbIL−2bDNAか
ら推定される対応配列(すなわち第20残基がDNAか
ら推定される対応配列(すなわち第2図のアミノ酸残基
番号21〜41)と同じであることを見出した。 治療用途: 先に述べたように、本発明に従って産生されたrbIL
−2はウシやその他の動物の感染病、例えば乳房炎、呼
吸器および胃腸症候群、ならびに一般的寄生虫感染症を
治療するのに使用される。本発明者らはrbIL−2の
比活性が約4.5×104単位/μg(タンパク質)で
あることを確かめた。 動物の病気を治療するためのrbIL−2の好ましい投
与量は1回の用量あたり約104〜108単位/kg(
動物の体重)の範囲である。0.1〜10mg(理想的
には約5〜6mg)の用量でのrbIL−2治療は、1
200ポンドの雄牛におけるT細胞媒介機能を回復させ
ることが期待される。治療上有効であるためには、rb
IL−2を多数回投与することが必要であると思われ、
このことも本発明の範囲に含まれる。 rbIL−2は非経口または径皮を含めた慣用方法で投
与される。非経口投与のために、ゴマ油や落花生油、も
しくは水性プロピレングリコール中のrbIL−2の溶
液剤が使用され、同様に蒸留水、血清アルブミン、リン
ゲル液、ハンク液などの無菌、無毒性、非アレルギー溶
液剤も使用できる。この種の溶液剤は必要に応じて適当
に緩衝液化され、その液体希釈剤は初めに十分な塩類ま
たはグルコースで等張化される。これらの特定の水性溶
液剤は静脈内、筋肉内または皮下注射に特に適している
。これらの種々の無菌水性媒体はすべて当分野でよく知
られた標準的手法により容易に調製することができる。 bIL−2活性の検定 先に示したように、酵母及び細菌の発現系からの発現産
物はIL−2依存性ウシT細胞により検定される。この
種の検定法に関する細部はベーカー(Baker)およ
び(Knoblock)のVet.Immunol.I
mmunopath,3:381(1982);ミラー
エッジ(Miller−Edge)およびスプリッター
(Splitter)のVet.Immunol.Im
muno−path、7:119(1984);ネーマ
ー(Namer)およびマグナソン(Magnuson
)のImmunol.,52:469(1984);オ
ールドハン(Oldham)およびウイリアムズ(Wi
lliams)のVet.Immu−nol.Immu
nopath、1:201(1984)に記載されてい
る。要約すると、この検定法では、IL−2依存性細胞
を培養物から収穫し、洗浄して増殖培地を除き、8×1
04細胞/mlの濃度で完全RPMI−1640培地中
に再懸濁する。この細胞懸濁液(100μl)を96−
ウエルの微量滴定皿(商品番号3596、カスター)の
個々のウエル(くぼみ)に採置し、その後サンプルの連
続(log2)希釈液または1単位/mlサルIL−2
標品(100μl)を加える。微量滴定皿は空気中5%
のCO2の湿潤雰囲気中37℃で48時間インキュベー
トし、その後自動サンプル採取装置で収穫する。(〔3
H〕−Tdr)(比活性1.9ci/mM)を含む培地
50μlを加える。その滴定皿をさらに4時間インキュ
ベートし、その後自動サンプル採取装置で収穫する。〔
3H〕−Tdr−標識ウエル内容物を含むガラス繊維フ
ィルター試験片を自然乾燥させ、トルエンをベースとす
る混合物(toluene−base cocktai
l;マサチューセッツ州ボストン、ニューイングランド
ヌクレアー社、商品番号NEF−903)の中に入れ、
液体シンチレーションカウンターで0.5分間計数する
。 bIL−2の存在下では、標的IL−2依存性細胞は用
量に依存して〔3H〕−Tdrを取り込む。 bIL−2の不在下では、標的IL−2依存性細胞は2
4時間以内に死滅し、基底レベルの〔3H〕−Tdrを
取り込むにすぎない。bIL−2活性(単位/ml)は
、特定サンプルが標的細胞株の最大増殖の半分を生じさ
せる希釈度を測定することにより定量化される。例えば
、特定のbIL−2検定(全量200μl)において1
:10の希釈度でサンプルが半−最大標的細胞株増殖を
生じる場合、1単位は10で割った200μl(全量)
、すなわち20μl中に含まれると言われる。そのとき
、サンプルは20(1単位のμl数)で割った1000
(1mlのμl数)の力価、すなわち50単位/mlの
力価を有するであろう。 先に述べたように、酵母培養物からの組換えbIL−2
は1.3×106単位/mlのbIL−2活性を示した
。また、細菌発現系から回収された発現産物は10.2
×106単位/ml以上のbIL−2活性を示した。こ
うして、本発者らにより検定された第2図に記載の遺伝
子が実際にbIL−2遺伝子であると確認できた。 mRNAの分析: ウシリンパ腺細胞からのbIL−2mRNAの発現を分
析した。CoA−刺激および非刺激ウシリンパ腺由来の
RNAのノザンプロットは、第2図に示すbIL−22
cDNAから誘導されたRNAプローブを用いるハイブ
リダイゼーションにより分析した。プローブはConA
の単一バンドと強くバイブリダイズしたが、非刺激リン
パ腺細胞に由来するRNAの場合は、ハイブリダイゼー
ションが起こらなかった。 ウシゲノム配列の分析: ウシゲノムDNA中のIL−2関連遺伝子の数は、32
P−標識bIL−2プローブとウシゲノムDNAフラグ
メントのサザンブロックをハイブリダイズさせることに
より調べた。フラグメントはDNAを比較的低い頻度で
切断することが期待される多数の異なる制限酵素でウシ
ゲノムDNAを消化することにより調製した。ゲノムD
NAのサザンプロットに対するIL−2cDNAプロー
ブによるハイブリダイゼーションのオートラジオグラフ
ィーは、bIL−2遺伝子が単一コピーとして存在する
ことを示した。 本発明方法および産生物はさらに次の実施例により示さ
れる。実施例は単に代表的例にすぎず、それらは本発明
を例示し且つ当業者が本発明を利用するのを手伝けする
ものである。実施例は特許証により許可される保護に関
する特許請求の範囲を何ら制限するものではない。 実施例1 ポリA+mRNAの調製 約1×106細胞/mlの濃度のウシ末梢血液白血球を
