JPS625987B2 - - Google Patents
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- JPS625987B2 JPS625987B2 JP28179885A JP28179885A JPS625987B2 JP S625987 B2 JPS625987 B2 JP S625987B2 JP 28179885 A JP28179885 A JP 28179885A JP 28179885 A JP28179885 A JP 28179885A JP S625987 B2 JPS625987 B2 JP S625987B2
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Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は高強度および高耐食性を有する二相ス
テンレス鋳鋼に関する。 〔従来の技術〕 オーステナイトとフエライトの二相からなる二
相ステンレス鋳鋼は、強度が高く、かつ耐食性に
すぐれた材料である。その代表的な鋼種として、
JIS SCS11(25Cr―6Ni―2Mo―Fe)、SCS14
(18Cr―12Ni―2.5Mo―Fe)があり、近年化学プ
ラント、海水機器用材料として広く賞用されてい
る。 〔解決しようとする問題点〕 しかしながら、従来の二相ステンレス鋳鋼は、
その使用実績が重なるにつれ材質上の問題も明ら
かになりつつあり、耐用寿命の向上、使用条件の
苛酷化への対処等の観点から、強度および耐食性
の一層の改善が強く要求されるに及んでいる。 本発明は上記要請に応えるべく、Cr―Ni―Mo
―Fe系における鋼成分組成について鋭意研究を
重ねた結果、Cu、WおよびBの各元素の複合添
加が強度および耐食性の改善に著効を有し、また
これに、TiまたはNbを添加することにより、強
度、耐食性が更に高められることを見出し本発明
を完成するに到つた。 〔問題点を解決するための手段および作用〕 本発明の二相ステンレス鋳鋼は、C0.1%以
下、Si2.0%以下、Mn2.0%以下、P0.04%以下、
S0.04%以下、Ni5.0〜12.0%、Cr20.0〜30.0%、
Mo2.0〜7.0%、Cu4.1〜8.0%、W0.2〜2.0%、
B0.0005〜0.0015%、残部実質的にFeからなる。
また、本発明の二相ステンレス鋳鋼は、所望によ
り、上記各元素と共に、Ti0.03〜0.5%、Nb0.05
〜1.0%のいずれか1種または2種を含有する成
分組成を有する。 以下、本発明二相ステンレス鋳鋼の成分限定理
由を詳しく説明する。 C:0.1%以下 Cは強度の向上に有効ではあるが、クロム炭化
物(Cr23C6)の析出により耐食性や靭性を劣化さ
せるので0.1%以下とする。 Si:2.0%以下 強力な脱酸剤であり、また鋳造性の改善に必要
であるが、多量に含まれると脆化を招くので2.0
%以下とする。 Mn:2.0%以下 脱酸・脱硫作用および鋳造性改善効果を有する
が、多量の含有は耐食性の低下を招くので2.0%
以下とする。 P:0.04%以下、S:0.04%以下 いずれも不純物元素で、耐食性等の材料特性を
劣化させるので可及的に低いことが望ましいが、
工業的製法の観点から、それぞれ0.04%以下の存
在を許容する。 Cr:20.0〜30.0% 強力なフエライト生成元素で、二相組織のフエ
ライトを与え、高強度と高耐食性をもたらす。な
お、本発明鋳鋼の二相組織におけるフエライト量
は、強度や構造材料として必要な溶接性などの確
保のため約30%(面積率)以上、靭性の低下をさ
