JP2014028749A - ハイブリッド型bn凝集粒子およびその製造方法ならびに高分子材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性および付着性に優れ、高分子材料の複合材用充填材して使用した場合に、放熱性のバラツキが小さく、かつ銅箔との付着性に優れたハイブリッド型BN凝集粒子を提供する。
【解決手段】BNの一次粒子が凝集した二次粒子を主体とするBN凝集粒子であって、体積抵抗率が108Ω・cm以上の絶縁性の酸化物、窒化物あるいは酸窒化物のうちから選んだ1種または2種以上からなる絶縁性粒子を0.5〜40質量%の割合で含有し、該絶縁性粒子の一部を、該一次粒子および該二次粒子の表面に析出させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部材に使用する樹脂やゴム等の高分子材料の放熱性を向上させるための充填材としての用途に供して好適なハイブリッド型BN凝集粒子およびその製造方法に関するものである。
また、本発明は、上記のハイブリッド型BN凝集粒子を樹脂やゴム等に充填させた高分子材料に関するものである。
近年、LEDやパワーモジュール等の半導体分野において、集積度の向上とハイパワー化がますます進行しているが、これらの性能を決定する因子として、集積回路周辺の放熱技術が重要になってきている。
特に実装で使用する有機材料は、熱を伝え難いため、集積度が高くなるに従って放熱性の改善が強く望まれている。
従来、上記したような放熱性の改質材としては、価格、品質の安定性および樹脂とのなじみ易さの点から、シリカやアルミナが使用されていた。
しかしながら、上記した従来材では、球状化や粒度分布の最適化などにより機能の向上が図られているとはいえ、その改善には限界があった。
そのため、素材そのものを変える新たな充填材の開発が強く求められている。
そこで、高熱伝導性の無機材料として、新たにAlNやMgO、BeO、そしてBNが取り上げられてきた。
中でも、BNは、絶縁性や環境安定性、耐吸湿性に優れていることから、最も有望な材料として研究が進められている。
しかしながら、BNは、鱗片状で六方晶の結晶構造であるため、特性に異方性を有することから、特性が安定せず、BNの有している潜在特性を十分に活かしきっていないという問題があった。
上記の問題を解決するために、これまでにも、BN粒子に対して種々の改良がなされている。
例えば、特許文献1には、放熱方向とBN粒子のa軸が直角になるように高分子複合材を成形する方法が提案されている。
また、特許文献2には、粒子が等方性となるように、BN粉末を凝集体とする方法が提案されている。
さらに、特許文献3には、異方性を小さくするためにBN粒子の粒径を小さくする方法が提案されている。
しかしながら、上記の方法では、それなりの改善効果が認められるものの、放熱性や付着力については依然として十分とは言えなかった。
その他、特許文献4には、熱伝導率の向上を目的として、窒化ホウ素に、アルミナと窒化アルミニウムを加えて3者の混合粉とすることが提案されている。
特開平11−60216号公報 特許第3461651号公報 特開2010−76955号公報 特開2011−184507号公報
上掲特許文献4に開示のように、窒化ホウ素とアルミナと窒化アルミニウムの混合粉とすることにより熱伝導率の向上は達成された。
しかしながら、依然として、高分子材料との付着性が弱く、使用時に回路である銅箔がはく離して導体不良を発生し易いという問題が残されていた。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、放熱性および付着性に優れるだけでなく、高分子材料の複合材用充填材として使用した場合に、放熱性のバラツキが小さく、かつ銅箔はく離に起因した導体不良が生じることのないハイブリッド型BN凝集粒子を、その有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
また、本発明は、上記したハイブリッド型BN凝集粒子を分散充填させた高分子材料を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、BN粒子を高分子材料の複合材用充填材として使用した場合に、銅箔はく離に起因した導体不良が生じる原因について調査した。
その結果、BN粒子の表面は官能基が少なく、母材である高分子材料との付着性が弱いため、BN粒子と高分子材料の境界で亀裂が発生して、銅箔と高分子材料がBN粒子が存在する強度の弱い界面で分離するために使用時に回路である銅箔がはく離し易いことが判明した。