10%(V/V)の2mMグルタミン、100U/ml
ペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンおよ
び2.5μg/mlConAを補足したRPMI−16
40培地50ml中で培養した。細胞は空気中5%CO
2の湿潤雰囲気において約16時間培養した。その後、
生細胞を遠心により収穫した。 全RNAは一般にチャーウィンらの上記文献に記載され
る方法を用いて、単細胞から抽出した。 この方法では、グアニジニウムチオシアネートを使用す
ることにより、RNアーゼを含む細胞タンパク質を、R
NアーゼによるRNA加水分解の速度を超える速度で変
性した。mRNAはエタノール沈殿により細胞タンパク
質から分離し、続いて8M塩酸グアニジン、25mM酢
酸ナトリウムで再懸濁(抽出)した。次に、塩酸グアニ
ジン抽出RNAを等容量のフェノール/クロロホルム:
イソアミルアルコール(25容量/24容量:1容量)
で再抽出した。このような抽出操作から得られたRNA
含有水相は50mM酢酸ナトリウムとなし、0.6容量
のエタノールの添加により沈殿させた。RNAは−20
℃に冷却して遠心することにより回収した。 その後、マニアチスらの上記文献(197)に記載の方
法を使って、オリゴ(dT)−セルロースクロマトグラ
フィーカラムによりポリA+mRNAを抽出タンパク質
から分離した。簡単に述べれば、カラムは20mMトリ
ス−HCl(pH7.6)、0.5M NaCl.1m
Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA)および0.1%
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)から成る緩衝液で調
製した。タンパク質沈殿物を水とこの緩衝液に溶解して
カラムにかけた。非吸着物質は同じ緩衝液での初期洗浄
、続いて0.1MMaClを含む同じ緩衝液での追加洗
浄により溶離した。保持されたポリA+mRNAは10
mMトリス−HCl(pH7.5)、1mMEDTAお
よび0.05%SDSから成る低下したイオン強度の緩
衝液で溶離した。溶離したポリA+mRNA1/10容
量の酢酸ナトリウム(3M、pH5.2)および2.2
容量のエタノールを用いて−20℃で沈殿させた。 オリゴ(dT)−セルロースカラムからのポリA+mR
NAの溶離後、ポリA+mRNAの完全性はマニアチス
らの上記文献(199)に詳述されたアガロースゲルに
よる電気泳動により確かめた。 実施例2 cDNAライブラリーの作成 mRNAに対応する二本鎖cDNAのライブラリーは、
カプラーおよびホッフマンの上記文献により修正された
マニアチスらの上記文献(229)記載の標準方法を用
いることにより、実施例1で得られた精製mRNAから
作成した。オリゴ−dTはmRNAのポリA尾部とハイ
ブリダイズして、第一のcDNA鎖の逆転写のためのプ
ライマーとして役立った。トリ骨髄芽球症ウイルス(A
MV)の逆転写酵素は、mRNAを鋳型として使用して
第一のcDNA鎖を合成した。簡単に述べれば、第一の
cDNA鎖の合成は50mMトリス・HCl(pH8.
3)、10mMMgCl2、10mMジチオトレイトー
ル(DTT)、4mMピロリン酸Na、1.25mMd
GTP、1.25mMdATP、1.25mMdTTP
、0.5mMdCTP、15〜20μCiの〔α−32
p〕dCTP(3.000Ci/mmol)、100μ
g/mlのオリゴ(dT12−18)、150μg/m
lmRNA(実施例1より)、3.000単位のAMV
逆転写酵素/mlを含有する20〜40μlの反応容量
中で実施した。43℃で30分間反応させた後、EDT
Aを添加して20mMとすることにより反応を停止した
。反応生成物をフェノールで抽出し、岡山およびベルグ
のMol.Cell.Biol.,2:161−170
(1982)に記載されるように3M酢酸アンモニウム
を加えてエタノール沈殿させた。第二のcDNA鎖は1
00μlの20mMトリス・hCl(pH7.5)、5
mMMgCl2、10mM(NH4)2SO4、100
mMKCl、0.15mMβ−NAD、50μg/ml
BSA、40μMDNTP、8.5単位/mlの大腸菌
RNアーゼH230単位/mlDNAポリメラーゼ■、
10単位/ml大腸菌DNAリカーゼを含有する反応混
合物中で合成した。この混合物を12℃で1時間反応さ
せた。次いでEDTAを加えて20mMとすることによ
り反応を停止した。得られた二本鎖cDNAは上記のよ
うにフェノールで抽出した。 二本鎖cDNAはセファクリル(Sephacryl)
S−400(ファーマシア・ファイン・ケミカルズ社)
カラムコロマトグラフィーで分子の大きさにより分画化
し、分子量マーカーとしてpBR322DNAの末端標
識フラグメントを用いるアルカリ性アガロース電気泳動
により測定した。500bp以下の長さのDNA鎖をえ
り除いて、これらの短いcDNA分画を無意味にクロー
ニングするのを避けた。 二本鎖cDNA分画は、マニアチスらの上記文献(23
9から始まる)に記載の方法により、pBR322プラ
スミド(ファーマシア・ファイン・ケミカル社)のPs
t■部位に挿入した。この方法では、二本鎖cDNAの
3′末端にポリ(dc)の尾部を付加した。プラスミド
pBR322はPst■エンドヌクレアーゼで消化した
後、その3′末端にポリ(dG)の尾部を付加した。d
G付加プラスミドDNAとdC付加cDNAとはアーニ
リング緩衝液(0.1M NaCl、10mMトリス−
hCl(pH7.8)および10mMEDTA)を用い
てアニーリングレ、新規な組換えプラスミドを形成した
。 本明細書に記載の全ての制限酵素はマサチューセッッ州
ビバリーのニュー・イングランド・バイオラブズ社から
市販されている。 ハナハンの上記文献の方法を使用することにより、大腸
菌株MM294を組換えプラスミドで形質転換した(こ
の場合大腸菌細胞は高濃度のMg2+の存在下での増殖
により得られた)。形質転換宿主を平板培養し、その後
表現型同定剤としてテトラサイクリンを用いて形質転換
細胞を同定した。 この技法の使用により本発明者らは約35,000個の
