JPS6245784A - シ−ト状構造物及びその製造方法 - Google Patents

シ−ト状構造物及びその製造方法

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JPS6245784A
JPS6245784A JP60186028A JP18602885A JPS6245784A JP S6245784 A JPS6245784 A JP S6245784A JP 60186028 A JP60186028 A JP 60186028A JP 18602885 A JP18602885 A JP 18602885A JP S6245784 A JPS6245784 A JP S6245784A
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JP
Japan
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sheet
value
disperse dye
sublimation
peak
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JP60186028A
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English (en)
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赤木 孝夫
逸樹 坂本
新司 山口
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、分散染料によって染色されたポリエステル繊
維を使用した樹脂加工シート状構造物並びにその製造方
法に関し、殊に、該分散染料の移行昇華防止効果の優れ
た樹脂加工シート状構造物並びにその製造方法に関する
ポリエステル繊維はイージーケア−性に代表されるよう
にすぐれた長所を有する繊維である。しかし市場に出回
っている透湿防水布、コーティング布、ラミネート布等
の樹脂加工製品にポリエステル繊維を使用している例は
極めて少ない。この分野の玉流はナイロン繊維による布
帛である。ポリエステル繊維が使用てれない理由は上記
樹脂加工製品をポリエステル繊維を使用して作成すると
、ポリエステルを染色している分散染料が樹脂層を通し
て移行し、反物の保存中、あるいは縫製時、または着用
中に染料による汚染が生じるためである。これはナイロ
ンがイオン性染料により染色され、ナイロンと染料が化
学的に結合されているのに対し、ポリエステルの場合は
分散染料が化学的結合をしていないためと考えられる。
さらに本発明者等の検討で明らかに逢ったことであるが
、分散染料の溶解度パラメーターは、ポリエステルより
樹脂加工に使用される切崩、たとえば、ポリウレタン、
ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル等の溶解度パ
ラメーターに近く、ポリエステルに対する親和性より、
樹脂層に対する親和性の方がより大きいためと考えられ
る。
分散染料の移行昇華を防止する試みは従来1つたくない
わけではない。例えば、特開昭59−82469号にみ
られるごとく、繊維構造物にメラミン系モノマーを付与
し、熱により架橋さぞ、染料の拡散速度全下げ、染料が
通り抜けにくい層を作成し、その後ポリウレタン等のコ
ーティングを行なうものであるが、メラミン系の膜は繊
維構造物の風合を硬く変化させるとともにメラミンと樹
脂層の接着性が悪く、さらにメラミン系の溶解度パラメ
ーターSP値は8〜9.5 (cal/−)172と分
散染料のSP値とほとんど同じであり、染料の移行昇華
防止効果は少ない。
また繊維構造物にシリコンエマルジョンやフッ素系エマ
ルジョンを付与することも考えられるが、繊維表面を完
全に被覆することが難しく、移行昇華防止効果も少なく
樹脂層との接着性が著しく悪く製品としてのメリットは
ない。
また特開昭58−214587号にみられるごとく、繊
維構造物を樹脂加工後、膜を形成させることも考えられ
るが、従来の方法では膜を形成1せることは非常に難し
い。それはこれらの樹脂加工は、溶剤系のものが主体で
bす、樹脂加工表面は一般的に親油性となっている。そ
のため通常の水分散エマルジョンは、はじかれ膜形成性
がない。さらに親油性面に接着させるために溶剤型樹脂
を考えたとしても、その溶剤がすでに形成された樹脂を
溶解でぜるものであってはならず、まったく樹脂を膨潤
させないものであると接着性がでないといったふうに、
溶剤の選択が著しく困難であるためである。そのため特
別な前処理1糧を必要とし、工程が複雑になる上、やは
り接着力が劣る〇また、特開昭53−16085号、特
開昭53−8669号には、ポリ塩化ビニル樹脂中に含
まれる可塑剤の溶出防止のために、ガス状フルオロカー
ボンやガス状有機ケイ素化合物を不活性ガスプラズマと
接触させ前記表面を緻密な重合体で被覆することが述べ
られている。このように、低温プラズマ放電によるプラ
ズマ重合法で、塩ビ表面に、プラズマ重合膜を形成する
ことは公知であるが、この技術は、可塑剤の溶出を防止
する技術にとどまる。
本発明者等は、ポリエステル線維中の分散染料の移行昇
華防止にはじめてSP値の概念を導入し、プラズマ重合
法によシ非常に優れた防止効果を有するシート状構造物
及びその製造方法を見い出した。本発明者等はSP値以
