JPS6245643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気カミソリのカツテイングシステム
に関する。

本考案の目的は、ヒゲの剃りのこしを無くし、
深剃りを可能ならしめんとするものである。

従来の電気カミソリにおいては、外刃は電気カ
ミソリ本体に固定され、内刃のみが往復あるいは
回転運動してヒゲを剃るというカツテイングシス
テムが用いられていた。この様な従来のカツテイ
ングシステムにおいては、外刃の刃穴が小さい場
合には長いヒゲ、ねているヒゲ、カールしている
ヒゲ等は刃穴の中に導入されにくく、従つてヒゲ
を剃りのこしてしまうという欠点があつた。ま
た、剃りのこしを少なくするために外刃の刃穴を
大きくすると、ヒゲだけでなく皮膚も一緒に刃穴
の中に入り皮膚も切られてしまうという欠点があ
つた。したがつて安全にヒゲ剃りを行なうために
は外刃の刃穴の大きさにはおのずと限界があり、
長いヒゲ、ねているヒゲ、カールしているヒゲ等
は剃りのこしてもやむを得ないものとしていた。
さらに、ヒゲを深く剃るには片手で皮膚を引張り
ながらヒゲを剃らなければならないという欠点が
あつた。

本考案は、外刃を本体ケースに対して往復に振
動させることにより、上述の従来の欠点を除去す
るものであり、その要旨は、駆動源が収納された
本体ケース７と、本体ケース７に対し左右移動可
能に配置され外刃１６を支持する外刃枠１５と、
外刃１６の内面に摺動する内刃９と、ケース７内
に支持固定された振動子軸４に回動可能に設けら
れその上方部が前記内刃９と係合し内刃９を左右
方向に振動させ前記振動子軸４の下方部が前記駆
動源により左右に振動される振動子５と、前記振
動子軸４の下方の前記駆動源に配置されたレバー
軸１１に回動自在に取り付けられ且つ前記振動子
軸４の下方で前記レバー軸１１の上方に位置する
振動子５に設けられた駆動ピン１２にその長穴１
３が係合して左右方向に振動され、かつ左右の腕
部１４，１４が外刃枠１５の両内壁と接触してい
る略Ｔ形レバー１０とを有することを特徴とする
電気カミソリである。本考案については以下図面
に示す一実施例に基づき詳しく説明する。

コイル１に交流商用電源を投入すると、固定コ
ア２は励磁されて交流の（＋）側、（−）側それ
ぞれの状態において可動コア３を引きつける。該
可動コア３は、振動子軸４を中心に回動自在な振
動子５に固着されている。スプリング６は、本体
ケース７内に配置された壁部８と振動子５の間に
挿入されており、固定コア２に引きつけられた可
動コア３を、磁束の少ない時には引きはなす作用
をする。したがつて、コイル１に交流商用電源が
投入され固定コア２が交流励磁されている状態で
は、振動子５が往復に回動するので、該振動子５
の先端に取り付けられた内刃９が往復に作動す
る。略Ｔ形をした駆動レバー１０は、前記振動子
軸４のはるか下方に配設されたレバー軸１１のま
わりに回転自在に取り付けられる。また、前記振
動子軸４と可動コア３の間で、振動子５から突出
した駆動ピン１２が駆動レバー１０の長穴１３と
上下方向にのみ摺動可能に嵌合する。略Ｔ形レバ
ー１０の腕部１４は、外刃枠１５の内壁と接触し
ており、該外刃枠１５は本体ケース７に対し左右
に摺動可能である。該外刃枠１５には外刃１６が
固着されている。

この様な構造において、いま内刃９が第１図に
おいて右側に振れたとすると、振動子５は振動子
軸４を介して回転するため、該振動子軸４より下
方にある駆動ピン１２は左側に振れることにな
る。該駆動ピン１２は駆動レバー１０の長穴１３
と嵌合しているので、駆動レバー１０はレバー軸
１１を中心に左側に振れる。この結果該レバー１
０の腕部１４は外刃枠１５の内壁を左側に押すこ
とになる。外刃枠１５は本体ケース７に対し左右
に摺動可能であり、外刃１６は該外刃枠１５に固
着されているので最終的には外刃１６が左側に振
れることになる。

同様に、今内刃９が左側に振れると外刃１６は
右側に振れる。

前記腕部１４の左右振動の軌跡は、駆動ピンと
レバー軸１１との間隔が長いので略水平である。
外刃枠１５は左右に摺動し上下方向には移動しな
い様にしておけば、外刃１６を水平に往復振動さ
せることが可能である。

