JPS6244840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両等のブレーキ装置で使用される
タンデムマスタシリンダ用のリザーバに関するも
のである。

従来、この種のリザーバとして、タンデムマス
タシリンダの２つの液接続部に各々液連通して配
設され、少なくとも１つの液接続部に対する液連
通を、主体部から延出形成した連絡部を介在して
行い、連絡部には、当該連絡部を貫通して連絡孔
が設けられているとともに、該連絡孔の開口端を
盲栓にて封鎖したものがある。

ところが、上述のものでは、盲栓を単に圧入し
ているので、径時使用に伴い取付け状態が不安定
になり、液洩れを生ずるなどの問題がある。

本考案は、盲栓を連絡孔の開孔端に確実に配設
したタンデムマスタシリンダ用リザーバを提供す
ることを目的とし、この目的を達成するために、
前記連絡孔には、段部を介して開孔端に増径部を
形成し、前記盲栓には、前記増径部に嵌合する主
体部と前記連絡孔の段部を越えて連絡孔に嵌合す
る減径部とを前記段部に熔着される段部を介して
連設し、前記主体部の長さを前記増径部の長さ以
下としたものである。

そして、本考案は、上述の構成により以下のよ
うな効果を奏する。

盲栓を連絡孔の開口端に熔着したので、連絡
孔の封鎖と同時に、熔着部分により密封も兼ね
ることができ、部品点数を減少する。

盲栓と連絡孔とは、熔着される段部の両側に
おいて互いに嵌合するようになつているので、
熔融した材料が、これらの嵌合部間の隙間に充
満して固化するので、熔着による一体化構造の
強度を向上するのみならず、熔融材が、嵌合部
を越えて連絡孔内方に進入して異物になること
を防止し、作動液中に異物として浮遊すること
がない。

また、段部同士を熔着する際、段部の両側で
の嵌合によつて、段部同士が当接するときの案
内が行なわれ、段部同士が正しい方向から当接
しかつ熔着されるので、熔着が正しく行なわれ
る。

盲栓の主体部の長さを連絡孔の増径部の長さ
以下としているので、盲栓の配設後、連絡孔か
ら盲栓が突出することがなく、外力が作用して
も容易に脱落、損傷することがない。

以下、図示の実施例に基いて本考案のタンデム
マスタシリンダ用リザーバについて詳説する。

第１図は、本考案の一実施例であるタンデムマ
スタシリンダ用リザーバの側断面図である。

図において、リザーバは、全体として１で示さ
れ、このリザーバ１は、ほぼ円筒状を呈する合成
樹脂材料等より成る主体部２を備え主体部２の上
端部にはキヤツプ３が螺着してあり、キヤツプ３
と主体部２との間には低摩擦性のスライドリング
４とダイヤフラム５のビード部６とが挟持されて
いる。これらのキヤツプ３、ダイヤフラム５等の
部材は従来よりよく知られているものである。

主体部２の下部には、下端周縁に鍔部７を形成
した筒状の液供給部８が形成されているととも
に、周壁の一部から左方に延出する連絡部９が形
成されている。なお、１０は主体部２の底部から
上方に向つて形成した隔壁、１１は主体部２の底
部から下方に向つて形成した板状突起を各々示
し、突起１１は、リザーバ１を図示しないマスタ
シリンダのシリンダ本体に取付けるために使用さ
れ、ボルトが嵌合する孔１２を設けている。

連絡部９は、筒状に形成されており、当該連絡
部９を貫通して連絡孔１３が穿設されている。こ
の連絡孔１３の開孔端には、段部１４を介在して
増径部１５を設けている。増径部１５よりやや主
体部２側の位置で連絡部９の下部には、液供給部
１６が形成してあり、液供給部１６は、下端外周
縁に鍔部１７を形成した筒状を呈し、内孔は連絡
孔１３を介して主体部２内部に連絡している。な
お、１８は、図示しない密封部材の円盤状部分を
当接するための円盤状に形成した突部を示す。