外にも薄膜のガラス転移温度Tg効果について詳細な検
討を行なったが、SP値の効果はどの防止効果は見い出
せなかった。
すなわち本発明は、 「1)分散染料によって染色されたポリエステル#!維
を10重量%以上含むPR維槽構造物少なくとも片面に
樹脂層が被覆され、その少なくとも片面樹脂層の表面に
フッ素化合物の重合膜が100〜10000 Aの薄膜
層として形成され、その薄膜が0.2≦α=F/C≦1
.8であることを特徴とする分散染料移行昇華防止効果
の優れたシート状構造物0 但し、αとはX線光電子分光法(X−ray Phot
oe−1ectron 5pectroscopy ;
本明細書では、XPSと略記)によシ測定されるフッ素
FISのピーク面積から計算されるフッ素原子数を、同
様に測定される炭素C1S原子数で割った値である。
2)薄膜が、0.2≦α=F/C≦1.3かつ0.05
<β=0/C≦0.35を満足することを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載のシート状構造物。
但し、βとはXPSK−よシ測定される酸素015のピ
ーク面積から計算される酸素原子数を、同様に測定され
る炭素CIS原子数で割った値である。
3)薄膜が、10%(A<70%、10%<B<35%
、10%<C<35%、5%<D< 30 %およびO
%<E<20%を満足することを特徴とする特許請求の
範囲第1項又は第2項記載のシート状構造物。
但し、AはXPSによシ測定される炭素C1aの285
 eV(エレクトロンボルト)付近にピークをもつC−
Hに代表されるピーク面積を、C1Sの総ピーク面積で
割った値に100を乗じてチ表示した値である。Bは2
87±0.5eV付近にピークをもつC−CFn  に
代表されるピークを同様に%表示した値である。Cは2
89.2±Q、5eV付近にピークをもつCF −CF
nに代表されるピークを同様にチ表示した値である。D
は291.6±Q、5eV付近にピークをもつCF2に
代表されるピークを同様にチ表示し・た値である。Eは
293.8±0.5eV付近にピークをもつCF3に代
表されるピークを同様にチ表示した値である。
4)薄膜が1.c B + 8 )%:>(C+3)%
〉Dチ〉E%で、かつBチ>(E+6)%を満足するこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項記載
のシート状構造物。
5)樹脂層が、ウレタン系、アクリル系、塩化ビニル系
、合成ゴム系から選ばれた1種の重合物よシなることを
特徴とする特許請求の範囲第1環ないし第4項記載のシ
ート状構造物。
6)シート状構造物が下記の式を満足することを特徴と
する特許請求の範囲第1項ないし第5項記載のシート状
構造物。
y)−x+1400    (x≧o、y≧0)但し、
yはJIS  Z−0208法によシ測定したシート状
構造物の透湿度(r/r11″/24h)であシ、Xは
JIS  L−1092法により測定したシート状構造
物の耐水圧(1m)である。
7)分散染料によって染色されたポリエステル繊維を1
0重量%以上含む繊維構造物の少なくとも片面に樹脂加
工して樹脂層を被覆したシート状構造物に、前記分散染
料の溶解度パラメーターSP値よh 0.5 (cal
/ ed )1′2以上小さいSP値を持つフッ素化合
物モノマーを使用して低温プラズマ重合加工を行ない、
該シート状構造物の少なくとも片面樹脂層の表面に膜厚
100〜1.ooooAの薄膜層を形成させることを特
徴とする分散染料移行昇華防止効果の優れたシート状構
造物の製造方法。
8)フッ素化合物モノマーがC2F4、C3F6、C3
F8、C4F8、C5FsQ、C2H4F2から選ばれ
た1種であることを特徴とする特許請求の範囲第7項記
載の分散染料移行昇華防止効果の優れたシート状構造物
の製造方法。
9)低温プラズマ重合時に、フッ素化合物モノマーと水
素または非重合性ガスとの混合ガスを使用することを特
徴とする特許請求の範囲第7項または第8項記載の分散
染料移行昇華防止効果の優れたシート状構造物の製造方
法。
10)低温プラズマ重合を、電極が缶体に対して絶縁さ
れた非接地式電極を有する低温プラズマ装置にて行なう
ことを特徴とする特許請求の範囲第7項ないし第9項記
載の分散染料移行昇華防止効果の優れたシート状構造物
の製造方法。」に関するものである。
本発明で言う繊維構造物とは、製編織された布帛、不織
布等を言い、当然のことながらこれらに一次帯電防止加
工、撥水加工、吸水加工等をほどこしたものも含む。
分散染料とは、S、 D、 C及びA、 A、 T、 
C,C0共編のカラーインデックスに分散染料として所
属する染料を意味し、アゾ系、アンスラキノン系、手ノ
リン系、キノン系、フタロン系などがあり、これらの1
種以上の染料を配合したかたちで使用してもよいO 本発明で言うポリエステルとは、テレフタル酸、イソフ
タル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸、フタール酸、アジピン酸、セバシン酸
などの脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類と
エチレングリコール、ジエチレングリコール%1−4−
7’タンジオール、ネオペンチルグリコール、ジクロル
ヘキサン−1,4−ジメタツールなどのジオール化合物
とから合成されるポリエステルでるり、特に反復構造単
位の80%以上がエチレンテレフタレート単位であるポ
