JPS6256307A - 窒化ほう素と他の非酸化物セラミックスとの混合粉末の製造方法 - Google Patents

窒化ほう素と他の非酸化物セラミックスとの混合粉末の製造方法

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JPS6256307A
JPS6256307A JP60194871A JP19487185A JPS6256307A JP S6256307 A JPS6256307 A JP S6256307A JP 60194871 A JP60194871 A JP 60194871A JP 19487185 A JP19487185 A JP 19487185A JP S6256307 A JPS6256307 A JP S6256307A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は窒化ほう素と他のセラミクス粉末との混合粉末
の製造方法に関する。更に詳しくは、ほう素又はほう素
化合物と窒素又は含窒素化合物とを窒化ほう素以外のセ
ラミクス粉末の存在下に反応させることを特徴とする窒
化ほう前混合粉末の製造方法に関する。
(従来の技術) 窒化ほう素は、耐熱性、電気絶縁性、潤滑性、耐化学薬
品性、熱伝導性等のすぐれた緒特性を有するため、それ
ぞれの特性を利用した各分野に於て粉末状で、又はルツ
ボ等の成形体の形で利用されている。
このような窒化ほう素を様々なセラミクスに混合するこ
とにより、該セラミクスの特性を向」二させようとする
試みが行なわれている。例えば窒化けい素に窒化ほう素
を混合することにより、窒化けい素焼粘体の摩擦、摩耗
特性を改良しようとする試みなどがある。このように窒
化ほう素と種々のセラミクス粉末との混合粉末は複合焼
結体の原料など色々な面で利用されはじめている。上記
のような窒化ほう素と種々のセラミクス粉末との混合粉
末は、従来窒化ほう素粉束と種々のセラミクス粉末をそ
れぞれ個別に合成と7、得られた窒化ほう素粉束と種々
のセラミクス粉末を公知の手段により混合する製造方法
が一般的にとられている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、市販の窒化ほう石粉末は一般に六方晶の晶癖が
発達した結晶粒子であり、その結晶形を反映して板状粒
子となっているため形状異方性が非常に大きい。また、
上記の窒化ほう石粉末は一般的に一次粒子が凝集して大
きい凝集粒を作りやすい性質をもっている。
このため、窒化ほう石粉末と種々のセラミクス粉末を混
合することにより、両者が均一に分散した混合粉末を得
ることは困難であった。
窒化ほう石粉末と種々のセラミクス粉末の両者が均一に
分散していない場合、それぞれのケースによって該混合
粉末の焼結性が悪いあるいは又、該混合粉末を焼結して
得られる複合焼結体の物性がそれ程向上しないなどの様
々な不都合が生ずる。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は上記事情に鑑み、窒化ほう石粉末と種々の
セラミクス粉末が均一に分散した混合粉末を得るべく鋭
意研究を進めた結果、種々のセラミクス粉末の存在下で
合成した窒化ほう素は、種々のセラミクス粉末の間に窒
化ほう石粉末が均一に分散している状態であることを見
出し、本発明を完成することに至った。
すなわち、本発明は、ほう素又はほう素化合物と窒素又
は含窒素化合物とを、窒化ほう素以外のセラミクス粉末
の存在下に反応させることを特徴とする窒化ほう素の製
造方法である。
以下、本発明について更に詳しく説明する。本発明で使
用する原料の一種はほう素又はほう素化合物であり、こ
のうち、ほう素はほう素単体であり、結晶性及び非品性
のいずれをも使用できる。
また、上記ほう素化合物も公知の物質が特に限定されず
使用できる。一般にはほう酸、酸化ほう素、ほう酸塩、
ハロゲン化ほう素金属ほう化物等が本発明に於いて好適
に使用できる。このうち、ほう酸塩としては、ほう酸ア
