JPS6247716B2 - - Google Patents

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JPS6247716B2
JPS6247716B2 JP58108259A JP10825983A JPS6247716B2 JP S6247716 B2 JPS6247716 B2 JP S6247716B2 JP 58108259 A JP58108259 A JP 58108259A JP 10825983 A JP10825983 A JP 10825983A JP S6247716 B2 JPS6247716 B2 JP S6247716B2
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JP
Japan
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pest
film
adhesive layer
laminated
glycol
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JP58108259A
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English (en)
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JPS59232857A (ja
Inventor
Hikoichi Nagano
Hajime Suzuki
Yukio Yamane
Katsuhiko Nose
Tadashi Inukai
Akito Hamano
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP10825983A priority Critical patent/JPS59232857A/ja
Publication of JPS59232857A publication Critical patent/JPS59232857A/ja
Publication of JPS6247716B2 publication Critical patent/JPS6247716B2/ja
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はガスバリヤー性ポリエステルフイルム
に関し、殊に透明性、耐水性及び層間接着性が良
好であると共に、とりわけガスバリヤー性(以下
GB性と略記する)に優れ防湿性の良好なポリエ
ステル(以下PESTと記す)フイルムに関するも
のである。 近年、食品流通形態や消費生活の変革によつて
食品の包装形態も大幅に変わつてきており、包装
用フイルムに対する要求特性はますます厳しくな
つてきている。中でも気体や水分の透過度が少な
くしかも冷凍加工、煮沸処理、レトルト処理等の
処理によつてもそれらの性能が低下しない様なフ
イルムの要望が高まつている。即ち魚肉、畜肉、
貝類等の包装において蛋白質や油脂等の酸化や変
色を抑制し味や鮮度を保持する為には、GB性の
良い包装材を用いて空気の透過を阻止する必要が
ある。しかもGB性フイルムで包装すると内容物
特有の臭気や香気が保持されると共に、水分の透
過も阻止されるので乾燥物にあつては吸湿劣化が
防止され、また含水物の場合は水分の揮発による
変色や固化が防止され、包装当初の新鮮な風味を
長期間保持することができる。こうした理由か
ら、特にかまぼこ等の練製品、バター、チーズ等
の乳製品、味噌、茶、コーヒー、かつおぶし、ふ
りかけ、ハム・ソーセージ類、貝類、漬物、イン
スタント食品、豆腐、或は米菓、カステラ、ビス
ケツト等の菓子類等の包装フイルムとして、前記
GB性は極めて重要な特性とされている。またハ
ンバーク、シチユー、カレー等の調理食品包装で
は、包装後殺菌の為のレトルト処理(120〜135℃
程度の高温短時間処理)、流通段階での冷凍保
存、更には食前における煮沸処理等が行なわれる
ので、これらの処理によつてGB性が低下しない
特性も要求される。こうした特性は無菌状態での
取扱いが必須とされる医薬品や医療機器等の包装
用フイルムとしても極めて重要である。 一方PESTフイルムは、例えば−60〜150℃と
いう広い範囲に亘つて安定した性質を示し、強力
で寸法安定性、耐油性、耐薬品性、耐湿性、透明
性等に優れており、衛生上も安全であるので、包
装用フイルムとして極めて好ましいものと言え
る。しかしこのフイルムのGB性は中程度であつ
て、ポリビニルアルコールや塩化ビニリデン等の
GB性に比べてかなり劣るので、PEST単独フイ
ルムとして前述の様な用途に適用することは好ま
しくない。その為従来はPESTフイルムの表面に
塩化ビニリデン樹脂コートやポリビニルアルコー
ル樹脂コート、或はアルミニウム蒸着膜やアルミ
ニウム箔積層等を施してガスバリヤー性を高めて
いる。ところがPESTフイルムは他の素材との接
着性が極めて悪いので、単純に表面コートや積層
加工等を行なつても良好な積層フイルムは得られ
ず、殊にレトルト処理や煮沸処理で簡単に層間剥
離を起こす。 その為PESTフイルムの表面に接着性改善用の
コーテイングを施したり、或は表面滑性を与える
為のモノマーの共重合法やポリマーブレンド法に
より接着性を改善する方法も提案されている。し
かしながらPESTは純粋なものほど物性が良好で
あるので、共重合やポリマーブレンドを行なうと
フイルムの物性、殊に耐熱性や寸法安定性及び力
学的諸特性が低下すると共に、GB性は一段と低
下してくる。またPESTフイルムは回収して再利
用することも多いが、上記の様な接着性改善法で
は溶融再生時に重合体が熱劣化を起こしたりゲル
化することも多い。 一方本発明者等が確認したところによれば、
PESTの前述の様な物理的・化学的特性は、後で
も詳述する如く150℃で加熱したときの密度増加
と密接な相関々係を有しており、殊に前述の様な
優れた物理的・化学的諸特性を発揮するものは前
記密度増加が35×10-3g/cm3以上になることを確
認した。ところがこの様に密度増加が大きいとい
うことは高結晶性であることを意味し、前述の様
に接着性が悪いという問題が端的に現われてくる
ので、何らかの方法で接着性を改善する必要があ
る。GB性を有する前述の様な素材との接着性を
改善することは、PESTフイルムを前述の様な包
装用フイルム等として活用していくうえで欠くこ