リエステルが好ましい。また上記ポリエステル成分にポ
リアルキレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリ
トール、メトキシポリアルキレフ f l)コール、ビ
スフェノールA1 スルホイソフタル酸などを共重合し
たものろるいは艶イ′11剤、熱安定剤、顔料尋を混合
しfcものでもX<S当然これらに限定さnるものでは
ない。
またポリニスデル壷維とは、短嗟維であるか長繊維であ
るかはもちろん問わないし、ポリニスチル系と他繊維の
コンジュゲート、芯鞘繊維、あるいは多芯芯鞘繊維等全
も意味するものである。
要するにポリエステル繊維が分散染料に染色きれており
、該繊維を101t%以上含rJ襟維(4造物を対象と
する。10東量係以上含むとは、混繊、混紡、交編織等
各種手法が考えられる。10重□、kチより小では分散
染料の移行昇華は犬さな問題とはならない。10重曾%
以上でこの発明の効果が顕著となる。
樹脂加工とは、一般的に行なわ几る(剣脂ba工を言う
が、繊維構造物の少なくとも片面に、荷に限定されない
が、ティップニップ方式、浸漬方式、乾式あるいは湿式
コーティング方式、ラミネート方式等の方法により行な
う。
本発明の効果から言うと、移行昇華のはげしいポリウレ
タン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エス
テル、スチレンブタジェンゴム等のラテックス、ポリ酢
酸ビニル、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル等のコーテイング物、ラミネート物に特に有効で
ある。それは分散染料の溶解度パラメーターのSP値と
、これらの樹脂のSP値が近似しているためと考えられ
る。またこれらの樹脂加工は一種類の樹脂に限定される
ものでなく、混合樹脂あるいは1回以上くり返し樹脂加
工してもよく、さらに撥水加工、帯電防止加工等と組合
せてもよく、これらから形成される層を樹脂層とよぶた
め、樹脂層は多層になることもある。しかし本明細書に
おいては、これらは樹脂層として一層と考える。
溶解度パラメーターSP値とは、ボリマーノ・ンドプツ
クIV−337〜IV−359頁のit/−339頁B
2又はB1記載(D Group Mo1ar Att
raction Con5tants (Glと分子骨
■、密度(d)を用いて構造式よpsP=dΣG/M式
を用いて計算される値((Caし’etd ) 172
〕であるが、代表的物質のSP値計算結果を示すと、ポ
リエチレンテレフタレート(10,’l、ポリウレタン
(8〜10)、ポリアクリル酸ブチル(8,5〜9.5
)、ポリ塩化ビニル(9,5)%分散染料(8,3〜9
7)となる。密度の正確な値がわからない場合は、便宜
上、d=1として算出した。
このように分散染料のSP値はポリエステルのSP値よ
シポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビ
ニル等のSP値に近似しており、分散染料はよシ相溶性
のよい樹脂層に移行するわけである。
染料の溶解度パラメーターSP値よシ0.5以上小さい
SP値をもつモノマーとは、分散染料が1種の場合はそ
のSP値を基準とするが、染料が1S以上配合された場
合は、それぞれの染料のSP値に配合比率を乗じ加えた
値を平均SP値としてそのSP値よシ0,5以上小さい
SP値をもつモノマーとする。もちろん染料が1種以上
配合されている場合は、各染料のSP値の中で最も小さ
いSP値より065以上小さいSP値を持つモノマーを
使用すれば移行昇華防止効果はさらに顕著となる。
またモノマーを混合して使用する場合も分散染料の配合
と同様に考え平均SP値を使用する。
本発明者等は各塊モノマーについて検討した結果、フッ
素系化合物モノマーが最とも効果が優れていることを発
見した。フッ素系化合物モノマーとは、02F4.03
F6 テ代表されるCnHm clpF2n −m −
pタイプ(n≧2、m≧0、p≧0.2n−m−p≧1
の整数)、CF4、C2F6、C5F8 テ代表されル
CnHmClpBrqFzn+2−m−p−q タイプ
(n≧1、m≧0、p≧0、q≧0、zn+2−m−p
−q≧1の整数)、C4F8 f代表されるCnHmC
lpF2n−m−pの環状タイプ(n≧3、m≧0、p
≧0.2n−m−p≧1の整数) 、C4F6で代表さ
れるCnHmαpFzn−z−m−p (D二重結合を
有する環状タイプ(n≧4、m≧0、p≧0.2n−2
−m−p≧1の整数)、C5F60で代表されるタイプ
、NF3、SFs、WF6で代表されるタイプ等、各種
のものが存在する。
これらの中で成膜速度が大きく工業的に好ましいものと
してはC2F4、C3F6、C5Fs、C4F8、Cs
FgO1C2H4F2等であるが、運搬上の安全性、成
膜速度、染料移行防止効果などからさらに好ましくは、
C3Fa、C4F8、C3F60である。
またこれらのフッ素系化合物の中には車独では成膜能力
の低い物も、少量の水素ガスまたは非重合性ガスと混合
してプラズマ重合させると成膜速度の著しく向上するも
のがある。水素ガスとの混合で成膜速度が著しく向上す
るものとして、CF4、C2F6、C5Fs、C2H4
F2が代表的であシ、非重合性ガスと混合して成膜速度
が向上するものとして、C2F4、C3F6、C4F8
、C5FsO等が代表的である。
非重合性ガスの内効果の太きいのは不活性ガス類であり