ンモニウム、ほう砂、ほう酸カリウム、ほう酸リチウム
、ほう酸カルシウム、ほう酸マグネシウム等のほう酸の
アンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩
やほう酸亜鉛等が好適に使用できる。またハロゲン化ほ
う素としては、三塩化ほう素、三フッ化ほう素、三臭化
ほう素等が好適に使用でき金属ほう化物としてはほう化
カルシウム等が好適に使用できる。
本発明で使用する一方の原料である窒素及び含窒素化合
物としては窒化ホウ素の製造に使用される公知の物質が
特に限定されず使用できる。このうち、含窒素化合物は
、一般にアンモニア、尿素、塩化アンモニウム、ジシア
ンジアミド、メラミン等が好適に使用できる。
本発明で使用するセラミクス粉末も窒化ほう素以外のも
のであれば良く特に限定されず公知のいかなるものでも
使用できる。
本発明で好適に使用されるセラミクス粉末は、下記一般
式 (但し、Xは酸素、ほう素、窒素、けい素及び炭素から
なる群から選ばれた1種であり、Mはアルミニウム、ほ
う素、けい素、ベリリウム、希土類元素及び耐火性遷移
金属からなる群から選ばれた1種でX以外のものであり
、mはXの原子価を示し、nはMの原子価を示す。) で示されるものである。
なお本明細書において用いられる「耐火性遷移金属」と
いう用語は、周期律表の第4族、第5族および第6族の
遷移金属、即ちチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ト
リウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、プロトアクチ
ニウム、クロム、モリブデン、タングステンおよびウラ
ニウムを意味する。本発明に於いて好適なセラミクス粉
末としては、例えば窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭
化ケイ素、ほう化チタン、ほう化アルミニウム、ほう化
ジルコニウム、窒化チタン、炭化ほう素、ジルコニア、
ベリリア、アルミナどが好適に使用できる。これらセラ
ミクス粉末は粒径が細かく高純度であることが望ましい
。一般的には該セラミクス粉末の平均粒子径が5μm以
下で、不純物(陰イオン及び陽イオン不純物を含む)が
5重量%以下であることが好ましい。このようなセラミ
クス粉末を用いた場合は本発明によって得られる該セラ
ミクス粉末を含有する窒化ほう素混合粉末の焼結性が良
い、あるいは又該窒化ほう素混合粉末より得られる複合
焼結体の特性がすぐれているなど、本発明による効果を
明確に発現することができる。特に、該セラミクス粉末
として窒化アルミニウム粉末を用いたときは、窒化ほう
素混合粉末を原料として得られる複合焼結体の熱伝導率
が優れているために好ましい。
好適に用いられる窒化アルミニウム粉末としては次のよ
うなものが挙げられる。
平均粒子径(遠心式粒度分布測定装置、例えば堀場制作
所製のCAPA500などで測定した凝集粒子の平均粒
径を言う)が5μm以下であり、好適には3μm以下、
最も好適には2μm以下の粉末が好ましい。特に3μm
以下の粒子を70容量%以上含む粉末が好適である。ま
た、高熱伝導性の複合焼結体を得る場合はAJNの含有
量(A I N粉末の窒素の含有量から計算される)は
90重量%以上の窒化アルミニウム粉末が好適に採用さ
れ、更には94重量%以上、また、さらに好適には97
重量%以上の粉末が採用される。
本発明に於いて好適に使用される窒化アルミニウム粉末
としては、平均粒子径が2μm以下の粉末で、3μm以
下の粒子を70容量%以上含み、酸素含有量が3.0重
量%以下、且つ窒化アルミニウム組成を/INとすると
き含有する陽イオン不純物が0.5重量%以下である窒
化アルミニウム粉末である。このような窒化アルミニウ
ム粉末を用いた場合は、得られる複合焼結体の熱伝導率
の向上と共に高温での機械的強度の低下を抑制すること
ができるために本発明で好適に使用される。就中、平均
粒子径が2μm以下の粉末で、3μm以下の粒子を70