独立した形質転換細胞を得た。 実施例3 ヒトIL−2cDNAスクリーニングプローブを使って
オリゴ(dT)−セルロースクロマトグラフィーカラム
により全RNAからポリA+mRNAを分離した。 ジャーカット細胞株はATCC(寄託番号ATCC−C
RL−8163)から入手できる。得られたポリA+m
RNAの完全性はアガロースゲル電気泳動により確かめ
られた。ヒトmRNAに対応する二本鎖cDNAのライ
ブラリーは実施例2に記載の方法により作成した。50
0bpより大きい得られた二本鎖cDNA分画を、実施
例2に記載のホモポリマー付加法によりpBR322プ
ラスミドのPst■部位に挿入した。この組換えプラス
ミドで大腸菌株MM294を形質転換し、形質転換細胞
は表現型同定剤としてテトラサイクリンを用いて同定し
た。この方法によって、本発明者らは約1×106個の
独立した形質転換細胞を同定した。 合成オリゴヌクレオチドプローブはソードらの上記文献
およびヒロセらの上記文献に詳述される標準トリエステ
ル法により化学的に合成し、その後ネズミcDNAライ
ブラリーをスクリーニングするのに使用するために32
Pで標識した。このプローブは次のヌクレオチド配列: 5′−AATGT AGA CAT CCT GGTG
AG−3′を有し、これは第1図のヌクレオチド173
〜192に対応する。標識を促進するために、オリゴヌ
クレオチドの5′末端はOH末端となるように合成し、
それによりDNAフラグメントを標識する際に一般に使
用しなければならないホスファターゼ処理を省いた。標
識方法は16μlの32PATP(7000Ci/mM
)、1μl(10U)のT4ポリヌクレオチドキナーゼ
および2μlの10xキナーゼ緩衝液■(0.5Mトリ
ス・HCl(pH7.6)、0.1mMMgCl2、5
0mMジチオトレイトール、1mMスペルミジンおよび
1mMEDTA)に合成オリゴヌクレオチド1μlを加
えることを包含していた。37℃で30分間反応させた
後、合成ヌクレオチドをフェノール/クロロホルムで抽
出した。標識プローブはセフアデックスG−50カラム
(ファーマシア・ファイン・ケミカルズ社)によるクロ
マトグラフィーまたは遠心を用いて非標識オリゴヌクレ
オチドから分離した。 ヒトcDNAライブラリーの初期スクリーニングを容易
にするために、形質転換した細菌培養物をプール(各プ
ールは約5,000個の異なるクローンを含む)に分け
た。プラスミドDNAはイシューホロビッッ(Ish−
Horowicz)およびバーク(Burke)のNu
cl.Acids Res.,9:2989(1981
)に詳述される標準的なアルカリ溶菌法を従って宿主細
菌のサンプルから単離した。単離したプラスミドは標準
方法によりPvu■およびHind■で完全消化した。 次にプラスミド消化物を0.8%アガロースゲルによる
電気泳動で分画化し、サザンらの上記文献の標準方法に
よりニトロセルロースフィルター上にのせた。ニトロセ
ルロースフィルターに固定したDNAは、以下の実施例
4で詳述する方法を使って、標識合成オリゴヌクレオチ
ドプローブとハイブリダイズさせた。 DNAのハイブリッド形成バンドが得られたクローンの
推定上のプールは、放射性標識合成プローブでの直接コ
ロニーハイブリダイゼーションによりスクリーニングし
て、単一の陽性コロニーを同定した。 プラスミドDNAは上記の方法により同定した陽性コロ
ニーから調製して、以下の実施例5に記載するように塩
基配列を決定した。単離したヒトプラスミドDNAフラ
グメントのヌクレオチド配列(第1図に示す)は、実質
的にヒトIL−2遺伝子のオープン・リーディング・フ
レームの完全なヌクレオチド配列を含むことが見出され
た。 第1図で下線を施したヒトIL−2cDNAクローンの
708bpフラグメント(ヌクレオチド番号12〜ヌク
レオチド番号719)が、上記の実施例2で調製したヒ
トプラスミドDNAをスクリーニングするためのプロー
ブとして選ばれた。 このプローブフラグメントは制限酵素Pst■およびR
sa■での消化、その後のアガロースゲル電気泳動によ
りヒトcDNAクローンから単離した。 cDNAヌクレオチドプローブはマニアチスらの上記文
献(108)に記載の先に論じた標準方法によりニック
トランスレーションで放射性標識した。この方法によれ
ば、プローブは約5×108CPM/μgDNAの比活
性に標識された。スクリーニング法で使用する前に、標
識プローブは水中100℃で10分間沸騰させその後氷
上で冷やすことにより変性した。 実施例4 cDNAライブラリーのスクリーニング上記の実施例2
で作成したcDNAライブラリーの初期スクリーニング
を容易にするために、形質転換した細菌培養物をプール
(各プールは約2500個の異なるクローンを含む)に
分けた。 イシューホロビッッおよびパークの上記文献に詳述され
る標準アルカリ溶菌法を用いて宿主細菌のサンプルから
プラスミドDNAを単離した。単離したプラスミドをP
st■で切断し、次いで適当な大きさのマーカーと共に
1.0%アガロースゲル電気泳動で処理して分画化した
。そのアガロースゲルをサザンらの上記文献記載の方法
によりニトロセルロースフィルター上にのせた。移行処
理後、フィルターを自然乾燥させ、真空下約80℃で2
時間ベーキングすることによりDNAフラグメントをニ
トロセルロースに固定した。 固定したDNAは次に標識cDNAプローブとハイブリ
ダイズさせた。要約すると、ベーキングしたヒトロセル
ロースを、6×SSC、0.5%NP40界面活性剤、
0.1%サルコシル、5×Denhardt′s溶液(
0.02%フイコール、0.02%ポリビニルピロリド
ン、0.02%BSA)および100μg/ml変性サ
ケ精子DNA(シグマ■型、ナトリウム塩)から成るプ
レハイブリダイゼーション緩衝液中55℃で2〜4時間
インキュベートした。次にフィルターは上記のようなハ
イブリダイゼーション溶液中32P−標識cDNAプロ
ーブ(106cpm/ml)(実施例3より)と共に5
5℃で一晩インキュベートした。一晩ハイブリダイゼー
ションを行った後、フィルターは6×SSCを用いて温
室で洗浄し、次いで42℃で1時間さらに55℃で1.
