JPH05808A - 窒化ほう素粉末の製造方法 - Google Patents

窒化ほう素粉末の製造方法

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JPH05808A
JPH05808A JP17313291A JP17313291A JPH05808A JP H05808 A JPH05808 A JP H05808A JP 17313291 A JP17313291 A JP 17313291A JP 17313291 A JP17313291 A JP 17313291A JP H05808 A JPH05808 A JP H05808A
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JP
Japan
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reaction
powder
boron nitride
raw material
nitrogen
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JP17313291A
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English (en)
Inventor
Fumio Hatakeyama
文夫 畠山
Kagetaka Ichikawa
景隆 市川
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応器容積あたりの時間・空間収率の高い窒
化ほう素の製造法の確立。 【構成】 炭化ほう素粉末に対し、無水ほう酸または加
熱により無水ほう酸となる化合物の粉末を混合し、窒
素、アンモニアなどの窒素を含んだ非酸化性雰囲気中で
1000℃以上で反応させる。 【効果】 従来の工業的生産に使用されている酸化ほう
素またはほう酸塩を原料とする方法に比して、再焼成工
程が不要となるばかりでなく、高価な高温反応炉容積あ
たりの時間・空間収率も数倍に達する窒化ほう素製造法
が確立できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体潤滑材、絶縁材料、
放熱材料、中性子遮断材等の原料として適切な物性を有
する窒化ほう素(BN)粉末の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】BN粉末の合成は、多くの方法が提案さ
れており、これらの方法のうち主なものを例示すると、 (1)金属ほう素と窒素の直接反応 (2)無水ほう酸と炭素、マグネシウムのような還元剤
をアンモニア中で加熱反応させる方法 (3)ハロゲン化ほう素とアンモニアの反応 (4)酸化ほう素あるいはほう酸塩とアンモニア、アミ
ン、尿素、シアン化合物などとの反応 などを挙げることができる。
【0003】この中で、(1)の方法は使用原料の金属
ほう素が高価であるという欠点があるほか1000℃以
下では極めて反応速度が遅く、1500℃以上の高温が
必要である。(2)の方法は、比較的低温で窒化ほう素
を合成することが可能であるが、副産物を希塩酸等で処
理する必要があり、収率が低く、特にマグネシウムのご
とき著しく活性な金属で還元しながら非酸化物セラミッ
クスを製造しようとする時は反応が急激に進行すること
があり、反応系のガスの急膨張、爆発、反応原料の飛散
など、反応時に危険を伴う。(3)の方法は、原料を気
相で反応させるため、高純度の超微粉が得られるという
特徴があるが、原料やランニングコストが高い。これら
に対して(4)の方法が工業的に用いられているもっと
も一般的な方法であり、ほう酸、無水ほう酸(B2
3 )もしくはほう砂をアンモニアガス中で加熱するか、
あるいはこれらほう酸誘導体に尿素、メラミン、ジシア
ンジアミド、グアニジン、塩化アンモニウム等の加熱分
解によりアンモニアガスを発生する含窒素有機化合物を
混合、加熱して粗製BNを得、ついで高温に加熱して再
結晶化し、製品とする方法が行われている。しかし、こ
の方法も原料は安価であるが、反応がうまく進行せず収
率が低く、反応器容積にたいする収量も低い問題を内包
する。
【0004】BN粉末は、市販されているセラミックス
原料の中でも高価な部類に属するが、これは反応炉に投
入した原料投入量に対するBN理論収量が低い上に反応
率も低いため、使用したほう素原料に対するBN粉末の