とのできない要件である。 本発明者等はこうした事情に着目し、PESTの
有する本来の特性を損なうことなしに前述の様な
GB性素材との接着性を改善し、優れた外観及び
物性を有すると共に高いGB性を示し、しかも煮
沸処理やレトルト処理等によつても積層界面で層
間剥離等を生じることのない様な複合フイルムを
開発しようとして種々研究を進めてきた。本発明
はこうした研究の結果完成されたものであつて、
該ガスバリヤー性PESTフイルムの構成とは、 (A) 150℃で30分間熱処理したときの密度増加が
35×10-3g/cm3以上である高結晶性ポリエステ
ルよりなる基層(A)の少なくとも片面に、 (B) 下記(B−1)の低結晶性共重合PEST:5
〜60重量%と、同(B−2)の共重合PEST:
30重量%以下、及び同(B−3)の高結晶性
PEST:10重量%以上を含有する混合物からな
る接着性改善層(以下単に接着層という)(B) (B‐1) 150℃で30分間熱処理したときの密度増加
が30×10-3g/cm3以下である低結晶性共重合
PEST、 (B‐2) ブロツク共重合PEST、 (B‐3) 150℃で30分間熱処理したときの密度増加
が35×10-3g/cm3以上である高結晶性
PEST、 を積層してなり、該積層フイルム全体に占める前
記接着層(B)の構成比が1〜70重量%である積層フ
イルムの少なくとも片面に、難気体透過性層を形
成してなり、20℃の乾燥状態における酸素透過量
が40c.c./m2・24hr・atm以下であるところに要旨
が存在する。 本発明においては、熱処理時の密度増加が35×
10-3g/cm3以上を示す高結晶性PESTよりなる基
層(A)によつてフイルム全体の物理的及び化学的性
質並びに耐熱性や寸法安定性等の要求特性を保障
すると共に、上記低結晶性共重合PEST(B−
1)とブロツク共重合PEST(B−2)及び高結
晶性PEST(B−3)との特定比率配合物からな
る接着層(B)によつてGB性素材との接着性を高め
たもので、得られる少なくとも3層構造の複合フ
イルムは優れた物性とGB性を兼備しており、且
つ煮沸処理やレトルト処理等によつても層間剥離
等を生ずることのない極めて優れたものである。 本発明において接着層(B)を構成する素材は、前
述の如く熱処理時の密度増加が少ない低結晶性共
重合PEST(B−1)とブロツク共重合PEST
(B−2)及び熱処理時の密度増加が大きい高結
晶性PEST(B−3)を特定量ずつ配合しフイル
ム状としたものであつて、この接着層(B)は基層(A)
との親和力が大きく該基層(A)と強固に接着すると
共に、GB性素材に対する接着性も優れているの
で、該接着層(B)を介在させることによつてGB性
層をPEST表面に強固に接着することができ、従
来のPESTフイルムに見られる様なGB性層の剥
離現象を殆んど皆無にすることができる。 前記低結晶性共重合PESTの製造に使用し得る
ジカルボン酸又は縮重合可能な誘導体としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、1,5―(又は
2,6―又は2,7)―ナフタレンジカルボン
酸、4,4′―ジフエニレンジカルボン酸、ビス
(p―カルボキシフエニル)メタン、エチレン―
ビス―p―安息香酸、4,4′―ジフエニルオキシ
カルボン酸、エチレンビス(p―オキシ安息香
酸)、1,3―トリメチレン―ビス(p―オキシ
安息香酸)、1,4―テトラメチレン―ビス(p
―オキシ安息香酸)及び4,4′―スルホニルジ安
息香酸等が挙げられ、またグリコールとしては、
エチレン、1,3―トリメチレン、1,4―テト
ラメチレン、1,6―ヘキサメチレン、1,8―
オクタメチレン、1,10―デカメチレン等のグリ
コール、シクロヘキサン―1,4―ジオール、
1,4―シクロヘキサンジメタノール、2,2,
4,4―テトラメチル―1,3―シクロブタンジ
オール及び2,2―ジメチル―1,3―プロパン
ジオール等、或はp―ジ―(ヒドロキシメチル)
―ベンゼンやp―ジ―(β―ヒドロキシエトキ
シ)―ベンゼンの様なアルキレングリコール等が
挙げられる。また該PESTの変性に使用する代表
的な酸としては上記の他アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸及び
1,4―シクロヘキサンカルボン酸等が、また変
性用の代表的なグリコールとしては上記の他ペン
タンメチレングリコール、ヘプタメチレングリコ
ール、エイコサンメチレングリコール、ノナンメ
チレングリコール、ドデカンメチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、1,3―プロ
パンジオール、1,3―ブタンジオール及び2,
2,4―トリメチルペンタンジオール等が夫々挙
げられるが、低結晶性共重合PESTを構成する酸
成分及びグリコール成分はもとよりこれらに限定
される訳ではない。但し本発明の目的を達成する
うえで最も好ましいPESTとしては、テレフタル
酸とエチレングリコールを主原料とし、他に酸成
分としてイソフタル酸、こはく酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸など、グリコール成分
としてテトラメチレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ジエチレングリコール、2,
2―ジメチル―1,3―プロパンジオール、プロ
ピレングリコール等を第3成分として配合した共
重合PESTが挙げられる。尚第3成分の共重合量
は5モル%以上とすべきであり、5モル%未満で
は接着性の一層の向上効果が現われてこない。ま
た接着層(B)についていえば上記低結晶性共重合
PESTの配合率を高くするのに応じて接着性が向
上し、該共重合PESTを20重量%以上配合したも
のはそれ自身でヒートシール性を示す様になる。 次にブロツク共重合PEST(B−2)とは、高
結晶性セグメント成分と成分と低結晶性セグメン
ト成分とからなるブロツク共重合体を言い、高結
晶性セグメント成分は後記高結晶性PEST(B−
3)良好な親和性を有しており、又低結晶性セグ
メント成分は前記低結晶性共重合PEST(B−
1)と夫々良好な親和性を有しているので、該ブ
ロツク共重合PEST(B−2)を共存させること
によつて物性及び接着性を兼備した接着層(B)を得
ることが可能となる。この様なブロツク共重合
PESTの代表的なものとしてはポリエーテル・ポ
リエステルエラストマーが挙げられ、中でも全セ