5時間6×SSCにて洗浄した。自然乾燥後、フィルタ
ーを−70℃でオートラジオフラフィーに付した。 オートラジオグラフィーから本発明者らは強いハイブリ
ッド形成バンドを生じたプラスミドDNAが得られたク
ローンの推定上の1つのプールを、約500個の形質転
換細胞のプールにさらに分割し、ハイブリダイゼーショ
ンスクリーニング法を繰り返した。DNAの強いハイブ
リッド形成バンドが見られた推定上のサブプールはその
後平板培養した。得られたクローンは上記のハイブリッ
ド形成条件を用いて、グルンタインおよびホグネスの上
記文献記載の公知方法により、放射性標識したヌクレオ
チドプローブで検索した。 実施例5 スクリーニングしたcDNAの同定 bIL−2−4と命名したプラスミドは実施例4に記載
の方法により同定した陽性コロニーからのcDNAを用
いて作成した。大腸菌を形質転換した宿主プラスミドの
サンプルは寄託番号53184としてATCCに寄託さ
れた。陽性宿主コロニーから単離したプラスミドDNA
由来のcDNA挿入物は、以下で説明する変更を伴うア
マーシャムハンドブックに本質的に記載されるような標
準チエインターミネーション法により塩基配列を決定し
た。そのcDNA挿入物をPst■および/またはRs
a■で消化し、その後M13一本鎖線維状ファージベク
ターのmp18およびmp19(イリノイ州アーリント
ンハイツ、アマーシャム社)内にサブクローニングした
。ノランダーらの上記文献に記載されるmp18および
mp19ファージベクターは次の特異なクローニング部
位:すなわちHind■;Sph■;Pst■;Sal
■;Acc■;Hinc■;Xph■;BamH■;X
ma■;Sma■;Kpn■;Sst■;およびEco
R■を含む。mp18およびmp19ベクターの組成は
同じであるが、上記の制限部位の順序がmp19ベクタ
ー内では逆になっており、こうしてcDNA挿入物の両
鎖はこれらの2つのベクターを用いることにより有利に
塩基配列が決定できる。対応するcDNA鎖を挿入した
mp18およびmp19ベクターを使ってK12株の大
腸菌JM107(メリーランド州ベテスタ、ベテスタ・
リサーチ研究所)を形質転換し、それによりセンス鎖と
アンチセンス鎖の一本の鎖挿入物を含む一本鎖DNA鋳
型を得た。 その一本鎖DNA鋳型に一般的な合成プライマ−:5′
−CCCAGTCACGAGGTT−3′(ウイスコン
シン州ミルウォーキー、P−Lバイオケミカルズ社)を
アーニングして、上記のようにDNA合成を開始させた
。その後、伸長フラグメントをゲル電気泳動で大きさに
より分離し、オートラジオグラフィーを行い、それより
フラグメントのヌクレオチド配列を推論した。 ジデオキシ塩基配列決定反応において、放射性標識とし
てデオキシアデノシン5′(α−〔35S〕チオ)トリ
ホスフェート(以後dATP〔α−35S〕と略す)を
用いた。また、アマーシャムハンドブックの36頁に記
載のゲルを使用せずに、6%ポリアクリルアミドゲル(
7M尿素、108mMトリス・ホウ酸〔pH8.1〕お
よび2mMEDTAを含む厚さ0.4mmの6%ポリア
クリルアミドゲル)を使用した。 上述のように、bIL−2−4cDNAのヌクレオチド
配列は第2図に示される。bIL−2遺伝子のコーティ
ング領域はヌクレオチド番号18(Met残基)からヌ
クレオチド番号482(Thr残基)まで伸びており、
成熟タンパク質はヌクレオチド番号78に対応するアミ
ノ残基(Ala)から始まる。ヌクレオチド配列から決
定された対応するアミノ酸をコドンの下に記載する。 実施例6 成熟bIL−2−4cDNAクローンからbIL−2遺
伝子のコーティング領域と3′側面領域の一部を分離し
、リンキングオリゴヌクレオチドを用いてプラスミドp
α3内に挿入して組換え発現プラスミド(pYαfBo
IL−2と命名)を作成し、それにより酵母宿主細胞内
でbIL−2を高レベルに発現させた。出発プラスミド
pα3は寄託番号53220としてATCCに寄託され
ている。第3図に示すように、pα3はプラスミドpB
R332に由来する複製開始点とAmpr耐性遺伝子を
含む(太線部分)。pYαfGM−2プラスミドはまた
2μサークルの複製開始点および形質転換酵母宿主(T
rp−栄養要求株)選択用のTrp■遺伝子を含む(第
3図の細線部分)。出発プラスミドはさらにbIL−2
の高レベル転写および分泌を支配する酵母α因子プロモ
ーターおよびリーダー配列および開始コドンATGを含
む(第3図の点描ボックス部分)。bIL−2配列(第
3図の斜線ボックス部分)は以下でさらに詳しく論じる
ように合成オリゴヌクレオチドの使用によりα因子配列
の下流(3′)末端に融合される。 pα3プラスミドはまた第3図に示すように接着Kpn
I5′および3′末端を有するリンキングオリゴヌクレ
オチド(中空ボックス部分)、および目的にcDNAク
ローニングフラグメントへ都合よく連結するための種々
の制限酵素切断部位(Pst■、Avr■およびNco
■部位を含む)を含む。pYαfBoIL−2プラスミ
ドを作るために、まず初めにpα3プラスミドを、例え
ばマニアチスらの上記文献に記載されるような標準方法
により制限酵素Kpn■およびNco■で消化した。生
成した大きい方のフラグメントは、マニアチスらの上記
文献(199)に詳述される方法を使ってアガロースゲ
ルによる電気泳動で単離した。この消化方法によって、
第3図に示すリンキングオリゴヌクレオチドの複数のク
ローニング部位の大部分がその大きい方のフラグメント
から除かれる。 マニアチスらの上記文献に記載されるような標準方法を
用いて、IL−2遺伝子のコーディング領域と3′側面
領域の一部、すなわちHgiA■(ヌクレオチド番号7
7)からSsp■と Ssp■制限酵素の使用によりbIL−2−4クローン
から分離した。生成した小さい方のフラグメントをT4
DNAポリメラーゼで処理して、5′HgiA■末端の
3′突出部分を除去した。Nco■リンカーを単離した
cDNAの3′末端に付加して、pα3ベクターのNc
o■部位内にcDNAフラグメントを連結できるように
した。組成:GGGCCATGGCCCのNco■リン
カーは、例えばマニアチスらの上記文献に記載されるよ
うな標準方法により、cDNAの3′末端に付加した。 その後、nco■リンカーをNco■制限酵素で消化し
て接着3′末端を生成させた。この455塩基対(bp
)のHgiA■−Nco■bIL−2フラグメントはア
ガロースゲルによる電気泳動にかけて精製した。 次に、上記のbIL−2cDNAフラグメントの5′末
端をpα3クローニングベクターに連結するために、リ
ンキングオリゴヌクレオチドを作成した。このオリゴヌ
クレオチドの組成は、下の表2および第3図に示すよう
に、Kpn■接着5′末端(その後にα因子プロセッシ
ング領域のAAA−AGAが続く)を含む。Alaをコ
ードするコドンGCAはα因子フロッシング部位の3′
側に位置し、成熟bIL−2遺伝子の第一コドンとして
役立つ。この第一コドンはHgiA■での消化、その後
に続くその3′突出部分の除去によりbIL−2cDN
Aから失われた。 表2 pYαfBoIL−2プラスミドを作るために、Kpn
■−Nco■消化pα3プラスミド、Kpn■−平滑末
端−Nco■bIL−2−4cDNAフラグメントを用
いて三通りの連結が行われる。 その他の標準的な組換えDNA技術を用いて同一の発現
ベクターを作成することができ、また上記の作成方法は
bIL−2cDNAフラグメントを調節してpYα5B
oIL−2ベクター内に挿入するために使用しうる多様
な方法のうちの非制限的な1つの例であることを理解す
べきである。さらに、bIL−2−4cDNAフラグメ