、アルゴンガスは特に効果的である。フッ素系化合物は
水素、塩素、臭素等の原子を含んでもさしつかえないが
、染料移行昇華防止の点からは特に有効とは考えられな
い。
これらのモノマーを使用し、少なくとも片面樹脂層上に
膜厚100〜xooooiのプラズマ重合薄膜層を形成
させる。これら一連の操作によって得られた少なくとも
三層構造からなる。シート状構造物はまったく新規な構
造物である。プラズマ重合法によってのみ得られる10
0〜10000大の薄膜は風合、外観をそこなわないば
かりか、シート状物ノ耐水成、撥水度を向上させたり、
透湿度、通気度を十分維持して低下させない。このよう
な薄膜で染料移行昇華が防止できるのは、プラズマ重合
膜がいかに均一な膜厚となり、斑づきしていないかを物
語っている。また従来の方法では樹脂層との接着が非常
に悪かったが、プラズマ重合法によると接着性はきわめ
て良好である。
膜厚が10000^を超えると風合かやヤ硬くなる傾向
があり、100λより小となると摩擦、すれなどにより
膜が破損したりして、その部分の移行昇華防止効果がそ
こなわれやすい。即ち膜厚は100〜100OOAが好
ましく、より好ましい膜厚としては500〜3000λ
である。
またこのシート状物は前記y>−X+1400なる式を
満足すれば、耐水度、撥水度、通気度、透湿性のすぐれ
た防水、透湿性の機能を有する構造物となる。膜厚がI
oooo大を越えると耐水度はますが、透湿度が減少し
、上式を満足しなくなる傾向がらる。また膜厚が1oo
Aより小だと耐水度の向上効果がやや少ない。
薄膜が、低温プラズマ下で、重合されるに際し、系内に
導入されたフッ素化合物モノマーは、各種の状態に励起
、分解して、重合反応を引き起こし、主鎖を形成したり
、枝分かれ構造や架橋構造を形成する。これらの反応に
は、フッ素の脱離が非常に大事な役割を果していると考
えられる。
フッ素の脱離によって得られる活性化炭素は、系内の残
存空気をとりこんだり、重合後試料を系外にとり出す際
空気と接触することにより酸素と反応する。
以上、低温プラズマ下で、フッ素化合物モノマーより合
成された薄膜は必ず酸素を含有することが容易に推定さ
れる。
XPS分析によりα= F/Cの小さい薄膜、すなわち
、フッ素の脱離が多いものは、架橋や枝分かれが進行す
ると同時に、活性化炭素も多く残存するため、系内外で
酸素と反応し酸素含有量が多くなる。
本発明者らは、xps分析によシ得られたF/C。
0//cが定められた範囲にあるプラズマ重合薄膜が、
分散染料移行昇華防止効果に非常に優れていることを見
い出した。
薄膜が、XPS分析によりα=F/C≦0.2の場合、
フッ素の絶対量不足のため分散染料移行昇華防止効果は
著しく劣る。この際β=0/Cは0.35よシ大になる
。すなわち、薄膜はフッ素の多くが脱離し、高度に枝分
かれ架橋した上、多くの酸素をとシこみ分散染料移行昇
華防止効果はほとんど発現しない。
薄膜がXPS分析によシ、α=F/C≧1.8の場合、
生成したポリマーはテフロンに近く(テフロンのxps
分析の結果F/C=1.86 ) 、はとんど枝分かれ
、架橋していない線状な重合物であると予想され、架橋
構造が少ないためか分散染料移行昇華防止効果は劣る。
さらにこの際β=0/Cは、0.05以下となる。
このことは、プラズマ重合下での活性化炭素が極端に少
ないことを暗示している。実際、このような薄膜を得る
ためには特殊な装置を用いて長時間の処理をしない限シ
困難である。このようK O,2≦α≦1.8であるこ
とが必要である。
my影形成スヒート(コストパーフォーマンス)及び薄
膜の性能を考慮するとさらに好ましくは薄膜が0.2≦
α=F/C≦1.3かつ0.05<β=0/C≦0.3
5であれば、分散染料移行昇華防止効果の非常に優れた
シート状構造物が得られる。
発明者等は染料移行昇華防止に効果のあるR−摸をXP
Sにて詳細に解析した結果、10%<A<70チ、10
チ<B<35%、10チ<C<35チ、5チ〈D〈30
%、0%<E<20チの条件を満足する薄膜が望ましく
、さらに望ましくは上記条件と(B+8)%>(C+:
1%〉D%〉Eチ、及びBチ>(E+6)%なる条件が
満足される薄膜が最も好ましいことが判明した。
前記のとおり、これらA、B、C%D、Eは薄膜をXP
Sにより解析した場合に得られる炭素C1Sのチャート
をピークの存在する結合エネルギーを中心とするいくつ
かの波形に分離する操作(波形分離法)を行ない、それ
らの波形面積をCIgの総面積で割った値に100を乗
じて多表示したものである。これらの波形の内、285
eVを中心とした波形のチ表示した値をA、287±Q
、 5 eVを中心とした波形のチ表示した値をB、2
89±Q、5eVを中心とした波形のチ表示した値をC
,291,6±Q、5eVを中心とした波形のチ表示し
た値をD1293.8±0,5eVを中心とした波形の
チ表示した値をE、とする。通常のテフロン膜はA=1
9.3%、D=80.7チであった。
Aはフッ素のついていない炭素に代表される量比、Bは
となりの炭素にフッ素がついている炭素に代表される量
比、Cはフッ素を有しさらにとな)の炭素にもフッ素が
ついている炭素に代表される量比、Dはフッ素を2個有
している炭素に代表される量比、Eはフッ素を3個有し
ている炭素に代表される量比、と考えてもさしつかえな
い。
またXPSあるいはESCAと略称されているX線光電
子分光法によるF/C比、0/C比の測定に用いた装置
は島津ESCA750で、解析にはESPAC−100
を用いた。