グメント成分のうち7〜95重量%がポリエーテル
グリコール又はコポリエーテルグリコールであ
り、且つこれらポリエーテルグリコール又はコポ
リエーテルグリコールのアルキレン部分が炭素数
2〜12のアルキル基若しくは炭素数4〜10のアリ
ール基(換言すれば約93〜5重量%がポリエステ
ルセグメントよりなるもの)からなるものが最適
である。この種のブロツク共重合体で高分子に属
するものの融点は普通100℃以上である。この様
なポリエーテル・エステルエラストマーの製造に
使用する酸成分としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、コ
ハク酸、アゼライン酸、シユウ酸、ジ安息香酸、
P,P′―エチレンジ安息香酸、2,6―ナフタレ
ンジカルボン酸等が挙げられ、グリコール成分と
してはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、1,6―ヘキサメチレングリコール、
1,4―シクロヘキサンジメタノール、ジエチレ
ングリコール、2,2―ジメチル―1,3―プロ
パンジオール、ブチレングリコール、ペンタメチ
レングリコール等が挙げられる。またポリエーテ
ル・エステルを構成するセグメント成分として
は、ポリエチレンオキサイドグリコール、ポリプ
ロピレンオキサイドグリコール、テトラメチレン
オキサイドグリコール、エチレンオキサイドとプ
ロピレンオキサイドとの共重合グリコール、エチ
レンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合
グリコール等のポリエーテル、ポリネオペンチル
アゼレート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ
ネオペンチルセバケートの様な脂肪族ポリエステ
ル、ポリ―ε―カプロラクトンやポリピバロラク
トン等のラクトン等とポリテトラメチレンオキサ
イドグリコールやポリエチレンオキサイドグリコ
ール等との反応物などが挙げられる。 ところで高分子材料の各種素材に対する接着性
は、一般にポリマーの表面の官能基の種類や表面
の凹凸、更には結晶性等の影響を受けるとされて
いる。ところが本発明者等が各種共重合PESTを
対象としてGB性素材に対する接着性に及ぼす因
子について種々検討を行なつたところ、結晶性の
低い共重合PESTほどGB性素材に対する接着性
が優れており、且つ150℃で加熱したときの密度
増加とGB性素材に対する接着性との間に高い相
関々係があること、更に該密度増加が30×10-3
g/cm3以下、より好ましくは20×10-3g/cm3以下で
ある共重合PESTはGB性素材に対して優れた接
着性を有していることが確認された。しかもこの
低結晶性共重合PESTに適量の前記ブロツク共重
合PESTを配合すると、もう1つの配合物である
高結晶性PESTとの混練が一層簡単且つ均一に行
なえる様になり、接着層(B)の接着性が一段と向上
することが明らかとなつた。 尚前記低結晶性共重合PESTの密度増加は共重
合成分の種類やモル数によつて著しく変わるの
で、それらを適宜選定することにより密度増加の
小さい共重合PESTを得ればよいが、PESTとし
て最も代表的なテレフタル酸とエチレングリコー
ルから得られる(ポリエチレンテレフタレート)
PESTの場合、密度増加(Δρ)を小さくする為
の効果的な共重合成分のうち酸成分としてはイソ
フタル酸が好ましく、又グリコール成分としては
2,2―ジメチル―1,3―プロパンジオール、
ジエチレングリコール、1,4―シクロヘキサン
ジメタノール、プロピレングリコール等が好まし
く、これらを10〜30モル%共重合させることによ
つて共重合PESTのΔρを確実に30×10-3g/cm3
以下にすることができる。中でも共重合成分とし
て2,2―ジメチル―1,3―プロパンジオー
ル、ジエチレングリコール或は1,4―シクロヘ
キサンメタノール等を30モル%共重合させると、
Δρは5×10-3g/cm3以下となり、共重合PEST
の接着性は極めて優れたものとなる。 ところでこの様に密度増加量の少ない低結晶性
共重合PESTに少量の前記ブロツク共重合PEST
を配合したものは極めて優れた接着性を示すが、
反面、耐薬品性及び耐溶剤性が劣悪である他、耐
ブロキツング性や表面滑性が乏しいので、そのま
ま使用することは適当でない。 ところがこれらの配合物に適量の後記高結晶性
PESTを混合すると、耐薬品性等に実質上の障害
を及ぼすことなしに接着性を改善し得ることが明
らかとなつた。即ち本発明において最大の特徴と
する接着層(B)とは、前述の密度増加を示す低結晶
性共重合PEST(B−1):5〜60重量%(より
好ましくは10〜50重量%)と、前記ブロツク共重
合体(B−2):30重量%以下(より好ましくは
1〜10重量%)、及び後述する高結晶性PEST:
10重量%以上(より好ましくは40重量%以上)を
含有する混合物をフイルム状に形成したものであ
る。ここで低結晶性共重合PEST(B−1)の配
合量が5重量%未満では接着層(B)に十分な接着性
を与えることができな。しかも該共重合PEST
(B−1)は低結晶性である為透明性が良好であ
り、積層フイルムの透明性を高めて包装用フイル
ム等としての適性を高める効果もあるが、5重量
%未満ではこうした効果も不十分になつて満足な
透明性を得ることができなくなる。一方60重量%
を越えると接着層(B)の表面特性、即ち耐薬品性、
耐溶剤性、表面滑性、耐ブロツキング性等が低下
して実用にそぐわなくなる。殊に共重合PEST
(B−1)の配合量が多すぎる接着層(B)では、メ
チルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼ
ン、酢酸エチル、クロロホルム、トリクレン等の
溶剤で製品フイルムを処理したときに、接着層(B)
が膨潤したり溶解するといつた問題を惹起する。
しかもこの様なフイルムに誤つて文字や図柄を記
入した場合、有機溶剤でこれらインキや塗料を除
去することができなくなるという問題も生じる。
この様なところから本発明では接着層(B)に占める
前記低結晶性共重合PEST(B−1)含有率を5
〜60重量%と定めた。 またブロツク共重合PEST(B−2)を配合し
ない場合でも接着層(B)は相当の接着性を発揮する
が、該PEST(B−2)を適量配合することによ
つて接着層(B)の接着性は大幅に向上し、且つ接着
層(B)自体の物理的・化学的特性も改善される。こ