ントは酵母宿主内でのbIL−2の高レベル発現用のそ
の他の適切なベクターに挿入することができるだろう。 pYαfBoIL−2発現プラスミドを用いて、標準方
法により、Trp+形質転換細胞選択用のS.セレビシ
ェ(S.cerevisiae)酵母菌株79(α.T
rp1−1.Leu2−1)を形質転換した。形質転換
に先立って、菌株79は2×107細胞/mlの密度に
なるまでYEPD培地〔1%(w/v〕酵母エキス、2
%(w/v)ヘプトン、2%(w/v)グルコース〕中
で増殖させた。細胞を22℃、1000×gで5分間遠
心して収穫し、得られた沈殿物を減菌蒸留水で洗浄した
。 次いで、酵母細胞は1/10容量のSED(1Mソルビ
トール、25mMEDTA(pH8.0)、および50
mMジチオトレイトール)に再懸濁して、30℃で10
分インキュベートした。細胞−緩衝液混合物を300x
gで5分間遠心した。沈殿物を1/10容量の1Mソル
ビトールで1回洗い、細胞を1/10容量のSCE(1
Mソルビトール、0.1Mクエン酸ナトリウム(pH5
.8)、0.01MEDTA)に再懸濁した。細胞壁を
破壊する10−3容量のグルスラーゼをこの溶液に加え
、その後時折穏やかに撹拌しながら30℃で30分イン
キュベートした。スフェロプラストの存在は10μlの
酵母細胞を顕微鏡用スライドガラス上の5%(w/v)
SDS1滴中に希釈して、400倍の位相差顕微鏡で“
ゴースト”について観察することにより検定した。その
後、細胞混合物を300xgで3分間遠心した。得られ
た沈殿物を1/10容量の1Mソルビトールで2回洗浄
し、次にCaS(1Mソルビトール、10mMCaCl
2)中で1回洗浄した。 その後、酵母スフェロプラスミドはベッグズの上記文献
から適応させた方法を用いて、先に作成した発現ベクタ
ーで形質転換した。スフェロプラスト沈殿物を1/20
0容量のCaSに懸濁し、100μlのアルコートに分
けて1.5mlのエッペンドルフ試験管に加えた。次い
で、1〜10μlのプラスミドDNAを各アリコート(
0.5〜5μg)に加えた。この混合物を室温で15分
インキュベートし、その後各アリコートに1mlのPE
G(20%PEG4000、10mMCaCl2、10
mMトリス−HCl(pH7.4))を加えてDNAの
取込みを促進させた。室温で15分後、混合物を350
xgで5分間遠心した。得られた沈殿物は150μlの
SOS(10mlの2Mソルビトール、6.7mlのY
EPD培地、0.13mlの1MCaCl2、27μl
の1%トリプトファン、および3、7mlの水)に再懸
濁した。この混合物を平板に植えつける前に、選択平板
を37℃でプレインキュベートした。その後、18.2
mlのソルビトール、2g寒天、0.6gジフコ(Di
fco)酵母窒素塩基(アミノ酸不含)、2gグルコー
ス、0.1mlの1%アデニン、0.4mlの1%ウラ
シルおよび必要に応じてアミノ酸類を含む溶融した表面
寒天(45℃)3mlを形質転換細胞の各アリコートに
加え、その試験管内容物を選択培地上に注いだ。この平
板を30℃で2〜4日間インキュベートした。Trpマ
イナス培地に発生したコロニーはTrp1遺伝子をもつ
プラスミドを含んでおり、すなわちそれらは形質転換さ
れたものであった。 バイオアッセイに先立って、形質転換細胞は20〜50
mlのYEPD中30℃で定常期になるまで増殖させた
。細胞収穫時に、プロテアーゼ阻害剤のフッ化フェニル
メチルスルホニル(PMSF)およびペプスタチンAを
それぞれ1mMと10μMの最終濃度で加えた。その後
、細胞を400xgで遠心して除き、培地は0.45ミ
クロンのセルロースアセテートフィルター(ニューヨー
ク州コーニングのコーニング・グラス・ワークス社)に
通してろ過した。無菌上清は4℃で保存した。標的IL
−2依存性ウシ細胞を用いて検定したとき、得られた上
清は約1.3×106単位/mlのbIL−2活性を示
した。 実施例7 bIL−2の細菌宿主による発現 第2図に示すHgiAl(ヌクレオチド番号77)から
bIL−2遺伝子の3′側面領域中のPst■制限部位
(ヌクレオチド番号533)まで伸びるbIL−2遺伝
子のコーティング領域を発現ベクターに挿入して、大腸
菌によりbIL−2を発現させた。pLnbovIL−
2と命名したこの発現ベクター(第4図に示す)はプラ
スミドpPL−λ(ニュージャージー州ピスタウェー、
ファーマシア・ファインケミカルズ社、商品番号27−
4946−01)から作成された。プラスミドpPL−
λのゲノムはファージPLプロモーターとN遺伝子を含
有する。第4図に示すように、pPL−λプラスミドは
大腸菌内での高いコピー数のDNA複製のための複製開
始点(pBR322由来)、および形質転換した大腸菌
宿主を選択するためのアンピシリン耐性遺伝子(これも
プラスミドpBR322に由来する)を含む。pLNb
ovIL−2プラスミドは寄託番号53202としてA
TCCに寄託された。 pLNbovIL−2プラスミドは2つの工程で作成さ
れた。第4図に示すように、第一工程はpPL−λプラ
スミド(制限酵素Hpa■で消化)、合成オリゴヌクレ
オチドA、および挿入物DNAフラグメント(ヒトIL
−2cDNA遺伝子の一部を含む)を含んでいた。 ヒトIL−2遺伝子をコードするcDNAは、実施例3
で記載したように、制限酵素Pst■およびRsa■で
消化することによりヒトcDNAクローンから単離した
。次いで、このDNAフラグメントを、制限酵素Sma
■およびPst■で消化しておいたクローニングベクタ
ーpUC−8(ファーマシア・ファイン・ケミカルズ社
、商品番号27−4916−01)内に連結した。得ら
れたプラスミドをHgiA■とHind■で消化すると
、第1図のヌクレオチド番号66のHigiA■部位か
らpUC−8中のHind■部位(Pst■部位を4ヌ
クレオチド越える)まで伸びるヒトIL−2cDNA遺
伝子の部分を含むDNAフラグメントを単離することが
できた。その後の連結に先立って、IL−2遺伝子の3
′末端の5′突出部分を逆転酵素を使って修復した。 Hpa■で切断したpPL−λプラスミドは、平滑5′
末端とHgiAl−適合性3′末端を有するオリゴヌク
レオチドAと連結し、さらにHgiAl5′末端と平滑
末端化されたHind■末端を有する上記のヒトIL−
2cDNAフラグメントと連結した。 連結反応はマニアチスらの上記文献に記載されるように
、4μg/mlのプラスミドDNAを使用してベクター
対挿入物DNA対オリゴヌクレオチドのモル比1:20
:8で実施した。その後得られた組換えプラスミド(p
LNIL−2と命名)を用いてPLプロモーターの非耐
熱性大腸菌c■リプレッサーをコードする遺伝子をもつ
プラスミドpRK248c■ts(ATCC番号337
66)を含む大腸菌株(ATCC番号31343)を形
質転換した。この形質転換方法では、全連結混合物をコ
ンピテント大腸菌RR1(pRK248c■ts)に添
加した。混合物は氷上に30分放置し、次に30℃で4
分インキュベートし、L−培地にて30℃で1時間増殖
させた。その後形質転換宿主はテトラサイクリンおよび
アンピシリン、17μg/mlを含有するL平板上にま
いた。 次に、プラスミドpLNIL−2を第二工程で使用して
、第4図に示すプラスミドpLNbovIL−2を作成
した。pLNIL−2Xba■とStu■で消化するこ
とにより、ヒトIL−2のコーディング配列とオリゴヌ
クレオチドAの一部をpLNIL−2から単離した。(
Sつ1部位は第1図の位置番号500に依存する。)b
IL−2のコーティング領域を含む挿入物DNAは、制
限酵素HgiA■およびPst■で消化することにより
プラスミドbIL−2−4から単離した。単離したDN