実収量の比率が低いことも一因となっている。例えば、 B23 +2NH3 →2BN+3H2 O (1) なる反応式において、100KgのB23 から理論的
には71.29KgのBNが得られる計算になるが、実
際には容易にBN化反応は進行しない。
【0005】この場合窒素源として単にアンモニア雰囲
気下でB23 を加熱するかわりに、アミン類、尿素化
合物等の含窒素有機化合物を加えると、反応は比較的容
易に進行し、反応率(BN転化率)も向上するが、CO
あるいはH2 O等の揮発を伴うため(1)式よりも反応
炉に投入した原料投入量に対するBN理論収量は低下す
る。また、ほう素源としてほう酸(H3 BO3 )あるい
はほう砂(Na247 )を用いると、H2 O、Na2
O等の副成物が生成し、更に原料投入量に対するBN
理論収量が低下する。これは高価な反応炉に対する生産
性を低下させるためコストに大きく影響を与える。
【0006】このようにして得られる粗製BNは、B−
O−N結合を含む中間化合物状態で、1〜12%の酸素
をBN結晶内に含んでいるのが一般的である。そのた
め、通常はこの粗製BNを不活性ガス雰囲気中で粗製B
Nの反応生成温度より高温で再加熱し、BN結晶中の酸
素を遊離のB23 に転換してBN結晶中より分離し、
揮発除去するが、このとき粗製BN中の酸素含有量に応
じて1.45〜17.4wt%の重量減が生ずることに
なる。以上のように高価な高温反応炉を使用しているに
もかかわらず投入原料に対するBN粉末の実収量の比率
が極めて低く、BNを高価なものとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのようなB
N製造における低生産性、低収率の問題を解決し、安価
なBN粉末の製造方法を確立することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】一般に、金属炭化物は金
属酸化物に比べ熱力学的には高い順位の物質である。そ
こで炭化ほう素(B4 C)を出発原料とし、これを窒化
させ、BN粉末を製造することを検討した結果、B4
とB23 の混合物を原料とする時はBNが高収率で得
られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、炭化ほう素(B4 C)
粉末に対し、無水ほう酸(B23)または加熱により
無水ほう酸となる化合物の少なくとも一種の粉末を、無
水ほう酸または無水ほう酸に換算して混合物中の30〜
90重量%の割合に混合し、窒素、アンモニアなどの窒
素を含んだ非酸化性雰囲気中において1000℃以上で
反応させることを特徴とする窒化ほう素粉末の製造方法
に関する。
【0010】原料となるB4 C粉末はできるだけ細かい
ものが好ましい。またB23 または加熱によりB2
3 となる化合物粉末も同じく細かいほうが反応が均一に
進行するので好ましい。
【0011】この両者はボールミル等により均一に混合
した後、反応炉に投入される。この反応は基本的には式
(2)に示すように進行するものと考えられる。 3B4 C+B23 +7N2 →14BN+3CO (2)
【0012】この反応式の通りであるとするとB4 Cと
23 の混合比率はB4 C:70.4重量%にたいし
23 29.6重量%となるが、B23の割合が3
0〜90重量%の範囲、好ましくは理論比率よりB2
3 が多い化学量論的理論量(以下、モル比ともいう。)
比として1.1〜3.0倍(32〜56重量%)、より
好ましくはモル比1.5〜2.0倍(39〜56重量
%)程度である。
【0013】反応温度としては1000℃程度で進行は
開始するが、反応炉の生産性を考慮すると1500〜2
000℃程度が適当である。2000℃以上になると反
応速度は増加するが耐火材のライフが短くなり、また反
応原料のB23 の蒸発量も増え、反応原料のモル比の
維持、蒸発B23 の配管等への析出物の処理などのト
ラブルも増大するので避けるほうが好ましい。
【0014】B4 CとB23 のモル比は製造する目的
BNの用途により変化し、高純度のBNを必要とする時
はB23 をやや過剰気味に、BN常圧焼結体の原料と
する時は少量のB4 Cが残存してもよいのでB23
化学量論的量に近づけたモル比(但し反応中にB23
の蒸発は避けられないので化学量論的量が1より大きい
量を配合することが必要である。)とすることがよい。
この理由は目的BN中に少量のB23 が残存していて
も酸洗等の方法により容易に除去することができるので
高純度BN粉末が必要な際にはB23 をやや過剰にす
る。
【0015】一方、B4 CがBN中に少量残る時は、例
え少量でも簡単な除去法がないため高純度品を得る目的
