JPS6250196B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は部分的に自然木様の照りを持つた立
体感に富む自然木酷似の高級化粧板を製造する方
法に関する。

自然木様外観を呈する化粧板の製造方法は、
種々のものが提案され、一部実施されている。

例えば、合板等の表面に目止塗装を行い、サン
デイングまたは薄紙貼り等の下地処理を施した
後、下塗り塗装、木目印刷、上塗り塗装を順に施
したダイレクトプリント合板とか、木目模様の印
刷された印刷化粧紙を予じめ作り、これを合板等
の表面に貼着した化粧オーバーレイ合板が製造さ
れている。しかし、これ等製品に於いては表面が
平滑であり表面光沢が均一であつて自然木の持つ
木質感が表現され得ない。

このような観点から、自然木に合つた導管溝を
エンボス加工して形成する方法が提案され（特公
昭48−25483号、特公昭48−27452号）、一部市販
されている。

更に一方、上記欠点を除くために、合板表面に
適宜の下地処理をした後、下塗り塗装、木目印刷
を施し、その上に硬化型透明塗料を塗布して該塗
料を硬化させまたは半硬化させて、更に艶消剤を
含む硬化型インキにより先の木目印刷に合わせて
導管溝模様を印刷する方法が提案されている（特
公昭48−48725号、特公昭49−25323号、特公昭49
−39166号）。

しかし、上記導管溝のエンボス加工のみではそ
の他の印刷塗装部分の光沢が均一であり、又、艶
消剤入りのインキによる導管溝のみの印刷でも、
同様にその表面は平滑であり、導管溝以外の表面
光沢が均一であつて、天然木の風合いは得られな
い。

そこで、この発明はより天然木に近い木肌外観
を持つた化粧板を提供することを目的としてい
る。この目的を達成するため、本発明は、天然木
における導管溝をエンボス加工によつて形成され
る凹所によつて表現し、更に、照りが微妙に変化
するパールインキ或いは金属粉末顔料の添加され
た印刷インキによる印刷を上記凹所を除いて部分
上に行つて光沢層を形成し、次いで二色刷グラビ
アオフセツト印刷によつて、該光沢層の上に該光
沢層が透視される程度の通常印刷インキによる第
一の印刷を行つて所望の材色変化を表現し、次い
で艶消インキによる第二の印刷を行つて所望の柄
模様を表現せしめ、更に該第一の印刷が行なわれ
た部分の上にのみ艶有上塗り塗料を塗布した後、
乾燥することによつて、天然木における平坦面の
艶変化を表現するようにしたものである。

以下にこれを図示実施例に従つてより詳細に説
明する。

基板１の表面に、目止塗装、サンデイング、シ
ーラ塗装を行うか或いは薄紙貼り等の通常行なわ
れる下地処理を必要に応じて施す（図示せず）。
この基板には、合板、木質フアイバーボード、パ
ーチクルボード（木片板）、石膏板、セメント
板、石綿板、金属板、合成樹脂板等の有機質或い
は無機質、又は有機質と無機質の混合体からなる
板状体が用いられ得る。従つて、これ等の板状体
の表面を緻密に且つ平坦にする下地処理として、
それぞれの素材に応じて上述の目止塗装、サンデ
イング、シーラー塗装その他板状体製造の際に付
加的処理を行つたり、或いは薄紙や布、合成樹脂
シートを貼つてこれに代えたり、場合によつては
金属箔シートを貼着したりする等種々の処理が可
能である。要は基材表面上を化粧板としての平坦
な面にすることとエンボス加工が可能であるよう
に整えることである。

このような基板１の全表面に、木下地色に調色
された艶消剤の添加された艶消木下地色塗料２
を、ロールコーター或いはフローコーター等の塗
布装置を用いて塗布し、熱風乾燥機、赤外線乾燥
機等の乾燥装置によつて該塗料の乾燥硬化を行
う。この艶消木下地色塗料にはアクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、アルキツド樹脂等の合成樹脂料に適
宜の着色剤を混入し調整し、更に艶消剤として炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、クレ
ー、珪藻土、珪酸マグネシウム、ステアリン酸ア
ルミニウム等の体質顔料の少くとも一種を0.1〜
50重量％添加し使用される。艶消木下地色塗料が
塗布乾燥された後、該基材表面は、下地塗層２と
共にエンボスロール、エンボスプレート等を用い
て導管溝模様凹所３を刻設する。勿論導管溝模様
凹所を先に刻設した後に艶消木下地色塗料を全面
塗布し該凹所にも塗料が入るようにしても良い
が、凹所が塗料の塗布状態に依存して小さくなる
ので、これに応じて凹所を大きくしておく必要が
生ずる。要は、これまでの作業は、導管溝模様凹
所３を持ち、該凹所３が導管溝模様として意味を
持つ程度に他が平坦であり、該凹所３内が艶消塗
料によつて塗装されていれば良い。

