JPS5855796B2 - 電気カミソリ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気カミソリのカッティングシステムに関する
。

本発明の目的は、ヒゲの剃りのこしを無くし、深剃りを
可能ならしめんとするものである。

従来の電気カミソリにおいては、外刃は電気カミソリ本
体に固定され、内刃のみが往復あるいは回転運動してヒ
ゲを剃るというカッティングシステムが用いられていた
。

この様な従来のカッティングシステムにおいては、外刃
の刃穴が小さい場合には長いヒゲ、ねているヒゲ、カー
ルしているヒゲ等は刃穴の中に導入されにくく、従って
ヒゲを剃りのこしてしまうという欠点があった。

また、剃りのこしを少なくするために外刃の刃穴を大き
くすると、ヒゲだけでなく皮膚も一緒に刃穴の中に入り
皮膚も切られてしまうという欠点があった。

したがって安全にヒゲ刃りを行なうためには外刃の刃穴
の大きさにはおのずと限界があり、長いヒゲ、ねている
ヒゲ、カールしているヒゲ等は剃りのこしてもやむを得
ないものとしていた。

さらに、ヒゲを深く剃るには片手で皮膚を引張りながら
ヒゲを剃らなければならないという欠点があった。

本発明は、外刃を本体ケースに対して往復に振動させる
ことにより、上述の従来の欠点を除去するものであり、
以下図面に示す一実施例に基づき詳しく説明する。

コイル１に交流商用電源を投入すると、固定コア２は励
磁されて交流の（＋）側、（−）側それぞれの状態にお
いて可動コア３を引きつける。

該可動コア３は、振動子軸４を中心に回動自在な振動子
５に固着されている。

スプリング６は、本体ケース７内に配設された壁部８と
振動子５の間に挿入されており、固定コア２に引きつけ
られた可動コア３を、磁束の少ない時には引きはなす作
用をする。

したがって、コイル１に交流商用電源が投入され固定コ
ア２が交流励磁されている状態では、振動子５が往復に
回動するので、該振動子５の先端に取り付けられた内刃
９が往復に作動する。

略Ｔ形をした駆動レバー１０は、前記振動子軸４のはる
か下方に配設されたレバー軸１１のまわりに回転自在に
取り付けられる。

また、前記振動子軸４と可動コア３の間で、振動子５か
ら突出した駆動ピン１２が駆動レバー１０の長穴１３と
上下方向にのみ摺動可能に嵌合する。

略Ｔ形レバー１０の腕部１４は、外刃枠１５の内壁と接
触しており、該外刃枠１５は本体ケース７に対し左右に
摺動可能である。

該外刃枠１５には外刃１６が固着されている。

この様な構造において、いま内刃９が第１図において右
側に振れたとすると、振動子５は振動子軸４を介して回
転するため、該振動子軸４より下方にある駆動ピン１２
は左側に振れることになる。

該駆動ピン１２は駆動レバー１０の長穴１３と嵌合して
いるので、駆動レバー１０はレバー軸１１を中心に左側
に振れる。

この結果該レバー１０の腕部１４は外刃枠１５の内壁を
左側に押すことになる。

外刃枠１５は本体ケース７に対し左右に摺動可能であり
、外刃１６は該外刃枠１５に固着されているので最終的
には外刃１６が左側に振れることになる。

同様に、全内刃９が左側に振れると外刃１６は右側に振
れる。

前記腕部１４の左右振動の軌跡は、駆動ピンとレバー軸
１１との間隔が長いので略水平である。

外刃枠１５は左右に摺動し上下方向には移動しない様に
しておけば、外刃１６を水平に往復振動させることが可
能である。

以上のごとく、本発明によれば内刃９の振動とたがいち
がいになるごとく外刃１６を内刃と同じ振動数で振動さ
せることが可能となる。

今、外刃１６の振動する振幅をＷとして、ヒゲ導入用刃
穴１７の外刃往復振動方向とは直角方向の長さをｈとす
れば、外刃１６が振動することにより刃穴１７は見かけ
上ｗｘｈの面積を有することになる。

刃穴１７の面積をＳとし、刃穴１７の幅をＷとし、振幅
ＷをＷの数倍とすれば、見かけ上の刃穴の面積がＳの数
倍となることは明らかである。

現実には面積Ｓは皮膚を傷つけることのない様な大きさ
になっているが、本実施例のごとく外刃を振動させるこ
とによりヒゲ剃り時にはＳの数倍の面積でヒゲをひろう
ことになる。