こうした連絡部９の連絡孔１３の開孔端には合
成樹脂材料等より成る盲栓１９が嵌挿されてお
り、盲栓１９は、連絡孔１３の増径部１５に嵌合
する主部２０と、主部２０より突設し連絡孔１３
内で延在する減径部２１とを有し、主部２０の右
端は、連絡部９の段部１４の端面と熔着してあ
り、従つて、盲栓１９は連絡部９と一体化してあ
る。また、盲栓１９の主部２０は、熔着後主部２
０の左端面が連絡孔１３の開孔端と合致する長さ
以下の軸方向長さとしている。更に、盲栓１９に
は左端開口の凹所２２が設けられており、この凹
所２２の大孔部２３は、適当な工具を嵌合して盲
栓１９全体を回転可能とするべく、多角形形状と
されている。

以上の実施例において、盲栓１９の熔着は、以
下の如くして行なわれる。

すなわち、盲栓１９の凹所２２の大孔部２３に
工具を嵌入し、盲栓１９を連絡孔１３内部に向つ
て押しつけながら盲栓１９を回転させる。する
と、盲栓１９の主部２０の右端外面と、連絡部９
の段部１４の端面とが圧接するとともに、盲栓１
９の回転によつて摩擦熱が発生し、両者の接合部
分が熔融する。両者の接合部分が充分に熔融した
時点で盲栓１９の回転を止め、しばらくの間盲栓
１９を押圧しておくと、両者の熔融部分の熱が発
散し凝固し始める。その後、工具を凹所２２から
外し、リザーバ１４をしばらくの間放置しておく
と、熔融部分が完全に凝固し、盲栓１９は連絡部
９と一体化する。

このような上述の実施例では、盲栓１９を連絡
部９に熱熔着して一体化しているため、連絡孔１
３の開孔端の封鎖が行えるばかりでなく、熔着作
業は摩擦熱による熔着であるため、特に加熱装置
を必要とせず、盲栓１９を押圧回転させるという
簡単な作業で行えるものであり、また、開孔端を
封鎖するにあたつて熔着部分によつて密封を兼ね
ることができ、特に密封部材を使用する必要がな
く、部品点数が減少する。さらに、盲栓１９は連
絡孔１３内に全体を嵌挿し、外部に突出している
部分がないため、盲栓１９に外力に作用して熔着
部分が破損されるという問題がなく、例え熔着面
積が小さくとも充分に長期間にわたつて使用で
き、信頼性、耐久性がよい。

なお、本考案では、上述の実施例に限定される
ことなく種々の態様で実施可能である。

すなわち、盲栓１９と連絡部９との熔着部所
を、両者とも円錐面とし、円錐面同士を熔着する
例、また、凹所２２の形状を多角形とすることに
かえ、小孔を多数設け、工具にこうした小孔に嵌
合する多数の小突起を設けて、盲栓を回転させる
ようにする例等々挙げられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるタンデムマス
タシリンダ用リザーバの側断面図である。 １……タンデムマスタシリンダ用リザーバ、１
３……連絡孔、１９……盲栓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タンデムマスタシリンダの２つの液接続部に
   各々液連通して配設され、少なくとも１つの液接
   続部に対する液連通を、主体部から延出形成した
   連絡部を介在して行い、連絡部には、当該連絡部
   を貫通して連絡孔が設けられているとともに、該
   連絡孔の開孔端を盲栓にて封鎖したタンデムマス
   タシリンダ用リザーバにおいて、前記連絡孔に
   は、段部を介して開孔端に増径部を形成し、前記
   盲栓には、前記増径部に嵌合する主体部と前記連
   絡孔の段部を越えて連絡孔に嵌合する減径部とを
   前記段部に熔着される段部を介して連設し、前記
   主体部の長さを前記増径部の長さ以下としたタン
   デムマスタシリンダ用リザーバ。