容量%以上含み、酸素含有量が1.5重量%以下、且つ
窒化アルミニウム組成をAINとするとき含有する陽イ
オン不純物が0.3重量%以下である窒化アルミニウム
粉末を用いた場合には、得られる複合焼結体の熱伝導率
の向上と高温での機械的強度の低下の抑制効果とが著し
いため、本発明では特に好適に使用される。
以上に述べたほう素又はほう素化合物と窒素又は含窒素
化合物とを反応させる方法としては、公知の方法が何ら
制限なく採用することができる。
このような公知の反応方法としては、例えば、次のよう
な方法を挙げることができる。
l)単体ほう素と窒素又はアンモニアを直接反応させる
方法。
この場合反応をすみやかに進行させるために1500℃
以上に加熱するとよい。
2) ほう酸、酸化ほう素又はほう酸塩等の原料を窒素
又はアンモニア気流中で加熱する方法。
この場合、ほう酸などは加熱により溶解して粘稠な液体
となり、アンモニアガスとの反応が阻害されるので、通
常光学的にはリン酸カルシウム等のフィラーをほう酸等
に加え、ほう酸等が溶融してフィラーの表面を薄く覆う
ような状態でアンモニアガスと反応させる。
反応終了後はフィラーを塩酸等で溶解除去し窒化ほう素
を分離する。
3) ほう酸塩又はほう酸等と尿素などの含窒素化合物
の混合物を窒素又はアンモニア気流中で加熱する方法。
4) ほう酸や酸化ほう素等に炭素、マグネシウム等の
還元剤を添加し、アンモニア又は窒素中で反応させる方
法。
5)三塩化ほう素等のハロゲン化ほう素とアンモニアよ
りイミド等の化合物を合成し、これを加熱分解すること
により、窒化ほう素を得る方法。
これらの方法のうち、1)〜4)の方法と5)の方法の
二つに分けて以下に更に詳しく説明する。
1)〜4)の方法について説明すると、まずほう素又は
ほう素化合物とセラミクス粉末が混合される。
この混合比は、本発明により製造されるセラミクス粉末
を含有する窒化ほう素混合粉末に要求される性状に応じ
て広い範囲から選択できる。本発明の方法で得られる窒
化ほう素混合粉末の均一性による効果が明確に現われる
には、一般に、ほう素又はほう素化合物を″窒化ほう素
に換算して5〜95重量%、セラミクス粉末が95〜5
重量%の範囲であることが好ましい。さらには、ほう素
又はほう素化合物を窒化ほう素に換算して10〜90重
量%で、セラミクス粉末が90〜10重量%であること
がより好ましい。但し、2)又は4)の方法を用いる場
合、原料混合物中の窒素又は含窒素化合物の空気性を良
好にし、ほう素又はほう素化合物の窒化反応を進行させ
るために、セラミクス粉末の量は40重量%以上である
ことが好ましい。
本発明に於いては、さらに1)〜4)の各方法に従って
、所定の含窒素化合物又は還元剤等の成分がさらに混合
される。
また、2)の方法では、ほう素又はほう素化合物が加熱
により溶解して液体となり、窒素又は含窒素化合物との
反応が阻害されるので、通常リン酸カルシウム等のフィ
ラーを加えて反応を行なわせているが、本発明の場合、
添加するセラミクス粉末がフィラーの役目を果たすので
、リン酸カルシウム等のフィラーは必ずしも加える必要
はない。
ほう素又はほう素化合物とセラミクス粉末、さらに必要
に応じて加えられる含窒素化合物で還元剤の混合方法は
特に限定されず、乾式混合、液体分散媒体中で混合する
湿式混合等の公知の方法を採用すればよい。特に好適な
実施態様は湿式混合である。該液体分散媒体は特に限定
されず、一般に水、アルコール類、炭化水素類またはこ
れらの混合物が好適に使用される。特に工業的に最も好
適に採用されるのはメタノール、エタノール、ブタノー
ルなどの炭素数4以下の低級アルコール類である。
また、混合の条件及び装置は特に限定されず不可避的に
混入する不純物成分を抑制できるものであれば好適であ
る。
このようにして得られた混合物はそのまま或いは必要に
より乾燥を行なう。次の窒化反応に供する際の混合物の
形状は粉状でもよいし、また、ベレット状又はブロック
状に成型されていてもよい。
このようにして得た混合物を次に窒素又は含窒素化合物
