JPS6251898B2 - - Google Patents
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- JPS6251898B2 JPS6251898B2 JP55132796A JP13279680A JPS6251898B2 JP S6251898 B2 JPS6251898 B2 JP S6251898B2 JP 55132796 A JP55132796 A JP 55132796A JP 13279680 A JP13279680 A JP 13279680A JP S6251898 B2 JPS6251898 B2 JP S6251898B2
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- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
本発明は、黄色酸化鉄の製造法に関するもので
ある。更に詳しくは、磁性酸化鉄粉末の製造原料
として好適な黄色酸化鉄の製造法に関するもので
ある。 一般に黄色酸化鉄(α−FeOOH)を還元し、
又はこの還元後、酸化して製造される磁性酸化鉄
の粒子形状は、出発原料である黄色酸化鉄に依存
する。 そのため、高品位の磁性酸化鉄を得るには、黄
色酸化鉄の性状が極めて重要である。 近年、磁気記録機器類の発展、高性能化にとも
ない磁気酸化鉄もより高性能なものが求められて
いる。 一般に磁性酸化鉄の磁気特性を向上するには、
粒度が均一で、かつ軸比(長径/幅)の大きな粒
子にしなければならない。また、粒子の大きさも
重要である。 すなわち、より微細でかつ軸比が大きいほど、
磁性酸化鉄粉末の磁気特性は向上するが、一方、
その分散性が悪くなる傾向にあるため、磁気テー
プなどの記録材料に用いる際、本来の特性を生か
せないばかりでなく、分散コストの上昇をもたら
すことにもなる。 前述の如く、磁性酸化鉄の粒子形状が黄色酸化
鉄に依存するため、粒度の均一な軸比の大きな黄
色酸化鉄が求められている。 従来、黄色酸化鉄の製造法として、第一鉄塩溶
液にアルカリを添加して、水酸化第一鉄の沈殿物
とし、これを空気酸化する方法がある。 この方法は少くとも、針状結晶の黄色酸化鉄は
得られるが、難溶性の水酸化第一鉄結晶(六角板
状)の囲りに、黄色酸化鉄の結晶が成長し、針状
粒子相互が枝分れ状に凝集した構造となりやすく
又この方法は、難溶性の中間体(水酸化第一鉄)
から不溶に近い難溶性の黄色酸化鉄を得る反応で
あり、製造条件の調整で、生成物の粒度を整え均
一なものとするのは、極めて困難である。 近年、水酸化第二鉄を加熱熟成し、黄色酸化鉄
を得る方法が提案されているが、この方法におい
ては粒状のα−Fe2O3が副生する傾向があり、こ
のα−Fe2O3が黄色酸化鉄の結晶成長に悪影響を
及ぼし、粒度の均一なものは得られない。 このように、いずれの方法においても粒度が均
一でかつ、軸比の大きな黄色酸化鉄が得られない
状況にある。 黄色酸化鉄の粒度調整を行なう方法として、黄
色酸化鉄を水又は、10N以下のアルカリ中で加圧
水熱処理を行なう方法(特公昭53−28158、黄色
酸化鉄顔料の特性改善方法)がある。 同方法は、黄色酸化鉄に含まれる微細な不完全
結晶を完全結晶とし、粒度を均一にし、さらに針
状結晶の寸法比を改良(軸比を小さくする)する
ものである。 この方法を磁性材料用黄色酸化鉄に適用した場
合、粒子の長径が小さくなり、幅(短径)が大き
くなるため軸比は減少し、粒度が均一で、異方性
磁界分布の優れた、かつ分散性の良好な磁性材料
の原料となる黄色酸化鉄が得られるが、なおその
性能の改善が望まれる。 本発明者らは、叙上の情況に鑑み、水熱処理の
優れた特性、すなわち結晶の完全化と粒度の均一
化を生かし、軸比を減少させない方法を求めて鋭
意研究をした結果、微細な針状の黄色酸化鉄を用
いて水熱処理を施すと、針状結晶の長径方向への
成長が著しく、軸比が大きく粒度の均一な黄色酸