Aフラグメントの両末端の3′突出部分はT4DNAポ
リメラーゼで消化して平滑末端とした。 Xba■およびStu■で消化pLNIL−2ベクター
、bIL−2挿入物DNA、および第4図のオリゴヌク
レオチドBを上記の工程1での連結反応において使用し
た相対濃度で連結させると、プラスミドpLNbov−
2が得られた。その後、得られた組換えプラスミドpL
NbovIL−2を用いて、上記方法により大腸菌株R
R1(pRK248C■ts)を形質転換した。 第4図に示すように、合成オリゴヌクレオチドBはbI
L−2遺伝子の効率のよい翻訳開始のために使用された
。オリゴヌクレオチドBの組成には切断したpLNIL
−2ベクターのXba■末端へ連結するためのXba■
接着5′末端、およびbIL−2DNAフラグメントの
5′末端へ連結するための平滑3′末端が含まれる。A
TG開始コドンおよびbIL−2遺伝子のN末端アラニ
ンをコードするヌクレオチドGCAはオリゴヌクレオチ
ドの3′末端に位置する。先に述べたように、オリゴヌ
クレオチドの中間配置は翻訳開始列から成る。オリゴヌ
クレオチドはソードらの上記文献およびヒロセらの上記
文献に詳述されるトリエステル法により化学的に合成さ
れた。しかしながら、オリゴヌクレオチドはホスホジエ
ステル法のような他の方法でも合成し得ることを理解す
べきである。 特に指定しない限り制限酵素による消化、連結反応、ア
ガロースゲル電気泳動によるDNAフラグメントの単離
、T4DNAポリメラーゼによる一本鎖DNA末端の消
化、および逆転写酵素による修復反応は全てマニアチス
らの上記文献に記載されるように実施した。 大腸菌株RR1(pRK248c■ts)内にpLNb
ovIL−2を含む培養物は、17μg/mlのアンピ
シリンおよびテトラサイクリンを含有するS.I.培地
〔32g/lトリプトンおよび20g/l酵母エキスを
補足したM−9培地(マニアチスらの上記文献)で30
℃、一晩増殖させた。その後、それらをアンピリシリン
不含S.I.培地で100倍に希釈し、600nmでの
吸光度が0.5になるまで増殖させ、42℃に4時間保
持して沈降を促進させた。培養物の1mlサンプルを4
℃で遠心して沈殿させ、ドライアイスとメタノールの混
合物にさらして凍結した。その沈殿物を150μlの7
M塩酸グアニジンに再懸濁し、ドライアイス/メタノー
ルで凍結した。その後、グアニジン抽出物の生物活性の
存在を上記のbIL−2検定法で確かめた。本発明者ら
はpLNbovIL−2プラスミドが10.2×106
単位/ml以上の生物活性を示すことを見出した。この
ことは第2図に示すcDNAがbIL−2遺伝子である
ことを裏付けるものである。 実施例8 酵母検出物またはグアニジン抽出物(例えば上記の実施
例6および7)からのrbIL−2は、ウオーターズ・
プレパラティブ・グラジエント・ジェネレーターを備え
たウォーターズLC500AプレパラティブHPLCク
ロマトグラフ〔LKB2238ユビコード■吸光度計(
LKBインスツルメント社)を用いて280nmでの吸
光度を監視する〕を使用するHPLC処理により均一に
精製した。発現されたrbIL−2を含む培地は約10
0ml/分の流量でウォーターズ・プレパック・カラム
(Waters PrePAK column;ウォー
ターズアソシエート社)に直接送った。このカラムは1
5〜20ミクロン粒径のバイダックC−4樹脂を装填し
、予め0.1%(v/v)TFAで平衡化した。約7l
の培地を1度にカラムにかけた。 このカラムに0.1%(v/v)TFA水溶液を流して
、280nmでの吸光度がLKB2238ユビコード■
吸光度計の使用により基線(培地添加前)値に戻るまで
非結合成分を洗い流した。結合タンパク質の溶離は0.
1%(v/v)TFA中0〜100%アセトニトリルの
直線勾配(1分当たり2%の勾配)を約100ml/分
の流量で流すことにより達成された。 1分ごとの分画を集め、先に詳述したIL−2依存性ウ
シ細胞株検定法により分析した。第5図に示すように、
意有な活性が分画10と11にあらわれた。これらの分
画のポリアクリルアミドゲル電気泳動は、有意な濃度の
rbIL−2が最初のHPLC法で得られるが、タンパ
ク質は均一に精製されていないことを示した。 最初のHPLC法から得られたbIL−2活性を示す分
画(分画番号10および11)をプールして緩衝液A(
0.9M酸性酸、0.2Mピリジン、pH4.0)で1
:2に希釈し、50ml/分の流量で、予め緩衝液Aお
よび20%緩衝液B(0.9M酸性酸中60%n−プロ
パノール、0.2Mピリジン、pH4.0)で平衡化し
た同じプレバックカラムに再度装填した。装填後、初め
に緩衝液Aでカラムを洗って非結合成分を除いた。次い
で、20〜80%勾配の緩衝液B(1分当たり1%の勾
配)を約15ml/分の流量で流してカラムからタンパ
ク質を溶離した。 2回目のHPLC法から1分ごとの分画を集め、上記の
バイオアッセイ、ポリアクリスアミドゲル電気泳動およ
びアンデンフレンド(Undenfriend)らのS
cience.178:871(1972)に記載のフ
ルオレサミンにより分析した。この分析から、第6図に
示すように、均一なrbIL−2は分画番号30〜32
に主としてあらわれた。また、rbIL−2は約16,
000ダルトンの分子量を有することが測定され、bI
L−2活性を示す分画に検出された唯一のタンパク質産
物であった。分画30〜32における活性の回収率は2
回目のHPLCカラムにかけたものの約86%であった
。 天然bIL−2は約20,000〜23,000ダルト
ンの分子量を有することが報告されている。ブラウン(
Brown)らのJ.Immunol,133:318
4(1985)参照されたい。第2図に示したbIL−
2をコードするcDNAから予測されるbIL−2の分
子量は約15,450ダルトンであり、これはポリアク
リルアミドゲル電気泳動分析により測定されたrbIL
−2の分子量と一致する。天然bIL−2と組換えbI
L−2との間の分子量の差は、第2図の位置番号70の
Asn残基に存在しうるN−結合グリコシル化部位のた
めでありうる。前述のことから、応答性T細胞の増殖を
誘起するために、rbIL−2はグリコシル化を必要と
しないように思われる。 均一なrbIL−2はアミノ酸組成について分析した。 精製産生物のサンプルはHCl(濃HClから再蒸留し
たもの;ニューヨーク州ロチェスター、コダック社)中
で24時間絶えず沸騰させることにより真空中で加水分
解した。加水分解後、サンプルを真空化で蒸発乾固し、
0.2Nクエン酸ナトリウム(pH2.2)に再懸濁し
た。このサンプルはアミノ酸残基を標準ニンヒドリン試
験で検出する単一カラムアミノ酸アナライザー(415
0型−アルファ;LKBインスツルメント社)に注入し
た。存在する個々のアミノ酸の量に対応する出力“ピー
ク”の面積は、LKB2220型記録積分器を用いて積
分した。アミノ酸組成の分析結果は上記のウシcDNA
から予測されたものと一致した。 2回目のHPLC法から得られた均一タンパク質はまた
標準方法でアミノ酸配列を決定した。 rbIL−2のサンプルを乾燥し、真空乾燥器にかけて
小容量となし、次いでアブライドバイオシステムズ74
0型Aシークエネーター(カリフォルニア州フォスター
シティー)および製造者により提供される試薬類とプロ
グラムを使用して自動化アミノ末端部分の最初の20残
基は、第2図のアミノ酸残基番号21〜41に記載され
るcDNAから予測されたアミノ酸配列と同じであるこ
とが見出された。タンパク質のアミノ酸配列分析法にお
いて、フェニルチオヒダントインアミノ酸はデュポンゾ
ルバック(DuPont Zorback)ODS4.