れは先に述べた様にブロツク共重合PEST(B−
2)の共存によつて低結晶性共重合PEST(B−
1)と高結晶性PEST(B−3)の親和性が高ま
り、接着層(B)の均質性が向上する為と考えられ
る。しかし該ブロツク共重合PEST(B−2)の
配合量が30重量%を越えると、接着層(B)の透明性
が低下すると共に耐薬品性や耐ブロツキング性が
低下し、更には表面硬度が低下して粘着テープを
貼つて剥すとき等に表層が伸びてさざ波状のしわ
ができることがある。また高結晶性PEST(B−
3)は前述の如くPEST本来の優れた諸特性を有
するもので、接着層(B)に適度の物理的・化学的特
性と耐薬品性や耐溶剤性を与える為には10重量%
以上配合しなければならない。 この様に本発明では接着層(B)の素材として低結
晶性共重合PEST(B−1)とブロツク共重合
PEST(B−2)及び高結晶性PEST(B−3)
を適正比率で配合したものを使用することによつ
て、適度の物理的・化学的諸特性とGB性素材に
対する優れた接着性を兼備した接着層(B)を得るこ
とができる。 次に基層(A)を構成する高結晶性PESTとはジカ
ルボン酸とグリコールを縮重合して得られる
PESTであつて、該PESTの製造に使用されるジ
カルボン酸又は縮重合可能な誘導体としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、1,5―(又は2,
6―又は2,7―)ナフタレンジカルボン酸、
4,4′―ジフエニレンジカルボン酸、ビス(p―
カルボキシフエニル)メタン、エチレン―ビス―
p―安息香酸、1,4―テトラメチレン―ビス―
p―安息香酸、4,4′―ジフエニルオキシカルボ
ン酸、エチレン―ビス(p―オキシ安息香酸)、
1,3―トリメチレン―ビス(p―オキシ安息香
酸)、1,4―テトラメチレン―ビス(p―オキ
シ安息香酸)及び4,4′―スルホニルジ安息香酸
等が挙げられる。又グリコール成分としては、エ
チレン、1,3―トリメチレン、1,4―テトラ
メチレン、1,6―ヘキサメチレン、1,8―オ
クタメチレン、1,10―デカメチレン等のグリコ
ール、シクロヘキサン―1,4―ジオール、1,
4―シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,
4―テトラメチル―1,3―シクロブタンジオー
ル、2,2―ジメチル―1,3―プロパンジオー
ル等が例示され、更にp―ジ(ヒドロキシメチ
ル)ベンゼンやp―ジ(β―ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン等のアルアルキレングリコールも使
用することができる。これらの中でも本発明にお
ける基層(A)を構成するPESTとして最も好ましい
のはポリエチレンテレフタレート(PET)及び
ポリブチレンテレフタレート(PBT)である
が、勿論これらに限定される訳ではなく、以下に
詳述する基層(A)としての要求特性を阻害しない範
囲で第3成分を共重合させたりポリマーブレンド
を行なうことも可能である。 一般に有用な高分子量PEST樹脂は、o―クロ
ロフエノール、60/40容量比のフエノール―テト
ラクロロエタン混合物或はこれらに類似の溶剤系
を用い25〜30℃で測定したときの固有粘度が0.2
dl/g以上、より好ましくは約0.4dl/g以上のも
のであり、特に好ましいPETは固有粘度が約0.5
〜1.3dl/gの範囲のものであるが、種々実験の結
果本発明の目的を達成する為には、基層(A)を構成
するPESTとして、150℃で30分間熱処理したと
きの密度増加が35×10-3g/cm3以上、より好まし
くは37×10-3g/cm3以上である高結晶性PESTを
選択すべきであることが明らかになつた。また固
有粘度が0.6dl/gのPETホモポリマーの前記密度
増加は43×10-3g/cm3、固有粘度が0.9dl/gの
PETホモポリマーの前記密度増加は39×10-3g/
cm3であり、何れも基層(A)の素材として目的にかな
うものである。この様な密度増加の大きいPEST
は高結晶性を有しており、製膜・延伸・熱固定す
ることによつて配向結晶化が著しく促進されるの
で、これをベースフイルムとして使用することに
より、高強力で力学的性質及び寸法安定性等の卓
越した包装用フイルムを得ることができる。しか
し密度増加が35×10-3g/cm3未満のものでは、製
膜・延伸・熱固定時の前記諸特性改善効果が不十
分となり、最終的に得られる積層フイルムの強度
等の力学的性質及び寸法安定性等が不十分とな
る。 本発明で使用する基層(A)及び接着層(B)の構成材
料は上記の通りであるが、これらには必要に応じ
て安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、滑剤、充填
剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤、消泡剤、帯電防止
剤、顔料等の各種添加剤を配合することが可能で
ある。又接着層(B)で用いる高結晶性PESTは基層
(A)を構成する高結晶性PESTと同一のものでも或
は異なるものであつてもかまわない。 本発明では上記高結晶性PESTよりなる基層(A)
の少なくとも片面に、後述する様な方法で前記接
着層(B)を積層し延伸及び熱固定を行なつてPEST
積層フイルムとするが、積層に当つては積層フイ
ルム全体に占める接着層(B)の割合いが1〜70重量
%、より好ましくは5〜40重量%となる様にする
必要がある。しかして接着層(B)の占める割合いが
1重量%未満では、接着力改善層としての接着層
(B)の厚さが不足する為十分な接着力を得ることが
できず、一方70重量%を越えると強化層としての
基層(A)が薄くなりすぎて積層フイルムの耐熱性や
力学的性質が乏しくなり、高温雰囲気で外力がか
かつた場合はもとより室温で外力がかかつた場合
でもフイルムが変形したり破断することがある。 次に積層PESTフイルムの具体的な製法につい
て説明するが、本発明はもとより下記の方法に限
定される訳ではない。 積層PESTフイルムの最も好ましい成形法は共
押出法であり、この方法であれば2台又は3台の
押出機から基層(A)及び接着層(B)を夫々押出し、コ
ンバイニングアダプター等で積層することによつ
て簡単にPEST積層フイルムを得ることができ
る。この場合接着層(B)を構成する素材は予め溶融
混合しておいてもよく、或はスタテイツクミキサ
ー等で混練しながら押出することもできる。ダイ