化鉄になるという知見を得て、本発明を完成した
ものである。 すなわち、本発明は長径が0.4μ以下でかつ幅
が0.04μ以下の微細な針状の黄色酸化鉄を水又は
10N以下のアルカリ水溶液に分散し、100〜250℃
で水熱処理を行ない、長径が0.3〜1.0μで幅が0.1
μ以下の単一粒子からなる粒度分布の整つた結晶
を得る事を特徴とする黄色酸化鉄の製造法を提供
するものである。 本発明において、黄色酸化鉄はその製造法の如
何にかかわらず適用する事ができる。 用いる黄色酸化鉄の形状・大きさは極めて重要
である。 すなわち、微細かつ針状であればあるほど長径
方向への成長が著しく、軸比の大きな粒度の整つ
たものが得られる。 また、極めて微細な不完全結晶を含むほどその
効果が大きい。 この長径方向への成長は、本発明において初め
て見い出されたものである。 したがつて、本発明は長径0.4μ以下でかつ幅
が0.04μ以下、好ましくは長径が0.3μ以下でか
つ幅が0.03μ以下の微細な黄色酸化鉄に適用され
る。 上述の如く、黄色酸化鉄はその製造法の如何に
かかわらず適用できるが、特に水酸化第一鉄の酸
化で得られる枝分れの有る微細な黄色酸化鉄に好
都合に適用される。本発明により、枝分れのない
粒度の整つたものとなるからである。 又、水酸化第一鉄をPH11以上のアルカリ性で空
気酸化して得られた黄色酸化鉄のアルカリ溶液を
そのまま水熱処理する事もできる。この場合、分
離操作等の必要がなく経済的である。 水熱処理の媒体は水又は、10N以下のアルカリ
水溶液を用いる。 アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化
カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、
アンモニア水などが用いられる。 これらの濃度は、10N以下が好適である。 これ以上の濃度では、α−Fe2O3アルカリフエ
ライトが生成する。 又、アルカリ濃度が高いほど短径(幅)方向へ
の成長が大きくなる傾向があるので、2N以下の
アルカリ水溶液中で実施することが好ましい。 水熱処理温度は、100℃〜250℃、好ましくは
150℃〜220℃である。 250℃以上においては、α−Fe2O3やアルカリ
フエライトが生成し、100℃以下では、結晶成長
が進行しないからである。 水熱処理時間は、処理温度や用いる黄色酸化鉄
の粒子の大きさ等により、異なるが通常数分〜数
時間である。 以上の条件で水熱処理を行なうと、長径0.4μ
以下で、幅0.04μ以下の微細でかつ不整いな原料
黄色酸化鉄は長径0.3〜1.0μで、幅が0.1μ以下の
粒度の整つた黄色酸化鉄となる。 この方法で得られた黄色酸化鉄は、還元又は、
還元後酸化して磁性材料とした場合、粒子形状の
変化が非常に少なく粒度が均一で軸比の大きな磁
気特性の優れたものとなる。 又、水熱処理の際、ケイ酸ソーダ等を添加する
と還元又は酸化処理において、粒子形状の変化が
より少ない黄色酸化鉄が得られる。 このケイ酸ソーダの添加量は、黄色酸化鉄に対
して0.1〜5.0重量%が適当である。 更に、本発明で得られた黄色酸化鉄より得られ
た黄色酸化鉄より得られる磁性材料は、長径が
0.3〜1.0μの単一粒子からなるもので微小粒子の
混在がないため、極めて分散性の良いものとな
る。 以下本発明を実施例をもつて説明する。 実施例、参考例において、部及び%は全て重
量、部及び重量%を示す。 実施例 1 硫酸第一鉄水溶液にカ性ソーダを加え、生成し
た水酸化第一鉄を空気酸化する事により得られた
長径約0.1〜0.3μで幅が約0.01〜0.03μの黄色酸
化鉄(電子顕微鏡写真、倍率20000を図−1に示
す)40部と0.5N−水酸化ナトリウム水溶液400部
をテフロン・ライニング・オートクレーブに仕込
み、200℃に2時間加熱した。 冷却後、過水洗して乾燥した。 本実施例で得られた黄色酸化鉄の電子顕微鏡写
真、倍率20000を図−2に示す。 図−2から明らかな如く、本実施例の黄色酸化