そこで、発明者らは、上記の問題を解決すべく種々検討を重ねた結果、BN粒子自体の付着性は弱くても、かかるBN粒子の表面に付着性に優れた微小粒子を配置させることによって、BN粒子の付着性が格段に向上することの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.BNの一次粒子が凝集した二次粒子を主体とするBN凝集粒子であって、体積抵抗率が108Ω・cm以上の酸化物、窒化物あるいは酸窒化物のうちから選んだ1種または2種以上からなる絶縁性粒子を0.5〜40質量%の割合で含有し、該絶縁性粒子の一部を、該一次粒子および該二次粒子の表面に析出させたことを特徴とするハイブリッド型BN凝集粒子。
2.前記BN凝集粒子の平均粒径が2〜200μmであることを特徴とする前記1に記載のハイブリッド型BN凝集粒子。
3.前記酸化物、窒化物あるいは酸窒化物が、Alの酸化物または窒化物、Siの酸化物または窒化物ならびにBの酸化物のうちから選んだ1種または2種以上であることを特徴とする前記1または2に記載のハイブリッド型BN凝集粒子。
4.B4C粉と、金属Al,金属Si、Al酸化物、Si酸化物およびB酸化物のうちから選んだ1種または2種以上とを混合したのち、1600〜2200℃の温度域で一段または二段の窒化処理および脱炭処理を施して、BN粒子のまわりにAlの酸化物、窒化物または酸窒化物、Siの酸化物、窒化物または酸窒化物ならびにBの酸化物のうちから選んだ1種または2種以上の絶縁性粒子を析出させ、ついで得られた凝集体を破砕・分級することを特徴とするハイブリッド型BN凝集粒子の製造方法。
5.前記1〜3のいずれかに記載のハイブリッド型BN凝集粒子を、樹脂またはゴム中に埋設してなることを特徴とする高分子材料。
本発明に従い、BN粒子の表面に、付着性に優れた絶縁性の微小粒子を配置することにより、BN粒子の付着性が格段に向上するため、銅箔はく離に起因した導体不良を効果的に防止することができる。
また、本発明のハイブリッド型BN凝集粒子を充填した高分子材料は、LEDやパワーモジュール等の発熱量の大きい電気・電子部品の絶縁材に用いて特に有効である。
本発明のハイブリッド型BN凝集粒子の製造要領を示した図である。 本発明に従うハイブリッド型BN凝集粒子の電子顕微鏡写真(上段5000倍、下段2000倍)の一例を示した図である。 本発明に従うハイブリッド型BN凝集粒子の電子顕微鏡写真(上段5000倍、下段1000倍)の別例を示した図である。 本発明に従うハイブリッド型BN凝集粒子の電子顕微鏡写真(上段5000倍、下段1000倍)の別例を示した図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明のハイブリッド型BN凝集粒子の製造要領を、絶縁性の酸化物としてAl2O3を用いた場合について説明する。
原料として、B4C粉とAl2O3粉を準備し、これらを均一に混合する。この状態を図1(a)に示す。
ついで、1800〜2200℃の温度で窒化処理および脱炭処理を施す。
上記の窒化処理で、次式(1),(2)の反応が進行する。
4C+2N2→4BN+C --- (1)
Al2O3+3C+N2→2AlN+3CO --- (2)
すなわち、(1)式の反応により、B4CはBNになるが、同時にCも生成する。この生成したCにより、BN中の酸素が除去されて高純化が進行するが、一方でCは導電性物質であるため、絶縁性の低下を招く。しかしながら、生成したCは、添加したAl2O3の一部により(2)式の反応でCOとして系外に排出されると同時に、AlNが析出する。このAlNは未反応のAl2O3と共にBN粒子の表面に付着する。この状態を図1(b)に示す。
上記したとおり、1800〜2200℃の温度での熱処理により、脱炭が十分に進行する場合には、上記した一段の熱処理で十分であるが、脱炭が不十分な場合には、上記の熱処理後、二段目の処理として、B2O3を添加して脱炭処理を施す。この脱炭処理、次式(3),(4)の反応が進行する。
B2O3+C→B2O2+CO --- (3)
2AlN+B2O3→Al2O3+2BN --- (4)
すなわち、残留Cは(3)式の反応によりCOとして系外に排出されるが、(2)式の反応により生成したAlNは(4)式のようにB2O3と反応してBN粒子の表面にAl2O3として析出する。このBN粒子の表面に析出したAl2O3は、樹脂とのアンカーとして作用し、付着力の向上に寄与する。この状態を図1(c)に示す。
