JPS6259354B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動販売機等に用いられ、複数金種
の紙幣の処理を行う紙幣処理装置に関する。 〔従来の技術〕 従来、自動販売機等に用いられる紙幣処理装置
としては、特開昭49−43699号公報に記載された
もののように、複数枚の紙幣をテープとともにリ
ールに巻取つて一時保留し、販売後この一時保留
紙幣を金庫に収納するようにしたものが知られて
いる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、自動販売機で販売する商品は
年々高額化の傾向にあり、高額の紙幣も受入れて
低額の紙幣で釣銭を払出す必要が生じるが、従来
のもののように一金種の紙幣を複数枚一時保留で
きるようにしたものでは、このような要求に対処
するのは困難であつた。 本発明は、従来装置の一時保留部は紙幣を１枚
ずつ返却できるようになつていることに着目し、
この一時保留部に複数金種の紙幣を収納すること
により複数金種の紙幣の受入れを可能とすると共
に、この一時保留部を低額紙幣を釣銭として払出
すのに利用できるようにした紙幣処理装置を提供
することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上述の目的を達成するため、複数金
種の紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別部
と、該紙幣識別部により真紙幣と識別された紙幣
を収納すると共に収納紙幣を１枚ずつ返却可能な
第１紙幣収納部と、該第１紙幣収納部に収納され
た紙幣を収納することが可能な第２紙幣収納部と
を備えた紙幣処理装置において、前記紙幣識別部
により真紙幣と識別された紙幣の金種を記憶する
記憶手段と、前記第１紙幣収納部に収納された所
定高額金種の紙幣を前記記憶手段の記憶に基づい
て前記第２紙幣収納部に移送する移送手段とを備
えることを特徴としている。 〔作用〕 本発明によれば、第１紙幣収納部に複数金種の
紙幣を受入れ、この受入れ紙幣の金種を記憶して
高額紙幣を第２紙幣収納部に移送できるようにし
たので、第１紙幣収納部には低額紙幣だけを残す
ことが可能となり、この第１紙幣収納部は収納さ
れた低額紙幣を釣銭として払出すのに利用でき
る。 〔実施例〕 次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。第１図は本発明の一実施例の構成を示す側
断面図である。１で示す紙幣処理装置は大別し
て、紙幣を通路内に取り込み搬送する搬送機構部
２と搬送機構部２によつて搬送される紙幣の真偽
および金種を識別するとともに装置全体を制御す
る識別制御部３とからなる紙幣識別部、釣銭とし
て使用されない高額紙幣（例えば五千円札および
一万円札）の収納あるいは釣銭の払い出しに際し
て通路を切り換え、紙幣を所定の通路に導く通路
切換部４、釣銭として使用する低額紙幣（例えば
千円札）を収納部する第１紙幣収納部５、高額紙
幣を収納する第２紙幣収納部６より構成される。 搬送機構部２は搬送モータ２１と、この搬送モ
ータ２１に連動して回転する駆動プーリ２２ａお
よび駆動プーリ２２ａと対をなす従動プーリ２２
ｂと、これらプーリ間に張架されたベルト２３
と、スプリング等によつて常時ベルト２３を押圧
する押えローラ２４と、前記駆動プーリ２２ａと
同様搬送モータ２１に連動して回転する送りロー
ラ２５および押えローラ２６とを備え、紙幣挿入
口７より挿入された紙幣を通路入口部のセンサ３
１によつて検知すると識別制御部３から出力され
る信号に基づいて搬送モータ２１が始動し、駆動
プーリ２２ａを正回転（紙幣を通路に取り込む方
向）させてベルト２３を矢印の方向に回転させ
る。そして、紙幣をベルト２３と押えローラ２４
との間に挾持して搬送通路に取り込み、識別制御
部３を構成する識別センサ３２に沿つて搬送す
る。 この識別センサ３２は紙幣の識別に必要な情報
を検出する例えば磁気ヘツドと光電素子から構成
され、識別制御部３は識別センサ３２からの検出
信号に基づいて紙幣の真偽および金種を識別し、
その結果「偽」と判定すれば前記搬送機構部２の
搬送モータを逆回転させて当該紙幣を紙幣挿入口