このような基板表面に、パールインキあるいは
金属粉末顔料を添加した印刷インキをベタ版を用
いて印刷する。そして、光沢層４を導管溝模様凹
所３を除く全面に形成する。パールインキ或いは
金属粉末顔料の添加された印刷インキは、アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂、アルキツド樹脂などの合
成樹脂をビヒクルとして、アルミニウム粉、銅
粉、真鍮粉、銅と亜鉛との合金粉、塩基性炭酸
鉛、燐酸塩、六角板状の微粉鉛白、薄片状結晶の
ビスマス化合物などを添加混合してなるものであ
る。光沢層４は、パールエツセンス、金属粉末顔
料等の添加物によつて真珠光沢、金色、銀色など
の特異の光沢を呈する。

この光沢層４の表面に通常の印刷インキをグラ
ビア印刷機或いはオフセツト印刷機などの印刷装
置によつて、針葉樹、広葉樹等の材色変化を表現
すべく第一の印刷模様５を形成する。この印刷
は、下の光沢層４が透視できる塗膜厚とされる。

次いで、この材色変化を表現する第一の印刷模
様５又は光沢層４の上に、艶消インキをグラビア
印刷機やオフセツト印刷機等の印刷装置によつて
印刷し、所望の材種柄模様を表現する第二の印刷
模様６を形成する。こゝで用いる艶消インキは、
通常使用されるグラビア用インキ、オフセツト用
インキなどに、艶消剤として炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、シリカ、クレー、珪藻土、珪酸
マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム等の体
質顔料の少なくとも一種を、0.1〜30重量％添加
して用い得る。従つて、この第二の印刷模様６は
下の光沢層４の照りを隠蔽する。

更に、上記木目ホネ柄模様６以外の部分に印刷
装置あるいは塗布装置を用いて艶有上塗り塗料を
塗布し上塗層７を形成する。そして熱風乾燥機、
赤外線乾燥機等の乾燥装置を用いて乾燥する。

以上のように、この発明方法によれば、導管溝
凹所の艶消塗装に対し、第一の印刷模様下の光沢
層による光沢が、該第一の印刷模様と艶有上塗り
塗料による上塗層と相俟つて自然木に酷似した照
りを呈し、更に艶消の第二の印刷模様が存在する
ことにより、著しく木質感に富んだ高級化粧面が
得られる。そして、その加工工程も繁雑ではな
く、プリント合板の製造工程をそのまま使用し得
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明によつて得られる化粧板の断
面を模式的に示した図である。 符号説明、１：基板、２：下地塗層、３：導管
溝模様凹所、４：光沢層、５：第一の印刷模様、
６：第二の印刷模様、７：上塗層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 必要に応じて適宜下地処理が施され、導管溝
   模様凹所の形成と艶消状の木下地色の全面塗装と
   の行なわれたところの基板表面に、パールインキ
   或いは金属粉末顔料の添加された印刷インキによ
   る印刷を行つて上記凹所を除いて光沢層を形成
   し、該光沢層の上に該光沢層が透視される程度の
   通常印刷インキによる第一の印刷を行つて所望の
   材色変化を表現せしめ、次いで艶消インキによる
   第二の印刷を行つて所望の柄模様を表現せしめ、
   更に該第一の印刷が行なわれた部分上にのみ艶有
   上塗り塗料を塗布した後、乾燥することを特徴と
   する化粧板の製造方法。 ２ 上記導管溝模様凹所の形成が、上記木下地色
   に調色された艶消塗料の塗布乾燥後に行なわれる
   ことを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載
   の化粧板の製造方法。