各試料を6■径に打ち抜き、両面テープによシ試料台に
貼シ付は分析に供した。線源にはMgKα線(1253
,68V)を用い、装置内真空度は1O−7Torrと
した。
測定は、C1S、FlB、 C1S  ピークに対して
行ない各ピークをESPAC100(J、H,5cof
ieldによる補正法に基づく)を用い、補正解析し、
各ピーク面積を求める。得られた面積は01Sについて
は1.00.01Sについては2.85、FlBについ
ては4.26の相対強度を乗じたものであシ、その面積
から直接表面(フッ素/炭素、酸素/炭素)原子数比を
チで算出する。
チャージ補正は、試料上の金蒸着膜のAu4f7/2ス
ペクトル(83,8eV)を基準にして行なった。
分散染料によシ染色されたポリエステル繊維を含む樹脂
層が被覆されたシート状構造物の最表面層に極薄膜を有
し、染料移行昇華もなく、透湿防水機能を有する構造物
はこれが最初であろう。
また本発明で言う低温プラズマ重合法(加工)とは、低
温プラズマ放電を利用した重合法をいい、放電時にモノ
マーを1種以上供給し、非重合性ガスの存在下又は非存
在下で1段重合させる場合(A法)、又は樹脂加工され
九繊維構造物を非重合性ガスの存在下低温プラズマ放電
しラジカルを発生させ、酸素にめまりふれさせることな
く1種以上の重合性モノマーを含む雰囲気中に導き重合
させる場合(B法)、又は樹脂加工された繊維構造物を
酸素ガス又は非重合性ガスの存在下低温プラズマ放電さ
せ酸素を含む雰囲気中にさらしラジカルをパーオキサイ
ド類に変化させ、1種以上の重合性七ツマ−を含む雰囲
気中に導き、重合させる場合等のパーオキサイド法(C
法)等を含む。
低温プラズマとは、放電中で生成されるプラズマが平均
電子エネルギー10 eV (10’ 〜1 o’K)
、電子密度109〜1212an−”  で特徴づけら
れると同時に、電子温度とガス温度との間に平衡が成立
しない由に、非平衡プラズマとも言われる。放電では生
成されるプラズマ中には電子、イオン、原子、分子等が
混在している。
電圧をかける電源としては任意の周波数のものが使用で
きる。放電の持続性及び均一性から言うとl KHz〜
10 GHzが望ましい。また電極の巾方向のプラズマ
均一性から言つとl KHz〜I MHzが好ましく 
s I MHz以上になると電極の長さが1mをこえる
と長さ方向に処理斑が生じゃすい。また1 00 f(
z以下は電極のエッヂ効果が生じゃすく、エッヂ部分で
アーク放電が生じやすい。また電流としては交流、直流
、バイアスをかけた交流、パルス波等が使用できる。電
極は真空系内に配置された内部電極方式と真空系外に配
置され九九部電極方式とにわかれるが、外部電極方式は
装置が大型化すると、特に被処理物表面にプラズマが移
動している間に活性を失なったシ、プラズマが散乱しプ
ラズマ濃度が希釈されるため処理効果が少々い^一方内
部電極方式は被処理物の近くに放電電極を設置させるこ
とが可能なため、外部電極方式に比較すると処理効果は
大きい。
電極形状は対称と非対称にわけられる。被処理物の処理
中が大きく、従って大きな電極が必要となる大型のプラ
ズマ処理装置の場合は対称電極の方がデメリットが多い
。例えば、大きな電極間にガスを均一に流すことはほと
んど不可能に近く、さらに大きな電極の端部が電界が乱
れたりして、処理斑が生じやすい。そのため大型のプラ
ズマ処理装置の場合は、非対称電極が好箇しいことがわ
かった。被処理物は前記電極間の任意の位置にセットし
移動させることができるが、一方の電極に接した方かし
わ発生が少なく処理効果が大きい場合がおる。
被処理物が接触しない側の電極の形状としては円柱状の
もの、あるいは鋭角な断面を有する断面多角形の棒状の
もの等を1本以上任意に選定できるが、電極本数によっ
ても処理効果は異なり、少なすき゛ると処理効果は小さ
くなる。形状は円柱状のものが好ましい。また被処理物
が接触する可能性のめる側の電極の形状としては、ドラ
ム状のもの、あるいは板状のもの゛、あるいはそれら変
形形状のもの等を用いることができるが、その形状もそ
の組合せもこれらに限定されるものではない0また電極
の材質はステンレス、銅、鉄、アルミニウム等の金属が
使用でき、必要に応じてガラス、セラミックス等で;−
ティングしてもよい。当然必要に応じてこれらの電極は
水冷てれてもよく、その冷却温度は被処理物によって適
宜選ばれる0冷却水は、できる限p不純物の少ない水が
望ましいが、これら不純物による電気漏洩がさほど問題
にならない場合には特にこの限りではない。
次に真空系に導入するガスは、真空ポンプによる排気口
より、なるべく遠くに供給口をつけて必要に応じて分配
しながら導入すべきである。また電極間に導入してもよ
い0これは真空系内でのガスのショートパスをさける意
味で重要であると同時に、被処理物の処理斑を生じさせ
ないためにも重要でおる。
真空系に導入するモノマーを含むガスは、モノマーめガ
ス、モノマーのガスと非重合性ガス、モノマーのガスと
重合性ガスのいずれでもよい。モノマーのガスは、常温
ですでにガ°ス状のもの、液体状のものいずれでも良い
。非重合性ガスるるいは重合性ガスとモノマーガスの混
合は、七ツマーガスの反応性、形成し穴薄膜の性能等に
より任意に選択することが出来る0モノマーガス同志及
びモノマーガスとその他のガスは、真空系に別々に導入
して系内で混合したシ、あらかじめ混合しておいて、同
時に導入してもなんらさしつかえないし、非重合性ガス
での放電下、モノマーガスを導入してもよい。
