JPS6249333B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はストリツプ用連続焼鈍炉、特に、加熱
帯の炉内雰囲気を冷却帯での雰囲気として使用す
るストリツプ用連続焼鈍炉に関するものである。

一般にストリツプ用連続焼鈍炉は、加熱帯と冷
却帯とが継ぎスロートで連通されており、ストリ
ツプの冷却時、加熱帯の炉内雰囲気を前記スロー
ト部を介して冷却帯に導入するか、別途冷却用ガ
スを冷却帯に供給しクーラで冷却してストリツプ
に吹付けることによりストリツプを冷却するよう
になつている。

したがつて、前者においては冷却帯の雰囲気ガ
スとして加熱帯からの高温炉内雰囲気を使用する
ためクーラが大容量のものなり、一方後者におい
ては冷却用ガスが別途必要となる。また、加熱帯
にも冷却帯からの冷却された雰囲気がスロート部
を介して流入するため加熱帯での熱効率が悪くな
るという欠点があつた。

さらに、ストリツプが銅合金等低融点合金であ
ると、加熱帯の炉内雰囲気中にストリツプの加熱
により生じた蒸発金属が含まれており、この蒸発
金属が冷却帯で凝固して、冷却ガス噴出ノズルや
ダクト等の大量に付着し、冷却能力が低下するば
かりか、そのためにメンテナンスが面倒であると
いう欠点があつた。

なお、加熱帯が直火式であつても間接式であつ
ても同様である。

本発明は、この種連続焼鈍炉において、冷却帯
出口のシール機構として、水封シール装置を設
け、加熱帯からの高温炉内雰囲気を水封シール装
置の水中に導入することにより加熱帯の雰囲気を
冷却して冷却帯の雰囲気とするとともに、場合に
よつては蒸発金属を除去して冷却帯に供給する一
方、加熱帯と冷却帯との連通部に気体シール機構
を設けて両帯域における雰囲気の相互流通を阻止
し、前記欠点を除去することのできるストリツプ
用連続焼鈍炉を提供することを目的とするもので
ある。

つぎに、本発明を一実施例である図面にしたが
つて説明する。

図において、１は加熱帯、１１は冷却帯、１８
は水封シール装置である。そして、前記加熱帯
１、冷却帯１１および水封シール装置１８は互い
に連通部９，１７によつて連通している。

前記加熱帯１の装入口２には、たとえば、特公
昭42−3282号公報で示される気体シール室３が設
けてある。また、加熱帯１にはバーナ４が設けら
れ、その燃焼生成ガスはフアン５によりヘツダ６
を介して静圧パツド７とノズル８とから噴出し、
ストリツプＷを浮揚支持するとともに加熱し、再
びフアン５に吸引される。一方、加熱帯１の前記
連通部９の近傍にはストリツプＷを挾んで上下一
対のノズルあるいはスリツトからなる気体シール
機構１０が設けられ、たとえば、前棋フアン５に
より昇圧された燃焼生成ガスが噴出し連通部９を
気体シールするようになつている。なお、気体シ
ール機構１０は、特公昭56−3888号公報で開示さ
れるものでもよい。

前記冷却帯１１にも加熱帯１におけると同様、
静圧パツド１５とノズル１６とが設けられ、冷却
帯１１の雰囲気はクーラ１２、フアン１３を介し
てヘツダ１４に至り、前記静圧パツド１５とノズ
ル１６とから噴出し、ストリツプＷを浮揚支持す
るとともに冷却し、その後、再びクーラ１２へと
循環するものである。

前記水封シール装置１８は冷却帯１１の出口部
に設けたもので、水槽１９とシール板２０および
ローラ２１ａ〜２１ｃとからなり、ストリツプＷ
はローラ２１ｂによりシール液２２中に浸漬する
とともに、シール板２１の下端がシール液中に浸
漬し、冷却帯１１の出口部をシールする。なお、
この水封シール装置１８は、特公昭51−8370号公
報で開示されるものでもよい。

また、前記加熱帯１の高温雰囲気は、配管２３
により前記水封シール装置１８のシール板２０よ
り内側、つまり冷却帯１１側のシール液２２中に
ブロア２４により供給されるようになつている。

