JPS6317056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビデオテープレコーダー（以下VTR
と略称する。）に使用して好適な回転ヘツドドラ
ムに関し、特に回転機構のバランスを簡単な構成
で取ることができる様にし安定な回転を容易に得
ることができる様にしたものである。

一般にVTRの回転磁気ヘツドドラムとして第
１図に示す如きものが使用されている。即ち第１
図において、１は回転軸、２及び３はこの回転軸
１を回転可能に支持するベアリング、４はベアリ
ングハウジング、５は下側に位置する固定ドラム
（下ドラム）、６は上側に位置する固定ドラム（上
ドラム）、７は回転軸１に取付けられた回転フラ
ンジ、８は回転フランジ７に装架された回転デイ
スク、９は回転デイスク８の所定位置に固着され
た回転磁気ヘツド、１０は下ドラム５及び上ドラ
ム６を固定するためのドラム支持部材、１１は位
置決めねじである。また１２は回転フランジ７に
装架された回転トランスのロータ、１３は固定ド
ラム５に装架された回転トランスのステータ、１
４は予圧調整用ベアリングナツト、１５は固定ド
ラム５の端部に装架されたモータのステータ、１
６は回転軸１の一端にステータ１５と対応して設
けられたモータのロータである。

斯る回転磁気ヘツドドラムにおいてはモータの
回転により回転軸１が回転し、これにより回転フ
ランジ７及び回転デイスク８が回転し、回転磁気
ヘツド９が回転する。この場合この回転機構にお
ける重量バランスが悪いときには回転磁気ヘツド
９に回転むらが生じ、VTRにおいては良好な録
画、再生ができないこととなる不都合を生じる。

一般に斯るVTRの回転磁気ヘツドドラムにお
いては、回転機構を構成する部品のバラツキによ
りこの重量バランスを悪くすることが屡々あつ
た。

従来はこの回転磁気ヘツドドラムの回転機構に
おける重量バランスの悪さを補正してバランスを
取るのに、この回転磁気ヘツドドラムの製造時に
回転フランジ７に設けた溝部の所定位置に特殊
な鉛入り顔料を付加したり、金属により構成し
た回転フランジ７の所定部分を削り取つて重量を
減らしたり、この回転フランジ７の所定位置に
所定数のネジ孔を設け、このネジ孔に於いてビス
を出し入れしたりしていた。このの回転フラン
ジ７に設けた溝部の所定位置に鉛入り顔料を付加
するものにあつてはこの回転フランジ７が高速回
転するのでこの鉛入り顔料の固定が困難であると
共に付加しすぎたときに所定量の除去が困難であ
る欠点がある。またの回転フランジ７の所定部
分を削り取るものにあつては、この削り取りが困
難であると共に削り取りすぎたときはもとにもど
すことができず種々の不都合がある。更にの回
転フランジ７の所定位置にネジ孔を設けると共に
このネジ孔にビスを挿入するものにあつては、回
転フランジ７が高速回転するのでビスの固定が困
難であると共にネジ孔を設ける等余分な工程を必
要とし、更に所要のビスを必要とする等により高
価となる欠点があつた。

本考案は斯る点に鑑み簡単な構成で良好に上述
の如き回転機構のバランスを取り得る様にしたも
のである。

以下第２図及び第３図を参照しながら本考案回
転ヘツドドラムの一実施例につき説明しよう。こ
の第２図に於いて第１図に対応する部分には同一
符号を付し、その詳細説明は省略する。

本例に於いては回転軸１に回転フランジ７をこ
の回転軸１と共に回転する如く固着すると共にこ
の回転フランジ７に回転磁気ヘツド９がその所定
位置に取付けられた回転デイスク８を装架し、こ
の回転デイスク８上に回転磁気ヘツド９よりの再
生信号を増幅する増幅回路等が設けられるプリン
ト配線基板１７を固定する。このプリント配線基
板１７は第３図に示す如く回転デイスク８と同じ
径の円形とし、更にこのプリント配線基板１７に
は回転磁気ヘツド９より再生した信号を増幅して
回転トランスのロータ１２に供給すると共にこの
回転トランスのロータ１２よりの記録信号を増幅
して回転磁気ヘツド９に供給するに必要な銅箔に
よる配線パターン１９が設けられている。

更に本例においては、このプリント配線基板１
７の外周部に例えば10〜30゜角間隔本例では30゜角
間隔で等角間隔に銅箔によるバランス取り用ラン
ド１８ａ，１８ｂ…１８ｌを設けておく。そして
この回転磁気ヘツドドラムの回転機構の製造時に
このバランス取り用ランド１８ａ，１８ｂ…１８
ｌの必要部分に必要量の半田を付着して重量バラ
ンスを取る様にする。第３図において２０ａ，２
０ｂ，２０ｃ及び２０ｄは夫々プリント配線基板
１７の取り付け孔である。その他は第１図と同様
に構成する。

本考案においては上述の如く回転デイスク８上
に設けたプリント配線基板１７の外周部に設けた
バランス取り用のランド１８ａ，１８ｂ…１８ｌ
の必要部分に必要量の半田を付着してバランスを
取る様にしているので、この回転ヘツドドラムの
回転機構の最終組みたて後容易にこのバランス取
りを行うことができ良好なバランス取りが可能で
あり、この回転ヘツドドラムに安定な回転をさせ
ることができる。また本考案に依ればこのバラン
スを取るときに半田を付着しすぎても、この半田
を吸い取れば容易にもとにもどすことができこの
バランス取りが容易である。更に本考案に依れば
このバランスを取るのにバランス取り用ランド１
８ａ，１８ｂ…１８ｌの必要部分に半田を付着す
るだけなので、鉛入り顔料等の特殊な材料を必要
とせず、又特殊な加工等を必要としない。また本
考案に依れば半田をプリント配線基板１７のバラ
ンス取り用ランド１８ａ，１８ｂ…１８ｌに付着
するのであるが、この半田の付着は強度的に強
く、このプリント配線基板１７が高速回転して
も、この半田が取れたりすることは全くなく安定
である利益がある。更に又このプリント配線基板
１７のバランス取り用ランド１８ａ，１８ｂ…１
８ｌは配線パターンを形成するときに同時に形成
でき余分な工程を必要とせず、又このランド１８
ａ，１８ｂ…１８ｌにプリント配線基板１７の他
の部分と同時にシルク印刷で番号等を印刷すれば
特別なマーキングを必要としない利益がある。

尚、上述実施例では回転ヘツドとして回転磁気
ヘツドを使用した例につき述べたが、その代りに
その他の回転ヘツドであつても良いことは勿論で
ある。又本考案は上述実施例に限らず本考案の要
旨を逸脱することなくその他種々の構成が取り得
ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転ヘツドドラムの例を示す断
面図、第２図は本考案回転ヘツドドラムの一実施
例を示す断面図、第３図は本考案の要部の例を示
す平面図である。 １は回転軸、７は回転フランジ、８は回転デイ
スク、９は回転磁気ヘツド、１７はプリント配線
基板、１８ａ，１８ｂ…１８ｌは夫々バランス取
り用ランドである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転ヘツドの取付けられた回転体と、該回転体
   に取付けられたプリント配線基板とを有し、該プ
   リント配線基板の周囲に等角間隔にバランス取り
   用のランドを設けたことを特徴とする回転ヘツド
   ドラム。