７より返却し、また「真」（千円札、五万円札あ
るいは一万円札）と判定すればそのまま搬送を継
続し、通路切換部４を介して紙幣を第１紙幣収納
部５に導いて一時収納する。 通路切換部４は、第２図に詳細に示すように送
りローラ２５の上方側で一端を軸４２に固着さ
れ、送りローラ２５の溝２５１に先端が挿脱可能
に設けられたゲート片４１、ソレノイド４３、一
端がソレノイド４３の可動片に回動可能に連結さ
れ、他端が前記軸４２に結合されたアーム４４、
アーム４４に一端を係止し、ゲート片４１の先端
が送りローラ２５の溝に遊嵌するようにアーム４
４を付勢するスプリング４５とよりなる。第３図
ａ，ｂおよびｃを参照しながら当該切換部４の通
路切換動作を説明する。尚５１は送りローラ２５
の円筒面に密接して矢印の方向に上下動可能なテ
ープである。 第３図ａのように搬送通路２７を矢印方向に搬
送されて来た紙幣BLは先端を送りローラ２５の
溝２５１内に嵌入したゲート片４１の内湾面４１
１に当接し、スプリング４５に抗してゲート片４
１を押し上げるとともに、内湾面４１１によつて
送りローラ２５とテープ５１との面に導かれる。
この送りローラ２５とテープ５１は後述するよう
に一定の速度で矢印の方向に回転（移動）してお
り紙幣は送りローラ２５、テープ５１間に挾持さ
れて第１連絡通路８に送り込まれる。なお５５は
テープ５１とともに第１紙幣連絡通路８を構成す
るガイド板である。 次に第１紙幣収納部５に収納されていた紙幣を
第１連絡通路８より再び搬送通路２７に戻す場合
例えば釣銭を払い出す場合には識別制御部３から
の出力信号に基づいてソレノイド４３が励磁さ
れ、スプリング４５に抗して可動片がアーム４４
を反時計方向（第２図において）に回転する。ゲ
ート片４１は軸４２を介してアーム４４に固着さ
れているのでこのアーム４４の回転によつて第３
図ｂのように送りローラ２５の溝２５１から先端
を退出させ、送りローラ２５とテープ５１とに挾
持された紙幣BLを内湾面４１１に沿つて搬送通
路２７へと導く。 また、紙幣を第１紙幣連絡通路８から第２紙幣
連絡通路９に導く場合、例えば後述するような高
額紙幣を収納する場合には、第３図ａの時と同様
にソレノイド４３は非励磁状態におかれ、第３図
ｃのように送りローラ２５とテープ５１とに挾持
されて第１連絡通路８より送出される紙幣はゲー
ト片４１の外湾面４１２に沿つてテープ５１とベ
ルト９３との間に形成された第２連絡通路９へと
導かれる。 一方、第１図に戻つて、第１紙幣収納部５は送
りローラ２５と押えローラ２６とに挾まれた長尺
のテープ５１を巻回する回動可能の収納リール５
２および送出リール５３と、搬送機構部２の搬送
モータ２１と同一のタイミングで駆動し、前記２
つのリールを所定の方向に回転する収納モータ５
４とを備え、搬送モータ２１に連動して正回転
（紙幣を第１連絡通路８に搬入する方向）する送
りローラ２５と、収納モータ５４に連動して正回
転（紙幣をテープとともに巻き取る方向）する収
納リール５２および送出リール５３により矢印の
方向に移動するテープ５１との間に紙幣を挾持し
て第１連絡通路８に取り込み、収納リール５２の
テープ巻き取り部分へと導く。そしてテープ５１
とともに紙幣を収納リール５２に巻き取り、第１
連絡通路８の途中に配設されたセンサ３３により
紙幣の後端が通過したことを検知すると、識別制
御部３かつ出力される停止信号により収納モータ
５４が停止して紙幣を収納リール５２上のテープ
５１の巻層間に保持する。尚同時に搬送機構部２
も停止する。また、識別制御部３は前記停止信号
と同時に例えば自動販売機（図示せず）の演算制
御部に識別結果に基づいた所定の紙幣信号（金種
信号）を出力する。 そして、識別した紙幣が低額紙幣例えば千円札
であればこれで紙幣処理装置１は待機状態（２枚
目の紙幣の受け入れを可能とするとともに演算制
御部からの信号待ちの状態）となるが、高額紙幣
が投入された場合には、識別制御部３から出力さ
れる収納信号に基づいて搬送モータ２１と収納モ
ータ４４がそれぞれ逆回転（ベルト２３およびテ
ープ４１を矢印と逆の方向に回転させる）して高
額紙幣の収納動作を開始する。すなわち、収納リ
ール５２と送出リール５３は収納モータ５４に連