鉄は、長径約0.5〜0.7μ、幅が0.04〜0.06μの粒
子であり長径方向へ成長し、軸比も大きくなつて
いる。 本実施例の黄色酸化鉄を水素ガス気流中330℃
1時間加熱し、ついで200℃30分間空気酸化を行
ない、γ−Fe2O3としたところ、本実施例の原料
黄色酸化鉄に比べて磁気特性が非常にすぐれてい
た。 その結果を表−1に示す。
ある。更に詳しくは、磁性酸化鉄粉末の製造原料
として好適な黄色酸化鉄の製造法に関するもので
ある。 一般に黄色酸化鉄(α−FeOOH)を還元し、
又はこの還元後、酸化して製造される磁性酸化鉄
の粒子形状は、出発原料である黄色酸化鉄に依存
する。 そのため、高品位の磁性酸化鉄を得るには、黄
色酸化鉄の性状が極めて重要である。 近年、磁気記録機器類の発展、高性能化にとも
ない磁気酸化鉄もより高性能なものが求められて
いる。 一般に磁性酸化鉄の磁気特性を向上するには、
粒度が均一で、かつ軸比(長径/幅)の大きな粒
子にしなければならない。また、粒子の大きさも
重要である。 すなわち、より微細でかつ軸比が大きいほど、
磁性酸化鉄粉末の磁気特性は向上するが、一方、
その分散性が悪くなる傾向にあるため、磁気テー
プなどの記録材料に用いる際、本来の特性を生か
せないばかりでなく、分散コストの上昇をもたら
すことにもなる。 前述の如く、磁性酸化鉄の粒子形状が黄色酸化
鉄に依存するため、粒度の均一な軸比の大きな黄
色酸化鉄が求められている。 従来、黄色酸化鉄の製造法として、第一鉄塩溶
液にアルカリを添加して、水酸化第一鉄の沈殿物
とし、これを空気酸化する方法がある。 この方法は少くとも、針状結晶の黄色酸化鉄は
得られるが、難溶性の水酸化第一鉄結晶(六角板
状)の囲りに、黄色酸化鉄の結晶が成長し、針状
粒子相互が枝分れ状に凝集した構造となりやすく
又この方法は、難溶性の中間体(水酸化第一鉄)
から不溶に近い難溶性の黄色酸化鉄を得る反応で
あり、製造条件の調整で、生成物の粒度を整え均
一なものとするのは、極めて困難である。 近年、水酸化第二鉄を加熱熟成し、黄色酸化鉄
を得る方法が提案されているが、この方法におい
ては粒状のα−Fe2O3が副生する傾向があり、こ
のα−Fe2O3が黄色酸化鉄の結晶成長に悪影響を
及ぼし、粒度の均一なものは得られない。 このように、いずれの方法においても粒度が均
一でかつ、軸比の大きな黄色酸化鉄が得られない
状況にある。 黄色酸化鉄の粒度調整を行なう方法として、黄
色酸化鉄を水又は、10N以下のアルカリ中で加圧
水熱処理を行なう方法(特公昭53−28158、黄色
酸化鉄顔料の特性改善方法)がある。 同方法は、黄色酸化鉄に含まれる微細な不完全
結晶を完全結晶とし、粒度を均一にし、さらに針
状結晶の寸法比を改良(軸比を小さくする)する
ものである。 この方法を磁性材料用黄色酸化鉄に適用した場
合、粒子の長径が小さくなり、幅(短径)が大き
くなるため軸比は減少し、粒度が均一で、異方性
磁界分布の優れた、かつ分散性の良好な磁性材料
の原料となる黄色酸化鉄が得られるが、なおその
性能の改善が望まれる。 本発明者らは、叙上の情況に鑑み、水熱処理の
優れた特性、すなわち結晶の完全化と粒度の均一
化を生かし、軸比を減少させない方法を求めて鋭
意研究をした結果、微細な針状の黄色酸化鉄を用
いて水熱処理を施すと、針状結晶の長径方向への
成長が著しく、軸比が大きく粒度の均一な黄色酸
化鉄になるという知見を得て、本発明を完成した
ものである。 すなわち、本発明は長径が0.4μ以下でかつ幅
が0.04μ以下の微細な針状の黄色酸化鉄を水又は
10N以下のアルカリ水溶液に分散し、100〜250℃
で水熱処理を行ない、長径が0.3〜1.0μで幅が0.1
μ以下の単一粒子からなる粒度分布の整つた結晶
を得る事を特徴とする黄色酸化鉄の製造法を提供
するものである。 本発明において、黄色酸化鉄はその製造法の如
何にかかわらず適用する事ができる。 用いる黄色酸化鉄の形状・大きさは極めて重要
である。 すなわち、微細かつ針状であればあるほど長径
方向への成長が著しく、軸比の大きな粒度の整つ
