JPS626599Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テープリールの回転軸即ちリール軸
への取付装置に関し、特にテレビジヨン受像機本
体内に直接VTR（磁気録画再生装置）を組込み
磁気テープをこのVTRに半固定式に取付けて
（即ち従来のVTRの如くテープカセツトを着脱自
在とすることなく）、必要部分に記録し、又は必
要部分より再生できるようにしたテレビジヨン受
像機に適用して好適なものである。

従つてこのようなVTRでは、いわゆるリール
台を使用することなく、テープリールを直接回転
軸（リール軸）に回転的に一体となるように取付
けることが可能となり、本考案はこの場合の特殊
構造を提案するものである。

以下本考案による装置を説明する。１はシヤー
シ等の基板、２はモータである。このモータ２に
ついて説明すると、３はモータ基板、４は磁気ヨ
ーク板（磁性板）であり、その下面には接着剤層
５を介してコイル６が取付けられている。このコ
イル６はリング状に巻装されて構成されたものが
複数個、後述する回転軸のまわりに配置される。
このようにしてモータ２のいわゆる固定子７が構
成される。

上述したモータ基板３には、筒状軸受体８が一
体に形成されており、その上部及び下部に配置さ
れた軸受９ａ及び９ｂによつて回転軸１０が回転
的に軸受けされている。この回転軸１０には磁性
材料よりなる連結体１１を介して同じく磁性材料
よりなるカツプ状のヨーク１２が取付けられてお
り、このヨーク１２の内面には、リング状の磁石
１３が固定されている。このようにして回転子１
４が形成されている。そして上述したコイル６に
対して適宜に電流を供給することによつて、回転
子１４が回転し、即ち回転軸１０が回転する。こ
のような構成のモータは周知であるので、その詳
細な説明を省略する。尚１５はヨーク４をモータ
基板３に取付ける為のネジ、１６はモータ２をシ
ヤーシ１に取付ける為のネジである。

モータ１の筒状軸受体８はシヤーシ１の透孔１
ａを貫通して上方に突出しており、従つて回転軸
１０もシヤーシ１の上方に突出している。そして
この回転軸１０にはテープリール１７が、直接
に、即ち従来のこの種の装置のようにリール台を
介することなく、回転的に一体となるように取付
けられている。このリール１７は、通常周知のそ
れのように、リール軸即ち回転軸１０に嵌合する
中心孔１８を有するテープ巻枠１９と、この巻枠
１９に取付けられた一対のフランジ２０ａ及び２
０ｂとより形成されている。２１ａ及び２１ｂは
その取付用ネジである。

テープ巻枠１９には、中心孔１８に対して直交
又はほぼ直交する方向に貫通孔２２を設け、内部
にピン２３を移動自在に収納している。即ちこの
貫通孔２２は巻枠１９の側面より中心孔１８迄貫
通している。更にこの貫通孔２２に対してこれと
交叉する方向にネジ孔２４を形成し、これにネジ
２５を螺入し、このネジ２５の締付けによりピン
２３を中心孔１８方向に移動させるようにしてい
る。

図においては、ネジ孔２４は、中心孔１８の軸
心の延長方向に沿つた方向に、即ち貫通孔２２と
直交する方向に形成され、ネジ２５は、先端がテ
ーパ状（円錐状）となされたいわゆるテーパネジ
を使用し、このテーパ部分２５ａがピン２３の一
方の端部（頭部）に対接するようにした場合であ
る。又、図面の例では、回転軸１０の一部に切欠
き部１０ａを設け、これにピン２３の他端（後
部）が係合するようにしている。

このような構成によれば、今ネジ２５をゆるめ
てピン２３をリール１７の中心孔１８より充分後
退させた状態では、中心孔１８に回転軸１０を挿
入できる。このようにして回転軸１０を挿入した
後に、ネジ２５を締め付けることによつて、この
ネジ２５のテーパ部２５ａがピン２３の頭部を押
すことになるので、このピン２３が回転軸１０に
圧接され、その結果、リール１７は回転軸１０に
対して一体に取付けられる。

以上説明した本考案によれば、リール１７の回
転軸１０への取付けに際して、そのリール１７の
上面からこの取付作業を行うことができ、即ち取
付け作業を容易に行うことができる特徴を有す
る。

従来この種の装置では、テープ巻枠の横方向に
ネジ孔を形成し、即ち本考案の実施例に示す貫通
孔２２をネジ孔とし、これにネジを螺入して回転
軸に締付けていた。これによれば、取付時にはい
わゆる横方向より操作をしなければならず、一般
的にはリールの横位置には他の部品が配置されて
いることが多く、よつて取付操作が煩雑となる欠
点がある。更に従来のものでは、リールを回転軸
にネジにより固定した後において、その巻枠にテ
ープを巻装しなければならず、これは極めて面到
である。

本考案によれば、上述した種々の欠点を回避で
き、即ちリールの上面から回転軸への取付操作が
できる為に、リール１７には予めテープを巻装し
て置いても良く、又リールの横方向の位置におい
て、種々の部品が配置されていても、何ら支障が
なく、取付操作ができる特徴を有するものであ
る。

尚、上例ではネジ２５は、その締付けによつて
回転軸１０の軸方向に移動してそのテーパ部２５
ａによりピン２３を押すようにした場合である
が、このネジ２５の移動方向はこれに限らず、ピ
ン２３の移動方向に対して斜め方向に移動するよ
うにしても良いこと明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

図は本考案による装置の一例を示す断面図であ
る。 ２はモータ、１０は回転軸、１７はリール、１
８は中心孔、１９はテープ巻枠、２２は貫通孔、
２３はピン、２４はネジ孔、２５はネジである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸を挿入する中心孔を有するリールのテー
   プ巻枠に対して、上記中心孔の軸心方向とほぼ直
   交する方向に該中心孔迄貫通する貫通孔を設けて
   その内部にピンを移動自在に収納し、更に該貫通
   孔に交叉してネジ孔を形成し、これにネジを螺合
   し、上記回転軸を上記テープ巻枠の中心孔に挿通
   させた状態で上記ネジを締めることにより、上記
   ピンを、これが上記回転軸に圧接するように押圧
   するようにしてなるリールの回転軸への取付装
   置。