JPS6244121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は吸気通路系が横向であるサイドドラフ
ト型気化器等に接続されるエアクリーナ装置の改
良に関するものである。

車両のエンジンに用いられる気化器は吸気通路
系が縦を向くダウンドラフト型が多く、これに接
続されるエアクリーナは内部のエレメントで囲ま
れるクリーンサイドの吸気空間の軸線が縦で、エ
アクリーナベースは気化器吸気通路上流端に略水
平に載置され、この上にドーナツツ状のエレメン
トを載置セツトし、上からカバーをかぶせ、従つ
てエレメント交換等のメンテナンスにおいてはエ
レメントをベース上にセツトするだけのため作業
が容易である。

かかる従来の型式は、エアクリーナが上方に配
設され、従つてエンジンルームを覆うボンネツト
のラインが高くなり、空力特性その他からボンネ
ツトラインを下げたい場合には気化器、エアクリ
ーナの配置、構造が複雑になり易い。

そこで気化器をその吸気通路が横向となる如く
サイドドラフトタイプを用い、エアクリーナをク
リーンサイドの吸気空間が吸気通路と合致する如
く横向とすることによりエアクリーナの上方への
突出量を抑制し、それによりボンネツトラインを
下げることができて好ましいが、その反面、エア
クリーナベースは略垂直となり、かかるベースに
エレメントをセツトし、カバーを組み付けること
はエレメントの支持がないため困難で、エレメン
ト交換時のメンテナンス作業がしにくいという不
利がある。そこでベース側にエレメント係止部を
設けることも考慮されるが、ベース側には吸気通
路への接続部、カバーを係止するための構造等が
設けられることを考えるとベースの構造が複雑化
すること、エレメントをベースに係止し、次にカ
バーを組み付けることにより作業手順が多くな
り、又狭い空間内でエレメント、カバーを順次組
み付けていくことは作業性の点で最良とはいい難
い。

本考案は以上のサイドドラフト型気化器に用い
られるエアクリーナの上記不具合を改善すべくな
されたものである。

本考案の目的とする処は、上記の如く吸気通路
が横向きをなすサイドドラフト型気化器にエアク
リーナベースを略垂直、即ち縦に設ける場合にお
いて、エレメントの取付作業を容易化し、エレメ
ント交換等のメンテナンス作業性を向上させ、以
上を狭小なスペース内で容易に行い得る如くした
エアクリーナ装置を提供するにある。

以上の目的を達成するため、本考案は略環状の
エアクリーナエレメントの外周側に吸入空間を、
内周側に清浄空間を形成するとともに、ベースに
エレメントを内装する如くかぶせられるカバーの
内頂部に該エレメントを係止保持する係止部を設
け、好ましくはベースにカバー側壁の係止部を設
けるようにしたことを特徴とする。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図はエンジンを含む車両前部の説明的側面
図を、第２図はエアクリーナの分解縦断側面図を
示す。

車両１の前部１０１に形成されたエンジンルー
ム１０２内にエンジン２を搭載し、エンジンルー
ム１０２は車室側１０３と隔壁１０４で区画さ
れ、エンジンルーム１０２上にはボンネツト１０
５が開閉自在に設けられている。エンジン２はエ
ンジンルーム１０２内に左右方向に設けられた横
置型で、フロントエンジン、フロントドライブタ
イプを実施例では示している。

エンジン２は既知の如くクランクケース２０
１、シリンダブロツク２０２、シリンドヘツド２
０３等からなり、シリンダヘツド２０３の後方に
吸気マニホールド２０４が設けられ、これの上流
端に燃料供給装置をなす気化器３がその吸気通路
を連通する如く接続され、吸気通路３０１は若干
前下傾する如くその軸線が略水平、即ち横向きに
設けられ、所謂サイドドラフト型の気化器が配設
され、吸気通路３０１の上流端は車両後方に向け
て開口されている。

かかる気化器３の上流端部３０２の端壁３０３
は第２図示の如く若干上前傾した略垂直面をなす
如く形成され、それにエアクリーナＡを取り付け
る。エアクリーナＡはベース部材４、フイルター
で構成されるエレメント５及びカバー６からな
る。

ベース部材４は図示の如く薄鋼板のプレス成形
や合成樹脂で皿状に形成され、縦に配設され、中
央部の座部４０１を前記端壁３０３に当接し、端
部３０２の一部に設けた取付ボス部３０４にボル
ト３０５をもつて中央部周辺を結合してベース部
材４を気化器端部に結着し、図中３０６は吸気通
路３０１上流端端壁３０３と座部４０１周辺部間
に介装されたシール用Ｏリングである。座部４０
１は気化器端壁３０３への取付上の考慮から上前
傾し、座部４０１の周辺部４０２は略環状にフラ
ツトに形成され、周辺部４０２の面は垂直に形成
されて、車両前後方向の長さを短くし、周辺部４
０２の端部には略環状に堤片４０３が折曲起設さ
れている。周辺部４０２の外辺部には複数の係止
片４０４を設け、係止片４０４は先部に外径方向
に膨出した係止部４０５を備え、係止部４０５に
繋がる本体４０６は横向きにベースから突設され
て小片をなし、係止片全体として板バネ機能を有
する。

エレメント５の本体をなすフイルタ５０１は略
ドーナツツ状をなし、フイルタ５０１の軸方向両
端部はチヤンネル状のリング状ホルダ５０２，５
０３で保持され、ホルダ５０２，５０３の軸方向
外表面の内径寄り部にはリング状のシール部材５
０４，５０５が貼着等されており、以上でユニツ
ト化されたエレメントを構成し、エレメント５は
内径部５０６が吸気通路３０１の軸線と略平行す
る如く内径部５０６が横を向くように取り付ける
ものとし、第２図の如き姿勢で取り付けられる。
このようにしてエレメント５の外周側に吸入空間
を、内周側に清浄空間を形成する。