たものが得られる。 また、極めて微細な不完全結晶を含むほどその
効果が大きい。 この長径方向への成長は、本発明において初め
て見い出されたものである。 したがつて、本発明は長径0.4μ以下でかつ幅
が0.04μ以下、好ましくは長径が0.3μ以下でか
つ幅が0.03μ以下の微細な黄色酸化鉄に適用され
る。 上述の如く、黄色酸化鉄はその製造法の如何に
かかわらず適用できるが、特に水酸化第一鉄の酸
化で得られる枝分れの有る微細な黄色酸化鉄に好
都合に適用される。本発明により、枝分れのない
粒度の整つたものとなるからである。 又、水酸化第一鉄をPH11以上のアルカリ性で空
気酸化して得られた黄色酸化鉄のアルカリ溶液を
そのまま水熱処理する事もできる。この場合、分
離操作等の必要がなく経済的である。 水熱処理の媒体は水又は、10N以下のアルカリ
水溶液を用いる。 アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化
カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、
アンモニア水などが用いられる。 これらの濃度は、10N以下が好適である。 これ以上の濃度では、α−Fe2O3アルカリフエ
ライトが生成する。 又、アルカリ濃度が高いほど短径(幅)方向へ
の成長が大きくなる傾向があるので、2N以下の
アルカリ水溶液中で実施することが好ましい。 水熱処理温度は、100℃〜250℃、好ましくは
150℃〜220℃である。 250℃以上においては、α−Fe2O3やアルカリ
フエライトが生成し、100℃以下では、結晶成長
が進行しないからである。 水熱処理時間は、処理温度や用いる黄色酸化鉄
の粒子の大きさ等により、異なるが通常数分〜数
時間である。 以上の条件で水熱処理を行なうと、長径0.4μ
以下で、幅0.04μ以下の微細でかつ不整いな原料
黄色酸化鉄は長径0.3〜1.0μで、幅が0.1μ以下の
粒度の整つた黄色酸化鉄となる。 この方法で得られた黄色酸化鉄は、還元又は、
還元後酸化して磁性材料とした場合、粒子形状の
変化が非常に少なく粒度が均一で軸比の大きな磁
気特性の優れたものとなる。 又、水熱処理の際、ケイ酸ソーダ等を添加する
と還元又は酸化処理において、粒子形状の変化が
より少ない黄色酸化鉄が得られる。 このケイ酸ソーダの添加量は、黄色酸化鉄に対
して0.1〜5.0重量%が適当である。 更に、本発明で得られた黄色酸化鉄より得られ
た黄色酸化鉄より得られる磁性材料は、長径が
0.3〜1.0μの単一粒子からなるもので微小粒子の
混在がないため、極めて分散性の良いものとな
る。 以下本発明を実施例をもつて説明する。 実施例、参考例において、部及び%は全て重
量、部及び重量%を示す。 実施例 1 硫酸第一鉄水溶液にカ性ソーダを加え、生成し
た水酸化第一鉄を空気酸化する事により得られた
長径約0.1〜0.3μで幅が約0.01〜0.03μの黄色酸
化鉄(電子顕微鏡写真、倍率20000を図−1に示
す)40部と0.5N−水酸化ナトリウム水溶液400部
をテフロン・ライニング・オートクレーブに仕込
み、200℃に2時間加熱した。 冷却後、過水洗して乾燥した。 本実施例で得られた黄色酸化鉄の電子顕微鏡写
真、倍率20000を図−2に示す。 図−2から明らかな如く、本実施例の黄色酸化
鉄は、長径約0.5〜0.7μ、幅が0.04〜0.06μの粒
子であり長径方向へ成長し、軸比も大きくなつて
いる。 本実施例の黄色酸化鉄を水素ガス気流中330℃
1時間加熱し、ついで200℃30分間空気酸化を行
ない、γ−Fe2O3としたところ、本実施例の原料
黄色酸化鉄に比べて磁気特性が非常にすぐれてい
た。 その結果を表−1に示す。
【表】
また、この両者を磁気テープ用塗料にした場
合、本実施例品は塗料化時の分散性に優れてい
た。 更に、磁気テープにした場合、本実施例品は磁
場配向性に優れ、充てん密度が高く、感度も良好
であつた。 参考例 1 長径が0.5〜1μである市販黄色酸化鉄(電子