6mm×30cmカラムまたはIBM−シアノ4.5m
m×25cmカラムによる逆相HPLCを用いて同定し
た。 実施例9 nRNAの分析 ウシリンパ腺細胞から単離したvbIL−2mRNAの
発現は、bIL−2cDNAから誘導されたプローブを
用いるハイブリダイゼーションにより、ノザン法(No
rthern blot)により分析した。これに関し
て、ノザン法用の全RNAはConA刺激および非刺激
ウシリンパ腺細胞から、実施例1に記載のグアニジニウ
ムチオシアナネート法により単離した。RNAサンプル
はホルムアルデヒド(RNAを変性して、ゲル中を泳動
するRNAの速度がその分子量に比例するようにする)
を含む1.1%アガロースゲルでの電気泳動を行つて大
きさにより分別した。ホルムアルデヒド含有アガロース
ゲルによるRNAの標準的な電気泳動法はマニアチスら
の上記文献(202)に記載されている。 電気泳動後、ホルムアルデヒド変性RNAは標準方法(
例えばマニアチスらの上記文献203を参照)を使って
ナイロン膜(ハイボンド−N,アマーシャム社)に移行
させ、次いでグリーン(Green)らのCell,3
2,681(1981年3月)に記載の方法によりSP
6RNAポリメラーゼでin vitro転写された3
2P−標準RNAプローブとハイブリダイゼーションを
行った。32P−RNAプローブはpGEM−1ベクタ
ー(ウィスコンシン州マジソン、プロメガバイオテク社
)内でサブクローニングした第2図のbIL−2cDN
Aの434塩基対のRsa■からDra■まで(ヌクレ
オチド番号22〜506)のフラグメントから合成した
。ナイロン膜に結合したRNAはスターク(Stark
)の完全緩衝液;すなわち5×SSC;50mMKH2
PO4(pH2.5);1150μg/ml変性サケ精
子DNA;2×Denhardt溶液(0.04w/v
%フイコール、0.04w/v%BSA);0.1%S
DS;20mMNa2EDTA;および50w/v%ホ
ルムアミド中63℃で16時間標識RNAプローブ(1
06cpm/ml)とハイブリダイズさせた。ハイブリ
ダイゼーション後、フィルターを6×SSCで63℃、
2時間洗い、次に0.1×SSCで2時間洗い、その後
増感板を使用して−70℃で4時間オートラジオグラフ
ィーを行った。ソートラジオグラフィーの結果はCon
Aで刺激したリンパ腺細胞からの全RNA中に約1,1
00ヌクレオチドから成る強くハイブリダイズするバン
ドを示した。 しかし、ConAで刺激しなかったリンパ腺細胞からは
この種のバンドがあらわれなかった。ノザンプロット分
析の結果は、先に論じた末梢血液白血球から誘導された
rvIL−2の先に測定された生物活性のレベルと一致
する。 実施例10 ウシゲノム配列の分析 ウシゲノムDNA中のIL−2関連遺伝子の数を調べる
ために、標識bIL−2cDNAプローブはマニアチス
らの上記文献に詳述されるような標準方法により、ウシ
末梢血液白血球から単離したゲノムDNAのサザンプロ
ツトとハイブリダイズさせた。10μgのゲノムDNA
は比較的少ない頻度で切断することが予期される制限酵
素で消化した。プローブは第2図のウシcDNAの50
6bpフラグメント(ヌクレオチド番号1〜506)を
含んでいた。マニアチスrno上記文献(108)に記
載の標準方法により、このプローブをニツクトランスレ
ーシヨンで放射性標識した。ハイブリダイゼーシヨンに
先だつて、10μgのウシゲノムDNAは標準技法を用
いてBamHI,EcoRIまたはHindIIで完全
消化した。消化したウシDNAを適当な大きさのマーカ
ーと共に0.7%アガロースゲルによる電気永動で分画
化した。このアガロースゲルをサザンの上記文献に記載
の方法によりニトロセルロースフイルター上にブロツテ
イング(blotting)した。移行処理後、このフ
イルターを自然乾燥し、80℃で2時間ベーキングする
ことによりDNAフラグメントをニトロセルロースに固
定した。その後、固定したDNAを上記実施例4で説明
したように32P−標識cDNAプローブとハイブリダ
イズさせ、次に室温にて2×SSC,0.5%SDSで
洗い、さらに65℃にて0.1×SSC,0.5%SD
Sで45分間洗つた。自然乾燥後、フイルターを−70
℃でオートラジオグラフイーにかけ、そのオートラジオ
グラフイーはBamHI、EcoRIおよびHindI
Iで消化したウシゲノムDNAが単一のバンドであるこ
とを示した。これにより、IL−2遺伝子はウシゲノム
DNA中に単一コピー遺伝子として存在すると思われる
。 本発明の分野に習熟した者には明らかであるように、本
発明はその精神または本質的特徴から逸脱することなく
先に詳述したものとは別の形で具体化されうる。それ故
、上記の本発明の実施態様はすべての点において例示と
して解釈されるべきであつて、限定するものではない。 本発明の範囲は前述の実施例に制限されるものではなく
、むしろ特許請求の範囲に記載されるものである。
第1Aおよび1B図(一緒にして第1図と呼ぶ)はヒト
IL−2をコードする遺伝子のアミノ酸配列(上の列)
およびヌクレオチド配列(下の列)を示す図であり; 第2Aおよび2B図(一緒にして第2図と呼ぶ)はbI
L−2遺伝子のアミノ酸配列(下の列)およびヌクレオ
チド配列(上の列)を示すとともに成熟タンパク質は星
印から始まることを示す図であり; 第3図はpYαfBoIL−2プラスミドの作成方法並
びに、このプラスミドはその中に挿入されたbIL−2
遺伝子のコーデイング領域を有し、酵母宿主細胞を形質
転換して機能的bIL−2を発現させる使用されること
を示す模式図であり;第4Aおよび4B図(一緒にして
