JPH0789462B2 - 時間差スイツチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は２系統の電気回路を共通の押操作部材の操作に
よりON−OFFさせるスイッチに関し、特に夫々の回路のO
N−OFFに際して、所定の時間差を設けるようにした時間
差スイッチに関するものである。

（従来の技術） 例えば自動車のパッシングランプの点灯回路では、２系
統の電気回路を共通の押操作部材の操作によりON−OFF
させて、この際に所定の時間差を設けるようにした時間
差スイッチが用いられている。

このような時間差スイッチの従来のものは、例えば第５
図に示すように、２系統の電気回路の夫々に対応する導
電性の弾性可動片1a,1bを一端側２に於いて一体に構成
し、該一端側２をスイッチ基体３に固定すると共に、夫
々の他端側に、該スイッチ基体３に設けた固定接点4a,4
bに対応する可動接点5a,5bを設け、更に一方側の弾性可
動片1bには、対応する固定接点4b方向への段部６を設け
た構成としている。

かかる両方の弾性可動片1a,1bは、それらの押圧部位を
共通の押操作部材７により同時にスイッチ基体３方向に
押し動かして、夫々の可動接点5a,5bを、対応する固定
接点4a,4bと接触させてON状態とする。この際、前記段
部６を設けている弾性可動片1bの可動接点5bの方が、段
部６を設けていない弾性可動片1aの可動接点5aよりも段
差の分だけ早く固定接点4bと接触することにより、ON−
OFFに所定の時間差を得るものである。従って所定の時
間差を得るためには前記段差寸法を正確に維持すること
が必要である。

ところでこのような構成のスイッチに於いては、OFF時
に於いて可動接点5a,5bと固定接点4a,4bとの間に十分な
距離を確保すると共に、ON−OFF操作毎の弾性可動片1a,
1bの一端側２の変形量を小さくし、大きな歪による弾性
可動片1a,1bの永久変形や疲労破壊を防止するために、
弾性可動片1a,1bは一定以上の長さが必要であり、また
押操作部材７の操作ストローク、操作力と、接点圧力と
を適切に設定するために、押操作部材７による弾性可動
片1a,1bの押圧部位と可動接点間の区間ｓも一定以上の
距離が必要である。

（発明が解決しようとする課題） 押操作部材７による弾性可動片1a,1bの押圧部位と可動
接点5a,5b間の区間ｓは弾性可動片1a,1bが分離している
部分であるから、前記段差寸法の維持は、この区間ｓ全
体について行わなければならず、比較的長い距離とな
る。このため弾性可動片1a,1bの部品としての製造、取
扱い中、移動中等に発生する変形量のバラツキが大きく
なり易く、従って段差寸法、そして時間差のバラツキも
大きくなるという課題がある。また前記従来のもので
は、押操作部材７により同時に両方の弾性可動片1a,1b
を押操作するために、二股に分岐させた押操作部分や両
方の弾性可動片1a,1bに跨るような押操作部分が必要に
なるという課題がある。

本発明はこのような従来の課題を解決することを目的と
するものである。

（課題を解決するための手段） 上述した課題を解決するための手段を実施例に対応する
図面を参照して説明すると、本発明では、導電性を有す
る弾性可動片11の一端12をスイッチ基体13に固定し、他
端14に一対の可動接点15,16を設けると共に、この一対
の可動接点15,16に対応してスイッチ基体13に一対の固
定接点17,18を設けたスイッチにおいて、弾性可動片11
は一端12側から他端14側に渡る共通の帯状片部19と、帯
状片部19の他端14から両側横方向に突出する突出片部2
0,21とから構成し、片方側の突出片部20に固定接点８方
向への段部22を設けると共に、段部22によって突出片部
20,21に構成される高低位置の夫々に前記一対の可動接
点15,16を設け、帯状片部19には、段部22を設けていな
い突出片部21の可動接点16側に偏らせた位置を押圧部位
23として構成して、この押圧部位23に対応して押操作部
材24を設置した構成の時間差スイッチを提案する。