けるため約80%(面積率)以下であることが好ま
しい。本発明はこの二相組織の形成、高強度・高
耐食性確保、並びに靭性劣化防止のため、Cr量
を20.0〜30.0%に規定する。 Ni:5.0〜12.0% 強力なオーステナイト生成元素で、靭性並びに
耐食性の改善に有効である。このため、少なくと
も5.0%を必要とする。但し、多量に含まれる
と、オーステナイト量が過剰になり、二相組織に
おけるフエライト量30〜80%(面積率)の制御が
困難となるので、12.0%を上限とする。 Mo:2.0〜7.0% 前記Crと同じく耐食性改善にすぐれた効果を
有し、特に耐局部腐食性、耐孔食性の向上に著効
を発揮する。これらの効果を得るには2.0%以上
を要する。一方、多量に含まれると、靭性の劣化
等の悪影響が生じるので、7.0%を上限とする。 Cu:4.1〜8.0% オーステナイト生成元素であり、オーステナイ
ト相の固溶強化、並びに非酸化性の酸に対する耐
食性の向上効果を有する。この効果を得るため
に、少なくとも4.1%を要する。但し、多量に含
まれると、強度や靭性の低下を招くので、8.0%
を上限とする。 W:0.2〜2.0% フエライト生成元素であり、耐食性の改善に有
効である。特に、前記Cuと複合添加されるとき
その効果が大きく、腐食疲労強度をも高める。こ
れらの効果を得るために、0.2%以上必要である
が、約2.0%を超えると、効果が飽和してくるの
で、2.0%を上限とする。 B:0.0005〜0.0015% 耐食性を高め、また結晶粒微細化をもたらす。
このため、0.0005%以上を要するが、0.0015%を
超えると、材料の清浄度が低下し、脆化を招くの
で0.0015%以下とする。 Ti:0.03〜0.5% 炭素との親和力が強く、TiCとしてCの固定化
し、耐食性の改善に寄与する。また、Nも固定
し、同様の効果をもたらす。そのほか、結晶粒微
細化効果をも有する。これらの効果を得るため
に、0.03%以上を要する。但し、0.5%を超える
と、効果が飽和するばかりか、靭性の低下を引き
起こすので0.5%を上限とする。 Nb:0.05〜1.0% 前記Tiと同じく、C,Nとの強い親和力によ
り、炭化物、窒化物としてC,Nを固定し、耐食
性を高める。また、結晶粒を微細化する。これら
の効果を得るために少なくとも0.05%を要する
が、1.0%を超えると効果が飽和するので1.0%を
上限とする。 〔実施例〕 次に実施例により本発明ステンレス鋳鋼の材料
特性について説明する。 第1表に示す各成分組成のステンレス鋳鋼を溶
製・鋳造し、通常の固溶化処理・水冷を施した。
各供試材の機械的性質の測定並びに耐食試験結果
を第2表に示す。試番(No.)1〜8は本発明例、
No.101〜105は比較例であり、比較例No.104はJIS
SCS11相当の従来材、No.105はSCS14相当の従来
材の例である。 なお、第2表中、「耐食性」欄の「耐全面腐食
性」は5%H2SO4試験(JIS G0591に準拠。全面
腐食試験)における腐食量で示し、同欄「耐孔食
性」は3%NaCl―0.08規定HCl孔食試験(3%
NaCl、0.08N―HCl沸騰溶液中に24時間浸漬)に
おける腐食量で示す。 各供試材について、B量と全面腐食量(g/m2
h)の関係を第1図に、Cu量と孔食腐食量(g/
m2h)の関係を第2図にそれぞれ示す。 上記試験結果から明らかなように、本発明材No.
1〜8は、機械的性質が良好で、特に耐力が50
Kg/mm2以上と高強度を備えると同時に、各腐食試
験における腐食量もわずかで、耐全面腐食性、耐
孔食性が極めて良く、従来材であるSCS 11(No.