以上のごとく、本考案によれば内刃９の振動と
たがいちがいになるごとく外刃１６を内刃と同じ
振動数で振動させることが可能となる。

今、外刃１６の振動する振幅をＷとして、ヒゲ
導入用刃穴１７の外刃往復振動方向とは直角方向
の長さをｈとすれば、外刃１６が振動することに
より刃穴１７は見かけ上Ｗ×ｈの面積を有するこ
とになる。刃穴１７の面積をＳとし、刃穴１７の
幅をＷとし、振幅Ｗをｗの数倍とすれば、見かけ
上の刃穴の面積がＳの数倍となることは明らかで
ある。

現実には面積Ｓは皮膚を傷つけることのない様
な大きさになつているが、本実施例のごとく外刃
を振動させることによりヒゲ剃り時にはＳの数倍
の面積でヒゲをひろうことになる。したがつて、
皮膚を傷つけることなく、剃り残しをなくした電
気カミソリが実現する。

また、外刃が振動することにより、外刃が部分
的にある瞬間皮膚を引つぱるのでヒゲを皮膚から
突出させることになり、より深ゾリの可能な電気
カミソリが実現する。

さらに本考案では、外刃１６と内刃９とをたが
いちがいに振動させている（内刃と外刃が同一方
向・反対向きに振動していることになる）ので互
いの振動が本体ケースに及ぼす影響を打ち消し合
つて、電気カミソリ全体の手に感じる不快な振動
減少に役立つている。

さらにまた、外刃１６と内刃９の相対的な動き
を加味すれば、外刃１６と内刃９がたがいちがい
にそれぞれ略同振幅で往復振動することにより、
それぞれの振幅が従来の略半分になつても外刃か
ら見た内刃の相対振幅あるいは内刃から見た外刃
の相対振幅は従来と同じであるので、もし今従来
と同じ振幅で内刃を振らせば略２倍の振幅を得た
と同様のヒゲ剃り効果が生じ、従来の略半分で内
刃を振動させれば従来と同様の剃り味でかつ本体
ケースの不快な振動音を半減することができる。

外刃の振動数・振幅については、本考案の目的
から見てどんな振動数・振幅であつてもかまわな
いことは明らかである。

外刃の駆動源と内刃の駆動源とは同一であつて
も別々であつてもかまわない。

本考案が外刃の動きを往復振動としたのは、外
刃を皮膚に押し当てたときに安定を良くするため
である。たとえば、回転式の外刃の動きを内刃の
回転方向と同じ向きあるいは反対向きに連続して
同じ向きに動かす、すなわち外刃も回転するとき
には、外刃を皮膚に押し当てると外刃と皮膚の摩
擦力によつて電気カミソリが皮膚面を大きく移動
してしまうから不安定になつてしまう。

本考安のごとく、外刃枠を往復駆動して外刃を
往復振動させる方法の他に、直接外刃を往復駆動
することであつても、外刃枠でない第三部材を介
して外刃を往復駆動する方式であつてもかまわな
い。又、外刃を往復動させる手段は、本実施例以
外のどのようなものであつてもよいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による電気カミソリの内刃を
示す略図。第２図は、外刃が振動したときの外刃
の刃穴が動いている状態を示す略図。であり、図
において ５……振動子、９……内刃、１０……駆動レバ
ー、１２……駆動ピン、１４……腕部、１６……
外刃、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動源が収納された本体ケース７と、本体ケー
   ス７に対し左右移動可能に配置され外刃１６を支
   持する外刃枠１５と、外刃１６の内面に摺動する
   内刃９と、ケース７内に支持固定された振動子軸
   ４に回動可能に設けられその上方部が前記内刃９
   と係合し内刃９を左右方向に振動させ前記振動子
   軸４の下方部が前記駆動源により左右に振動され
   る振動子５と、前記振動子軸４の下方の前記駆動
   源に配設されたレバー軸１１に回動自在に取り付
   けられ且つ前記振動子軸４の下方で前記レバー軸
   １１の上方に位置する振動子５に設けられた駆動
   ピン１２にその長穴１３が係合して左右方向に振
   動され、かつ左右の腕部１４，１４が外刃枠１５
   の両内壁と接触している略Ｔ形レバー１０とを有
   することを特徴とする電気カミソリ。