スの形状はフラツト及びサーキユラーのいずれで
あつてもよく、また両押出物の積層はダイス内及
びダイス外のどちらで行なつてもよい。その他の
積層形成法として押出ラミネート法又はドライ若
しくはウエツトラミネート法を採用することもで
き、これらの場合は積層面に適当な接着剤を介在
させるのがよい。この場合基層(A)及び接着層(B)の
成膜は例えばT―ダイ法やインフレーシヨン法等
によつて行なえばよい。積層フイルムの形態とし
ては基層(A)と接着層(B)を各1枚ずつ積層した2層
フイルム、或は基層(A)の両面に接着層(B)を積層し
た3層フイルムが最も一般的であるが、これらの
他層(A)及び(B)を夫々複数枚積層して10層フイルム
や20層フイルムとすることもでき、この様な多層
フイルムであれば耐ピンホール性や耐衝撃性等が
一層優れたものとなる。尚この様な多層フイルム
は、例えば「SPEジヤーナル、1973年6月、
Vol.29」等に記載されている様な方法に準じて製
造することができる。 基層(A)と接着層(B)の構成比の調整は、共押出法
を採用する場合は各押出機からの吐出量を調整す
ることにより、又ラミネーシヨン法の場合は各層
(A)及び(B)の厚みを変えることによつて容易に調整
することができる。 尚本発明のPEST積層フイルムは未延伸状態の
ものであつてもよいが、積層の前・後適当時期に
適度の延伸を施せば、製品フイルムの力学的性質
を一段と高めることができる。延伸は公知の方法
に準じて行なえばよいが、最も好ましい延伸温度
は70〜100℃程度である。また好ましい延伸倍率
は、1軸延伸の場合1.2〜6倍、より好ましくは
1.5〜6倍、2軸延伸の場合は縦方向に1.2〜6
倍、横方向に1.2〜6倍である。更に積層及び延
伸の前後で熱処理やコロナ放電処理を施せば、
GB性素材との接着性を一段と高めることができ
る。 この様にして得た積層PESTフイルムの接着層
(B)面側には、GB性素材が積層される。GB性素材
としてはポリビニルアルコール樹脂、エチレン―
酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリアミド樹脂及びこれらの変性樹脂、
或は金属や金属酸化物の蒸着膜やスパツタリング
膜、金属箔等が使用される。該GB性素材が樹脂
である場合は、この樹脂をフイルム状に成形して
前記積層フイルム上にラミネートしたり、或は樹
脂を溶融して前記積層フイルム上に押出しラミネ
ートする方法、更にはこれらの樹脂のエマルジヨ
ンを積層フイルム上に塗布する方法等を採用すれ
ばよい。またアルミニウムや亜鉛等の場合はこれ
らを高真空下で加熱蒸発させて積層フイルムの表
面に蒸着させる真空蒸着法が最も一般的である
が、この他スパツタリングやイオンプレーテイン
グ法を採用することもできる。更に金属箔として
はアルミニウム箔が最も一般的であり、この様な
金属箔は適当な接着剤を用いてドライラミネート
方式等で前記積層フイルムに積層すればよい。何
れにしても積層フイルム表面の接着層(B)は優れた
接着性を有しているので、GB性層は該フイルム
の表面に強固に接着し、層間剥離等を生じること
のない良質の複合フイルムとなる。 ところで上記積層PESTフイルム自体のGB性
は、厚みが約12μmのもので酸素透過量にして50
c.c./m2・24hr・atm(単位は以下単にc.c.で示す)
程度であつて、前述の様な包装用フイルムとして
はGB性が不足しており、少なくとも40c.c.程度以
下の酸素透過量に押えなければ内容物の変質等を
有効に阻止することはできない。ちなみに練り
辛子や七味では酸化防止や保香の為に30c.c.程度以
下、ハム・ソーセージ等では腐敗或は酸化変色
防止の為に10c.c.程度以下、茶、コーヒー等では
酸化防止、防湿、保香の為に10c.c.程度以下、ス
ナツク、米菓等では油脂等の酸化防止の為5c.c.程
度以下、かまぼこ等では腐敗変色防止の為5c.c.
程度以下、ふりかけ食品等では保香、防湿の為
5c.c.程度以下、味噌等では酸化、変・退色防止
及び風味保持の為2c.c.程度以下、かつお削りぶ
し等では酸化、変・退色防止及び保香の為1c.c.程
度以下、の酸素透過量が夫々要求される。 こうした要請に対し、前述の如く積層PESTフ
イルムにGB性素材を積層した複合フイルムで
は、GB性素材を選択することによつて必要に応
じた低い酸素透過性の複合フイルムを得ることが
できる。即ち先に例示したGB性素材の20℃乾燥
状態における酸素透過量は例えば下記第1表に示
す通りであり、低密度ポリエチレン(厚み20μm
のフイルムで10000c.c.)やポリプロピレン(厚み
20μmのフイルムで3000c.c.)、ポリ塩化ビニル樹
脂(厚み20μmのフイルムで300c.c.)等の酸素透
過量に比べて極めて小さい。
【表】 しかも本発明で使用する積層PESTフイルム
は、前述の如く表面に接着性の優れた接着層(B)が
形成されており、上記の様なGB性素材を強固に
接着させることができるので、煮沸処理やレトル
ト処理或は冷凍処理等の過酷な処理を行なつた場
合でも層間剥離等を起こすことのないGB性複合
フイルムを得ることができる。 本発明は以上の様に構成されており、卓越した
GB性及び防湿性を有すると共に、透明性、表面
滑性、耐水性、耐熱性、寸法安定性が良好で且つ
煮沸処理やレトルト処理等にも十分耐える層間接
着性を有しているので、ボイル・イン・バツグの
様な調理食品、ハム・ソーセージやかまぼこの様
な畜肉・水産加工品、味噌、コーヒー、かつお削
りぶしの様な変質し易い食品、ポテトチツプやス
ナツク、米菓の様な変質し易い菓子類等の包装を
はじめとして、薬品や医療器具等の無菌包装、電
気・機械部品等の防錆包装等として幅広く活用す
ることができる。 次に実験例を挙げて本発明の構成及び作用効果
をより具体的に説明するが、それに先立つて実験
で採用した各種物性の測定法等を明らかにしてお
く。 [密度増加:Δρ] JIS K 7112に基づき、(水―硝酸カルシウ
ム)液系の密度勾配管を用いて30℃で試料の熱処
理前・後における密度を測定し、その差をもつて
Δρとする。但し熱処理条件は下記の通り。 [熱処理] 実質的に非晶質で未配向の試料を、日本製箔社
製のアルミニウム箔(厚さ0.05mm)ではさみ、神
藤金属工業所製の油圧プレス(ヒートプレス)を
用いて油圧ゲージ10Kg/cm2の加圧下に150℃で30
分間熱処理する。 [酸素透過量] モコン社製自動酸素透過率測定装置「Ox―
Tran100型」を使用し、20℃の乾燥状態(0%R.