低温プラズマを生じさせる真空度としては1通常0.0
01〜50Torrが用いられるが、本発明者等の検討
結果によると0,01〜5.0Torrが望ましい。真
空度が0.01 Torr以下になるとイオン、電子の
平均自由工程は犬きくなυ加速粒子のエネルギーは増大
するが、被処理物へ到達する加速粒子個数の総数が少な
く、処理効率はやや低くなる。しかも大型の処理室をガ
スを導入しながら0.01 Torr以下に保つには非
常に排気量の大きい真空ポンプが必要となり、設備コツ
トから考えても望ましいものでない。真空度が5 ’l
’orr以上になると、イオン伽電子等の平均自由工程
は小さくな9.加速粒子のエネルギーは小さくなり、加
速粒子個数の総数は多いにもかかわらず処理効率は低く
なる。
さらに電極間に配置するシート状構造物の相対的な位置
については前にも述べたが、一方の電極に接触して配置
させるのが一般的には処理効率は良い。また構造物に張
力をあま)かけたくない場合や、構造物にシワを入れた
くない場合は、構造物と電極が一緒に移動できるタイプ
のもの、例えばドラム電極上に構造物を接触させて配置
し、ドラムを回転させながら構造物を移動させるような
ものが望ましい。実際微少なシワが処理斑を引きおこす
ことがよくある。張力やシワにアせシ注意・をはられな
くてよい場合には1例えばプレート電極上に構造物を接
触して配置し、構造物を電極上を滑らせて走行移動させ
てもよい。当然片面処理後さらに電極、を構造物に対し
て逆配置した所を通せば両面処理が可能となる。通常の
場合、片面のみの処理効果で十分な場合が多いのでこの
タイプが処理効率から言っても望ましい。しかしどうし
ても両面の処理効果を1対の電極のみで得ようとすれば
両電極間の間の位置にシート状構造物を配置し、構造物
を走行移動させればよい。この場合は、電極に接して配
置した場合に比較して処理効果は一般的に小さくなる。
この現象を放電特性から考えてみると1両電極間の電圧
降下特性で説明できる0両電極間の電圧降下特性は、低
電圧側電極付近がもつとも大きく、次いで高電圧側でめ
夛。
両電極の中間付近の電圧降下は少ないと言われており、
この電圧降下がすなわち電界の強さに比例しており、!
圧降下の大きい部分の方が荷電粒子により大きなエネル
ギーを与えることができるからであろう。直流方式の場
合は、低電圧側電極と高電圧側電極とが容易に決定され
るが・交流方式の場合は、低電圧側と高電圧側とが時間
的に入れかわるため、低電圧側電極と高電圧側電極とを
区別して言えない。しかしいずれにしろ電極に近いほど
電圧降下が大きく処理効果は犬となると考えられる。
次に処理の均一性の面から言うと1両電極は平行に保持
される必要がめυ、しかも被処理繊維構造物質の進行方
向に直角に配置されなければならない。この条件が満足
されないと、構造物の巾方向に処理斑を生じさせること
になる。
さらに両電極の巾は被処理繊維構造物の巾よシ少なくと
も5百以上長くしておく必要がめる。これは電極の端部
の電界不均一性を除くためである。
この長さが5crIl以下になると構造物の巾方向1%
に両サイドが中央付近と比較して処理効果が異なり好ま
しくない。
本発明で言うシート状構造物が移動するということは、
この装置が大気にあるシート状構造物を連続的に真空系
内に移動し処理できるもの及びシート状構造物が予備真
空系内に配置され処理室に移動できるもの、さらには処
理室内にシート状構造物が間仕切シして配置されてるも
の等を言うが。
要するにシート状構造物が連続的に移動できるものであ
ればよいgプラズマ出力は放電部分に作用する出力とし
て0.1〜5ワツ)/dが望ましい。
この場合、放電部面積としては、放電部に存在するシー
ト状構造物の面積、あるいは対電極のどちらかの表面積
でプラズマ放電部出力の値を割った場合にどれかの数値
が0.1〜5ワット/−になればよい。放電部用力は放
電部の電圧、電流を測定すれば容易に算出できるが、一
つの目安としてプラズマ[源の出力の30〜70%と考
えてもよい。
プラズマ出力が0.1ワット/−以下の場合プラズマ重
合処理に時間がかかるし、重合膜の厚さも十分ではない
。プラズマ出力が5ワット/−以上になるとやや放電が
不安定になり、重合以外にエツチングもおこりやすくな
る。フッ素系プラズマ重合の長時間放電安定性から言う
と0.1ワット/cIII以上2ワット/−以下が最も
好ましい。
処理時間は5〜600秒程度が程度しいが、との範囲に
必ずしも限定されるものではない。5秒未満の処理では
、重合膜の膜厚がやや低く%600秒を越えると重合膜
の膜厚は十分であるが、着色し九シ、やや表面が硬くな
ったシ、もろくなって繊維本来の性能と違ってくる場合
がある。
前記方法によυ形成した薄膜の膜厚は多重干渉顕微鏡又
は電子顕微鏡によ如測定した。その結果分散染料の平均
SP値よ、6o、s以上小さい平均SP値を有するモノ
マーを使用し100〜10000λの膜厚を有する薄膜
であれば、染料の移行昇華を完全に防止することが出来
ることが判明した。膜厚が100λ以下でも効果はある
が摩擦耐久性にやや難点がちる。また十分な耐久性を得
るためには好ましくは500Å以上の膜厚があれば、良
い。
しかし、単量体や樹脂の種類によっては100λで十分
な耐久性を有するものもある。
本発明で言う非接地式電極は、放電電極及び放電回路が
接地された缶体から絶縁され、非接地状態となっている
ものである。この場合はシート状構造物と接触している