の雰囲気下で焼成する。該焼成温度は各セラミクス粉末
の種類によって異なるが、一般には700℃〜1500
℃の範囲が好適である。
焼成時間は通常2〜12時間の範囲から選択すれば十分
である。
前記焼成の際には焼成炉の炉材や焼成ボートなどの材質
について不純物の原因とならないように配慮するのが好
ましい。また焼成の雰囲気はアンモニアを含む雰囲気、
通常は純アンモニアガスかあるいはそれに窒素ガスなど
を加えたガスが好適であり、通常これらの反応ガスを窒
化反応が十分進行するだけの量を連続的に又は間欠的に
供給しつつ焼成すると良い。
次に5)の方法について説明する。
液体アンモニアにセラミクス粉末を加える。セラミクス
粉末の添加量は、得られる窒化ほう素混合粉末中に占め
る割合が5〜95重量%好ましくは、10〜90重量%
となるように選択することが好適である。攪拌等の方法
によりセラミクス粉末を均一に分散させなから三塩化ほ
う素等のハロゲン化ほう素を滴下する。生成したほう素
のイミドとセラミクス粉末のスラリーを攪拌しながら口
過し、乾燥させる。なお上記反応操作は乾燥した雰囲気
、例えば窒素ガス雰囲気下において行なうのが望ましい
。なぜならば三塩化ほう素等のハロゲン化ほう素及び反
応生成物であるほう素のイミドは水と簡単に反応して分
解してしまうからである。
上記のようにして得られたほう素のイミドとセラミクス
粉末の混合物を窒素又はアンモニアガス雰囲気下800
〜1200℃の温度で加熱し、ほう素のイミドを熱分解
することにより窒化ほう素とセラミクス粉末の混合物を
得る。
なお必要ならば、上記のようにして得られた窒化ほう素
混合粉末を窒素ガスなどの非酸化性雰囲気下1200〜
1700℃の温度で更に加熱することにより窒化ほう素
の結晶化度を高くすることができる。
以上のようにして、種々のセラミクス粉末と窒化ほう素
粉束とが均一に分散した窒化ほう素混合粉末を得ること
ができる。
本発明により得られる種々のセラミクス粉末を含有する
窒化ほう素混合粉末は、そのまま粉末の形態で他の物質
に添加するなどして利用できるし、また複合焼結体の原
料としても利用できる。複合焼結体の原料とする場合は
、本発明により得られる種々のセラミクス粉末を含有す
る窒化ほう素混合粉末をそのまま又はこれに焼結助剤を
配合し焼結することにより複合焼結体を得ることができ
る。
以下、本発明の窒化ほう素混合粉末を複合焼結体の原料
として利用する場合について、更に詳しく説明する。先
ず、焼結助剤は、特に限定されず公知のものを使用でき
るが、一般に窒化ほう素および使用したセラミクス粉末
の焼結に好適な物質の中から選べば良い。例えば、前記
セラミクス粉末が窒化アルミニウム粉末の場合には、周
期律表第1)a族又は第ma族金属の化合物が焼結助剤
として適当である。より具体的に挙げればベリリウム、
カルシウム、ストロンチウム2.バリウム、イツトリウ
ム、ランタン、セリウム、ネオジム等の硝酸塩、炭酸塩
、ハロゲン化物、アルミン酸塩、酸化物等が好適に使用
される。
また、セラミクス粉末が窒化ケイ素の場合には、マグネ
シア、アルミナ、イツトリア等の周期律表第1)a族又
は第1IIa族の金属の酸化物が、さらに、セラミクス
粉末が炭化ケイ素の場合には、カーボン及び金属ほう素
が焼結助剤として好適に用いられる。
また、前記の焼結助剤の使用量は、複合焼結体の組成や
該複合焼結体に要求される性状等によって異なるもので
、予めそれぞれの場合に応じて好適な使用量を決定すれ
ば良い。一般には、焼結助剤はセラミクス粉末に対して
0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%
の範囲で使用することが好適である。また、窒化ほう素
の焼結に好適に用いられる酸化ほう素、酸化カルシウム
等の焼結助剤も、窒化ほう素に対して上記と同様の範囲
で用いることが好ましい。
前記の窒化ほう素混合粉末と焼結助剤の混合方法は特に
限定されず、公知の方法を採用すれば良い0例えば湿式
混合方法が好適に使用できるし、液体分散媒体を使用し
ない乾式混合方法を採用することもできる。また、混合