上述したとおり、(1),(2)式の反応でCを完全に除去した場合は、BN粒子の表面にはAlNのみが析出した状態となる。また、(2)式の反応で生成したAlNが(4)式に従い、その全てがB2O3と反応した場合は、BN粒子の表面にはAl2O3のみが析出した状態となる。さらに、AlNの一部がB2O3と反応した場合には、図1(d)に示すように、BN粒子の表面にはAlNとAl2O3の両者が析出した状態となる。
上記した様に、本発明では、BN粒子の表面に析出する絶縁性物質は、窒化物のみの場合、酸化物のみの場合、窒化物と酸化物の両者が存在する場合の三態様をとる。
以上、絶縁性物質として、Al2O3を用いた場合について説明したが、かような絶縁性物質としては、その他にもSiO2やB2O3などの酸化物やSi3N4などの窒化物を用いることができる。また、窒化物と酸化物の両者が存在する場合も同様にして用いることができるのは言うまでもない。
例えば、SiO2を用いた場合は、前掲(2)式は、次式(2-1)となる。
3SiO2+6C+2N2→Si34+6CO --- (2-1)
さらに、本発明では、絶縁体の原料として、金属Alや金属Siを用いることもできる。この場合、上掲した(2),(4)の反応式は、次式のような反応式に置き換えられる。
3Si+2N2→Si34 --- (2-2)
2Al+N2→2AlN --- (2-3)
Si34+2B2O3→3SiO2+4BN --- (4-2)
2AlN+B2O3→Al2O3+2BN --- (4-3)
いずれにしても、表面に析出した酸化物や窒化物は、体積抵抗率で108Ω・cm以上の高い絶縁性を呈するものとする必要がある。体積抵抗率が108Ω・cm未満では、電気・電子部品の絶縁材として十分とは言えない。より好ましい体積抵抗率は1012Ω・cm以上である。
本発明において、BN凝集粒子は、BNの一次粒子が凝集した二次粒子を主体とするものである。ここに、二次粒子とは、一次粒子が2個以上結合したものを意味し、また主体とは、体積割合で50%以上が二次粒子からなることを意味する。好ましくは体積割合で60%以上、より好ましくは体積割合で80%以上である。なお、残部はBNの一次粒子である。
そして、かかるBN凝集粒子の平均粒径は2〜200μmにコントロールすることが好ましい。粒径が2μm未満では表面に絶縁性粒子が析出するのが難しく、一方200μmを超えると、薄膜シートに成形すると表面で突起となり平滑性を維持できない不都合を生じるためである。より好ましいBN凝集粒子の平均粒径は5〜100μmである。
さらに、BN凝集粒子(一次粒子を含む。以下同じ。)の表面に析出した絶縁性粒子は、樹脂との付着性を向上させることが主目的であるので細かい粒径ほど有効で、析出粒子の粒径は好ましくは100μm以下、さらに好ましくは70μm以下とすることが望ましい。析出物の粒径が100μmを超えると高分子と複合化した場合に、薄膜シートに成形すると表面で突起となる不都合を生じるためである。
そして、本発明においては、上記した絶縁性の析出粒子のBN凝集粒子の表面に占める割合が重要であり、この付着力を発現できる被覆率を確保するためには、BN凝集粒子中における絶縁性粒子の含有割合を0.5〜40質量%とすることが肝要であり、これによりBN凝集粒子の表面に満足いく被覆率で絶縁性粒子を析出させることができる。絶縁性粒子の好ましい含有割合は1〜35質量%の範囲である。被覆率が低いと付着性の改善が十分とは言えず、一方被覆割合が高いと熱伝導率の低下を招く。
なお、BN凝集粒子の熱伝導率は、一次粒子の成長水準と副次的に生成される気孔の占有率によって決定される。そして、一次粒子の成長は、製品の比表面積で評価できる。ここに、粒成長が進行すると粒子は粗大化して比表面積は小さくなり、熱伝導率は向上するが、一方で樹脂との接着点が減少するため接着性は低下する。従って、両特性のバランスから比表面積は1〜20m2/gとすることが好ましい、さらに好ましくは5〜15m2/gである。
さらに、BN粒子中に、C等の導電性の不純物が混入すると、高い信頼性が要求される電子材料に不適合となるので、C含有量は0.1質量%以下とすることが好ましい、特に好ましくは0.05質量%以下である。
本発明で対象とするBN凝集粒子を製造するには、炭化ホウ素(B4C)と適量の絶縁性粒子形成成分を混合し、直接窒化法により、前掲(1)式に反応を進行させて凝集粒子とする。