動して逆回転し、テープ５１の層間に一旦収納し
た高額紙幣をテープ５１とともに送りローラ２５
と押えローラ２６との間へと導く。通路の分岐位
置に配設された通路切換部４は第３図ｃの状態で
あるので紙幣は搬送モータ２１に連動して逆回転
する送りローラ２５と送出リール４３に巻き取ら
れるテープ５１とに挾持されて第２連絡通路９へ
と搬出される。 この第２連絡通路９は固定プーリ９１と可動プ
ーリ９２との間に張架されたベルト９３と前記し
たテープ５１とによつて形成され、送出リール５
３がテープ５１の巻き戻しを開始するとテープ５
１に従動してベルト９３が矢印の方向に回転し、
第１連絡通路８から搬出された紙幣をテープ５１
とベルト９３との間に挾持して第２紙幣収納部６
としての紙幣収納箱へと導く。尚、９４はベルト
９３が送出リール５３に巻回されたテープ５１に
密接するように一端を可動プーリ９２に掛止した
スプリングである。そして、第２連絡通路９の出
口部に配設されたセンサ３４によつて高額紙幣の
収納を確認した識別制御部３は、再び搬送モータ
２１および収納モータ５４を正回転させて高額紙
幣とともに第２連絡通路２に搬出された低額紙幣
を第１紙幣収納部５の収納リール５２に巻き戻
す。低額紙幣の収納がセンサ３３により確認され
るとモータを停止して紙幣処理装置１は待機状態
となる。 次に上述のように高額紙幣が第２紙幣収納部５
に収納された後に自動販売機の演算制御部から千
円札の釣銭払い出し指令が出された場合の釣銭払
い出し動作について説明する。 釣銭払い出し指令を受けた識別制御部３はまず
通路切換部４のソレノイド４３を励磁し、アーム
４４を操作してゲート片４１を送りローラ２５の
溝２５１から退出し第１連絡通路８と搬送通路２
７とを連通する（第３図ｂ参照）。そして搬送機
構部２と第１紙幣収納部５とに信号を出力し、以
下のように第１紙幣収納部５の収納リール５２に
巻回されたテープ５１の層間に保留された紙幣を
逐次紙幣挿入口７から払い出す。すなわち、第１
紙幣収納部５は前述した高額紙幣の収納動作と同
様に収納モータ５４を駆動し、収納リール５２を
逆回転させてテープ層間に保持された紙幣をテー
プ５１とともに繰り出す。紙幣は第１連絡通路８
内を移動し、搬送モータ２１に連動して逆回転す
る送りローラ２５と押えローラ２６との間にテー
プ５１ともども挾持され、前述した通路切換部４
のゲート片４１によつてテープ５１と分離して搬
送通路２７へと導かれる。 一方、搬送機構部２のベルト２３は搬送モータ
２１に連動して逆回転する駆動プーリ２２ａのた
め図中失印とは逆の方向に回転しており、搬送通
路内に導入された紙幣を押えローラ２４との間に
挾持して紙幣挿入口７へと搬送する。そして、通
路入口部に配設されたセンサ３１が紙幣の通過を
検出すると識別制御部３は低額紙幣（千円札）１
枚の払い出し終了を確認し、自動販売機の演算制
御部に払い出し終了信号を出力する。自動販売機
の演算制御部ではこの終了信号によつて釣銭金額
から千円を減算し、さらに千円札の払い出しが必
要な場合には釣銭払い出し指令を再び出力（ある
いは前回の出力を継続して出力）する。紙幣処理
装置１はこの払い出し指令に基づいて前回と同様
に動作して２枚目の紙幣の払い出しを実行する。 また、例えば高額紙幣を投入後、顧客が商品の
購入を中止して手動返金操作を行ない、自動販売
機の演算制御部から返金指令が出された場合に紙
幣処理装置１は、第１紙幣収納部５に保持されて
いる千円札をその金額に相当する枚数（例えば五
千円札が投されたのであれば５枚）払い出す。こ
の返金動作については前述した釣銭払い出し動作
と同様であるので詳細な説明は割愛する。 尚、上述の説明では「真」と判定した紙幣が千
円札であれば第１紙幣収納部５にまた五千円札あ
るいは一万円札であれば第２紙幣収納部６に収納
してから自動販売機の演算制御部へその収納した
金種に応じた紙幣信号を出力するように構成し、
またそのように説明したが、以下のように「真」
と判定した紙幣を金種に拘らず第１紙幣収納部５
に一時保留し、その後自動販売機から出される釣
銭払い出し指令あるいは返金指令によつて一時保
留した高額紙幣を収納あるいは返金するように構
成することも可能である。 「真」と判定した紙幣をテープ５１とともに収