カバー６は深さを有する帽状をなし、薄鋼板の
プレス絞り成形品や合成樹脂で成形され、略環状
の周壁６０１と、これの端部から内径方向に延出
された頂壁６０２とからなり、周壁６０１の外端
部には半径方向外方に折曲された略環状の堤部６
０３を備え、ベース部材４の周辺部外周寄り部に
堤部６０３を重ね合せたさいのシール面積を稼
ぎ、尚ベース部材の対向面には環状のシール部材
４０７が貼設されている。カバー６の頂壁６０２
の中央部には取付孔６０４を設け、これにシール
ラバー６０５を嵌着して結着ネジ部材である蝶ネ
ジ６０６を通し、一方、ベース部材４の中央部に
は吸気通路の軸方向外方に膨出した支持脚片４０
８に該ネジ６０６に対応するナツト４０９を固設
する。以上の支持脚片４０８とナツト４０９とで
螺合孔を有する被結着部を構成する。

以上のカバー６の頂壁６０２裏面の径方向中間
部には係止片６０７を固設し、係止片６０７は複
数設けられ、裏面方向に所定量突出し、中間部６
０８が半径方向外方に山型に突出し、バネ機能を
有する。

次にエアクリーナの組付手順を説明すると、第
２図の状態にあるカバー６から分離されたエレメ
ント５は、これをカバー６内に挿入し、内径部５
０６端をカバー６頂壁６０２裏面の係止片６０７
に当て軽圧入する。これにより内径部５０６端部
は係止片６０７の中間部６０８が接してこれの拡
開弾圧作用により保持されることとなる。即ちエ
レメント５はカバー６内にセツト状態で保持され
ることとなり、これを第２図に鎖線で示し、従つ
てベース部材４と隔壁１０４間の空間が狭くても
この間でエレメント５をベースにセツトし、又こ
れとは別にカバーをこの間に分離して臨ませ、組
付作業を行う必要がなく、外部でエレメント５を
予じめセツトしたカバー６を上記空間に臨ませれ
ば足りる。

エレメント５をセツトしたカバー６を縦にして
ベース部材４方向に運び、周壁６０１の内径部に
ベース部材４から突設した係止片４０４の係止部
４０５が弾性的に撓みつつ接し、堤片６０３をシ
ール部材４０７に当て、この状態でカバー６はベ
ース部材４に係止保持されることとなる。従つて
単純に押し込み作業で後は手を離すことができ、
爾後ネジ６０６の頭をつまんでこれをナツト４０
９に合わせ、ネジ締め作業を行うだけでエレメン
ト、カバーはベース部材に組付結着されることと
なる。エレメント交換等でカバー６を取り外す場
合は逆の手順を行えば良い。

以上実施例を詳述したが、カバー側の係止片は
環状であつても良い。さらにベース部材、エレメ
ント、カバーは夫々楕円形あるいは長方形状であ
つてもよく、該形状により高さ方向を低くでき、
中心軸線を、吸気管軸線より低く偏心させること
によつても高さ方向を抑制できる。この際係止片
４０４は単に位置決め及び脱落防止部材であつて
も良い。又実施例は車両のエアクリーナとして説
明したが実施の対象は任意であることを付言す
る。

以上で明らかな如く本考案によれば、吸気系を
サイドドラフト型とし、エアクリーナを前記の如
く配設することにより車両のボンネツトラインを
下げることが容易に可能となり、一方、上記に伴
うエアクリーナのエレメント、カバーのベース部
材への組み付け、分解はカバーへのエレメントの
保持が予じめ行えることにより車両の狭小なエン
ジンルーム内でのエアクリーナの組付、メンテナ
ンス作業が容易に、簡単になし得、エアクリーナ
に必要なエレメント交換等の作業性向上を図るこ
とができること、エアクリーナ後方のスペースが
上記により可及的に小さくでき、他のエンジン部
品のメンテナンススペースも充分に確保でき、車
両の小型化を更に図ることができること、更には
カバーをベース部材に組み付ける作業も容易、簡
単になし得ること、更に又以上を係止片を設ける
という簡易な構造で企図し得る等多大の利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両前部に搭載したエンジンの説明的
側面図、第２図はエアクリーナの分解縦断側面図
である。 尚図面中３０１は吸気通路、４はエアクリーナ
ベース、５はエレメント、６はカバー、６０７は
係止部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 軸線が横向きの吸気通路端部に固定されたエア
   クリーナベースと、略環状でその内・外周側に吸
   入空間と清浄空間とを形成するエアクリーナエレ
   メントと、該エアクリーナエレメントを前記エア
   クリーナベースに取付ける帽状のカバーから成る
   エアクリーナ装置において、 前記カバー内に前記エレメントを軸方向に挿入
   することによりその内周面を径方向に弾接して係
   止保持する係止部を一体的に設け、又エアクリー
   ナベース側にも前記カバーを軸方向に装着するこ
   とによりその内周面を径方向に弾接して係止保持
   する係止片を一体的に設け、前記カバー内に前記
   係止部を介してエアクリーナエレメントを係止保
   持した状態で更に前記係止片により前記エアクリ
   ーナベースに前記カバーを位置決めして係止保持
   し、エアクリーナベース側に形成される螺合孔を
   有する被結着部にカバー側に設けた結着ネジ部材
   を螺合してなるエアクリーナ装置。