JPS6262403B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、放電ランプの底部に電球口金を有
したシエルを嵌着し、このシエルの内部に安定器
等の電気部品を収容した放電灯装置に関する。

近時、この種放電灯装置は白熱電球の代替品と
して種々実用化され始めている。そしてこの放電
灯装置は白熱電球の代替を意図していることから
勢い全体の形状寸法も白熱電球のそれに近似させ
ることになる。しかし、発光部が放電ランプであ
るがゆえに、安定器、グロースタータ、雑音防止
用コンデンサ等の電気部品を必要とし、しかも、
その電気部品の中でグロースタータおよび雑音防
止用コンデンサは部品の信頼性を維持するために
安定器やランプからの熱の影響を極力少なくした
状態でこれらを収容するためのシエルの小形化を
図る必要があつた。

第１図に、上記した要求に基づいて設計された
放電灯装置の一実施例を示す。図において、１は
端板１１によつて底部１２が閉塞された放電ラン
プ、２は上記放電ランプ１の底部１２に固着され
たスペーサで、上記放電ランプ１のネツク部１３
を嵌挿しネツク部１３と接着剤９１で固着するた
めの筒部２１およびこの筒部２１の一端側に設け
られ、後述する安定器３を支持するための安定器
支持部２２が一体的に形成されている。３は上記
放電ランプ１の電流制限に用いられる安定器、７
はグロースタータ５、雑音防止用コンデンサ６と
が取着された基板で、上記安定器３のコイルボビ
ン３１に設けられた基板保持部３２に係合固定さ
れている。４はシエルで、上記安定器３および基
板７を内包し、その一端４２が上記スペーサ２お
よび上記放電ランプ１のネツク部１３を嵌挿し、
接着剤９２にて放電ランプ１の底部１２に固着さ
れるとともに、内側には放電ランプ１と固着され
た状態において安定器３の鉄心面部３３に当接
し、スペーサ２の安定器支持部２２と共働して安
定器３を挾持する安定器押え片４１を一体的に突
設し、縮径された他端４３には白熱電球に使用さ
れるE26型口金８が取着されている。安定器３、
グロースタータ５、雑音防止用コンデンサ６、
E26型口金８、および放電ランプ１より導出する
電極リード線（図示せず）は、共に適宜電気的に
接続されている。上記のように構成された放電灯
装置は、グロースタータ５および雑音防止用コン
デンサ６とが発熱源である安定器３および放電ラ
ンプ１からの輻射熱の影響を軽減するために、グ
ロースタータ５、および雑音防止用コンデンサ６
は、シエル４内の限定された空間内においては、
安定器３および放電ランプ１の双方から一番遠い
位置、すなわちE26型口金８内に配設することを
考慮したものである。しかしながら、上記構成に
よる放電灯装置といえども、安定器３および放電
ランプ１とグロースタータ５および雑音防止用コ
ンデンサ６との距離を離し、その間に空間部を設
けるため、シエル４の小形化が阻害されまた口金
上点灯等の点灯方向や、適用照期器具の構造等使
用条件によつてはシエル４空間内の温度上昇をき
たすため、放電灯装置の使用上の制限を加える必
要がある等、必らずしも満足するものではなかつ
た。

この発明は、上記事情に鑑みて成されたもので
この種放電灯装置の大きな課題であるシエルの小
形化とともに、使用条件によるグロースタータの
誤動作や雑音防止用コンデンサの短寿命を防止し
使用上の制限を大巾に軽減した放電灯装置を提供
することを目的とする。

以下、この発明の一実施例を第２図および第３
図に基き説明する。

図において、２は筒部２１が上記放電ランプ１
のネツク部１３に嵌挿固着されたスペーサであ
る。２３はこの筒部２１に連設し、上記放電ラン
プ１の端板１１に沿つて延出した第２の仕切体で
ある。２２は上記第２の仕切体２３と連設すると
ともに、上記端板１１との間に空隙部を設けるよ
うにシエル４内面に突設し、その天面に安定器３
の鉄心端面３４および鉄心面部３３と嵌合する嵌
合部を設けた安定器支持部である。４４はシエル
４の天面の内面より一体的に垂下延出された第１
の仕切体である。この第１の仕切体４４はシエル
４と放電ランプ１が固着された状態において、安
定器３の横側でかつ安定器３とシエル壁面４５と
の間に位置し、その先端は第２の仕切体２３に当
接するように形成してある。４６は上記第１の仕
切体４４、第２の仕切体２３、およびシエル壁面
４５の一部で囲われ、安定器３の横側に位置する
小空間である。７はこの小空間４６内で安定器側
部となる第１の仕切体４４の内面４７に沿わせて
配設した基板で、あらかじめグロースタータ５、
雑音防止用コンデンサ６が取着されている。この
グロースタータ５、雑音防止用コンデンサ６は、
放電ランプ１より導出する電極リード線（図示せ
ず）と適宜電気的に接続されている。また、シエ
ル壁面４５には外部と連通した通気孔４８が設け
られている。上記以外は第１図と同じ構成であ
る。