顕微鏡写真、倍率20000を図−3に示す)を用い
て、実施例1と同条件で水熱処理を行なつたとこ
ろ、微粒子が減少し、かつ針状形の幅が大きくな
つた黄色酸化鉄が得られた。 この黄色酸化鉄の電子顕微鏡写真を図−4(倍
率20000)に示す。 この写真から明らかな如く、長径方向への成長
はみられなかつた。 実施例 2 硫酸第一鉄の水塩(FeSO4−7H2O)100部を水
1000部に溶解した溶液に、水酸化ナトリウム100
部を水500部に溶解した溶液を加えて、50℃で空
気酸化して、黄色酸化鉄のアルカリ水スラリーを
得た。(この反応液は、常にPH13以上であつた。) このスラリーをオートクレーブに仕込み、180
℃で1時間水熱処理したところ、長径0.3〜0.5μ
で幅が0.02〜0.04μの粒度の整つた黄色酸化鉄が
得られた。 実施例 3 実施例1に用いた黄色酸化鉄40部と、1N−水
酸化ナトリウム水溶液400部とケイ酸ソーダ
Na2SiO3)4部をオートクレーブ中で、200℃1
時間加熱したところ、ケイ酸被服された長径0.3
〜0.5μ、幅0.02〜0.03μの黄色酸化鉄が得られ
た。 このものを実施例1に記載の方法で、γFe2O3
にしたところ、粒子の形状、大きさがもとの黄色
酸化鉄とほとんど変化のないものであり、優れた
磁気特性と分散性を有していた。 実施例 4 実施例1における水酸化ナトリウムの代りに水
酸化ナトリウムを用いても、実施例1と同様の優
れた黄色酸化鉄が得られた。
合、本実施例品は塗料化時の分散性に優れてい
た。 更に、磁気テープにした場合、本実施例品は磁
場配向性に優れ、充てん密度が高く、感度も良好
であつた。 参考例 1 長径が0.5〜1μである市販黄色酸化鉄(電子
顕微鏡写真、倍率20000を図−3に示す)を用い
て、実施例1と同条件で水熱処理を行なつたとこ
ろ、微粒子が減少し、かつ針状形の幅が大きくな
つた黄色酸化鉄が得られた。 この黄色酸化鉄の電子顕微鏡写真を図−4(倍
率20000)に示す。 この写真から明らかな如く、長径方向への成長
はみられなかつた。 実施例 2 硫酸第一鉄の水塩(FeSO4−7H2O)100部を水
1000部に溶解した溶液に、水酸化ナトリウム100
部を水500部に溶解した溶液を加えて、50℃で空
気酸化して、黄色酸化鉄のアルカリ水スラリーを
得た。(この反応液は、常にPH13以上であつた。) このスラリーをオートクレーブに仕込み、180
℃で1時間水熱処理したところ、長径0.3〜0.5μ
で幅が0.02〜0.04μの粒度の整つた黄色酸化鉄が
得られた。 実施例 3 実施例1に用いた黄色酸化鉄40部と、1N−水
酸化ナトリウム水溶液400部とケイ酸ソーダ
Na2SiO3)4部をオートクレーブ中で、200℃1
時間加熱したところ、ケイ酸被服された長径0.3
〜0.5μ、幅0.02〜0.03μの黄色酸化鉄が得られ
た。 このものを実施例1に記載の方法で、γFe2O3
にしたところ、粒子の形状、大きさがもとの黄色
酸化鉄とほとんど変化のないものであり、優れた
磁気特性と分散性を有していた。 実施例 4 実施例1における水酸化ナトリウムの代りに水
酸化ナトリウムを用いても、実施例1と同様の優
れた黄色酸化鉄が得られた。
各図面は以下の内容の電子顕微鏡写真(倍率;
20000)を示す。図−1;実施例1に用いた原料
黄色酸化鉄、図−2;実施例1で得られた黄色酸
化鉄、図−3;参考例1に用いた市販黄色酸化
鉄、図−4;参考例1で得られた黄色酸化鉄。
20000)を示す。図−1;実施例1に用いた原料
黄色酸化鉄、図−2;実施例1で得られた黄色酸
化鉄、図−3;参考例1に用いた市販黄色酸化
鉄、図−4;参考例1で得られた黄色酸化鉄。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 長径が0.4μ以下で、かつ幅(短径)が0.04
μ以下の微細な針状の黄色酸化鉄(α−
FeOOH)を水又は10N以下のアルカリ水溶液に
分散し100〜250℃で熱処理を行い、長径が0.3〜