電極電位と缶体の電位(接地しであるので大地電位)は
異なシ、缶体が電極として作用することはなく、放電は
両電極間内で主におこる。その九めプラズマは有効に希
釈されることなくシーi状構造物に作用し処理効果は著
しく上ると同時に、少ない放電電力で処理効果は従来の
接地方式に比較して著しく大きく、短時間の処理で所定
の効果が得られるため、装置の小型化、言いかえると設
備費用も少なくてよく、シかも放電電力が少なくてすむ
ためランニングコストも数分の1程度になる。
このようにフッ素モノマーのプラズマ重合によって得ら
れた膜を、樹脂加工面に形成させたシート状構造物は、
意外にも繊維構造物の樹脂加工品が保有している通気性
及び透湿性をそこなうことなく、耐水性、撥水性まで向
上した。
以下実施例によって詳細な説明を行なう。なお撥水性、
耐水圧、通気度、透湿度はJISL−1092(スプレ
ー法)、JIS L−1092CA法) 、 JISL
−1096A法(7ラジーに法)’、JIS Z−02
08法によシそれぞれ測定し、洗濯はJISL−021
7−103法により10回行ない耐久性を評価した0ま
た移行昇華については、サンプルのプラズマ重合面とサ
ンプルと同−稿の白地の樹脂加工布の加工面とを密着さ
せステンレス板に挾みこみ、100f/−の荷重下12
0℃の雰囲気中1c80分おき、白地への汚染程度をグ
レースケールにて判定した。
測定はドライの状態とウェット状態の二連ジ行ない評価
した。又実施例に使用したプラズマ装置は、ペルジャー
型タイプで500 KHzの高周波を電源に採用し、電
極は対称円板電極である。実施例表中の重合法A法は特
許明細書中のプラズマ重合性A法に相当し、A法は通常
プラズマ重合と呼ばれる方法である。
非重合性ガスArはアルゴン、H2は水素を示す。
又耐久性は洗濯10回後に初期性能の9割以上の性能を
有するものを○とした。
以下実施例にしたがって詳細に説明する。
比較例1、実施例1〜12は、ポリエチレンテレフタレ
ートのセシダルの延伸糸をタテ多用として50デニール
の36フイラメント、ヨコ多用として75デニールの3
6フイラメントを通常の手法によシ作成し、平織物を織
シ通常の加工後赤色の分散染料にて染色した。染色後、
湿式法にてポリウレタンを樹旅加工した。その後表1の
各種条件下でプラズマ重合し九。
比較例1の分散染料移行昇華級は、ドライで2〜3級、
ウェットで2級、透湿性は4500f/iめ4hr。
耐水圧は3000gIm以上、撥水度は80点であるが
、実施例1〜12では分散染料移行昇華級は著しく改良
されている。また透湿性もそこなわれず、撥水性もやや
向上し耐水圧も維持され、耐久性も有している。
実施例7は実施例4に非重合性ガスのアルゴンを少量混
合したケース(C4Fgガスを流しQ、 3 Torr
としアルゴンを少量流し0.35 Torrにする)、
実施例8は実施例3に重合性ガス水素をC5Fsガスに
少量混合したケース(C3F8ガステ0.3 Torr
とし、水素を流しQ、35 Torrとする)であるが
、実施例7.8はそれぞれ実施例4.3に比較して膜厚
が増大している。
実施例11は実施例2の実験においてサンプルをのせて
いる電極側を真空缶体と電気的に接続しアースレベルに
したケースである。実施例2に比較して膜厚が薄く、成
膜速度がおそく電気効率が悪いと考えられる。
実施例12は膜厚が200λと薄く、分散染料移行昇華
防止効果がやや小さくなっている。
比較例2は比較例1で使用した染色品にウレタンコート
のかわシにアクリルコートしたものであシ、これにプラ
ズマ重合法によシ薄膜を形成させたものが実施例13〜
17である。アクリルコートの場合も、分散染料移行昇
華級が著しく向上し耐水圧、撥水度もやや向上している
。また透湿性も性能を依持し、耐久性も良好であった。
比較例3は比較例1で使用した染色品にウレタンコート
のかわりに塩化ビニルをコートをしたものであシ、実施
例1Sは比較例3にプラズマ重合をほどこしたケースで
ある。塩化ビニルコートの場合にも同様に分散染料移行
防止効果があることがわかる。
比較例4は比較例1で使用したタックを分散染料を配合
して(SP値8.3と8.1を1:1で混合)染色した
ケースでウレタンコートを施しである。
比較例5は比較例4をCF4ガスにてプラズマ重合させ
たケースであるが、 CF4単独では膜形成能がほとん
どなく、膜厚は観察できな1かった。そのため分散染料
移行防止効果もほとんどなかった。
実施例19〜23は比較例4のサンプルに各種条件でプ
ラズマ重合を施したものである。実施例19はC2H4
F2ガスに水素を混合した場合であるが、実施例6の水
素を混合しないケースに比較して著しく膜厚が増大して
いる。また実施例20は比較例5の実験において水素ガ
スを少量混合したケースであるが、CF4単独では膜形
成しなかったにもかかわらず、水素ガスを混合すること
によって膜を形成している。また分散染料移行昇華防止
効果も発現している。ただ水素添加の場合、水素量を適
当にコントロールしないと、例えば水素が多くなシすぎ
ると膜が着色するといった問題が生ずる。
実施例21〜23はフッ素系化合物中に水素原子、塩素
原子、臭素原子等を含んだものでも分散染料移行防止に
効果があることがわかる。
比較例6はエステル、綿混の紡績糸使い、タックを分散
染料のSPPO21の染料で染色し、さらに木綿側を通
常の木綿を染色する方法で染色し、乾式法にてウレタン
をコートしたものである。実施例24は比較例6のサン
プルにプラズマ重合を施したものであるが、この場合も