（作用） 押操作部材24によって弾性可動片11の押圧部位23を押す
と、両側の突出片部20,21が同時にスイッチ基板13方向
に移動するが、片方側の突出片部20には段部22を設けて
いるので、まず段部22を設けている突出片部20側の可動
接点15が固定接点17に接触してONとなった後、この接触
位置を支点として帯状片部19がねじれる運動を行って他
方側の突出片部21の可動接点16が固定接点18に接触して
ONとなる。また押操作部材24の押圧動作を停止すると帯
状片部19は自体の弾性により復帰し、まず段部22を設け
ていない突出片21側の可動接点16が固定接点18から離れ
てOFFとなった後、他方側の可動接点15が固定接点17か
ら離れてOFFとなる。このようにしてON−OFF時に時間差
が得られる。

押操作部材24による押圧部位23は、夫々の可動接点15,1
6に共通する帯状片部19であるから、押圧部位23から帯
状片部19の他端14までの区間については段差寸法の変化
に影響がなく、帯状片部19の他端14の両側に突出した突
出片部20,21に於ける可動接点15,16間の区間のみが段差
寸法の維持に影響し、所定の段差寸法、即ち時間差のバ
ラツキを小さくすることが容易である。

また押圧部位23は夫々の可動接点15,16に共通する帯状
片部19に構成しているので、従来のもののように二股に
分岐させた押操作部分や両方に跨るような押操作部分が
必要にならない。

上述したように一方側の可動接点15が固定接点17に接触
した後は、この側の突出片部20は他方の突出片部21の可
動接点16が固定接点18方向に移動する運動、即ち帯状片
部19がねじれる運動に対しての抵抗となるのであるが、
帯状片部19に構成する押圧部位23は、後にONとなる可動
接点16側に偏って構成しているので、支点としての前記
接触位置からの距離が長くなり、従って押操作部材24に
よるモーメントが大きいので所要力が小さい。

（実施例） 次に本発明の実施例を第１図〜第４図について説明す
る。

第１図、第２図において、弾性可動片11の帯状片部19
は、突出片部21側の可動接点16側に突出させた曲線形状
とすることにより、押圧部位23としての、可動接点16側
に偏らせた位置を構成している。

第３図、第４図において、押操作部材24は、上記押圧部
位23に対応するスイッチケーシング25の位置に固定接点
17,18に対して進退自在に支持すると共に戻しばね26に
より後退する方向に付勢している。

（発明の効果） 本発明は以上の通りであるので、以下に示すような効果
がある。

段差寸法の維持に影響する区間の距離を従来のもの
に於ける区間の距離に比較して大幅に短くすることがで
き、このため所定の段差寸法、即ち時間差のバラツキを
小さくすることが容易で、所定の正確な時間差のスイッ
チを提供することができる。

従来のように二股に分岐させた押操作部分や両方の
弾性可動片に跨るような押操作部分が必要にならずスペ
ースが節約できる。

先の可動接点を固定接点に接触させてから後の操作
に要する力を軽減することができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係る時間差スイッチの一実施例に対応
する要部斜視図、第２図は第１図の弾性可動片の平面
図、第３図はスイッチケーシングを含めた本発明に係る
時間差スイッチの断面図、第４図は第３図のＡ−Ａ線断
面図、第５図は従来の時間差スイッチの要部斜視図であ
る。 符号11……弾性可動片、12……一端、13……スイッチ基
体、14……他端、15,16……可動接点、17,18……固定接
点、19……帯状片部、20,21……突出片部、22……段
部、23……押圧部位、24……押操作部材、25……スイッ
チケーシング、26……戻しばね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】導電性を有する弾性可動片の一端をスイッ
   チ基体に固定し、他端に一対の可動接点を設けると共
   に、この一対の可動接点に対応してスイッチ基体に一対
   の固定接点を設けたスイッチにおいて、弾性可動片は前
   記一端側から他端側に渡る共通の帯状片部と、該帯状片
   部の他端から両側横方向に突出する突出片部とから構成
   し、片方側の突出片部に前記固定接点方向への段部を設
   けると共に、該段部によって突出片部に構成される高低
   位置の夫々に前記一対の可動接点を設け、前記帯状片部
   には、段部を設けていない突出片部の可動接点側に偏ら
   せた位置を押圧部位として構成して、該押圧部位に対応
   して押操作部材を設置したことを特徴とする時間差スイ
   ッチ