JPS624972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、２枚の導電性弾性細条をそれらの基
部で互いにほぼ平行に支持し、これら弾性細条の
遊端部に接点を設け、一方の弾性細条をその弾性
力に抗して他方の弾性細条の方向へ変位させて両
接点を接触させ、オン状態とするスイツチに関す
るものである。

従来のこの種スイツチに於いては、所望の正確
な開閉動作を行なわせるために、組立後に２枚の
弾性細条の間隔をスイツチ１個ずつ調整する必要
があり、この作業は極めて面倒で、熟練と時間を
要するものであつた。また接点の接触電気抵抗
は、主に接触圧により決定されるが、十分に低い
良好な接触抵抗を得るためには十分大きな押圧力
をもつて両接点を接触させる必要がある。しか
し、大きな接触圧を得るには弾性細条の変位置を
相当大きくする必要があり、動作が不安定になり
易い欠点があつた。

出願人は既に実願昭53−34094号に於いて、導
電性弾性細条が駆動力の作用方向とは反対の方向
に予め弾性力を蓄えるようにして弾性細条をベー
スに固定したスイツチを提案した。

本考案は上述の出願の範疇に於いて、更にその
実用的な構造を具体的に提案するものであつて、
その目的とするところは、予め僅かに折曲した２
枚の弾性条板をベースに差し込むことにより簡単
に組立可能で、組立後の調整も不要とし僅かな変
位によつても高い接触圧が得られるスイツチを提
供することにあり、その内容は、遊端部に接点を
持つ２枚の導電性弾性細条を有し、これらの弾性
細条が駆動力の作用方向とは反対の方向に予め弾
性細条自身のばね力による弾性力を蓄えるように
したスイツチであつて、遊端部に接点を持つ２枚
の導電性弾性細条を有し、これらの弾性細条が駆
動力の作用方向とは反対の方向に予め弾性細条自
身のばね力による弾性力を蓄えるようにしたスイ
ツチであつて、合成樹脂製のベースの前面に、所
定の間隔を隔てて凹溝を有する２つの樋状の支え
材を平行して突出し、これらの支え材の凹溝に連
接して前記ベースの前面から後面に抜ける２個の
平行な挿入孔を設け、予め僅かに「く」の字状に
屈曲した前記２枚の弾性細条の基部をそれぞれ前
記挿入孔に挿入すると共に、前記２枚の弾性細条
の中間部を前記支え材の凹溝内にそれぞれ嵌合
し、かつ前記２枚の弾性細条が共に前記支え材側
に作用する弾性力を蓄えるように、前記２枚の弾
性細条の曲げを前記支え材によつて戻した状態で
支持したことを特徴とするものである。

本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

図面に於いて、１は合成樹脂からなるスイツチ
のベースであり、このベース１には弾性細条２，
３を挿入するための２列の挿入孔４，５が重ね合
せに設けられている。ベース１の中央部には切込
み６，７が設けられ、挿入孔４，５がこの部分に
於いて外部に露出されており、挿入孔４，５の各
入口部には弾性細条２，３のための樋状の支え材
８，９が挿入孔４，５の反対側に突出されてい
る。弾性細条２，３はリン青銅板などの導電材料
から成り、その遊端部１０，１１の向い合う内側
には接点１２，１３が設けられており、その反対
側のベース１内に挿入される基部にはベース１の
切込み６，７に逆止的に係止する逆止片１４，１
５が設けられている。又、弾性細条３の遊端部１
１には合成樹脂製の押圧片１６が取付けられてい
る。弾性細条２，３は予め凸部が上方に向く
「く」の字状に僅かに屈曲され、ベース１の挿入
孔４，５に支え材８，９側からそれぞれ挿入され
ている。弾性細条２，３はベース１内に一旦挿入
されると、逆止片１４，１５がベースの切込み
６，７に係止され、弾性細条２，３は再び外部に
抜き出すことは不可能となる。尚、１７，１８は
リード線接続のための接続端を示している。

上述したように弾性細条２，３は予め曲げ加工
されており、支え材８，９により曲げを戻すよう
に支えられているので、弾性細条２，３には下向
きに働く力が常時作用することになる。従つて、
弾性細条２，３の間隔は支え材８，９の間隔によ
つて決定され、所定の間隔が調整なしに得られ
る。更にはマグネツトレバーのような駆動部材に
より第３図に於いて押圧片１６を下方より上方に
押圧して駆動力を与えると、弾性細条３はそのば
ね力に抗して弾性細条２の方向に変位し、接点１
３は接点１２と接触した後、両弾性細条２，３は
共に上向きに変位する。この際弾性細条２は常時
下方へ変位するようにばね力が蓄えられているの
で僅かな変位でも下方への弾性力は強力に作用
し、両接点１２，１３の接触圧は極めて大とな
り、電気抵抗の低い安定した接触状態が得られ
る。又、両弾性細条２，３は前述したように駆動
力の作用方向とは反対の方向へ弾性力が蓄えられ
た状態となつているため、駆動力を解除したとき
には弾性細条２，３は支え材８，９によつて支え
られ、チヤタリングの原因となる自由振動を最少
限に抑えることができる。

以上説明したように本考案に係るスイツチは、
予め曲げ加工を施した２枚の弾性細条をベースに
挿入し、ベースと一体の支え材により弾性力を蓄
えるように支持しているので、接点同志の接触圧
も大きく、チヤタリングも発生することが少な
い。又、支え材により弾性細条同志は所定の間隔
に保持されるので、簡単な作業で製造可能となり
従来の調整作業を殆ど不要とする利点もある。

また、各弾性細条２，３の中間部は各支え材
８，９の凹溝内に嵌合されているので、２枚の弾
性細条２，３の長手方向の向きが同方向に保持さ
れ、長い弾性細条を用いた場合でも、接点１２，
１３同志を正確に接触させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るスイツチの実施例を示すも
のであり、第１図はその組立過程の斜視図、第２
図はベースの正面図、第３図はスイツチの断面図
である。 符号１はベース、２，３は弾性細条、４，５は
挿入孔、６，７は切込み、８，９は支え材、１
２，１３は接点、１４，１５は逆止片、１６は押
圧片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遊端部に接点を持つ２枚の導電性弾性細条を有
   し、これらの弾性細条が駆動力の作用方向とは反
   対の方向に予め弾性細条自身のばね力による弾性
   力を蓄えるようにしたスイツチであつて、合成樹
   脂製のベースの前面に、所定の間隔を隔てて凹溝
   を有する２つの樋状の支え材を平行して突出し、
   これらの支え材の凹溝に連接して前記ベースの前
   面から後面に抜ける２個の平行な挿入孔を設け、
   予め僅かに「く」の字状に屈曲した前記２枚の弾
   性細条の基部をそれぞれ前記挿入孔に挿入すると
   共に、前記２枚の弾性細条の中間部を前記支え材
   の凹溝内にそれぞれ嵌合し、かつ前記２枚の弾性
   細条が共に前記支え材側に作用する弾性力を蓄え
   るように、前記２枚の弾性細条の曲げを前記支え
   材によつて戻した状態で支持したことを特徴とす
   るスイツチ。