第4図と呼ぶ)はpLNbovIL−2プラスミドの構
造並びにこのプラスミドはその中に挿入されたbIL−
2遺伝子のコーデイング領域を有し、細胞宿主細胞を形
質転換して機能的bIL−2を発現させるために使用さ
れることを示す模式図であり; 第5(5Aおよび5B)図は組換えウシrbIL−2の
HPLCにゆおる部分精製を示し、ここで第5A図は最
初のHPLCカラムから回収された活性分画のポリアク
リルアミドゲル電気永動図であり、レーンの下の数字は
最初のHPLCカラムから溶離された分画に対応し、分
子量マーカーは最初のカラム(左手側)に沿つて示され
、第5B図はbIL−2依存性T細胞増殖検定による同
じ分画からのアリコートも生物活性の存在についての分
析を示すグラフであり;
IL−2をコードする遺伝子のアミノ酸配列(上の列)
およびヌクレオチド配列(下の列)を示す図であり; 第2Aおよび2B図(一緒にして第2図と呼ぶ)はbI
L−2遺伝子のアミノ酸配列(下の列)およびヌクレオ
チド配列(上の列)を示すとともに成熟タンパク質は星
印から始まることを示す図であり; 第3図はpYαfBoIL−2プラスミドの作成方法並
びに、このプラスミドはその中に挿入されたbIL−2
遺伝子のコーデイング領域を有し、酵母宿主細胞を形質
転換して機能的bIL−2を発現させる使用されること
を示す模式図であり;第4Aおよび4B図(一緒にして
第4図と呼ぶ)はpLNbovIL−2プラスミドの構
造並びにこのプラスミドはその中に挿入されたbIL−
2遺伝子のコーデイング領域を有し、細胞宿主細胞を形
質転換して機能的bIL−2を発現させるために使用さ
れることを示す模式図であり; 第5(5Aおよび5B)図は組換えウシrbIL−2の
HPLCにゆおる部分精製を示し、ここで第5A図は最
初のHPLCカラムから回収された活性分画のポリアク
リルアミドゲル電気永動図であり、レーンの下の数字は
最初のHPLCカラムから溶離された分画に対応し、分
子量マーカーは最初のカラム(左手側)に沿つて示され
、第5B図はbIL−2依存性T細胞増殖検定による同
じ分画からのアリコートも生物活性の存在についての分
析を示すグラフであり;
Claims (14)
- (1)ウシインタ−ロイキン−2の発現をコードする実
質的に純粋なDNA。 - (2)第2図のヌクレオチド番号78からヌクレオチド
番号482まで延びる核酸配列を有する特許請求の範囲
第1項記載のDNA。 - (3)原核細胞または真核細胞宿主内でのウシインタ−
ロイキン−2の発現をコードする特許請求の範囲第1項
または第2項記載のDNA。 - (4)特許請求の範囲第1〜3項のいずれか1項に記載
の核酸配列によつてコードされるアミノ酸鎖。 - (5)ウシインタ−ロイキン−2の遺伝子から成り、場
合により、特許請求の範囲第2項または第3項の特徴に
よつてさらに定義されるDNA配列を含む組換えDNA
ベクター。 - (6)ウシインタ−ロイキン−2の効果的合成をうなが
すための酵母接合フェロモンα因子のプロモーターおよ
びリーダー配列を有する発現ベクターから成る、特許請
求の範囲第5項記載の組換えDNAベクター。 - (7)特許請求の範囲第5項または第6項記載のベクタ
ーによつて形質転換された宿主。 - (8)特許請求の範囲第7項記載の宿主により発現され
た組換えウシインタ−ロイキン−2。 - (9)1回またはそれ以上の逆相高性能液体クロマトグ
ラフィー法によつて宿主の細胞物質から精製された、特
許請求の範囲第8項記載の組換えウシインタ−ロイキン
−2。 - (10)第2図のアミノ酸残基番号1からアミノ酸残基
番号135まで延びるアミノ酸配列から成るポリペプチ
ド主鎖を有する均一なウシインタ−ロイキン−2。 - (11)ウシインタ−ロイキン−2を産生しうる細胞か
らポリA^+mRNAを単離し;単離したmRNAに対
応するcDNAのライブラリーを作成し;得られたcD
NAをクローニングベクターに挿入することによりその
cDNAをクローニングし;得られたクローニングベク
ターを用いて宿主細胞を形質転換し;ウシインタ−ロイ
キン−2遺伝子の一部に対応するオリゴヌクレオチドプ
ローブを用いるハイブリダイゼーシヨンにより、ウシイ
ンタ−ロイキン−2分子の少なくとも一部をコードする
プラスミドDNAを含む形質転換細胞を同定し;そして
場合により得られたcDNAを発現ベクターに挿入し、
得られた発現ベクターを用いて宿主細胞を形質転換する
ことにより活性ウシインタ−ロイキン−2を発現させる
;各工程を含むウシインタ−ロイキン−2分子の少なく
とも一部をコードするDNAまたは特許請求の範囲第1
〜3項のいずれか1項に記載のDNAの調製方法。 - (12)ウシインタ−ロイキン−2は1回またはそれ以
上の逆相高性能液体クロマトグラフィー法により宿主の
細胞物質から精製される、特許請求の範囲第11項記載
の方法。 - (13)特許請求の範囲第1〜3項のいずれか1項に記
載のDNAを、宿主内で発現可能であるように調節配列
の制御下にある出発ベクターであつてウシインタ−ロイ
キン−2の効果的合成をうながすための酵母接合フェロ
モンα因子のプロモーターおよびリーダー配列を場合に
より含む該出発ベクターに挿入する工程から成る、ウシ
インタ−ロイキン−2の発現用ベクターの作成方法。 - (14)特許請求の範囲第11項または第13項に従つ
て作成されたベクター、あるいは特許請求の範囲第5項
または第6項に記載のベクターを用いて宿主を形質転換
することから成る、ウシインタ−ロイキン−2を発現し
うる形質転換細胞の製法。
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