その際、窒化および脱炭のための熱処理温度は1600〜2200℃の温度とする。好ましくは1800〜2200℃の範囲である。この熱処理温度が1600℃に満たないと前掲した(1)式の反応が完結せず、一方2200℃超では粒成長が進行して粗大化する結果、粒子の接合点が減少して強度の低下を招く。
そして、上記した窒化および脱炭のための熱処理は、この処理によって窒化後、脱炭まで十分に進行する場合には、一段の処理で十分であるが、脱炭が不十分な場合には、一段目を窒化処理として、その後にB2O3などの脱炭剤を添加して脱炭処理を施す二段階の処理とする。
処理時間については、一段処理および二段処理いずれの場合も1時間以上とするのが好適である。好ましくは6〜15時間程度である。
かくして、図2〜図4に示すような、表面に絶縁性粒子が析出したハイブリッフド型BN凝集粒子を得ることができる。図2は、絶縁性粒子が二次粒子の表面に析出した状態を、また図3〜4は、絶縁性粒子が主に一次粒子の表面に析出した状態を示したものである。
さらに、本発明では、上記のようにして得られたハイブリッド型BN凝集粒子を、樹脂やゴム中に分散充填させることによって、放熱性および断熱性に優れる電子部材用の高分子材料とすることができる。
本発明のハイブリッド型BN凝集粒子は、圧縮強さが大きいので、高分子材料との複合化時に、高分子材料から受けるせん断力や粒子同士の衝突に起因して、粒子が変形したり、崩壊することはない。
また、本発明のハイブリッド型BN凝集粒子は、樹脂等の高分子材料との混合時に、表面に析出した酸化物や窒化物のアンカー効果により樹脂との接着力が向上するので、使用時に銅箔回路がはく離するおそれもない。
BN凝集粒子を充填剤として使用する場合、上記したハイブリッド型BN凝集粒子の割合は、全粒子の50質量%以上とすることが好ましく、これにより、良好な熱伝導率と付着強度を併せて得ることができる。
また、BN凝集粒子の高分子材料に対する充填率は、20〜70質量%程度とすることが好ましい。
なお、高分子材料としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂やポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂そしてシリコンゴムなどのゴム類等が好適である。
実施例1
市販の純度:98質量%の炭化ホウ素粉末(B4C)を44μm の篩いにかけ、篩を通過した炭化ホウ素粉末:50g又は100gと、同じく市販の和光製の高純度で微粉であるアルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、金属Al,Si粉末を44μmの篩いにかけ、篩を通過した酸化物、金属を表1の配合割合でVブレンダーを用い、1Hzの条件で30分間回転させることにより、均一な混合粉とした。
ついで、得られた混合粉を、内径:300mm、高さ:100mmのカーボンルツボに入れ、窒素気流中にて2000℃,10時間保持する焼成を行った。かくして得られた焼成生成物の回収量は表1に示したとおりであった。
ついで、得られた焼成生成物を、ピンミル(ホソカワミクロ製)により粉砕したのち、44μm の篩いにかけ、篩い下80gを、同様に篩処理した三酸化二ホウ素:30gと混合した。この混合粉を、カーボンルツボ内に入れ、窒素気流中にて2000℃,5時間の脱炭処理を施して、第二焼成生成物を得た。
得られた第二焼成生成物を、粉砕後、風力分級して凝集体の大きさを調整したのち、106μmの篩い目を有する振動篩で処理して、最終製品とした。なお、成分別の回収量については、成分分析から組成割合を求めて算出した。
かくして得られた製品(BN凝集粒子)のC含有量、平均粒径(D50)、凝集粒子の破壊強さ、析出物(絶縁性粒子)の含有量およびその成分について調べた結果を、表2に示す。
なお、BN球状焼結粒子の粒径は、レーザ光の光散乱を利用した粒度測定装置(マルバーン製)を用いて測定した。
また、粒子表面の析出物の含有量は、化学分析値から求めた。
さらに、凝集粒子の破壊強さは、凝集粒子を0.01MPaの圧力で噴霧したときの平均粒径に対する、0.3MPaの圧力で噴霧したときの平均粒径の比率(以下、0.01MPaと0.3MPaの比と略記する)によって評価するものとした。ここに、0.01MPaと0.3MPaの比とは、凝集粒の壊れ易さの指標であり、この比が40%以上であれば破壊強さに優れているということができる。
表1に示した発明例1〜5はいずれも、白色の凝集体であり、X線回折によって生成物を同定したところ、BNを主成分として、酸化物、窒化物の微小ピークが同定された。