1.0μ、幅が0.1μ以下の単一粒子形状を有する結
晶を得ることを特徴とする黄色酸化鉄の製造法。 2 微細な針状の黄色酸化鉄として水酸化第一鉄
を空気酸化して得たものを用いる特許請求の範囲
1項記載の黄色酸化鉄の製造法。 3 水酸化第一鉄を空気酸化して得られる枝分れ
状のある黄色酸化鉄を用いる特許請求の範囲第2
項記載の黄色酸化鉄の製造法。 4 長径が0.3μ以下で、かつ幅が0.03μ以下で
ある微細な針状の黄色酸化鉄を用いる特許請求の
範囲1〜3項のいずれかの項に記載の黄色酸化鉄
の製造法。 5 熱処理温度が150〜220℃である特許請求の範
囲1〜4項のいずれかの項に記載の黄色酸化鉄の
製造法。 6 2N以下のアルカリ水溶液を用いる特許請求
の範囲1〜5項のいずれかの項に記載の黄色酸化
鉄の製造法。 7 水酸化第一鉄の分散水溶液をPH11以上で空気
酸化して得られる長径が0.4μ以下で、かつ幅が
0.04μ以下の微細な針状の黄色酸化鉄のアルカリ
水溶液分散液を100〜250℃で熱処理を行い、長径
が0.3〜1.0μ、幅が0.1μ以下の単一粒子形状を有
する結晶を得ることを特徴とする黄色酸化鉄の製
造法。 8 長径が0.4μ以下で、かつ幅が0.04μ以下の
微細な針状の黄色酸化鉄をケイ酸ソーダの存在下
に水又は10N以下のアルカリ水溶液に分散し100
〜250℃で熱処理を行い、長径が0.3〜1.0μ、幅
が0.1μ以下の単一粒子形状を有する結晶を得る
ことを特徴とする黄色酸化鉄の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP55132796A JPS5761634A (en) | 1980-09-26 | 1980-09-26 | Production of iron oxide |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP55132796A JPS5761634A (en) | 1980-09-26 | 1980-09-26 | Production of iron oxide |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5761634A JPS5761634A (en) | 1982-04-14 |
JPS6251898B2 true JPS6251898B2 (ja) | 1987-11-02 |
Family
ID=15089756
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP55132796A Granted JPS5761634A (en) | 1980-09-26 | 1980-09-26 | Production of iron oxide |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5761634A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60112626A (ja) * | 1983-11-18 | 1985-06-19 | Dainippon Ink & Chem Inc | 緻密棒状オキシ水酸化鉄の製造方法 |
JPS60255627A (ja) * | 1984-06-01 | 1985-12-17 | Ube Ind Ltd | 強磁性粉末の製造法 |
JPS6126518A (ja) * | 1984-07-13 | 1986-02-05 | Ube Ind Ltd | 粒状オキシ水酸化鉄粒子の製法 |
-
1980
- 1980-09-26 JP JP55132796A patent/JPS5761634A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5761634A (en) | 1982-04-14 |
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