104)やSCS 14(No.105)およびその他の比較材
を凌ぐすぐれた材料特性を有している。
テンレス鋳鋼に関する。 〔従来の技術〕 オーステナイトとフエライトの二相からなる二
相ステンレス鋳鋼は、強度が高く、かつ耐食性に
すぐれた材料である。その代表的な鋼種として、
JIS SCS11(25Cr―6Ni―2Mo―Fe)、SCS14
(18Cr―12Ni―2.5Mo―Fe)があり、近年化学プ
ラント、海水機器用材料として広く賞用されてい
る。 〔解決しようとする問題点〕 しかしながら、従来の二相ステンレス鋳鋼は、
その使用実績が重なるにつれ材質上の問題も明ら
かになりつつあり、耐用寿命の向上、使用条件の
苛酷化への対処等の観点から、強度および耐食性
の一層の改善が強く要求されるに及んでいる。 本発明は上記要請に応えるべく、Cr―Ni―Mo
―Fe系における鋼成分組成について鋭意研究を
重ねた結果、Cu、WおよびBの各元素の複合添
加が強度および耐食性の改善に著効を有し、また
これに、TiまたはNbを添加することにより、強
度、耐食性が更に高められることを見出し本発明
を完成するに到つた。 〔問題点を解決するための手段および作用〕 本発明の二相ステンレス鋳鋼は、C0.1%以
下、Si2.0%以下、Mn2.0%以下、P0.04%以下、
S0.04%以下、Ni5.0〜12.0%、Cr20.0〜30.0%、
Mo2.0〜7.0%、Cu4.1〜8.0%、W0.2〜2.0%、
B0.0005〜0.0015%、残部実質的にFeからなる。
また、本発明の二相ステンレス鋳鋼は、所望によ
り、上記各元素と共に、Ti0.03〜0.5%、Nb0.05
〜1.0%のいずれか1種または2種を含有する成
分組成を有する。 以下、本発明二相ステンレス鋳鋼の成分限定理
由を詳しく説明する。 C:0.1%以下 Cは強度の向上に有効ではあるが、クロム炭化
物(Cr23C6)の析出により耐食性や靭性を劣化さ
せるので0.1%以下とする。 Si:2.0%以下 強力な脱酸剤であり、また鋳造性の改善に必要
であるが、多量に含まれると脆化を招くので2.0
%以下とする。 Mn:2.0%以下 脱酸・脱硫作用および鋳造性改善効果を有する
が、多量の含有は耐食性の低下を招くので2.0%
以下とする。 P:0.04%以下、S:0.04%以下 いずれも不純物元素で、耐食性等の材料特性を
劣化させるので可及的に低いことが望ましいが、
工業的製法の観点から、それぞれ0.04%以下の存
在を許容する。 Cr:20.0〜30.0% 強力なフエライト生成元素で、二相組織のフエ
ライトを与え、高強度と高耐食性をもたらす。な
お、本発明鋳鋼の二相組織におけるフエライト量
は、強度や構造材料として必要な溶接性などの確
保のため約30%(面積率)以上、靭性の低下をさ
けるため約80%(面積率)以下であることが好ま
しい。本発明はこの二相組織の形成、高強度・高
耐食性確保、並びに靭性劣化防止のため、Cr量
を20.0〜30.0%に規定する。 Ni:5.0〜12.0% 強力なオーステナイト生成元素で、靭性並びに
耐食性の改善に有効である。このため、少なくと
も5.0%を必要とする。但し、多量に含まれる
と、オーステナイト量が過剰になり、二相組織に
おけるフエライト量30〜80%(面積率)の制御が
困難となるので、12.0%を上限とする。 Mo:2.0〜7.0% 前記Crと同じく耐食性改善にすぐれた効果を
有し、特に耐局部腐食性、耐孔食性の向上に著効
を発揮する。これらの効果を得るには2.0%以上
を要する。一方、多量に含まれると、靭性の劣化
等の悪影響が生じるので、7.0%を上限とする。 Cu:4.1〜8.0% オーステナイト生成元素であり、オーステナイ
ト相の固溶強化、並びに非酸化性の酸に対する耐
食性の向上効果を有する。この効果を得るため
に、少なくとも4.1%を要する。但し、多量に含
まれると、強度や靭性の低下を招くので、8.0%
を上限とする。 W:0.2〜2.0% フエライト生成元素であり、耐食性の改善に有
効である。特に、前記Cuと複合添加されるとき
その効果が大きく、腐食疲労強度をも高める。こ
れらの効果を得るために、0.2%以上必要である
が、約2.0%を超えると、効果が飽和してくるの
で、2.0%を上限とする。 B:0.0005〜0.0015% 耐食性を高め、また結晶粒微細化をもたらす。
このため、0.0005%以上を要するが、0.0015%を
超えると、材料の清浄度が低下し、脆化を招くの
で0.0015%以下とする。 Ti:0.03〜0.5% 炭素との親和力が強く、TiCとしてCの固定化
し、耐食性の改善に寄与する。また、Nも固定
し、同様の効果をもたらす。そのほか、結晶粒微
細化効果をも有する。これらの効果を得るため
に、0.03%以上を要する。但し、0.5%を超える
と、効果が飽和するばかりか、靭性の低下を引き
起こすので0.5%を上限とする。 Nb:0.05〜1.0% 前記Tiと同じく、C,Nとの強い親和力によ
り、炭化物、窒化物としてC,Nを固定し、耐食
性を高める。また、結晶粒を微細化する。これら
の効果を得るために少なくとも0.05%を要する
が、1.0%を超えると効果が飽和するので1.0%を
上限とする。 〔実施例〕 次に実施例により本発明ステンレス鋳鋼の材料
特性について説明する。 第1表に示す各成分組成のステンレス鋳鋼を溶
製・鋳造し、通常の固溶化処理・水冷を施した。
各供試材の機械的性質の測定並びに耐食試験結果
を第2表に示す。試番(No.)1〜8は本発明例、
No.101〜105は比較例であり、比較例No.104はJIS
SCS11相当の従来材、No.105はSCS14相当の従来
材の例である。 なお、第2表中、「耐食性」欄の「耐全面腐食
性」は5%H2SO4試験(JIS G0591に準拠。全面
腐食試験)における腐食量で示し、同欄「耐孔食
性」は3%NaCl―0.08規定HCl孔食試験(3%
NaCl、0.08N―HCl沸騰溶液中に24時間浸漬)に
おける腐食量で示す。 各供試材について、B量と全面腐食量(g/m2
h)の関係を第1図に、Cu量と孔食腐食量(g/
m2h)の関係を第2図にそれぞれ示す。 上記試験結果から明らかなように、本発明材No.