２５は前記配管２３に設けた調節バルブで、加
熱帯１と冷却帯１１との炉圧により作動する炉圧
調節器２６で開度調節されるようになつている。
さらに、水槽１９には循環ポンプ２７を備えた循
環配管２８が設けられ、この配管２８には開閉弁
３０を備えたフイルタ２９が並列に設けられてい
る。３１はシール液供給管で、前記シール液２２
の温度が所定温度以上になると、温度調節計３２
の指示にもとづき水槽１９にシール液を供給す
る。

なお、図示しないが、水槽１９にはオーバフロ
ー口および液面検知器が設けられ、所定量のシー
ル液が貯留されるようになつている。その他、３
３はスクイズロール、３４はドライヤである。

つぎに、前記構成からなるストリツプ用連続焼
鈍炉の操業について述べる。

加熱帯１において、バーナ４からの燃焼生成ガ
ス（雰囲気）は、フアン５によりヘツダ６を介し
て静圧パツド７およびノズル８から噴出し、スト
リツプＷを浮揚支持するとともに加熱する。炉内
雰囲気の一部は、ブロア２４により配管２３を通
じてシール液２２中に供給されてバブリングし、
シール液２２で冷却されて冷却帯１１に流入す
る。この雰囲気はクーラ１２で冷却されたのち静
圧パツド１５とノズル１６とから噴出し、ストリ
ツプＷを浮揚支持するとともに冷却し冷却帯１１
を循環する。この場合、加熱帯１と冷却帯１１と
の連通部９は気体シール装置１０によりシールさ
れているため、加熱帯１と冷却帯１１との雰囲気
が相互に流通することはない。

なお、前記冷却帯１１を通過したストリツプＷ
は水封シール装置１８、スクイズロール３３およ
びドライヤ３４を経て巻取られるものである。

また、前記ストリツプＷが銅合金等低融点金属
からなる場合には、加熱帯１で加熱されると、金
属の一部（酸化亜鉛等）が蒸発し、雰囲気中に混
入するが、この蒸発金属は雰囲気がシール液２２
にバブリングするときに凝固沈殿して除去され、
冷却帯１１で凝固することはない。そして、水槽
１９に沈殿した酸化亜鉛等はフイルタ２９で除去
される。この場合、図に示すように、フイルタ２
９を並列に設け、交互に周期的に使用することに
より連続して酸化亜鉛等を除去することができ
る。

なお、前記気体シール室３からの噴出気体をも
冷却雰囲気に使用してもよい。さらには、ストリ
ツプＷの搬送手段としては、カテナリーあるいは
搬送ローラ方式であつてもよい。

以上の説明で明らかなように、本発明のストリ
ツプ用連続焼鈍炉によれば、加熱帯と冷却帯との
連通部は気体シール装置でシールされ、両帯域の
雰囲気は混合しないため、加熱帯での熱効率およ
び冷却帯での冷却効率が低下することはない。ま
た、冷却帯へは、加熱帯の雰囲気が水封シール装
置のシール液中を通過することにより冷却されて
導入されるため、冷却帯での冷却効率をより向上
させることができ省エネルギーを図ることができ
るとともに、加熱帯の雰囲気を冷却帯の雰囲気と
して有効利用できる。

また、ストリツプが銅合金のように低融点金属
材料であると、加熱帯の雰囲気中に蒸発金属が含
まれるが、これは水封シール装置で除去されるた
め、冷却帯のダクトや噴出ノズルに凝固して固着
することがなく、固着金属の除去等も面倒なメン
テナンスを不要とし、炉操業度を向上させること
ができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかるストリツプ用連続焼鈍
炉の概略説明図である。 １……加熱帯、４……バーナ、５……フアン、
７，１５……静圧パツド、８，１６……ノズル、
９……連通部、１０……気体シール装置、１１…
…冷却帯、１２……クーラ、１８……水封シール
装置、１９……水槽、２０……シール板、２２…
…シール液、２３……配管、２４……ブロア、Ｗ
……ストリツプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加熱帯と冷却帯との連通部に気体シール機構
   を設けるとともに、前記冷却帯出口部に水封シー
   ル装置を配設し、加熱帯の炉内雰囲気を前記水封
   シール装置の水中に導入して低温雰囲気とし、こ
   の低温雰囲気を冷却帯の雰囲気に使用することを
   特徴とするストリツプ用連続焼鈍炉。