JPS62573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、無水鍋やオーブンなどの調理用加熱
器の中敷に関するものである。

パイ、ケーキ、パン、グラタン、クツキーなど
を焼いたり、各種の蒸し物、煮物、いため物、い
り物などを調理するのに無水鍋が汎く使われてい
る。

この無水鍋によれば、上記各種の料理を手早く
でき経済的である。ところが従来の無水鍋では、
底面からの熱の伝わりが過度に大きくなる傾向が
あつて、パイなどの底面をこげつかせたりしてし
まうことがあり、特に調理経験の浅い者にとつて
は使いづらい一面があつた。

これを解決するために、無水鍋の中に金網を敷
いたり、あるいは棚板を設けその上に被加熱物を
載せるなどの工夫がみられるものの、底面のみが
こげすぎたり、棚板が熱の輻射をさえぎつて熱の
伝わりが悪くなるなどの問題がある。また棚板を
設けたものにあつては、高さの大きい被加熱物を
入れることができなくなつてしまう不利もある。

本考案の目的は上記従来技術の問題点を解消
し、手早くソフトにむらなく加熱することを可能
とする加熱用調理器の中敷を提供することにあ
る。

この目的を達成するために本考案の中敷は、同
心的に配設された複数個の金属製リングと、放射
状に延在され、これらリングが取り付けられた帯
状の金属片とからなり、 前記リングは帯状金属が概ね環状に巻かれた形
状であつて、最も外周側のリングの幅はそれより
も内側のリングの幅よりも大であり、 前記帯状金属片の幅は該内側のリングの幅とほ
ぼ同一であり、 かつこれらのリング及び前記金属片は、その一
側辺がほぼ面一とされて配設されてなることを特
徴とする調理用加熱器の中敷、 を要旨するものである。

以下、図面を参照して実施例を説明する。

第１図は本考案の一実施例に係る中敷の斜視
図、第２図は使用状態に係る同断面図である。

この中敷１は、金属帯を環状に巻いた形状の複
数個（本実施例では３個）のリング２，３，４及
び放射状に延在された帯状の金属片５，６とから
構成されている。各リング２，３，４は同心的に
配置されており、リング２はリング３，４よりも
その幅ｄが大きく設定されている。また金属片
５，６の幅はリング３，４の幅と同一とされてい
る。

而して、リング２，３，４及び金属片５，６は
その一側辺（第１，２図では上辺）が面一とされ
ている。

このように構成された中敷１を用いると、第２
図に示す如く、鍋７の底面からの輻射熱（第２図
中矢印はそれぞれ輻射熱を示している。）のかな
りの部分は、いつたんリング２，３，４や金属片
５，６に吸収された後、２次的な輻射熱となつて
パイなどの被加熱物８の底面をソフトにかつむら
なく加熱するようになる。そのため、被加熱物８
の底面が過熱されて焦げてしまつたりすることが
防止される。さらに、鍋７の内部が全体として暖
まるようになり、被加熱物８はその上面及び側面
もむらなく加熱されるようになる。また考案者が
繰り返し使用した結果、焼いたり蒸らしたりする
加熱時間（調理時間）も中敷不使用の場合に比べ
て約1/2程度になることが認められた。これは局
部的な熱の集中が解消されて、被加熱物が全体と
して暖められるため、熱エネルギーが有効に利用
されるためであると推察される。

またリング２，３，４及び金属片５，６が肉薄
であるから、被加熱物８の底面との接触面積も僅
かであり、加熱むらはほとんどない。

なお第３図に示す如く、中敷１をひつくり返し
て使えば中敷の高さも低くなるので、背の高い被
加熱物９であつても、その上端が鍋蓋の裏面に突
き当ることなく、鍋内に入れることができる。こ
の場合において鍋の底に水Ｗを入れて加熱すると
きには、中敷１が伝熱フインの作用を奏し、水へ
の熱の伝わりが極めて良く、省エネルギー効果が
大きい。

第４図は本考案の異なる実施例に係る中敷１′
の斜視図である。本実施例は第１図のものよりも
小径であり、内側のリングが１個だけの例に係る
ものである。（なお第１図の実施例と同一部分は
ダツシユを付された同一符号をもつて示されてい
る。）このように内側のリングの設置個数は任意
であり、無水鍋の内径の大小に応じて適宜選定さ
れる。

また第１図と第４図の中敷１，１′を第５図に
示す如く重ね合わせて使用することができ、（図
示のものとは逆さにして使用しても良い。）鍋の
底面から被加熱物の底面までの距離を調節するこ
とも可能である。

なお本考案においては、リング２，３，４の形
状は真円形だけでなく、楕円、円に近い形状の多
角形（特にコーナー部が丸みを帯びたもの）など
のものであつても良い。

またリングと金属片の一側辺はほぼ面一であれ
ば足り、例えば最外周のリングを面一よりも少し
突き出すなどの設計変更を行つても良い。

さらに、最外周のリングの内周面に目盛を付け
ておけば、鍋の底に水を注ぐ際の目安になり便利
である。またリングの側面の上下に異なる目印を
つけておけば、料理のガイドブツクで中敷の上下
を指示するのが明確になる。

また金属片５，６は上記実施例では２個用いら
れているが、中敷の径などによつては１個又は３
個以上であつても良い。また、かかる金属片５，
６の幅は内側リング３，４の幅と同一であるのが
良いが、それよりも多少大きくともあるいは小さ
くとも構わない。

上記の実施例の説明はいずれも無水鍋に適用さ
れた例に関するものであるが、本考案の中敷は、
オーブンや圧力鍋、あるいはフライパン、通常の
鍋を用いて調理する場合にも使用でき、特にオー
ブンに適用すると極めて効果的である。

以上の通り本考案の中敷によれば、被加熱物を
むらなく、かつソフトに加熱することができ、調
理経験の浅い人でも失敗なく調理することができ
る。また加熱も手早くでき、調理時間が短くなる
と共に、ガス代、電気代も節約できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例に係る中敷の斜視図、第２図及
び第３図は使用状態の同中敷の断面図、第４図は
異なる実施例に係る中敷の斜視図、第５図は積み
重ねて使用した場合の断面図である。 １，１′……中敷、２，３，４……リング、
５，６……帯状金属片、７……無水鍋、８……被
加熱物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 同心的に配設された複数個の金属製リングと、
   放射状に延在され、これらリングが取り付けられ
   た帯状の金属片とからなり、 前記リングは帯状金属が概ね環状に巻かれた形
   状であつて、最も外周側のリングの幅はそれより
   も内側のリングの幅よりも大であり、 前記帯状金属片の幅は該内側のリングの幅とほ
   ぼ同一であり、 かつこれらのリング及び前記金属片は、その一
   側辺がほぼ面一とされて配設されてなることを特
   徴とする調理用加熱器の中敷。