には適しないが、これを原料として常圧焼結体を製造す
る時は高純度BNを用いた時より高密度焼結体が得られ
るので少量B4 Cの残存するBNとすることがよい。
【0016】
【作用】本発明方法は式(2)にしたがって、BN粉末
を製造した場合、原料投入量100Kgに対し、理論的
には最大148KgのBN収量が得られる。従来法によ
る場合には、一般的には原料投入量に対して10〜50
%程度と言われている。したがって本発明による方法を
用いれば反応器容積あたりの収量は従来法の3〜15倍
となる。
【0017】また、(2)式の標準生成自由エネルギー
変化を計算すると、 △G°=−2331.84+0.6553T(KJ/mol) (3) となりT<3558Kにおいて△G°<0となる。した
がって、平衡論的には比較的低温から(2)式による反
応が進行することになる。これは出発原料として熱力学
的に高順位のB4 Cを用いているためである。反応温度
は反応速度という点で1000℃以上の温度が適してお
り、好ましくは1500℃以上である。反応温度が適切
であれば(3)式にしたがって反応は自発的に進行し、
従来法のようにB−O−N系、中間化合物状態を経ず、
直接BNを生成することが可能となっている。
【0018】
【実施例】
(実施例1〜7、比較例1〜2)平均粒径5μmのB4
Cに対し、B23 を10〜90wt%加え、ボールミ
ルで充分混合した。これを100Kg/cm2 の成形圧
でペレットとし、1800℃×10hrの条件で窒素ガ
ス気流中で焼成して、BNを生成させた。焼成後、酸洗
により未反応のB23 を除去して精製BNを得た。得
られたBNの収量(Kg)を表1に示す。原料中のB4
Cの比率が高くなるにつれてBNの収量が増加し、反応
の化学量論的組成(70.4%B4 C−29.6%B2
3 )近傍でBN収量が最大となった。B4 Cの比率を
80%および90%とすると、酸洗後のBN中に多量の
炭素が含まれていた。X線解析の結果から該精製BN粉
末中に未反応のB4 Cが含まれていることが分かった。
【0019】
【0020】(実施例8)実施例6と同一配合の原料を
2000℃、4hrの条件で窒素ガス気流中で焼成し
た。得られたBNの酸洗前の収量、C含有量およびO含
有量はそれぞれ111Kg、0.03wt%、0.2w
t%であった。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法を用いれば、従来法で必要
とされる粗製BNの再焼成工程が不要となり、1段焼成
で結晶性の高いBN粉末が得られる。また、反応炉容積
あたりの時間・空間収率が大幅に向上するため、エネル
ギー消費、人件費等、製造原価を大幅に削減することが
可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ほう素粉末に対し、無水ほう酸また
    は加熱により無水ほう酸となる化合物の少なくとも一種
    の粉末を、無水ほう酸または無水ほう酸に換算して混合
    物中の30〜90重量%の割合に混合し、窒素、アンモ
    ニアなどの窒素を含んだ非酸化性雰囲気中において10
    00℃以上で反応させることを特徴とする窒化ほう素粉
    末の製造方法。
  2. 【請求項2】 無水ほう酸または加熱により無水ほう酸
    となる化合物の混合割合が、無水ほう酸に換算して3
    1.6〜55.8重量%である請求項1の窒化ほう素粉
    末の製造方法。
JP17313291A 1991-06-18 1991-06-18 窒化ほう素粉末の製造方法 Pending JPH05808A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011043082A1 (ja) * 2009-10-09 2011-04-14 水島合金鉄株式会社 六方晶窒化ホウ素粉末およびその製造方法
JP2014028749A (ja) * 2012-07-04 2014-02-13 Mizushima Ferroalloy Co Ltd ハイブリッド型bn凝集粒子およびその製造方法ならびに高分子材料
US9879168B2 (en) 2014-01-08 2018-01-30 Denka Company Limited Method for producing hexagonal boron nitride, and heat dissipation sheet

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