分散染料移行昇華防止になっていた。また代表的な実施
例について、表1にα、β、A、B%C%D、Eの値を
かかげたが、いずれも特許請求の範囲で規定した1(1
<A<7(1,10%<B<35110チ<C<35チ
、5チ<D<30%、0%<E<20%または(B+8
 )%>(C+3 )% >I)%>Eチかつ13%>
(E+6)%を満足している。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)分散染料によつて染色されたポリエステル繊維を1
    0重量%以上含む繊維構造物の少なくとも片面に樹脂層
    が被覆され、その少なくとも片面樹脂層の表面にフッ素
    化合物の重合膜が100〜10000Åの薄膜層として
    形成され、その薄膜が0.2≦α=F/C≦1.8であ
    ることを特徴とする分散染料移行昇華防止効果の優れた
    シート状構造物。 但し、αとはX線光電子分光法(X−ray Phot
    oelectron Spectroscopy;以後
    XPSと略記)により測定されるフッ素F_1_Sのピ
    ーク面積から計算されるフッ素原子数を、同様に測定さ
    れる炭素C_1_S原子数で割つた値である。 2)薄膜が、0.2≦α=F/C≦1.3かつ0.05
    <β=O/C≦0.35を満足することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のシート状構造物。 但し、βとはXPSにより測定される酸素O_1_Sの
    ピーク面積から計算される酸素原子数を、同様に測定さ
    れる炭素C_1_S原子数で割つた値である。 3)薄膜が、10%<A<70%、10%<B<35%
    、10%<C<35%、5%<D<30%および0%<
    E<20%を満足することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項又は第2項記載のシート状構造物。 但し、AはXPSにより測定される炭素C_1_Sの2
    85eV(エレクトロンボルト)付近にピークをもつC
    −Hに代表されるピーク面積を、C_1_Sの総ピーク
    面積で割つた値に100を乗じて%表示した値である。 Bは287±0.5eV付近にピークをもつC−CF_
    nに代表されるピークを同様に%表示した値である。C
    は289.2±0.5eV付近にピークをもつCF−C
    F_nに代表されるピークを同様に%表示した値である
    。Dは291.6±0.5eV付近にピークをもつCF
    _2に代表されるピークを同様に%表示した値である。 Eは293.8±0.5eV付近にピークをもつCF_
    3に代表されるピークを同様に%表示した値である。 4)薄膜が、(B+8)%>(C+3)%>D%>E%
    でかつB%>(E+6)%を満足することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項ないし第3項記載のシート状構造
    物。 5)樹脂層が、ウレタン系、アクリル系、塩化ビニル系
    、合成ゴム系から選ばれた1種の重合物よりなることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第4項記載のシ
    ート状構造物。 6)シート状構造物が下記の式を満足することを特徴と
    する特許請求の範囲第1項ないし第5項記載のシート状
    構造物。 y>−x+1400(x≧0、y≧0) 但し、yはJIS Z−0208法により測定したシー
    ト状構造物の透湿度(g/m^3/24h)であり、x
    はJIS L−1092法により測定したシート状構造
    物の耐水圧(mm)である。 7)分散染料によつて染色されたポリエステル繊維を1
    0重量%以上含む繊維構造物の少なくとも片面に樹脂加
    工して樹脂層を被覆したシート状構造物に、前記分散染
    料の溶解度パラメーターSP値より0.5(cal/c
    m^3)^1^/^2以上小さいSP値を持つフッ素化
    合物モノマーを使用して低温プラズマ重合加工を行ない
    、該シート状構造物の少なくとも片面樹脂層の表面に膜
    厚100〜10000Åの薄膜層を形成させることを特
    徴とする分散染料移行昇華防止効果の優れたシート状構
    造物の製造方法。 8)フッ素化合物モノマーがC_2F_4、C_3F_
    6、C_3F_8、C_4F_8、C_3F_6O、C
    _2H_4F_2から選ばれた1種であることを特徴と
    する特許請求の範囲第7項記載の分散染料移行昇華防止
    効果の優れたシート状構造物の製造方法。 9)低温プラズマ重合時に、フッ素化合物モノマーと水
    素または非重合性ガスとの混合ガスを使用することを特
    徴とする特許請求の範囲第7項または第8項記載の分散
    染料移行昇華防止効果の優れたシート状構造物の製造方
    法。 10)低温プラズマ重合を、電極が缶体に対して絶縁さ
    れた非接地式電極を有する低温プラズマ装置にて行なう
    ことを特徴とする特許請求の範囲第7項ないし第9項記
    載の分散染料移行昇華防止効果の優れたシート状構造物
    の製造方法。
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