装置についても特に限定されず、公知のものをそのまま
使用すればよい。
前記の焼結助剤の窒化ほう素混合粉末への分散方法とし
ては、前記の方法のほかに窒素ほう素混合粉末を合成す
る前にその原料に焼結助剤を混合しておき、その後窒化
ほう素混合粉末を合成することによって窒化ほう素混合
粉末に分散させるという手段も採用し得る。
焼結は真空又は非酸化性雰囲気下に加圧下あるいは常圧
のいずれでも行なうことができる。加圧する・場合の圧
力は20〜5 Q Q kg/ctm”の圧力を選べば
好適である。
上記、非酸化性雰囲気としては、例えば窒素ガス、アル
ゴンガス、水素ガスあるいはこれらの混合ガス雰囲気な
どが使われる。
焼結温度は、複合焼結体の組成などにより異なるので、
予めそれぞれの場合に応じて最適な焼結温度を決定すれ
ば良いが、一般にはセラミクス粉末が酸化物系セラミク
スの場合1400〜2000℃、非酸化物系セラミクス
の場合は1500〜2300℃の温度が採用される。
(効果) 本発明の製造方法によると、従来行なわれている窒化ほ
う素粉末と種々のセラミクス粉末を混合する方法では達
成できない均一に窒化ほう素と種々のセラミクス粉末が
分散した混合粉末が得られる。
本発明によって得られる窒化ほう素混合粉末は、窒化ほ
う素粉末と種々のセラミクス粉末が均一に分散混合して
いるため、例えば窒化ほう素−窒化アルミニウム系など
ではシリコーンゴム等のポリマーとの複合体用粉末とし
て効果的な作用を有する。
また、該窒化ほう素混合粉末は良好な焼結性を有し、す
ぐれた特性を有する複合焼結体を提供する。特に本発明
によって得られる窒化ほう素混合粉末は窒化ほう素粉末
と種々のセラミクス粉末が均一に分散した混合粉末であ
るため該粉末を焼結することによって従来得られなかっ
た非常に均一な組織を有する窒化ほう素糸の複合焼結体
を得ることができる。このため該複合焼結体は、従来公
知の方法、即ち、窒化ほう素粉末と種々のセラミクス粉
末の単なる混合物を焼結することによって得られる複合
焼結体にくらべて様々な面に於いてすぐれた性質を有し
、例えば、一般に高い曲げ強度を有する。また該複合焼
結体は窒化ほう素が5〜40重量%、セラミクス粉末が
95〜60重量%の範囲、より好ましくは窒化ほう素が
10〜30重量%、セラミクス粉末粉末が90〜70重
量%の範囲という組成に於いて普通工具により切削加工
ができるいわゆるマシーナブルセラミクスとしての性状
をも発揮する。
本発明のような簡単な手段で窒化ほう素粉束と種々のセ
ラミクス粉末が均一に分散した混合粉末を容易に得るこ
とができ、しかも該粉末を使用することにより窒化ほう
素セラミクスの特性を大幅に向上させることができるの
で、本発明の工業的価値は極めて大きい。
以下、実施例によって本発明を具体的に例示するが本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 平均粒径が1.31)!mで3μm以下の粒子の含有割
合が90容量%を占め表1に示す組成の窒化アルミニウ
ム160重量部とほう酸(和光純薬製特級試薬)100
重量部とを、ナイロン製ボッ]−とナイロンコーティン
グしたポールを用い、エタノールを液体分散媒体として
湿式混合で均一にボールミル混合した。
このようにして得られた混合物を乾燥後ナイロン製ポッ
トにナイロンコーティングしたポールを用い乾式粉砕を
行なった。
粉砕後、この混合物をアルミナ製ボードに入れ、電気炉
内に純アンモニアガスを200 m l /1)1in
で連続的に供給しながら、1000℃の温度で6時間加
熱した。得られた粉末は白色であった。この粉末の窒素
含有率は37.’5%で、ほう酸の窒化ほう素への転化
率即ち、窒化ほう素の収率は95%であった。また、ホ
ウ酸の未反応物は酸化ほう素になっているものと考えら
れる。従って、該粉末の組成は窒化アルミニウム80%
、窒化ほう素19%、酸化ほう素1%であると考えられ
る。ま表I  AIN粉末分析値 AI!N含有量       97.8%元  素  