1〜8は、機械的性質が良好で、特に耐力が50
Kg/mm2以上と高強度を備えると同時に、各腐食試
験における腐食量もわずかで、耐全面腐食性、耐
孔食性が極めて良く、従来材であるSCS 11(No.
104)やSCS 14(No.105)およびその他の比較材
を凌ぐすぐれた材料特性を有している。
【表】
【表】
本発明二相ステンレス鋳鋼は、高強度と高耐食
性とを兼備するので、各種化学プラント、海水機
器用材料として好適であり、例えば製紙用サクシ
ヨンロール、耐食性ポンプ部品、その他強度と耐
食性が要求される各種部材としてすぐれた耐久性
を保証し、その工業的価値は極めて大である。
性とを兼備するので、各種化学プラント、海水機
器用材料として好適であり、例えば製紙用サクシ
ヨンロール、耐食性ポンプ部品、その他強度と耐
食性が要求される各種部材としてすぐれた耐久性
を保証し、その工業的価値は極めて大である。
第1図および第2図は成分元素含有量(%)と
腐食量(g/m2h)の関係を示すグラフである。
腐食量(g/m2h)の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C0.1%以下、Si2.0%以下、Mn2.0%以下、
P0.04%以下、S0.04%以下、Ni5.0〜12.0%、
Cr20.0〜30.0%、Mo2.0〜7.0%、Cu4.1〜8.0%、
W0.2〜2.0%、B0.0005〜0.0015%、残部実質的に
Feからなる高強度高耐食性二相ステンレス鋳
鋼。 2 C0.1%以下、Si2.0%以下、Mn2.0%以下、
P0.04%以下、S0.04%以下、Ni5.0〜12.0%、
Cr20.0〜30.0%、Mo2.0〜7.0%、Cu4.1〜8.0%、
W0.2〜2.0%、B0.0005〜0.0015%、およびTi0.03
〜0.5%、Nb0.05〜1.0%のいずれか1種もしくは
2種、残部実質的にFeからなる高強度高耐食性
二相ステンレス鋳鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28179885A JPS61147856A (ja) | 1985-12-14 | 1985-12-14 | 高強度高耐食性二相ステンレス鋳鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28179885A JPS61147856A (ja) | 1985-12-14 | 1985-12-14 | 高強度高耐食性二相ステンレス鋳鋼 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18464581A Division JPS5887257A (ja) | 1981-11-17 | 1981-11-17 | 高強度高耐食性二相ステンレス鋳鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61147856A JPS61147856A (ja) | 1986-07-05 |
JPS625987B2 true JPS625987B2 (ja) | 1987-02-07 |
Family
ID=17644127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28179885A Granted JPS61147856A (ja) | 1985-12-14 | 1985-12-14 | 高強度高耐食性二相ステンレス鋳鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61147856A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0241994U (ja) * | 1988-09-13 | 1990-03-22 |
-
1985
- 1985-12-14 JP JP28179885A patent/JPS61147856A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0241994U (ja) * | 1988-09-13 | 1990-03-22 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61147856A (ja) | 1986-07-05 |
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