H.)で測定する。試料は、乾燥したシリカゲル
を入れたデシ%ケーター中で24時間シーズニング
した後測定する。単位:c.c./m2・24hr・atm [ポリマーの固有粘度と還元比粘度] フエノール/テトラクロルエタン=3/2の混
合溶媒(20c.c.)にポリマー(80mg)を溶解し、ウ
ベローデ型毛管粘度計を用いて30℃における粘度
を測定する。単位はdl/gである。 [熱収縮率] JIS C 2318に準拠し、温度150℃で1時間熱
処理してその前後の寸法変化を測定し縦方向と横
方向の平均値を求める。 [全光線透過率及び曇価] JIS K 6714に準拠し、東洋精機製作所製「ヘ
ーズメーターS」を用いて測定した。 [強伸度] JIS K 2318に基づいき、東洋ボールドウイン
社製万能引張試験機「テンシロンUTM3型」を用
いて20℃、65%R.H.の雰囲気で測定し、縦方向
と横方向の平均値として求める。 [調 湿] 硫酸アンモニウムの過飽和水溶液を入れたデシ
ケーター内にフイルムを装入し、40℃に保つた三
洋電機社製「インキユベーターMIR―550」に上
記デシケーターを入れてフイルムの調湿を行な
う。40℃で79%R.H. [ヒートシール] 西部機械社製の高速自動製袋機「HS400型」を
使用し、温度200℃で1分間に30袋の速度でヒー
トシールする。シール幅は1cmとする。 [ヒートシール強度] ヒートシールを行なつたフイルムを幅15mm幅の
短冊状に切断し、強伸度の測定で使用した「テン
シロンUTM3型」にてT型剥離の形でシール強度
を測定する。剥離速度200mm/分、測定雰囲気20
℃、65%R.H. [ラミネート強度] 各GB性フイルムを幅15mm×長さ20cmの短冊状
に切断し、前記と同じ「テンシロンUTM3型」を
用いてPESTフイルムとシール材或はGB材等を
T型剥離の形で剥離してラミネート強度を測定す
る。剥離速度200mm/分、雰囲気20℃、65%R.H. [煮沸処理] 複合フイルムを50メツシユのステンレス金網製
袋に挿入して沸騰水中に沈め、30分間煮沸処理す
る。尚複合フイルムにシール材をラミネートした
ものについては、フイルム同士の融着を防止する
為フイルム間に紙をはさんで処理した。 [レトルト処理] 日坂製作所製の染色処理機「HUHT 212/350
型・小型オーバーマイヤー」を使用し、流動する
熱水中に煮沸処理と同様の金網に試料フイルムを
浸漬し、120℃で30分間熱処理する。フイルムに
シール材をラミネートしたものについては、フイ
ルム同士の融着を防止する為フイルム間に紙をは
さんで処理する。 [耐薬品性] 積層フイルムの接着層(B)の表面に、マジツクイ
ンキNo.500の黒で約2cm角の大きさでBと記入
し、インキが十分に乾いた後、クロロホルムを含
ませたガーゼでフイルム表面の記入文字を拭取
り、その後の表面状態を観察する。表面が平滑で
光沢のあるものを良好(〇印)、表面が荒れて光
沢を失なつているものを不良(×印)とする。 実験例 1 酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコール
成分としてエチレングリコールと3モル%、20モ
ル%又は30モル%の1,4―ジクロヘキサンジメ
タノール(CHDM)を併用して3種の低結晶性
共重合PESTを製造した。得られた共重合PEST
の還元比粘度は夫々0.83、0.91、1.05dl/gであつ
た。 一方酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコ
ール成分としてブタンジオール(BD)とポリテ
トラメチレングリコール(PTMG:分子量1000)
〔BD/PTMG=85.7/14.3(モル比)〕を用いて、
ポリエーテル・エステルエラストマーを製造し
た。このエラストマーの還元比粘度は1.85dl/g
であつた。 得られた低結晶性共重合PESTとエラストマー
及び固有粘度0.60dl/gの高結晶性PETの各ペレ
ツトを所定量ずつ袋に入れて混合し、接着層(B)の
素材とした。一方基層(A)の素材としては、固有粘
度が0.60dl/gの上記高結晶性PETを使用した。 製膜には2台の押出機を使用し、押出温度は何
れも270〜290℃として、一方の押出機には高結晶
性PETを、又他方の押出機には前記混合ペレツ
トを夫々供給し、Tダイス内で積層しつつフイル
ム状に共押出しした後急冷して積層フイルムを得
た。このとき両素材の押出量を調整して基層(A)と
接着層(B)の厚み比を変えたが、積層フイルムの未
延伸状態における厚さは何れも約160μmであつ
た。このフイルムを周速の異なるロールによつて
縦方向に3.5倍(温度85℃)延伸し、引続いてテ
ンターで横方向に3.7倍(温度105℃)延伸した
後、220℃で横方向に5%緩和させながら熱固定
し、更に表面をコロナ放電処理した。得られたフ
イルムの厚みは約12μmであつた。 この積層PESTフイルムの接着層(B)側表面に、
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)の水性エマルジヨ
ン〔クレハ化学社製「クレハDOAX―2」〕と水
沢化学社製「ミズカシルNP―8」とを100/0.3
の固形分比で混合し液濃度を45重量%としたGB
性素材を、エアーナイフコーターを用いコート速
度50m/分で塗布した後、120℃の乾燥ゾーンに
通して乾燥し、更に40℃で2日間エージングし
た。この複合フイルムに、イソシアネート系接着
剤〔武田薬品社製「タケラツクA971」と同社製
「タケネートA3」及び酢酸エチルを重量比18/
2/15の割合いで混合し液濃度を30重量%とした
もの〕を、100メツシユで深さ80μmのグラビア
ロールを用いてコートした後予備乾燥し、厚さ60
μmの低密度ポリエチレンフイルム(LDPE:太
陽化学社製)とニツプルロールでラミネートした
(温度50℃、速度7m/分)。このLDPEラミネー
トフイルムを調湿した後、積層PESTフイルムと
LDPE層との層間ラミネート強度を測定した。又
比較の為接着層(B)及びポリ塩化ビニリデンコート