したがって、皮膚を傷つけることなく、剃り残しをなく
した電気カミソリが実現する。

また、外刃が振動することにより、外刃が部分的にある
瞬間皮膚を引っばるのでヒゲを皮膚から突出させること
になり、より深シリの可能な電気カミソリが実現する。

さらに本実施例では、外刃１６と内刃９とをたがいちが
いに振動させている（内刃と外刃が同一方向・反対向き
に振動していることになる）ので互いの振動が本体ケー
スに及ぼす影響を打ち消し合って、電気カミソリ全体の
手に感じる不快な振動減少に役立っている。

さらにまた、外刃１６と内刃９の相対的な動きを加味す
れば、外刃１６と外刃９がたがいちがいにそれぞれ略同
振幅で往復振動することにより、それぞれの振幅が従来
の略半分になっても外刃から見た内刃の相対振幅あるい
は内刃から見た外刃の相対振幅は従来と同じであるので
、もし今従来と同じ振幅で内刃を振らせば略２倍の振幅
を得たと同様のヒゲ剃り効果が生じ、従来の略半分で内
刃を振動させれば従来と同様の剃り味でかつ本体ケース
の不快な振動音を半減することができる。

本実施例と異なって、振動子軸４に対し振動子５の上方
に駆動ピン１２を配設すると、外刃１６と内刃９は同方
向にして同じ向きに振れるが、外刃１６と内刃９の振幅
が異なるように振動させればヒゲ剃りを行ない、かつ剃
り残し防止効果および深シリ効果をあげることは可能で
ある。

さらにまた、本実施例では外刃１６の振動方向を内刃９
の振動方向と同一としたが（外刃１６の振動方向が内刃
９の振動方向と同一であっても、同じ向きと反対向きの
動きとして２種類の作動形式のあることは既に述べた通
り。

）、内刃の振動方向と略直角方向に外刃が振動するもの
であっても本発明の目的を達成できる。

尚、回転式電気カミソリにおいては、内刃の回転方向に
対し、同方向に外刃を振動させること（すなわち、外刃
上の任意の一点の振動による軌跡が円弧の一部となるよ
うな振動）でも内刃の回転軸と略直角方向であって、外
刃の構成する曲面（一般に球面）内で直線に振動させる
こと（すなわち、外刃上の任意の一点の振動による軌跡
が球面上の直線の一部となるような振動）でも本発明の
目的を達成する。

同一の電気カミソリで二つの異った剃り味を選択できる
という点から、外部操作によって外刃の振動の停止また
は駆動を任意に選択できるようにすると、より商品性の
高い電気カミソリが実現する。

外刃の振動数・振幅については、本発明の目的から見て
どんな振動数・振幅であってもかまわないことは明らか
である。

外刃の、駆動源と内刃の駆動源とは同一であっても別々
であってもかまわない。

本発明が外刃の動きを往復振動としたのは、外刃を皮膚
に押し当てたときに安定を良くするためである。

たとえば、回転式の外刃の動きを内刃の回転方向と同じ
向きあるいは反対向きに連続して同じ向きに動かす、す
なわち外刃も回転するときには、外刃を皮膚に打し当て
ると外刃と皮膚の摩擦力によって電気カミソリが皮膚面
を大きく移動してしまうから不安定になってしまう。

本実施例のごとく、外刃枠を往復駆動して外刃を往復振
動させる方法の他に、直接外刃を往復駆動することであ
っても、外刃枠でない第三部材を介して外刃を往復駆動
する方式であってもかまわない。

又、外刃を往復動させる手段は、本実施例以外のどのよ
うなものであってもよいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による電気カミソリの内刃を示す略図
。 第２図は、外刃が振動したときの外刃の刃穴が動いてい
る状態を示す略図。 であり、図において ５・・・・・・振動子、９・・・・・・内刃、１０・・
・・・・駆動レバ、１２・・・・・・駆動ピン、１４・
・・・・・腕部、１６・・・・・・外刃である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内蔵された駆動源の作用により駆動される内刃と、
   該内刃と協働してヒゲ剃りを行なう外刃とを有する電気
   カミソリにおいて、前記外刃を往復に駆動させ得る手段
   を有していることを特徴とする電気カミソリ。