   含有量  (PPM)Mg          
    <5(#)Cr        21(#) Si       125    (〃 )Zn   
      9    (〃)Fe        2
0(〃 ) Cu       <  5    (’  )Mn 
        5    (〃)Ni       
27   (〃 )Ti       <  5   
 (〃)Co             <5(#)A
n!        64.8   (wt%)N  
       33.4(〃) 0         1.1(〃) CO,LL(〃) た、該粉末のX線回折による分析の結果、窒化アルミニ
ウムの回折ピークのみで、六方晶窒化ほう素の明確な回
折ピークは認められなかった。従って、該粉末は窒化ア
ルミニウムと非晶質窒化ほう素の混合物であると考えら
れる。走査電子顕微鏡による観察ではこの粉末の一次粒
子の大多数は平均0.7μm程度でこれら窒化アルミニ
ウムと思われる粒子が、非晶質窒化ほう素と思われる不
定形物質でおおわれていた。
上記粉末12gを直径401mの窒化ほう素でコーティ
ングした黒鉛ダイスに入れ、高周波誘導加熱炉を用い、
1気圧の窒素ガス中、200 kg/cs”の圧力下で
2000℃の温度で3時間加圧焼結した。得られた焼結
体は白色であった。この焼結体はX線回折により、窒化
アルミニウムと六方晶窒化ほう素の2相から成っている
ことが判った。アルキメデス法で測定した密度は2.9
8 g /cs”であった。
上記焼結体から、約3龍角、長さ約40+nの試験片を
切り出し、1500番の;ンドペーパーで磨いた後、曲
げ強度を測定した。測定条件はクロスヘッドスピード0
.5 m/ll1in 、スパン20u+の3点曲げと
した。測定値より計算された曲げ強度は5’1kg/m
m”であった。
また上記焼結体の加工性を調べたところ、超硬ドリルに
よる室孔、超硬バイトによる切削のいずれも容易に行な
え、快削性であることがわかった。
更に上記と同条件で製造した窒化アルミニウムと窒化ほ
う素の混合粉末を同条件で加圧焼結した直径1ON、厚
さ2.5 Mの焼結体の室温における熱伝導率を理学電
気製し−・ザー・フラッシュ法熱定数測定装置PS−7
を用いて測定した。その結果、熱伝導率は75 W/m
 −Kであることがわかった。
さらに、得られた窒化アルミニウムを含有する窒化ほう
素混合粉末を2%のシランカップリング剤(日本ユニカ
ー社製A−172)水溶液と接触させた後、濾過して室
温で減圧乾燥した。
加熱加硫型のシリコーンゴム100gをトリクロロエタ
ン700gに溶解させた後、上記シランカップリング剤
処理した窒化ほう素混合粉末6(JQgを加え、均一に
攪拌しながら真空脱泡した 得られたスラリーをポリエ
チレンシート上に塗布し、乾燥後温度165℃で40分
間プレス加硫した。
得られた厚さ0.61mのシートの熱伝導率は0.00
9cal/cs−sec −Kであった。
比較例1 実施例1で用いた窒化アルミニウム粉末と、純度が99
.5%で且つ5μm以下の粒子の割合が95容量%であ
る窒化ほう素とを単に混合した。
これを実施例1と同様に焼結して複合焼結体を得た。該
複合焼結体の密度は、2.75 g/cm’ 、曲げ強
度は34kg/m”%熱伝導率は73W/m−にであっ
た。
実施例2〜3 実施例1に於いて、窒化アルミニウム粉末とほう酸の混
合割合を変え、それ以外は実施例1と全く同一にして実
験を行なった。
結果を表2にまとめて示す。
実施例4 実施例1で使用したのと同じ性状の窒化アルミニウム粉
末195重量部と硼砂100重量部、尿素80重量部の
混合物を、アルミナ製ボートに入れ電気炉内に純アンモ
ニアガスを150 m l! /lll1nで連続的に
供給しながら、800℃の温度で4時間加熱した。反応
終了後放冷して生成物を素早く水洗し、後エタノール゛
にて洗滌し乾燥した。得られた粉末は白色であった。該
粉末をX線回折により分析した結果、該粉末は窒化アル
ミニウムと窒化ほう素の混合粉末で、化学分析の結果、
