JPS6246261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は共通の電極板上面に複数の独立した
電解コンデンサを形成した集合薄形電解コンデン
サに関する。

一般に電子機器には多くの電解コンデンサが使
用されているが、電子機器の集積回路化で、電解
コンデンサが機器内部を占める割合が大と成つて
いる。即ち、乾式の電解コンデンサでは電極箔を
セパレータ紙とともに巻回して素子が形成され、
しかもその内部に含浸されている電解液蒸発等を
防止するため、十分な気密性を持つ封口構造を必
要とする等、構造的に小型化を妨げる要素を多く
持つている。特に、封口構造等、外装構造につい
て見た場合、これらの構造はその容量に比例して
大となり、電解コンデンサを大型化させている。
このような電解コンデンサを多数使用する機器で
は、その実装体積は大きくなり、電解コンデンサ
は機器内部の実装効率を低下させる虞がある。

この考案の目的は、共通の電極板の上面に複数
の電解コンデンサを形成し、多数の容量又は多種
の容量を効率よく形成することができる集合薄形
電解コンデンサの提供にある。

この考案は、陽極側又は陰極側の共通電極板
と、この共通電極板の少なくとも一方の表面部を
区画した２以上の表面部間の気密性及び電気的絶
縁を保持する絶縁体と、この絶縁体で区画さらた
前記共通電極板の表面部にセパレータ紙を介在さ
せて対抗させた陰極側又は陽極側の電極板とを具
備したことを特徴とする。

この考案の実施例を図面を参照して詳細に説明
する。第１図及び第２図はこの考案の集合薄形電
解コンデンサの実施例を示し、第１図はその分解
状態、第２図はその−線に沿う断面を示して
いる。図において、長方形状の陰極側の共通電極
板２の一面部には、各角部に半田付け可能な金属
で形成された矩形の陰極端子４が形成されるとと
もに、絶縁体６が固着されている。この絶縁体６
には前記共通電極板２の表面を一定の範囲で区画
する矩形の透孔８が複数個形成されている。即
ち、この絶縁体６は複数の透孔８で共通電極板２
の表面を区画するとともに、各透孔８で区画され
た共通電極板２の表面部間の気密性及び電気的絶
縁性を保持するために設置されたものである。

前記共通電極板２はアルミニウム等の金属板で
形成されており、この共通電極板２の表面部の
内、少なくとも透孔８に臨む部分は、エツチング
処理で拡面化されている。この共通電極板２の区
画された表面部には、電解液を含浸させたセパレ
ータ紙１０を介在させて陽極側の電極板１２が対
抗し設置される。即ち、この電極板１２はアルミ
ニウム等の弁金属で前記透孔８の形状に合致する
矩形形状に形成されており、前記共通電極板２に
対抗する面部にはエツチング処理で拡面化された
後、誘電体酸化皮膜が形成されている。この陽極
側の電極板１２の上面には矩形の突部１４が形成
され、この突部１４の上面には半田付け可能な金
属で陽極端子１６が形成されている。

第２図に示すように、陽極側の電極板１２の周
壁部は絶縁体６の内壁部に強固に固着されるとと
もに、電解液の蒸発を防止するために密着させて
ある。この場合、セパレータ紙１０は電解液を保
持しつつ共通電極板２と電極板１２との間に密着
保持されている。

このように構成したので、共通電極板２の上面
部には複数の電解コンデンサを形成することがで
きる。第３図は前記実施例の等価回路を示し、こ
の実施例では共通の陰極端子４に複数の電解コン
デンサ１８ａ，１８ｂ……１８ｅ，１８ｆが形成
されるとともに、各電解コンデンサ１８ａないし
１８ｆには個別に陽極端子１６が形成されてい
る。このため、各電解コンデンサ１８ａないし１
８ｆを同容量の単位コンデンサとして形成すれ
ば、各容量を個別に取り出すことができ、また、
破線２０で示すように、２以上の陰極端子１６を
共通に接続して共通の端子１６′を形成すること
により所望の容量を取り出すこともできる。

また、この集合薄形電解コンデンサでは、共通
電極板２、絶縁体６及び電極板１２で複数の単位
電解コンデンサを構成しているため、その構造は
極めて簡単であり、特に封口構造等、従来電解コ
ンデンサの小型化を妨げていた要素を簡略化する
ことができ、製造コストの低減をも図ることがで
きる。なお、各電解コンデンサの容量は絶縁体の
透孔８を調整して、電極間の対抗面積を変えるこ
とで所望の容量を設定することができる。

実施例では共通電極板２を陰極側の電極、電極
板１２を陽極側の電極とした場合について説明し
たが、共通電極板２を陽極側の電極、電極板１２
を陰極側の電極として構成しても同様の効果が期
待できる。

また、第４図に示すように、絶縁体６の透孔
８、セパレータ紙１０及び陽極側の電極板１２の
形状を円形にしても同様の効果が期待できる。

以上説明したようにこの考案によれば、共通の
電極板の上面に複数の電解コンデンサを形成で
き、しかも各電解コンデンサの容量は同値又は異
なる値等、任意の値に効率よく形成することがで
きるので、実装空間が狭くしかも多数の電解コン
デンサを必要とする電子機器等に効率よく実装で
きる電解コンデンサを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の集合薄形電解コンデンサの
実施例を示す分解斜視図、第２図は第１図の−
線に沿う断面図、第３図はその等価回路を示す
回路図、第４図はこの考案の他の実施例を示す分
解斜視図である。 ２……共通電極板、６……絶縁体、１０……セ
パレータ紙、１２……電極板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 陽極側又は陰極側の共通電極板と、この共通
   電極板の少なくとも一方の表面部を区画した２
   以上の表面部間の気密性及び電気的絶縁を保持
   する絶縁体と、この絶縁体で区画された前記共
   通電極板の表面部にセパレータ紙を介在させて
   対抗させた陰極側又は陽極側の電極板とを具備
   したことを特徴とする集合薄形電解コンデン
   サ。 (2) 前記共通電極板に電気的に接続された端子を
   前記電極板側に設置したことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の集合薄形電
   解コンデンサ。