JPS631387Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数枚の導電性弾性細条を、それら
の基部で互いにほぼ平行に支持し、それら弾性細
条の遊端部に接点を設け、一方の弾性細条をその
弾性力に抗して残りの弾性細条の方向へ変位させ
て接点同志を接触させオン状態のスイツチに関す
るものである。

従来のこの種のスイツチに於いては、所望の正
確な開閉動作を行わせるために、組立後に２枚の
弾性細条の間隔をスイツチ１個ずつ調整する必要
があり、その作業は極めて面倒でかつ熟練と時間
を要するものであつた。又、接点の接触電気抵抗
は主に接触圧により決定されるが、十分に低い良
好な接触抵抗を得るためには十分大きな押圧力を
もつて接点同志を接触させる必要がある。然し大
きな接触圧を得るには弾性細条の変位量を相当大
きくする必要があり、動作が不安定になり易い欠
点があつた。

出願人は既に導電性弾性細条が駆動力の作用方
向と反対に予め弾性力を蓄えるようにして、弾性
細条をベースに固定したスイツチを提案した。然
しながらこれらのスイツチは予めベースに弾性細
条を挿入するための溝を形成しておき、その溝内
に弾性細条を挿入することにより組立てるもので
あつたために、極めて小型のスイツチに於いては
その手作業が非常に困難であつた。

本考案の目的は、弾性細条の弾性力を有効に利
用することによつて、組立後の調整を不要とし、
僅かな変位によつても高い接触圧が得られ、チヤ
タリングのない、特に小型のスイツチに好適なス
イツチを提供することにあり、その内容は、遊端
部に接点を有し長手方向の一部に「く」の字状の
屈曲部を有する複数枚の導電性弾性細条と、これ
らの弾性細条を平行に揃えると共に前記弾性細条
の基部を金型内に於いてモールドして埋設した合
成樹脂製のベースと、該ベースから突出し前記弾
性細条の撓み側に前記弾性細条を支えるように配
置した平行な複数個の支持部材とを具備し、前記
弾性細条が駆動力の作用方向とは反対の方向に予
め弾性力を蓄えるように前記屈曲部をほぼ伸直し
た状態で前記屈曲部を前記支持部材により支持し
たことを特徴とするものである。

本考案を図示の実施例に基づいて更に詳細に説
明する。

図面に於いて、１ａ、１ｂはリン製銅板等の導
電材料から成る弾性細条であり、その遊端部２
ａ、２ｂの向い合う内側には接点３ａ、３ｂが設
けられており、予め屈曲部２ａ、２ｂに於いて
「く」の字状に僅かに屈曲されている。これらの
弾性細条１ａ、１ｂは、第２図に示す金型５内の
図示の所定位置に屈曲部２ａ、２ｂを伸長するよ
うにして組み込まれ、金型５内の空胴部に合成樹
脂を射出成型することにより第３図に示すような
スイツチが得られる。金型５内の第１の空胴部６
はベース７の形成用のものであり、２個の第２の
空胴部８ａ、８ｂは弾性細条１ａ、１ｂを支持す
るための支持部材９ａ、９ｂの形成用のものであ
る。尚、１０ａ、１０ｂは弾性細条１ａ、１ｂの
リード線への接続部である。

上述したように弾性細条１ａ、１ｂは予め屈曲
部４ａ、４ｂに於いて「く」の字状に曲げ加工さ
れており、支持部材９ａ、９ｂにより曲げを戻す
ように支えられているので、弾性細条１ａ、１ｂ
には下向きに働く力が常時作用することになる。
従つて弾性細条１ａ、１ｂの接点３ａ、３ｂ同志
の間隔は支持部材９ａ、９ｂの間隔によつて決定
され、所定の間隔が調整なしに得られることにな
る。更にはマグネツトレバーのような駆動部材に
より一方の弾性細条１ｂを下方より上方へ押圧し
て弾性細条１ｂに駆動力を与えると、弾性細条１
ｂはそのばね力に抗して他方の弾性細条１ａの方
向に変位し、接点３ａ、３ｂ同志が接触した後、
両弾性細条１ａ、１ｂは共に上向きに変位する。
この際弾性細条１ａは常時下方へ変位するように
ばね力が蓄えられているので、僅かな変位でも下
方へ弾性力は強力に作用し、両接点３ａ、３ｂの
接触圧は極めて大となり、電気抵抗の低い安定し
た接触状態が得られる。又、両弾性細条１ａ、１
ｂは前述したように駆動力の作用方向とは反対の
方向へ弾性力が加えられた状態となつているた
め、駆動力を解除したときには弾性細条１ａ、１
ｂは支持部材９ａ、９ｂによつて所定間隔に支え
られ、チヤタリングの原因となる自由振動を最小
限に押えることができる。

以上説明したように、本考案に係るスイツチ
は、複数枚の弾性細条を金型内で合成樹脂を射出
成型して形成したベースに埋設しているので、極
めて小型のスイツチでも製造可能である。又、予
め曲げ加工した弾性細条同志は支持部材により所
定の間隔に保持されるので、接点同志の接触圧も
大きくチヤタリングを発生することが少ない上
に、従来の調整作業を殆ど不要とする利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るスイツチの一実施例を示す
ものであり、第１図は弾性細条の斜視図、第２図
は弾性細条を金型内に組み込んだ状態の平面図、
第３図はこのようにして製造されたスイツチの斜
視図である。 符号１ａ，１ｂは弾性細条、２ａ，２ｂは遊端
部、３ａ，３ｂは接点、４ａ，４ｂは屈曲部、５
は金型、７はベース、９ａ，９ｂは支持部材であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遊端部に接点を有し長手方向の一部に「く」の
   字状の屈曲部を有する複数枚の導電性弾性細条
   と、これらの弾性細条を平行に揃えると共に前記
   弾性細条の基部を金型内に於いてモールドして埋
   設した合成樹脂製のベースと、該ベースから突出
   し前記弾性細条の撓み側に前記弾性細条を支える
   ように配置した平行な複数個の支持部材とを具備
   し、前記弾性細条が駆動力の作用方向とは反対の
   方向に予め弾性力を蓄えるように前記屈曲部をほ
   ぼ伸直した状態で前記屈曲部を前記支持部材によ
   り支持したことを特徴とするスイツチ。