を施していない高結晶性PET単独フイルムに
LDPEをラミネートしたものについても同様にし
て層間ラミネート強度を測定した。 結果を第2表に示す。尚第2表にはGB層積層
前の積層PESTフイルムの物性も併記した。
【表】
【表】 第2表において比較例(1―1)は接着層(B)に
配合した共重合PESTの密度増加が大きすぎるも
ので、ラミネート強度及びシール強度が極めて悪
い。比較例(1―2)は接着層(B)として高結晶性
PESTを単独で用い、しかもPVDCコート層(GB
層)を形成しておらない例で、ラミネート強度及
びシール強度が劣悪であると共に酸素透過量も大
きい。比較例(1―3)は接着層(B)として低結晶
性共重合PESTを単独で使用したもので、ラミネ
ート強度は極めて良好であるが積層PESTフイル
ムの耐薬品性が劣悪であり、クロロホルム含浸布
による処理で表面に簡単に傷がつく。比較例(1
―4)は接着層(B)中の低結晶性共重合PESTの配
合量が多すぎる例でやはり耐薬品性が劣悪であ
り、しかもPVDCコートが施こされていない為酸
素透過量も全く抑制されていない。 これらに対し本発明の規定要件をすべて満たす
実施例(1―1)〜(1―3)は績層PESTフイ
ルム自体の物性、耐薬品性等が良好であると共に
ラミネート強度及びシール強度も良好であり、酸
素透過量も低い値を示している。 実験例 2 酸成分としてテレフタル酸を使用し、グリコー
ル成分としてエチレングリコールと10モル%、20
モル%又は30モル%のネオペンチルグリコール
(NPG)を用いて低結晶性共重合PESTを製造し
た。得られた共重合PESTの還元比粘度は夫々
0.83、0.85、0.93であつた。 一方酸成分としてテレフタル酸を使用し、グリ
コール成分としてエチレングリコール(EG)と
ポリテトラメチレングリコール(PTMG:分子量
1000)〔EG/PTMG=87.7/12.3(モル比)〕を
用いてポリエーテル・エステルエラストマーを製
造した。このエラストマーの還元比粘度は1.39で
あつた。 得られた低結晶性共重合PESTとエラストマー
及び固定粘度0.60dl/gの高結晶PETの各ペレツ
トを所定量ずつ袋に入れて混合し、接着層(B)の素
材とし、一方基層(A)の素材としては固有粘度が
0.60dl/gである上記高結晶性PETを用いて、実
験例1と同様に共押出し、2軸延伸、コロナ放電
処理等を行なつて厚さ12μmの延伸PESTフイル
ムを得た。 このフイルムの接着層(B)側表面に、日本真空技
術社製の真空蒸着装置「EBV―6DA」を用い
て、2×10-5Torrの圧力で厚み50μmのアルミ
ニウム蒸着膜を形成した。この蒸着面に、東洋モ
ートン社製接着剤「アドコート335A/F」をメ
チルエチルケトンで希釈し液濃度20%とした接着
剤をグラビアコーターで塗布し、60℃の乾燥ゾー
ンを通した後、厚み60μmの未延伸ポリプロピレ
ンフイルム(CP:東レ社製No.3701)を50℃のニ
ツプローラでラミネートし、40℃で2日間エージ
ングした。 得られたCPラミネートフイルムのCP面を重ね
てヒートシーラーでシールし、該フイルムの煮沸
処理後のヒートシール強度及びラミネート強度等
を測定した。又比較の為、蒸着前の積層PESTフ
イルムの物性等、及び蒸着加工のみを省略した
CPラミネートフイルムについてもラミネート強
度等を測定した。 結果を第3表に示す。
【表】 第3表において比較例(2―1)は、接着層(B)
中に配合された低結晶性共重合PEST密度増加が
大きすぎるもので、ラミネート強度及びシール強
度が低い。しかもGB層を設けていないので酸素
透過量も多い。比較例(2―2)は接着層(B)とし
て高結晶性PETを単独で使用している為、ラミ
ネート強度及びシール強度が劣悪である。比較例
(2―3)は接着層(B)中の低結晶性共重合PEST
配合量が多すぎる例で、ラミネート強度及びシー
ル強度は良好であるが、積層PESTフイルムの耐
溶剤性が悪く、クロロホルム含浸布による処理で
表面に簡単に傷がつく。これらに対し本発明の規
定要件を充足する実施例(2―1)〜(2―3)
はすべての要求性能において優れた値を示してい
る。 実験例 3 酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコール
成分としてエチレングリコールと5モル%又は30
モル%のジエチレングリコール(DEG)を使用
して、2種類の低結晶性共重合PESTを製造し
た。この共重合PESTの還元比粘度は0.61及び
0.65dl/gであつた。 一方酸成分としてテレフタル酸とドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム塩〔モル比で前者95/
後者5〕を使用し、グリコール成分としてエチレ
ングリコール(EG)とポリテトラメチレングリ
コール(PTMG:分子量1000)〔EG/PTMG=
87.4/12.6(モル比)〕を用いて、還元比粘度が
1.19dl/gのポリエーテル・エステルエラストマ
ーを製造した。 得られた低結晶性共重合PESTとエラストマー
及び固有粘度0.60dl/gの高結晶性PETの混合物
を接着層(B)の素材とし、上記と同じ高結晶性
PETを基層(A)の素材として使用し、実験例1と
同様にして積層共押出し、2軸延伸、コロナ放電
処理を行なつて、厚みが12μmの積層PESTフイ
ルムを得た。 得られたフイルムの接着層(B)側表面に、東洋モ
ートン社製押出ラミネート用アンカー剤「EL―
150」と「CAT―200」を10/1の重量比で混合
し酢酸エチルに溶解した35%溶液を、100メツシ
ユで深さ80μmのグラビアロールで塗布し、65℃
の乾燥ゾーンに通した後、該塗布面にクラレ社製
エチレン―酢酸ビニル共重合体鹸化物「エバール
F」を押出温度210℃で押出ラミネートした(ラ
ミネート厚15μm)。 得られた複合フイルムの性能試験結果を第4表
に示す。
【表】
【表】 第4表において、比較例(3―1)及び(3―
2)は接着層(B)中の共重合PESTの密度増加が大
きすぎると共に、GB層を形成しておらない例