納リール５２に巻き取り、その紙幣の後端が第１
連絡通路８に配設されたセンサ３３を通過すると
識別制御部３は搬送モータ２１および収納モータ
５４を停止して紙幣をテープ５１の層間に巻き込
んだ状態で一時保留して逐次保留した紙幣を記憶
するとともに自動販売機の演算制御部に金種に応
じた所定の紙幣信号を出力する。一方、自動販売
機の演算制御部ではこの紙幣信号を投入金額に加
算して販売の可否を判断し、その結果に基づいて
商品の販売を可能とする。そして顧客の選択に応
じて商品を搬出するとともに販売商品の価格を前
記投入金額から減算して釣銭金額を求め、紙幣処
理装置１に釣銭払い出し指令を出力する。 紙幣処理装置１はこの釣銭払い出し指令を入力
すると前述した一時保留紙幣の記憶内容に基づい
て通路切換部４を操作して通路を切り換え高額紙
幣は第２連絡通路９へ、また釣銭として払い出す
紙幣（千円札）は搬送通路２７へ導き、所定の釣
銭金額を払い出す。釣銭金額は搬送通路入口部に
配設されたセンサ３１を通過した紙幣枚数によつ
て確認し、所定金額（枚数）の払い出しを確認す
ると搬送モータ２１および収納モータ５４を停止
して動作を終了するとともに前記記憶内容を消去
する。また、顧客が販売を中止して自動販売機の
演算制御部から返金指令が出された場合には、通
路切換部４を作動して前記記憶内容に基づいて投
入紙幣の返却を行ない、センサ３１により投入さ
れた紙幣枚数の払い出しを確認すると返金動作を
終了して記憶を消去する。 このように投入された紙幣を第１紙幣収納部５
に一時保留しておけば万一返金指令が自動販売機
の演算制御部より出された場合に、投入された紙
幣によつて返却を行なうことができるため、釣銭
としての千円札の不足を予防することができる。 尚、本発明は自動販売機に投入された金額を算
出して商品の販売可否を判断する前記演算制御部
が自動販売機側（硬貨計数制御装置を含めて）に
限定されるものではなく、紙幣処理装置が演算制
御部を内蔵していても勿論かまわない。また、実
施例では搬送モータと収納モータとの２モータに
よつて構成したが、動作タイミングが同一であれ
ば１モータで構成することもできるし、紙幣の連
投による誤動作を防止するため入口部にシヤツタ
を配設しても良い。さらに、本発明は単に実施例
に限定されるものではなく各機構部の構成を色々
に変形することは可能である。例えば複数個のス
パイラルの溝に紙幣を導き、それぞれ所定の方向
に回転させることによつて逐次溝に紙幣を収納し
ていくスパイラル方式の収納機構を第１紙幣収納
部として用いることもできる。 〔発明の効果〕 以上のような本発明によれば、第１紙幣収納部
に受入れる複数金種の紙幣の金種を記憶して高額
紙幣を第２紙幣収納部に移送するようにして第１
紙幣収納部を低額紙幣の釣銭払出しに利用できる
ようにしたので、自動販売機等における高額商品
の販売に簡単な機構で容易に対処することが可能
となる。さらに、挿入された低額紙幣を釣銭とし
て利用できるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の構成を示す側断面
図、第２図は第１図の紙幣処理装置の通路切換部
の構成を示す要部斜視図、第３図ａ，ｂおよびｃ
は第２図の通路切換部の動作説明図である。 １……紙幣処理装置、２……搬送機構部、３…
…識別制御部、４……通路切換部、５……第１紙
幣収納部、５１……テープ、５２……収納リー
ル、５３……送出リール、６……第２紙幣収納
部、８……第１連絡通路、９……第２連絡通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数金種の紙幣の真偽および金種を識別する
   紙幣識別部と、該紙幣識別部により真紙幣と識別
   された紙幣を収納すると共に収納紙幣を１枚ずつ
   返却可能な第１紙幣収納部と、該第１紙幣収納部
   に収納された紙幣を収納することが可能な第２紙
   幣収納部とを備えた紙幣処理装置において、前記
   紙幣識別部により真紙幣と識別された紙幣の金種
   を記憶する記憶手段と、前記第１紙幣収納部に収
   納された所定高額金種の紙幣を前記記憶手段の記
   憶に基づいて前記第２紙幣収納部に移送する移送
   手段とを備えることを特徴とする紙幣処理装置。