また、得られたBN凝集粒子の平均粒径は28〜42μm、析出したAl、Si含有の酸化物、窒化物粒子の粒径は0.5〜5μm、かかる析出粒子の含有率は0〜50.8質量%であった。
なお、BN粒子中に含まれる各種不純物は、次の方法で同定した。
・C:管状電気抵抗炉(株式会社 島津製作所製)を用いて、赤外線吸収法により測定した。
・O:O,N同時分析装置(株式会社 堀場製作所製 EMGA-550型)を用いて、不活性ガス−インパルス加熱融解熱伝導度検出法により測定した。
・Fe,Ni,Cr,W,Mo等:グロー放電質量分析法(GD−MS法)により測定した。
また、形状等の物理特性については、次の方法により測定した。
・粒度:JIS R 1692に準じてレーザ回折法により測定した。
・比表面積:JIS R 1626に準じて気体吸着BET法により測定した。
・焼結粒子の圧壊強度:フィッシャー・インスツルメント社製の圧縮試験機(ナノインデターHM2000)にて測定した。
・気孔径:JIS R 1655に準じて水銀ポロシメータにより測定した。
・不純物の電気抵抗値:雄山(株)製の半導体.パラメータアナライザで測定した。
実施例2
実施例1で得られた各BN凝集粒子(発明例1〜5、比較例1〜3)の比率が60質量%となるように配合したエポキシ樹脂:100質量部と、硬化剤:1質量部を、溶媒であるメチルエチルケトン:150質量部中に添加し、脱泡しながら撹拌して均一に分散させた。なお、エポキシ樹脂としては、「エピコート807」(ジャパンエポキシレジン社製)を、また硬化剤としては、変性脂環族アミングレード「エピキュア807」(ジャパンエポキシレジン社製)を使用した。
得られたスラリー状懸濁液を、12.5μm 厚の銅箔の上に、アプリケーターを用いて、ギャップ:250μm として注入した。
得られたグリーンシートに対して、120℃,30分の加熱乾燥処理を行い、銅箔の上に、高熱伝導性のBN粒子を含有したエポキシ樹脂が積層された樹脂付き銅箔シートを作製した。
かくして得られた樹脂付き銅箔シートのピール強度、熱伝導率および接着性(耐電圧)について調べた結果を表3に示す。
なお、ピール強度は、JIS C 6471に準じて測定した。
また、熱伝導率は、ASTM E1461に準じて測定した。
さらに、耐電圧、すなわち固体電気絶縁材料が電圧に耐え得る能力を示す絶縁破壊電圧(kV)は、JIS C 2110に準じて測定した。
ここに、ピール強度は1kN/m以上、熱伝導率は5W/m・K以上、耐電圧は5kV以上であれば、それぞれ良好(○)と言える。
表3に示したとおり、本発明に従い得られたハイブリッド型BN凝集粒子を分散充填した樹脂付き銅箔シート(発明例6〜10)はいずれも、ピール強度が高く、また熱伝導率および樹脂との接着性に優れていることが分かる。

Claims (5)

  1. BNの一次粒子が凝集した二次粒子を主体とするBN凝集粒子であって、体積抵抗率が108Ω・cm以上の酸化物、窒化物あるいは酸窒化物のうちから選んだ1種または2種以上からなる絶縁性粒子を0.5〜40質量%の割合で含有し、該絶縁性粒子の一部を、該一次粒子および該二次粒子の表面に析出させたことを特徴とするハイブリッド型BN凝集粒子。
  2. 前記BN凝集粒子の平均粒径が2〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド型BN凝集粒子。
  3. 前記酸化物、窒化物あるいは酸窒化物が、Alの酸化物または窒化物、Siの酸化物または窒化物ならびにBの酸化物のうちから選んだ1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド型BN凝集粒子。
  4. 4C粉と、金属Al,金属Si、Al酸化物、Si酸化物およびB酸化物のうちから選んだ1種または2種以上とを混合したのち、1600〜2200℃の温度域で一段または二段の窒化処理および脱炭処理を施して、BN粒子のまわりにAlの酸化物、窒化物または酸窒化物、Siの酸化物、窒化物または酸窒化物ならびにBの酸化物のうちから選んだ1種または2種以上の絶縁性粒子を析出させ、ついで得られた焼結体を破砕・分級することを特徴とするハイブリッド型BN凝集粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド型BN凝集粒子を、樹脂またはゴム中に分散埋設してなることを特徴とする高分子材料。
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