窒化アルミニウム80.3%、窒化ほう素19.7%で
あった。走査電子顕微鏡による観察では、窒化アルミニ
ウムと窒化ほう素が相互に均一に分散した混合粉末で窒
化ほう素の凝集は見られなかった。
このようにして得られた混合粉末100重量部と酸化イ
ツトリウム1重量部とをエタノールを分散媒体として均
一にボールミル混合した。
得られたスラリーを乾燥後、実施例1と同様にして加圧
下の焼結を行なった。得られた焼結体は白色で、密度は
2.98g/cm’であった。
実施例1と同様にして上記焼結体の物性を測定した結果
、曲げ強度は50kg/mm”であった。また室温にお
ける熱伝導率は1)2W/m−にであった。
一方実施例1と同様に上記焼結体の加工性を調べた結果
、実施例1で得たものと同様に快削性であることがわか
った。
の窒化けい素(東洋曹達工業製TS−7)160重量部
とホウ酸(和光純薬製、特級試薬)100重量部とを実
施例1と同様に混合及び焼成を行なった。得られた粉末
は淡灰色であった。窒化ほう素の収率は96%であった
、またほう酸の未反応と考えられる。また該粉末のX線
回折による分析の結果、α型窒化けい素の回折ピークの
みで六方晶窒化ほう素の明確な回折ピークは認められな
かった。従って該粉末は、α型窒化けい素と非晶質窒化
ほう素の混合物であると考えられる。走査電子顕微鏡に
よる観察では、窒化けい素の粒子が非晶質窒化ほう素と
思われる不定形物質で均一におおわれていた。
上記の混合粉末100重量部と酸化マグネシウム5重量
部とをエタノールを分散媒体として均一にボールミル混
合した。
得られたスラリーを乾燥後、1気圧の窒素ガス中200
ksr/c+a”の圧力下で1500℃の温度で3時間
加圧焼結した。得られた焼結体は淡灰色であった。この
焼結体はX線回折により、β型窒化けい素と、六方晶窒
化ほう素の2相から成っていることが判った。アルキメ
デス法で測定した密度は、2.93g/e1m’であっ
た。
実施例1と同様にして上記焼結体の曲げ強度を測定した
結果、75kg/m”であった。
一方実施例1と同様に上記焼結体の加工性を調べた結果
、実施例1で得たものと同様に快削性であることがわか
った。
実施例6 平均粒径が0.3μmでStC’含量が98重量%であ
る炭化ケイ素(イビデン製、商品名ベータランダム)1
60重量部とホウ酸(和光純薬製、特級試薬)100重
量部とを実施例1と同様に混合及び焼成を行なった。
得られた粉末は灰色であった。窒化ほう素の収率は95
%であった。またほう酸の未反応物は酸化ほう素になっ
ているものと考えられる。従って該粉末の組成は炭化け
い素80%、窒化ほう素19%、酸化ほう素1%である
と考えられる。また該粉末のX線回折による分析の結果
、β型炭化けい素と非晶質窒化ほう素の混合物であると
考えられる。走査電子顕微鏡による観察では、炭化けい
素の粒子が非晶質窒化ほう素と思われる不定形物質で均
一におおわれていた。
このようにして得られた粉末100重量部と金属ほう素
1重量部、カーボンブラック1重量部とをヘキサンを分
散媒体として均一にボールミル混合した。
得られたスラリーを乾燥後、40mφの黒鉛製モールド
に充填し高周波誘導加熱方式により、1気圧のアルゴン
ガス中、200kg/cm2の圧力下で、2000℃の
温度で1時間加圧焼結した。得られた焼結体は、黒色で
密度は2.92g/Crn’であった。この焼結体のX
線回折分析の結果窒化ほう素は六方晶窒化ほう素に転移
していた。
実施例1と同様にして上記焼結体の物性を測定した結果
、曲げ強度は51kg/、、!であった。また室温にお
ける熱伝導率は70W/m・Kであることがわかった。
一方実施例1と同様に上記焼結体の加工性を調べた結果
、実施例1で得たものと同様に快削性であることがわか
った。
実施例7 実施例1で使用したのと同じ性状の窒化アルミニウム粉
末100重量部と純度99%のほう素粉末(和光純薬製
)1)重量部の混合物を窒化ほう石調るつぼに入れ電気
炉内に窒化ガスを500mE/minで連続的に供給し
ながら1500℃の温度で6時間加熱した。得られた粉