で、他のものに比べてラミネート強度が低く、ま
た酸素透過量も多い。比較例(3―3)は接着層
(B)中の低結晶性共重合PEST配合量が多すぎるも
ので、ラミネート強度は良好である積層PESTフ
イルムの耐薬品性が劣悪である。これらに対し本
発明の規定要件をすべて満足する実施例(3―
1)〜(3―3)は、何れの性能も極めて優れて
いる。 実験例 4 低結晶性共重合PESTとして実験例2で用いた
NPG共重合物及び実験例3で用いたDEG共重合
物を使用し、ポリエーテル・エステルエラストマ
ーとしては実験例1で用いたブロツク共重合体を
使用し、これらを固有粘度0.60dl/gの高結晶性
PETと配合して接着層(B)の素材とした他は実験
例1と同様にし、厚みが12μmの積層PESTフイ
ルムを製造した。 このフイルムの接着層(B)側表面に、東洋モート
ン社製のドライラミネート用接着剤「AD―
980A」と「AD―980B」の混合物(重量比で前
者/後者=25/3)を同社製希釈剤「BTS―
500」で薄めた溶液をグラビアロールで塗布し、
70℃の乾燥ゾーンを通した後、クラレ社製のビニ
ロンフイルム(15μm)を50℃のニツプロールを
用いてドライラミネートした。これを40℃で1日
エージングした後、前記と同様にして性能試験を
行なつた。 結果は第5表に示す通りであり、本発明の要件
を1つでも欠くもの〔比較例(4―1)〜(4―
3)〕はラミネート強度又は耐薬品性が悪いか或
は酸素透過量が多いのに対し、実施例(4―1)
及び(4―2)はすべての要求性能において満足
し得る結果が得られている。
【表】
【表】 実験例 5 酸成分としてテレフタル酸と5モル%又は30モ
ル%のイソフタル酸(IPA)を用い、グリコール
成分としてエチレングリコールを用いて低結晶性
共重合PESTを得た。得られた共重合PESTの還
元比粘度は夫々0.82又は0.85dl/gであつた。 一方酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコ
ール成分としてEGとPEG(分子量8300)〔EG/
PEG=99.74/0.26(モル比)〕を用いて、還元比
粘度が0.73dl/gのポリエーテル・エステルエラ
ストマーを製造した。 得られた低結晶性共重合PESTとエラストマー
及び固有粘度0.60dl/gの高結晶性PETの混合物
を接着層(B)の素材とし、基層(A)用の素材としては
上記と同じ高結晶性PETを用い、実験例1と同
様にして厚さが12μmの積層PESTフイルムを得
た。 このフイルムの接着層(B)側表面に、東洋モート
ン社製のドライラミネート用接着剤「AD―
1010」と「AD―RTI」を100/7の重量比で混合
し同社製希釈剤「BTS―500」により1.5倍に薄め
たものをグラビアロールで塗布し、80℃の乾燥ゾ
ーンを通して乾燥した。次いで90℃に加温した金
属ロールと圧着用ゴムロールの間に、前記フイル
ムとアルミニウム薄(厚さ12μm)を重ねて通
し、積層圧着して巻取つた。その後上記と同じド
ライラミネート用接着剤の希釈液を用い実験例2
と同様にしてCPをドライラミネートし、得られ
たCPラミネートフイルムをヒートシールした。 得られたフイルムをレトルト処理した後ラミネ
ート強度及びシール強度を測定した。その結果を
他の性能試験結果と共に第6表に示す。
【表】
【表】 第6表において、比較例(5―1)は接着層(B)
中の低結晶性共重合PESTの密度増加が大きすぎ
る為ラミネート強度及びシール強度が弱く、しか
もGB層が形成されていない為酸素透過量が多
い。比較例(5―2)は接着層(B)の素材として高
結晶性PETを単独で使用した例で、ラミネート
強度及びシール強度が劣悪である。比較例(5―
3)は接着層(B)の素材として低結晶性共重合
PESTは単独で使用したもので、接着性は極めて
良好であるが積層PESTフイルムの耐薬品性が悪
く、クロロホルム含浸布による処理で表面に容易
に傷がつく、比較例(5―4)は接着層(B)中のエ
ラストマー配合量が多すぎる例で、接着性が極め
て悪く、ラミネート強度測定時に積層PESTフイ
ルムの基層(A)と接着層(B)の間で層間剥離を生じ易
かつた。 これらに対し本発明の規定要件をすべて満足す
る実施例(5―1)及び(5―2)は酸素透過量
が極めて少なくシール強度及びラミネート強度も
共に良好であると共に、フイルムの物性、透明
性、耐薬品性等のすべてにおいて優れている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 150℃で30分間熱処理したときの密度増
    加が35×10-3g/cm3以上である高結晶性ポリエ
    ステルよりなる基層の少なくとも片面に、 (B) 下記(B−1)の低結晶性共重合ポリエステ
    ル:5〜60重量%と、同(B−2)の共重合ポ
    リエステル:30重量%以下、及び同(B−3)
    の高結晶性ポリエステル:10重量%以上を含有
    する混合物からなる接着性改善層 (B‐1) 150℃で30分間熱処理したときの密度増加
    が30×10-3g/cm3以下である低結晶性共重合
    ポリエステル、 (B‐2) ブロツク共重合ポリエステル、 (B‐3) 150℃で30分間熱処理したときの密度増加
    が35×10-3g/cm3以上である高結晶性ポリエ
    ステル、 を積層してなり、該積層フイルム全体に占める前
    記接着性改善層(B)の構成比が1〜70重量%である
    積層フイルムの少なくとも片面に、難気体透過性
    層を形成してなり、20℃の乾燥状態における酸素
    透過量が40c.c./m2・24hr・atm以下であることを
    特徴とするガスバリヤー性ポリエステルフイル
    ム。
JP10825983A 1983-06-15 1983-06-15 ガスバリヤ−性ポリエステルフイルム Granted JPS59232857A (ja)

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