かかる構成の放電灯装置においては、安定器３
から発生する輻射熱は第１の仕切体４４により、
また放電ランプ１より発生する輻射熱は第２の仕
切体２３により夫々遮断され、上記グロースター
タ５、雑音防止用コンデンサ６に直接到達するこ
とはない。また上記第１、第２の仕切体４４，２
３が受ける輻射熱による第１、第２の仕切体４
４，２３自身の温度上昇により、上記グロースタ
ータ５、雑音防止用コンデンサ６が収容された小
空間４６内の温度も上昇するが、第１、第２の仕
切体４４，２３を介しての間接加熱であるととも
に、小空間４６を構成するシエル壁面４５が外部
に露呈しているため、放熱面として作用するか
ら、その温度上昇は第１、第２の仕切体４４，２
３の無い場合のそれと比べ著しく低い。このため
小空間４６内に収容した上記グロースタータ５、
雑音防止用コンデンサ６の温度上昇も著しく低下
することから、相対的にそれらグロースタータ
５、雑音防止用コンデンサ６と安定器３の距離を
接近することができ、シエル４の一層の小形化も
可能となり、上記グロースタータ５、雑音防止用
コンデンサ６の誤動作や短寿命化の大巾な軽減を
可能とし、使用上の制限も緩和できる。

なお、実施例ではスタータとして一般に用いら
れているグロースタータを使用したが、昨今急速
に普及している非直線性誘電体素子を利用したス
タータや、半導体を利用した半導体スタータを使
用してもその効果は妨げられるものでは無く、む
しろ耐熱性に問題があるこれらスタータを使用す
る際は非常に有効である。

さらに第１図従来の一実施例と、第２図および
第３図のこの発明の一実施例では安定器の設置方
向が異なるが、設置方向が同一であつても効果は
変わらない。

また、小空間を形成するシエル壁面の一部に外
部と連通する通気孔４８を設ければ、小空間内と
外部の間で空気の流通を生じ、小空間内の熱放散
効果が高まつてその温度上昇はより低下し、より
一層のシエルの小形化を図ることができるもので
ある。

以上述べたようにこの発明によれば、シエルと
スペーサの少なくとも一方からシエルの壁面と安
定器との間に一体的に延出し、シエル壁面をその
一部とする小空間を形成するような仕切体を設け
その小空間内にスタータおよび雑音防止用コンデ
ンサを収容したので、安定器および放電ランプの
輻射熱は上記仕切体に遮断され、このスタータ、
雑音防止用コンデンサの温度上昇が低下し、それ
らスタータ、雑音防止用コンデンサと安定器との
距離は相対的に接近可能となるため、シエルは一
層の小形化が可能となり、かつグロースタータの
誤動作や雑音防止用コンデンサの短寿命化を防止
できる。さらに、仕切体をシエルとスペーサの少
なくとも一方から一体的に連設させたので、他部
材で仕切体を構成する場合より部品点数が少なく
組立も容易となる利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の放電灯装置の一実施例を示す部
分断面図、第２図はこの発明による放電灯装置の
一実施例を示す部分断面図、第３図はこの発明に
よる放電灯装置の一実施例を示す一部を切欠いた
分解斜視図である。 図中、１は放電ランプ、２はスペーサ、３は安
定器、４はシエル、５はスタータ、６は雑音防止
用コンデンサ、１１は端板、２３，４４は仕切
体、４６は小空間、４８は通気孔である。なお、
各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 端板によつて底部が閉塞されたランプと、こ
   のランプの底部に上記端板を内包して固着され安
   定器支持部を形成したスペーサと、このスペーサ
   および／またはランプに固着されたシエルと、上
   記スペーサおよび／または端板とシエルによつて
   形成される空間部内に収容された安定器、スター
   タ、雑音防止用コンデンサとを備え、上記安定器
   をスペーサに支持させるとともに、上記シエルと
   スペーサの少なくとも一方からシエルの壁面と安
   定器との間に一体的に延出し、シエルの壁面をそ
   の一部とする小空間を形成する仕切体を設け、そ
   の小空間内にスタータおよび雑音防止用コンデン
   サを収容したことを特徴とする放電灯装置。 ２ 小空間の一部は安定器の横側に形成されてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   放電灯装置。 ３ 小空間を形成するシエル壁面は外部と連通す
   る通気孔を有していることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項または第２項の放電灯装置。