末は白色であった。窒化ほう素の収率は99%で、該粉
末の組成は窒化アルミニウム80重量%、窒化ほう素1
9.8重量%、未反応ほう素(一部酸化ほう素になって
いるものと考えられる。)0.2重量%であった。走査
電子顕微鏡による観察では、窒化アルミニウムと窒化ほ
う素が相互に均一に分散した混合粉末で窒化ほう素の凝
集は見られなかったつ本実施例で得られた粉末100重
量部と酸化イツトリウム1重量部とをエタノールを分散
媒体として均一にボールミル混合した。
得られたスラリーを乾燥後、実施例1と同様にして加圧
下の焼結を行なった。得られた焼結体は白色で密度は2
.97 g10s3であった。
実施例1と同様にして上記焼結体の物性を測定した結果
5曲げ強度は49kg/w”であった、また室温におけ
る熱伝導率は1)0W/m −Kであった。
一方実施例1と同様に上記焼結体の加工性を澗べた結果
、実施例1で得たものと同様に快削性であることがわか
った。
特許出願人  徳山曹′達株式会社 手  続  補  正  書 昭和61年7月2日 特許庁長官  宇 賀 道 部 殿 1、 事件の表示 特願昭60−19,1)871号 2、発明の名称 窒化ほう素混合粉末の製造方法 6、補正をする者 事件との関係  特許出願人 住 所  山口県徳山市御影町1番1号名 称 (31
B)  徳山曹達株式会社 、代表者尾上康治゛、パ 4、補正の対象 明細書の「発明の詳細な説明」の欄 5、補正の内容 (1)明細書第4頁14行目 「ハロゲン化ほう素」の後に「、」を挿入する。
(2)同第9頁12行目 「光学的」を「工業的」に補正する。
(3)同第1)頁3行目 「空気性」を「通気性」に補正する。
(4)同fs1)頁下から3行目 [含窒素化合物でJを「含窒素化合物又は」に補正する
(5)  同IE32Jl1行目 次の実施例8を挿入する。
「実施例 8 液体アンモニア1501f#に実施例1で使用(−たの
と同じ性状の窒化アルミニウム粉末20gを加え攪拌す
る。上記懸濁液を攪拌しながら三塩化ほう素25.9を
含むn−ヘキサン溶液を加える。反応終了後、得られた
反応生成物を口過、洗浄、乾燥後、電気炉内で窒素ガス
を流しながら1500℃で4時間加熱した。
なお、上記反応操作及び反応生成物の取扱い−は全て窒
素雰囲気下で行なった。
乙  得られた粉末は白色でX線回折による分析の結果
、窒化アルミニウムと窒化ほう素による回折ピークのみ
であった。化学分析の結果、該粉末の組成は窒化アルミ
ニウム80重量%。
窒化ほう素19.9重量%であった。該粉末の走査型電
子顕微鏡による観察では窒化アルミニウム粒子と窒化ほ
う素粒子が相互に均一に分散した混合粉末であった。
このようにして得られ先混合粉末100重量部と酸化イ
ツトリウム1重量部とをエタノールを分散媒体として均
一にボールミル混合した。
得られたスラリーを乾燥後、実施例1と同様にして加圧
下の焼結を行なった。得られた焼結体は白色で、密度は
2.99.F/cdであった。
実施例1と同様忙して上記焼結体の物性を測定した結果
、曲げ強度は54に4/−であった。また室温とおける
熱伝導率は120W/m−1であった。
一方、実施例1と同様に上記焼結体の加工性を調べた結
果、実施例1で得たものと同様に快削性であることがわ
かった。」 以上

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ほう素又はほう素化合物と窒素又は含窒素化合物
    とを窒化ほう素以外のセラミクス粉末の存在下に反応さ
    せることを特徴とする窒化ほう素混合粉末の製造方法。
  2. (2)セラミクス粉末が窒化アルミニウム粉末である特
    許請求の範囲第(1)項記載の製造方法。
  3. (3)セラミクス粉末が、窒化ケイ素粉末である特許請
    求の範囲第(1)項記載の製造方法。
  4. (4)セラミクス粉末が、炭化ケイ素粉末である特許請
    求の範囲第(1)項記載の製造方法。
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